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表題作俺の人魚姫

城之内悠馬,文具メーカーの次男で常務
杜松道雄,消しゴム工場の工員

同時収録作品ダリアの恋

泰二,笹岡家乳母の息子で使用人
笹岡蒼也,結核を患う、笹岡家の長男

その他の収録作品

  • 描き下ろし・後日談
  • あとがき(描き下ろし)
  • −電子限定描き下ろし−カラーイラスト1P

あらすじ

中学を卒業して以来、近所の消しゴム工場で働く道雄。彼は吃音のコンプレックスがあり、友人も作れずに孤独な毎日を過ごしている。唯一のあたたかい思い出は、昔、悠馬にいじめっ子から助けてもらったこと。悠馬は良い学校を卒業し、今やタイヨー文具の若き常務となった。工場に現れる悠馬を、道雄は時々遠くから見つめるだけ…。しかし工場ではストが起き、爆発騒ぎにまで発展、その事故によって悠馬は視力を失ってしまう。悠馬のことが心配でいてもたってもいられない道雄は、そっと悠馬に花を届ける。そんな「名無しの君」に悠馬は信頼を寄せ始めるが……。

作品情報

作品名
俺の人魚姫
作画
雪居ゆき 
原作
ARUKU  
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
スーパービーボーイコミックスDX
シリーズ
俺の人魚姫
発売日
ISBN
9784799726884
3.9

(107)

(45)

萌々

(27)

(26)

中立

(6)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
15
得点
417
評価数
107
平均
3.9 / 5
神率
42.1%

レビュー投稿数15

まるで一冊の童話のようなお話

とても繊細で終始胸が締め付けられるほど切なくて涙が出そうになる1冊でした。
現代ではないにしても現実世界が舞台のリアルなお話だけどストーリー展開と健気で心根が美しい青年、意地悪な継母のような性根が腐った女性、なんでも持っていて傲慢な男というキャラクターがまさにタイトルの通り童話のような雰囲気がある作品です。

結局嫌味な女は成敗され、傲慢な男は改心し愛に目覚め、心根の美しい青年が救われ恋が実るというドラマティックでロマンティックな結末ですごく良かったです。

物語中旬まで切ないもどかしいムカつく〜でいっぱいだったのが最後に怒涛の種明かしと展開を迎え、すごくボリュームを感じつつあっという間に読んでしまいました。

1

肌に合うか合わないか

まさしく『人魚姫』なお話。

受の道雄くんが不憫で不憫で……!
その彼が、王子様な城之内に、
惹かれ、憧れ密かに想いを募らせていくのですが、
誤解やすれ違いに読者ははらはらヤキモキさせられるのです!

途中『人魚姫』の原作のように、泡と消える恋なのか、
BLの王道を貫くのか、心配になりますが、
その辺は柏原が救ってくれます。

不憫受が幸せになる展開は嫌いではないのですが、
今回は道雄くんが徹底して可愛くていい子なのに、
城之内にいまいちスパダリ感が足りないのです!
私的にはその辺が物足りない!

同時収録の短編も、
後半の方にもうちょと盛り上がりがあると、
もっとすとんと溜飲が落ちる感じになるのなと。

どちらも前半とことん不憫な分、
後半はこんなに幸せになりました!vってところを、
もう少しガンガン見せつけてくれてもいいんですよ?
……って感じで、少々物足りない。

しかし決して読後感は悪くないし、
絵も可愛いと思うので、評価は「萌×1」で。

3

ARUKU先生、天才ですか?

やっぱり神です。
これがARUKU ワールドか。。ARUKU先生の作品は4番目ですが、
やっぱり心臓が痛くなるこんな話、大好きです。切ないのに最後はハッピーエンドなのが胸がいっぱいになって最高すぎる。
最後まで本当に面白かった。でも二人が結ばれた次の話がもっと見たかったです。
それといつも思うけど受けが男の経験どころか、童貞なのがたまんない。。
攻めはもうあっても構わないけど、受けが純粋なのが萌える
絵も可愛かった。ねずみちゃんの泣き顔とか超かわいい
ゆきい先生とコラボした作品がまたあるらしいので読みに行きます。絶対好みだろうと思います。

1

不憫な人魚姫

まさに人魚姫ですね。
BLというより童話を読んでいるような気分でした。

どこまで受けが不幸に見舞われるのか。
遠く手の届かない攻めを慕い、毎日辛くて孤独に暮らし。傲慢な攻めには悪魔のようなお嬢様が近づいて。

攻めの友人に好かれ付き合うか?となるも事態が変わり。
人魚姫のように話せなくてもそばに寄り添い話を聞いて味方になって。角膜を提供しようと自殺まで試みて。

なのに悪魔のお嬢様の企みで窮地に陥り。
攻めの機転でやっと事態が好転し結ばれます。
しかし受けが不憫すぎる。

ダリアの恋
長男と下男の恋ですね。長男なのに結核を患い後妻に疎まれ腹違いの弟に家督を奪われ。
一心に尽くしてくれる下男は長男を救う為に大陸へ渡り。
数年後長男の家の会社を吸収して迎えに来てくれます。
こちらも受けが不憫です。不憫BLというジャンルがあったらARUKUさんは絶対入りそうですね。

0

傲慢王子様×吃音の人魚姫

ARUKUさんですねぇ。
作画を別の漫画家さんが担当されても、ARUKUさんの作られるお話には絶対的なARUKU感があると言いますか、読むとあぁARUKUさんのお話だなぁ!ってなるから凄いです。

さて本作ですが、
猿和香ちみさんの「いっそ声がなかったら」を読んで、そういやARUKUさんの作品にも【エリート×吃音青年】のお話があったなって流れで再読したんですが、こうして読み比べてみると、“古風”(ARUKUさん)と“今風”(猿和香さん)という感じのお二方の作風の差が何気にそのまま時代の流れを反映しているようにも思えます。

ARUKU作品で描かれるような不憫さって今の時代のアタマで読むと現実味のなさを感じるのですけど、でもこれを例えば30年前読んでたらどうかな?って想像してみると印象は結構変わる気がしてくるんです。
その要因が何なのかと考えてみると、昔は弱き者は弱きままでいるのが美徳のように教えられていたところがあったから、道雄(受)の健気さが美しく見えるし、傲慢な悠馬(攻)が目を怪我した途端に弱くなる姿もまた美しく見えていたんじゃなかろうかなと。
でも時代は変わって考え方も変わって、そんな押し付け糞食らえって反逆する人たちが増えて、自分もその1人だし、そうなると道雄の弱さからも悠馬の弱さからも途端に「美しさ」は消え去って、喝を入れたくなるような白々しい「弱さ」になってしまいます。

この作品だけを読んでいた時にはこの感想に辿り着けなくて、ハピエンなのになんだかスカッとしない曇り空のようなハピエンだなぁと感じながら読み終えていたのですが、猿和香さんの作品を読んだことで、あぁ多分自分的には悠馬と道雄にこちらの2人みたいになって欲しかったんだろうなと、ようやくモヤモヤの理由に辿り着けました。
ARUKUさんが道雄という吃音キャラを何故ここまで「弱い者」扱いするのか、ARUKUさんと私はおそらくそんなに年齢が変わらないだろうと思っておりますのでその理由は解らなくはないんです。
ですが、そこがもう時代錯誤に感じられるし、共感もしにくくなりつつあります。

ふと思いましたが、「人魚姫」がそもそも今の子供達の中ではディズニーの「リトル・マーメイド」に置き換わっているかもしれませんね。
“王子様のために泡になって消える”ってのがもはや伝わらなくなりつつある古い美徳の感覚なんじゃないかしら…。


完全にARUKUさんの作品として感想を書いてしまいましたが、作画者の雪居ゆきさんの絵が可愛らしくて好きです。
ARUKUさんの絵柄だと道雄はもっと悲壮な感じになっていただろうなぁ。
それはそれでこのストーリーの説得力にはなるに違いないと思うのだけど、雪居さんの可愛らしい道雄だったからこそ、なんでこんなにモヤモヤさせられるんだろう?と気付けたのかも。

あ、本作で当て馬として登場する柏原ですが、新刊「こんな悲しい恋をするはずじゃなかった」の主役なようで・・・しかもどうやら結構非道い男なようで・・・
こちらでは完全に良い人にしか見えず好きなキャラでもあるので、読もうかどうしようかめちゃくちゃ悩んでしまいます。。

【電子】シーモア版:修正白抜き(表題作は修正なし)、カバー下なし、裏表紙なし、電子限定特典(カラーイラスト)付き

1

とても古風な恋物語。

最近のBLとは一線を画す、とても古風な物語だと思いました。
時代感もそうですが、労働組合がストライキを活発にしていたりするところを見ると70年代頃か。事件が起こりますが、それも時代感を感じます。
吃音を気にして、引っ込み思案になっていて、貧しい孤児、道雄。話をすることが困難なところがさながら人魚姫。けれど彼はとても優しい心を持っている。
彼にとっての王子様は近所に住む、金持ちの息子、悠馬くん。幼い頃一度だけいじめっ子から助けてくれた、それからずっと憧れて、好きで。でも叶わぬ恋だと知っている。

本家、童話の人魚姫のように。とても切ないです。
「人魚姫は愚かだと思っていた。王子なんか殺してしまえばいいのに。
…でも違うな。たとえ自分はその場にいなくても、好きな人が幸せならいいんだ。
それが片想いの答えだ。」
ただ、作者は小さなハッピーエンドを用意してくれています。
盛大に鐘は鳴らないし、プリンセスになるわけでもないけれど。地味な生活を続けていくだけ。
ただ想い合って、側に居られるというだけで。小さな火が灯るように。

同時収録の作品も戦中戦後の頃の田舎が舞台で、やはりとても時代感を感じるショートストーリーです。病(結核、というのも時代ですね。)に伏しながら健気に生きる蒼也さま。
使用人だった泰二がちゃんと約束を果たして迎えに来る姿に涙。
どちらも切なくて優しい童話のようなラブストーリーでした。

0

まさかARUKU先生の絵を恋しく思う日が来るとは・・・。

誠に失礼ながら、ARUKU先生の絵柄が好みじゃないというか、苦手でした。
なんか動きもカクカクしているし、表情も浄瑠璃人形みたいだな・・・っていつも読みながら思っていました。
(ARUKU先生、ファンの皆さま方 酷いこと言って本当に申し訳ないです)
他のレビュアーの方々の中にARUKU先生の絵だったら・・・というレビューをされていらっしゃるのを以前から散見していましたが、自分がこの作品を読むまでは、かなり半信半疑でした。
しかし、この作品を読んでいて知らず知らずに脳内でARUKU先生の絵を思い求めて、脳内変換している自分に気づいてビックリしました。
パラダイムシフト的な衝撃。先のレビュアーの方々、疑ってごめんなさい。本当でした。

雪居ゆき先生の絵はとても可愛いし、綺麗だし、表情もとても繊細に描かれています。文句ないです。こちらの方が一般受けするのは確かです。
・・・でも・・・・受けの道雄が可愛い、可愛いすぎる。こんなに可愛いのに何故、そこまで皆から邪険にされるのか判らない。そして非常に上手に描かれている故に全体のムードが現実的というか、健全すぎるというんでしょうか。
ARUKU先生だったら道雄がもっと影が薄くていかにも薄幸で、それゆえ全体が非現実的な不幸感がもっと漂っていただろうなと思ってしまいました。

さてお話ですが、道雄(受け)が王道をいく不幸キャラです。これが人魚姫に相当します。
ボロ家育ちで小さい頃からいじめられ、中卒後、文具メーカーの消しゴム工場で黙々と歯車のように働く。おまけに吃音持ちだから誰ともうまく話せないし、諦めている。そして周囲もその存在を無視している。

そんな彼の心を温かく灯すのは、悠馬(攻め)の存在だけ。
小さい頃、いじめっ子から助けてもらったたった一度きりの出来事を大切な思い出として心にしまっている。
そして、時々彼を見かけても声が出なくてひっそりと見つめるのみ・・・・。

本当にこの道雄がいじらしくて健気なんです。攻めの悠馬のためなら、命を捧げても惜しくないと思っているのに、その見返りは求めていない。
スムーズに喋ることができないから、周囲から濡れ衣を着せられても弁明もできない。童話の人魚姫とうまく重ねていて、さすがARUKU先生だと思います。

王子様役である悠馬は社長の息子だけあって俺様キャラでして、残念ながら私には最後まで魅力が判りませんでした。
だから読んでいる途中、彼に魅力に感じる事ができないので、なんで道雄はこんな悠馬のことを一途に好きなのか、という大前提すら忘れてしまいがちでした・・。
指輪を探してもらって、道雄の家に押しかけてきた時のセリフは酷いと思う・・なんでこの人はこういう傲慢な喋り方しか出来ないの?何はともあれまずはお礼でしょうがっ!と喝を入れたくなりました。
最後まで基本的に俺様でしたし、悠馬が道雄の事をちゃんと好きだという事をエッチシーン以外の表現で読みたかったです。
当て馬の柏原のほうが、遙かに魅力的で、彼のセリフに心動かされる事しばし。悠馬は柏原と付き合ったほうが幸せになれると個人的には思いました。

道雄のキャラと切ないストーリーは間違いなく神なのですが、どうしても悠馬<柏原が魅力に感じてしまって、最後まで悠馬の良さが判らなかったので、本当に残念なのですが神よりの萌萌です。

私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews

で教えていただいたのがこちらの一冊。
ずーっと読もうかどうか迷っていたこちらの作品の読むきっかけを与えてくださり、本当にありがとうございました。教えていただかなければ一生読む機会がなかったと思いますので、深く感謝しております。

3

神マンガ

内容が人魚姫とリンクしていていい。
道雄の一途な想いが恋する乙女ですごくカワイイ!
自分は好きな人を見てるだけでいいという謙虚なところもカワイイ!!
最後まで結末が分からなくてハラハラ、ドキドキするマンガ。
道雄のセツナイ恋に泣くこと間違いなし❗️

7

その不憫さ、本物の人魚姫です。

物足りないと評価している方もいると思いますが、自分のツボなので神評価です。
ちょっと傲慢なセレブ攻め×貧乏で不憫で健気な受け
王道ですねwww ありがちな話ですが、漫画は小説とは違って、絵で表現する細やかな表情と雰囲気がすごく大事だと思うのです。
受けが吃音で話さない分、その一つ一つの表情がとてもキュンときました。
笑いながらも悲しさと寂しさが滲み出るのがたまらないです。私は雪居先生の絵に心が打たれました。
ストーリー自体の表現も好みです。人魚姫の話に絡んで、ところところで出来くる比喩が独特な雰囲気を作っているのがすごいなと思いました。
受けが不憫すぎてイライラしちゃうという声もありましたが、人魚姫ってそういう感じでしたからね。そこまで不憫だと本物の人魚姫みたいだなと感心しちょうね。
切ない!!とキュンキュンしたい時は絶対この漫画を読み返ししたいだろうな。
あとは当て馬の男があまりにもいい人で、逆に彼が主役でも喜んで読みますぐらいです。彼が主役のバージョンも読みたくなっちゃうね。

13

物足りない

すごく切なくて、いい話なんだけど終わり方がすごく物足りなかった。
攻の気持ちが気の迷いで受とエッチしてるのか好きって気持ちでエッチしてるのかわからなかった。なんかこれって攻は受のことが好きでいいんだよねって思いました。
もっと攻の受に対する気持ちをちゃんと書いて欲しかったです。
なんかモヤモヤした最後ですっきりしなかった。
これがしっかりしてたら神評価だったんだけど。

受が不憫で、攻に近づいてくる女と結婚式まで話が進むから、終始イライラ。
だからもっと攻が受を好きって気持ちを書いてくれてスッキリ読み終えたかった。
本当にそこだけが残念です。
続きがあるならすごく読みたい気持ち。
受の吃音の症状がよくなるのか気になるし、柏原のことも気になります。

6

ARUKUさんはARUKUさんなんだなあ。

ARUKUさんが大好きですが、別の方の作画なので買うの悩んでいました。
やっとこ買いましたが、うーん。
矢張り、ARUKUさんの話はご本人の絵じゃないとしっくりこないかも。
あの絵はかなり癖があって正直好きな絵からは外れるのですが、ARUKUさんの話にはあの絵じゃなきゃダメみたいです。
とても綺麗な絵で丁寧なのですが、滲み出る不幸感がないのですよ。
今風の綺麗な絵だとあと一歩がこないですねえ。惜しい!!
作画の方が悪い訳では決してなくて、この方のオリジナルも読んでみたいです。
お話はARUKUさん王道のセレブ攻め×不幸で貧乏な受で、受けが健気でたまらないです。当て馬もいい人だったなあ。
ただARUKUさんの女子は絵に描いたように悪い子が多いので、もっと普通でもいいんじゃないかしらねえ。
まあ、ライバルはとことん悪い方が、罪悪感がなくていいっちゃいいんですけれど。

ダリアの話も良かったですが、こ、これは着物の作画が(汗)
皆が襦袢着てないのが、とても気になりました。

6

原作と絵柄の関係

以前からARUKU先生のファンなのですが、大変失礼ながら、もうちょっと一般受けする絵柄だったらもっと人気が出るんじゃないかなーなんて今まで思っていました。たぶん出版社さまも同じ考えだったのではないかと思います。
それが浅はかな考えだったということが、今回の本でわかりました。
いや、いい話なんです。ARUKU先生の原作はもう間違いないし、絵柄は可愛いし、受けが健気でうるっときそうになりました。でも、もしこれがARUKU先生の絵だったら「神」評価をつけていたと思います。

消しゴム工場で働く受けと、その工場を所有する文具会社の息子であり常務である攻めの話です。
受けは子供の頃、悪ガキにいじめられていたところを攻めに助けてもらったことがあり、それ以来ほのかな恋心を抱いています。人見知りな上に吃音がある受けは、工場で攻めと顔を合わせることがあっても会話をかわすこともなく、ただ遠くから眺めているだけ。
そんなある日、工場でストが起こり、攻めが目を負傷して失明してしまいます。再び視力が回復するかどうかもわからない攻めのところに何度もお見舞いに行く受け。吃音があるのでほとんど口をきいたりもしないのですが、その優しさと温かさに、攻めも無意識のうちに顔の見えない受けに惹かれていきます。しかし攻めは別の女性と結婚することになり、受けは受けで慰めてくれた攻めの友人と付き合うことになります。

誤解や感情の行き違い、攻めの婚約者の存在などから、人魚姫の話のようにすれ違う2人です。
攻めのためならなんでもできる、という受けの無償の愛が美しく、切なかった。
こんなに可愛い受けなのに、どうして吃音があるくらいで工場の人に邪険にされるんだろう、と疑問に思いました。絵柄が綺麗だからなおさらそう感じたのかもしれません。私が同僚なら可愛がるのにな。
最初は興味本位で受けをかまっていたのに、いつしか本気で受けに惹かれていく攻めの友人がいい男でした。こっちと付き合った方が幸せになれるよ受けくん! とつい思ったりしました。

11

切なさはお墨付きです

ARUKUさんの新刊!と思って楽しみにしていましたが、作画は違う方ということでいつもよりも満足度が少なく感じられました。雲居さんのイラストも綺麗で申し分ないのですが、やっぱりARUKUさんのあの独特な絵が大好きなので…。

お話は、期待を裏切らずに切なくて不憫で、いつものARUKUさんです。
イヤな女性も登場するし(本当にイヤな性格してます)、当て馬くんの存在は悲しくなるし。
無事にハッピーエンドになった時にはホッとしたけど、自分的には当て馬くんと幸せになってほしかった…と、ストーリーの中で一番当て馬くんが好きだったのでモヤモヤしました(それじゃハッピーエンドじゃないって分かってるんだけど)。
でも、切なさは童話の人魚姫のように、お墨付きの1冊で面白かったです。

4

あの独特の絵が恋しい

ARUKUさんのファンなので、買いました。

お話の内容はARUKU色がしっかりと感じられるもので、私は好きです。
絵も綺麗だし、受はとっても健気でかわいらしいし、良かったのですが・・・
やっぱりあのARUKUさん独特の絵じゃないと物足りないような。

最初はすごく抵抗があった絵柄なのに、気づけば独特の味わいに惹きつけられる、そんな魅力がありますよね、ARUKUさんの絵って。

いつものARUKUさん色ガッツリの世界観なのに、なんだろう・・・
いつもより悲壮感が漂ってこない。

今回の作画の方の絵も本当に可愛らしいし綺麗なんだけど、ARUKUさんの世界はやっぱりARUKUさんの絵で表現した方が、より深みが出るような気がしました。

11

無償の愛

ARUKUさんのファンです。原作がARUKUさんという事で手に取りました。主人公に悲しい事が起きたり、身分差などARUKUワールドが展開されています。
主人公は貧乏で、学歴もなく家族もいない、その上吃音でほとんど他人とは口を利かない。だから誤解もされている不憫のかたまりのような男の子(ねずみ、と呼ばれている)。片恋の相手は隣の家(豪邸)の文房具会社の御曹司。この悠馬が好青年ならまだ救いがあるというのにさすがはARUKUさん、こいつが実にイヤな金持ちのドラ息子。物語は更にねずみ君に不幸の追い討ちをかけてきます。
今回は作画がARUKUさんではないのでいつもと雰囲気が変わり、ねずみ君が追い詰められていく過程が上記でいうようには過酷に見えません。可愛い健気な男の子が可哀想な目にあってる、くらいな感じです。そのせいか、ラストまでいっても明確なカタルシスが感じられないような気がしました。
一応ハピエンなのですが、よく考えると何も解決していないような…。

「ダリアの恋」
戦時中のお話。主従関係で切ない物語。
攻めは下男、受けは商家の長男、でも肺病病みで父の後妻に疎まれている。
ある日下男に赤紙が来て……。
短編で、筋書きは途中でも想像できる話でしたが、しっとりとした味わいのある物語でした。

8

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