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とても繊細で終始胸が締め付けられるほど切なくて涙が出そうになる1冊でした。
現代ではないにしても現実世界が舞台のリアルなお話だけどストーリー展開と健気で心根が美しい青年、意地悪な継母のような性根が腐った女性、なんでも持っていて傲慢な男というキャラクターがまさにタイトルの通り童話のような雰囲気がある作品です。
結局嫌味な女は成敗され、傲慢な男は改心し愛に目覚め、心根の美しい青年が救われ恋が実るというドラマティックでロマンティックな結末ですごく良かったです。
物語中旬まで切ないもどかしいムカつく〜でいっぱいだったのが最後に怒涛の種明かしと展開を迎え、すごくボリュームを感じつつあっという間に読んでしまいました。
まさしく『人魚姫』なお話。
受の道雄くんが不憫で不憫で……!
その彼が、王子様な城之内に、
惹かれ、憧れ密かに想いを募らせていくのですが、
誤解やすれ違いに読者ははらはらヤキモキさせられるのです!
途中『人魚姫』の原作のように、泡と消える恋なのか、
BLの王道を貫くのか、心配になりますが、
その辺は柏原が救ってくれます。
不憫受が幸せになる展開は嫌いではないのですが、
今回は道雄くんが徹底して可愛くていい子なのに、
城之内にいまいちスパダリ感が足りないのです!
私的にはその辺が物足りない!
同時収録の短編も、
後半の方にもうちょと盛り上がりがあると、
もっとすとんと溜飲が落ちる感じになるのなと。
どちらも前半とことん不憫な分、
後半はこんなに幸せになりました!vってところを、
もう少しガンガン見せつけてくれてもいいんですよ?
……って感じで、少々物足りない。
しかし決して読後感は悪くないし、
絵も可愛いと思うので、評価は「萌×1」で。
やっぱり神です。
これがARUKU ワールドか。。ARUKU先生の作品は4番目ですが、
やっぱり心臓が痛くなるこんな話、大好きです。切ないのに最後はハッピーエンドなのが胸がいっぱいになって最高すぎる。
最後まで本当に面白かった。でも二人が結ばれた次の話がもっと見たかったです。
それといつも思うけど受けが男の経験どころか、童貞なのがたまんない。。
攻めはもうあっても構わないけど、受けが純粋なのが萌える
絵も可愛かった。ねずみちゃんの泣き顔とか超かわいい
ゆきい先生とコラボした作品がまたあるらしいので読みに行きます。絶対好みだろうと思います。
まさに人魚姫ですね。
BLというより童話を読んでいるような気分でした。
どこまで受けが不幸に見舞われるのか。
遠く手の届かない攻めを慕い、毎日辛くて孤独に暮らし。傲慢な攻めには悪魔のようなお嬢様が近づいて。
攻めの友人に好かれ付き合うか?となるも事態が変わり。
人魚姫のように話せなくてもそばに寄り添い話を聞いて味方になって。角膜を提供しようと自殺まで試みて。
なのに悪魔のお嬢様の企みで窮地に陥り。
攻めの機転でやっと事態が好転し結ばれます。
しかし受けが不憫すぎる。
ダリアの恋
長男と下男の恋ですね。長男なのに結核を患い後妻に疎まれ腹違いの弟に家督を奪われ。
一心に尽くしてくれる下男は長男を救う為に大陸へ渡り。
数年後長男の家の会社を吸収して迎えに来てくれます。
こちらも受けが不憫です。不憫BLというジャンルがあったらARUKUさんは絶対入りそうですね。
ARUKUさんですねぇ。
作画を別の漫画家さんが担当されても、ARUKUさんの作られるお話には絶対的なARUKU感があると言いますか、読むとあぁARUKUさんのお話だなぁ!ってなるから凄いです。
さて本作ですが、
猿和香ちみさんの「いっそ声がなかったら」を読んで、そういやARUKUさんの作品にも【エリート×吃音青年】のお話があったなって流れで再読したんですが、こうして読み比べてみると、“古風”(ARUKUさん)と“今風”(猿和香さん)という感じのお二方の作風の差が何気にそのまま時代の流れを反映しているようにも思えます。
ARUKU作品で描かれるような不憫さって今の時代のアタマで読むと現実味のなさを感じるのですけど、でもこれを例えば30年前読んでたらどうかな?って想像してみると印象は結構変わる気がしてくるんです。
その要因が何なのかと考えてみると、昔は弱き者は弱きままでいるのが美徳のように教えられていたところがあったから、道雄(受)の健気さが美しく見えるし、傲慢な悠馬(攻)が目を怪我した途端に弱くなる姿もまた美しく見えていたんじゃなかろうかなと。
でも時代は変わって考え方も変わって、そんな押し付け糞食らえって反逆する人たちが増えて、自分もその1人だし、そうなると道雄の弱さからも悠馬の弱さからも途端に「美しさ」は消え去って、喝を入れたくなるような白々しい「弱さ」になってしまいます。
この作品だけを読んでいた時にはこの感想に辿り着けなくて、ハピエンなのになんだかスカッとしない曇り空のようなハピエンだなぁと感じながら読み終えていたのですが、猿和香さんの作品を読んだことで、あぁ多分自分的には悠馬と道雄にこちらの2人みたいになって欲しかったんだろうなと、ようやくモヤモヤの理由に辿り着けました。
ARUKUさんが道雄という吃音キャラを何故ここまで「弱い者」扱いするのか、ARUKUさんと私はおそらくそんなに年齢が変わらないだろうと思っておりますのでその理由は解らなくはないんです。
ですが、そこがもう時代錯誤に感じられるし、共感もしにくくなりつつあります。
ふと思いましたが、「人魚姫」がそもそも今の子供達の中ではディズニーの「リトル・マーメイド」に置き換わっているかもしれませんね。
“王子様のために泡になって消える”ってのがもはや伝わらなくなりつつある古い美徳の感覚なんじゃないかしら…。
完全にARUKUさんの作品として感想を書いてしまいましたが、作画者の雪居ゆきさんの絵が可愛らしくて好きです。
ARUKUさんの絵柄だと道雄はもっと悲壮な感じになっていただろうなぁ。
それはそれでこのストーリーの説得力にはなるに違いないと思うのだけど、雪居さんの可愛らしい道雄だったからこそ、なんでこんなにモヤモヤさせられるんだろう?と気付けたのかも。
あ、本作で当て馬として登場する柏原ですが、新刊「こんな悲しい恋をするはずじゃなかった」の主役なようで・・・しかもどうやら結構非道い男なようで・・・
こちらでは完全に良い人にしか見えず好きなキャラでもあるので、読もうかどうしようかめちゃくちゃ悩んでしまいます。。
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