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表題作ハニーソルトアンドビターシュガー

谷豊,高校3年生→探偵
川野総悟,コミュ障の高校1年生→花屋

その他の収録作品

  • special. Canola Flower(描き下ろし)
  • カバー下:あとがき(描き下ろし)

あらすじ

川野はコミュ障で友達がいない高校生。人と関わらないように生きていたけれど、偶然出会った上級生・谷との交流を通して前を向き、同時に谷に心惹かれていく。少しずつ距離を縮めていく2人だが、谷には幼なじみの想い人が居て・・・デビュー作の人気キャラを描くスピンオフ!!

作品情報

作品名
ハニーソルトアンドビターシュガー
著者
ソライモネ(あびるあびい) 
媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
シリーズ
それでも恋する迷探偵
発売日
ISBN
9784864422291
4.3

(68)

(30)

萌々

(31)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
15
得点
292
評価数
68
平均
4.3 / 5
神率
44.1%

レビュー投稿数15

もっとずっと読みたい

最高!
大好きな作家さんです。
『それでも恋する迷探偵』のスピンオフ作品で、
主人公・瞬の幼馴染・谷がメインのお話です。

とにかく切なくて、キュンとして、素晴らしかったです。
あびる先生の絵柄とストーリーがマッチしていて、
特に総悟の可愛さが際立っていました。

コミュ障・総悟の初恋相手が谷で、
谷は舜がずっと好きでした。
高校生の時は瞬が好きだという理由から、
総悟は谷に振られてしまいます…

8年経って偶然に再会し、
再燃する総悟の谷への思い。
他に誰も好きになれないまま大人になった総悟が好きになるのは、
やっぱり谷でした。

とにかく総悟が可愛くて健気です。
振られてしまった時は一緒に泣きました。
初恋を実らせ谷が総悟と一緒にいたいと言ってくれた時には、
心からほっとしたものです。

とにかく、一途で純情な総悟に萌えまくりです。
谷が総悟を選んでくれて本当に良かったです。
最高の読後感でした!

0

素直な子の純愛は辛い

 『それでも恋する迷探偵』にも登場した谷が攻めとなって登場し、警部補として登場した川野の弟の総悟目線で、彼が谷への想いを募らせていく様子が描かれていました。谷はずっと瞬を好きだったようで、それは総悟と深く付き合うようになってからも変わらず、最後の方までかなり切ない物語となっています。谷は瞬では埋まらない寂しさを総悟で埋めているわけではないし、ちゃんと総悟には総悟の魅力を感じて付き合っているのだろうけど、総悟の気持ちを考えると途中までその態度をなかなか受け入れ難かったです。

 谷が過ごしてきた時間の長さも瞬と総悟とでは雲泥の差があるし、そんなにすんなり総悟に情を移せるとは思いません。でも、総悟の気持ちを知った上で彼の誕生日を祝うため植物園まで訪れて、瞬からの電話1つで総悟を置いて去ってしまう谷は、本当に酷いなぁと感じてしまいました。再会してからも、結局また総悟の方から告白しますしね。会わなかった間、谷が総悟を探していたわけでもないので、私にはずっと総悟の気持ちの方が大きいように思えてしまいました。もちろん、だからこそリアルでもあるのだけど。総悟が頑張った分、これからは瞬が羨ましく感じるくらい、谷が総悟を大事にしてくれることを願っています。

0

求めていたBL…!

前作未読です(読んでいなくても特に支障はなかったように感じました)。
こちらの作品はいわゆる全員片思い状態からはじまります。川野(受け)→谷(攻め)→瞬(攻めの幼馴染)→??
『好きな人には好きな人がいました』系と言いましょうか…それだけでもとても好きなシチュエーションなのですが、今作の魅力はなんと言っても受けの川野くんがとにかくかわいいこと…!
全身全霊で初恋をする川野くんに、谷くんが揺れ動く姿が良い!何度も川野くんに期待をさせちゃう谷くんを『川野くんを弄びやがって谷のヤロー』と思うか、幼馴染への諦めきれぬ片思いを抱える谷くんに共感できるかどうかで評価が別れるかなと思いました。
植物園でのシーンは辛いですが、とても好きです。谷くんとの関わりが川野くんを精神的に成長させてくれたのは確かなので、お互いの気持ちに整理をつけるためにも学生時代には一度離別して、インターバルがあったのはすごく良かったと思います。

ちょっと時間はかかったし、辛い思いもしたけど、初恋が実ってよかったね川野くん…谷くんもきっと幸せにしてくれるでしょう。あの日の全身全霊で恋をしていた川野くんのように、否、それ以上の愛情をもって谷くんには川野くんを大切にしてあげてほしい…!
迷い無く神評価で、これが私の求めていたBLだ…!と思いました。

2

健気で一生懸命な受けに涙。。

スピンオフだそうですが、前作未読です。
まず絵柄がとても個性的でスタイリッシュでオシャレ。
そしてキャラの表情づくりが本当にお上手でぐぐぐっとストーリーに引き込まれました。
コミュ障で花に話しかけちゃう受けが、2個年上の攻めに出会って初めての恋をして。
もーこの受けがめちゃめちゃ可愛くて真っ直ぐでこんな風に好きって言われたらほだされちゃうよーとキュンキュンさせられました。
そしてそれぞれの片想いが痛いほど切ない。
私は報われないけどいいヤツな間男ポジが好きなので、主人公の親友で何をしても何だかんだずっと側にいてあげちゃう存在にすごく萌えますが、本人からしたら相当辛いんだよね。。と改めて実感。。
受けみたいなイイコを傷付けるなんて、攻めの鬼悪魔!っと思わないでもなかったですが、攻めには攻めの苦しみがあってしょうがないんですよね。。
一度は振っちゃった分、大人になって受けのことデロデロに甘やかして大切にしてあげてほしいです。

1

総悟の純情、谷の献身

「それでも恋する迷探偵」のスピンオフです。
わたしはこちらを先に読んでしまったので、「たぁにぃー!このやろー!」と思いましたが、その後前作も購入して読んでみても、谷への評価はあまり変わりませんでした(・_・;

総悟はコミュ障をこじらせて、茶髪にピアス盛り盛りという「ひとを寄せ付けない」方向に迷走してしまった高校生。
花だけが友達、と言い切る総悟のオアシス・第二体育館裏で谷と出会います。
ただ長年のコミュ障の悲しさで、うまく接することができません。
「人間と違って花はやさしい」という総悟に「おれも人間だけど」と言いつつ、ふつうに接してくれる谷。
もっと会いたい、話したい、と総悟が初めて思った相手なのですが…。

もう総悟に感情移入しまくりですよ。
本当に引き込むの、うまいですよね。
谷と会うことで「友達」というものを意識し始め、谷の恋を通して「大事」というものを知る。
子どもが新しいことを覚えていくように、素直に急速に総悟のこころも育っていきます。
読んでる間中、目の奥がジンジンして心臓もぎゅうぎゅうなるし、痛いところだらけで苦しい。
10年後に兄の友人として再会した谷の誕生会の辺りで完全に涙腺崩壊しました。
今回久々に読み返したのですが、何度読んでも一回目に読んだときと同じ反応をしてしまう。
慣れません。
そういう作品って本当に貴重だと思うのです。

谷は総悟サポーターとして見たらほんっとうに酷いやつ。
だけど谷自身も切ない立場なんですよね。
それだけに谷のあほ!とは言い切れず。
むしろこの作品を読んで感じたやるせない気持ちは全部瞬のどうしようもなさに責任転嫁しようかな、と思えるような。

ぜひご一読ください。
絶対に後悔はさせません。
まだ読んでいないという方は、読んだら「この本が出版されてから3年2ヶ月も経つのに、わたしは何をしていたんだ!」と地団駄を踏むこと請け合いです。

あびるさんの絵はすごく独特で、わたしはかなりツボです。
毎回表紙のセンスに痺れますが、本作はその中でも特にぎゅんぎゅんきました。
総悟、もう泣かないでね。

1

「かわいいあなた」これだけで充分です

小さな頃から人と話すのが苦手で、コミュ障になってしまった総悟。高校ではクラスメイトに話しかけられないように髪を染めて、ピアスをあけて不良ぶります。

使わなくなった体育館の裏で、野花に話しかける日々。小さな花だけがともだちでした。その秘密の花園に突然現れた先輩の谷。踏まれたたんぽぽを助けるために、彼に話しかけたことで総悟は変わりはじめます。

谷の後押しで花屋でバイトをはじめて、少しずつ谷に思いを募らせていく総悟が知ったのは、谷の視線の先にいる「大事なともだち」瞬の存在でした。

報われない思いを抱えて「ともだち」として瞬の側にいる谷は、総悟のこともかわいいと思うようになります。その総悟に告白されて、まずお互いのことを知っていこうと谷は提案し、2人は距離を縮めていきます。

結局、彼氏に殴られてボロボロに傷ついた瞬が谷を頼ってきて、谷は瞬の側にいることを選び、総悟の初恋は終わります。

10年後、瞬と同じ探偵になった谷と花屋になった総悟は偶然再会します。
10年間誰も好きになれなかった総悟は、また谷を好きになってしまいました。昔の辛い記憶から一度は立ち止まってしまいますが、あの野花たちに背中を押され、勇気を出して谷に気持ちをぶつけます。


最後まで総悟視点で進むので、谷の気持ちがわかりにくいのですが、何度も読み返して一人称の違いに気がつきました。

谷は瞬に対しては「俺」
総悟に対しては最初「オレ」ですが、
砂浜で総悟に告白されてからはずっと「俺」です。
ただし、植物園で「瞬が好きだ」と言った時だけ「オレ」に戻ります。

再会後、総悟には「俺」で川野兄には「オレ」。総悟のことは「変わんねぇな」と言っていたし、10年経ってもやっぱりかわいいと思っていたのでしょうか。

瞬を選んだ時に、小学生の泣いている瞬と手を繋いでいる谷が出てくるので、あの時は傷ついてまた泣いている瞬の手を離せなかっただけかなと思いました。

「谷のおかげだ」と言って笑顔を見せた総悟に、顔を赤くして総悟の頭を撫で回した谷はきっと総悟が好きだったと思いたい!

結局、あの頃と変わっていない総悟を谷もまた好きになっていたのかな。
前作「それでも恋する迷探偵」で、松田と瞬の仲を取り持っているし、安心できる相手に瞬を任せることができてやっと手を離せたんだと思います。
だからこそ、総悟と再会して、今度こそ「好きだ」と言ってくれたはず!

とにかく最後まで総悟がとてもいい子だったので、癒されるお話です。

各話のタイトルが花の名前だったので、花言葉も調べてみました。
一番好きなのはブルーデイジーの「かわいいあなた」
見つけた時はどきどきしました。
ほんとうに総悟にぴったりです!
この花を選んだ谷、やっぱりあの時から好きだったんでしょう。谷の気持ちがこもってますよね。


1.Dandelion
愛の神託 真心の愛
2.Clover
わたしを思って
3.Blue Daisy
純粋 かわいいあなた
4.Pansy
もの思い わたしを思って
5.Re-Dandelion
愛の神託 真心の愛
special.Canola Flower
快活 明るさ 小さな幸せ

ついでに誕生日の花も意味がありそうだったので調べてみました。
総悟の誕生花【朝顔】
はかない恋 愛情 固い絆
最初の恋ははかない恋だったかも
はかない恋よりは愛情の方がしっくりきます

谷の誕生花【アセビ】
犠牲 献身
まさしく谷っぽい!

目次と5話の後に、各話のタイトルの通り花たちが描かれていますが、とまっているてんとう虫がすごく嬉しいです。
てんとう虫は「幸せを呼ぶ虫」らしく、色々なラッキージンクスがあるそうです。
これからは総悟が絶対幸せにしてもらえますように!

3

花好きで心優しい男の子の恋物語

コミュ障ゆえ人から話しかけられないように髪を染めてピアスをあけて不良ぶっている総悟だけど、本当は花が大好きな心優しき青年。いつも一人ぼっちで、花が咲いているお気に入りの場所、体育館裏で花相手に語りかけるだけで満足していたのですが、ある日、そこで上級生・谷と出会ってしまいます。

花にしか上手く喋ることができない内気な総悟が、初めて人間(谷)に興味を抱き、花屋でバイトを始め…勇気を出して谷に想いをぶつけるまでになって、と一歩一歩成長していく様子がとても愛おしい。

しかし谷には幼馴染の想い人・瞬がいて、瞬の気持ちが自分にないことは知っていながら瞬を選び、総悟を振ってしまいます。

そして十年後に再会…。
十年後は総悟にコミュ障の面影はなく職場の人ともやり取り出来ていて、好きだったものを職業にして(花屋)と成長ぶりが嬉しくなります。イケメンにはなってるし、なのに相変わらず心優しくてピュアだし一途だしと絵に書いたようないい子。

谷については会わない十年間の間に、総悟を振ったことを後悔した事があったのか、再会後好きだといつ認識したのかという事が判らなかったので、再会後、総悟から再び告白されなかったらどうしたんだろう?とちょいと受け身なのが気になりました。少しでも攻め視点があったら良かったかも。

総悟が花好きということで各エピソードのタイトルが1 Dandelion、2 Clover、などと花にちなんだものになっていて、その花々を使って彼の純粋で心優しい一面を実に上手に読み手側に見せてくれるのです。ここがとてもいいなぁと思いました。

私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのが、こちらの作品です。「VIVA LA VIDA!!」もそうでしたが、あびるあびいさんにはまりそうです。

教えてくださりどうもありがとうございました。

1

花と、それを囲ったふたりの話。


最っ…高でした…。購入してからというもの、前作『それでも恋する迷探偵』も好き過ぎた所為なのか、その前作でブァッ‼︎と恋してしまった川野さんが受け…?;;かと心配していたもののどうやらその川野さんの弟くんが前作ではいいキューピッドとなった?(笑)谷さんのお相手ということで読むの勿体ぶってしまったのか…いちねんごし、年の瀬にやっと読め。。
2016年最後の日に、この1冊でよかったーと思える物語でした。
何がよかったのかというと、川野さんの弟…総悟くん(受け)が、初めて会った時2コ上で高3だった谷さん(攻め)のことを好きになっていく様子が目に映えて判る解る……。総悟くんがドキッてなる時、そっか、ここで…こういうことがあったから…ってこちらまでどきどきして。ストーリー性も◎な上でですが。一応再会ラブですが、過去が半分と少しを占めています。だからかな、純粋な総悟くんの好きが映えたのかな。
あと何が好きかっていうと、割と王道っぽい総悟に対して、谷さん。高校生時総悟の友だちがいなくて…設定に対してキラキラどうにかしてあげたい!でもなく大丈夫だよ!でもなく笑 あの時の谷さんは谷さんで、その時一番大切だったものをどう自分の手の中で護るか護ろうか、必死で。
だからこそひとつ見たかったなーと思うのが、再会後、やっぱり好きだって総悟がなったように、谷さんにもそういう瞬間がほしかった…。谷さんが総悟と会わなかった間に、というか会わなくなって少しとか暫くたってからすぐ総悟のことを想い出してばかりでいつの間にか心の大半を占めていたのが総悟だった…けどもう傷付けた、って感じで会わなくなってから総悟のことが好きだった〜なら解るのですが。いつ、「好きだ」に繋がったのかなって!!!!木になる……笑
そして
初回封入ペーパーがめちゃもえだからもういいや……

花に話し掛ける総悟くん、とてもかわいかったです、ごちそうさまでした。

3

出会い別れ再会

コミュ障な総悟が谷に惹かれていく気持ちはよくわかる。そして谷も総悟を気に掛ける気持ちもわかる。ただその間に1人の人物・瞬がいただけなんだよね。その人物のせいなわけではないけど、谷の気持ちも定まらないままの取りあえずは友達付き合い。そして最終的には瞬を取ってしまう谷。だって小3からみてるわけだから、いくら総悟がいい子でも、ここで簡単に2人がくっついてたら面白くない。切ないけどね。そして10年後の再会。うん、やっぱりあの別れがあったからこそのいまって感じで、余計に感情移入しちゃった。いい人過ぎるんだろうね谷って。

1

エゴン・シーレがポップでキュートなBLと出会った

花は人間とちがって 何でも聞いてくれるし… やさしいし きれいで…つよい!

「それでも恋する迷探偵」のスピンオフです。前作も読んでますが、私としてはこの「ハニーソルトアンドビターシュガー」の方が好みでした。
と言うのは、主人公の総悟が好ましい!出だしは、変にこじれちゃったコミュ障君そのものだったけど、単に極端な人見知りで植物やお花が好きな優しい子だというのがすぐにわかるから。隠れ場所で上級生の谷に出会って、自分を変な目で見ない彼に心を開かれていく。そこから総悟の谷への告白までの流れが上手いなあ。告白を受けて谷は「お前と一緒にいれば瞬への気持ちも変わるかもしれない」とお友達からスタート。私的にはコレも良かった。谷だってまだ高校生だよ。ズルくないズルくない。
だけど総悟は誕生日デートで失恋し、さて10年後。再び出会う二人。
10年後の総悟はコミュ障から脱却し花屋さんになって、人への気配りもできるオシャレ男子になって、でも恋をするのが怖くなって。それでもまた谷に恋する総悟がいい!「なんで…なんでまた…お前なんだよ」
ゴチャゴチャ考えつつも母校の隠れ場所で変わらず咲いていたタンポポに背中を押され、また谷への気持ちと向き合う総悟。総悟くん、強い!きみも花のようにつよいよ。
そして。
書き下ろし『Canola Flower』菜の花?
二人の初H。総悟ははじめてで。谷はびっくりしちゃって。「むしろ初めてが全部谷でオレ嬉しいよ…」こんな言葉を言える総悟、きみってホントに。やさしくてつよい!!

4

健気で一途なお花ちゃん

話しかけられなくてすむように茶髪にピアスで不良ぶっている、コミュ障の高校一年生受け。花が好きで、体育館裏の草花とたわむれていたら、ある日そこで三年生男子・攻めと出会う。コミュ障ながらも攻めに少しずつ惹かれていく受け。しかし攻めには、何よりも大事に思っている友達がいた。

『それでも恋する迷探偵』という単行本のスピンオフだそうです。
前作未読でも理解できましたが、読んでいた方がより楽しめたかと思います。
攻めが大事に思っている友人以上の存在になれず、初めての恋に破れた受け。そして10年後再会したとき、攻めは探偵、受けは花屋の店員になっています。
相変わらず攻めのそばには大事な友人がいて、前作の主役だそうですが前作読んでいないので友人邪魔すぎてイライラします。(笑) 受けは健気で一途で、コミュ障なのにここぞというときには頑張れるいい子です。それに引き換え、攻めがどっちつかずでやっぱりイライラ。
もうちょっと攻めがザマァ見ろな展開になってほしかった気もします。正直この攻めにこの受けはもったいない。

2

初めては全部

『それでも恋する迷探偵』のスピンオフ。
前作はゆるい探偵事務所物って雰囲気でしたが、今回は高校時代がメインなので事務所や事件自体はほぼ皆無。
前作受け(瞬)の幼なじみで、探偵事務所所員の谷が今回の攻め。
そして前作で登場した刑事の弟で、谷の高校の後輩である総悟が受けです。

いわゆるコミュ障を悩む高一の総悟が、友達という心地良い存在や恋を知った初めての相手が先輩の谷でした。
ただ高校時代(というか昔から)谷は瞬が好きで、彼の最優先はつねに瞬。
そのことに表面上は納得していたものの、やはり谷の一番になりたかった総悟は告白し結局振られてしまいます。
それから10年。谷以外を好きになれずに過ごした総悟は、兄経由で偶然谷と再会することに…

この作品は総悟の『初めて』を中心に出来ていて、人を好きになることも切なくて涙することもキスもセックスもすべて、総悟の初めては谷とともにありました。
そこがすごく可愛かったです。
谷は結果、総悟の懸命さや純粋な真っ直ぐさに惹かれたのだろうと思いますが、その移り変わる気持ちが明確には表現されていないのが残念かなあ。
小説の行間を読むという雰囲気で描かれた漫画ですし、視点がほぼ総悟なので仕方ないとも言えますが。
多少、谷視点でも描かれていたら違ったかなとも思います。
個人的には前作よりも好きです。
谷も独特なキャラでカッコ良いですし、総悟は総悟で「はじめてなんだもん」とか可愛すぎるんですけど!

しかしちるちるさんの作品紹介で瞬が男といるシーンがありまして、わたしそれを前作の攻めだとばかり思っていました。
違いましたねー(汗
てっきりアレは10年後のことだとばかり思っていて、松田(前作攻め)大人になって…ホロリ…、なんて感動したというのに(苦笑

5

俺、全部初めてが谷で良かったって思うよ...

あびるさんの繊細な感情表現が織りなす
純愛に胸キュン、涙ホロっでした

コミ障の総悟は
派手な容姿に隠した内向的で繊細な性格で
お花だけがお友達でした
いつもの学校裏でたんぽぽ踏んでた谷に
必死の思いで注意したのが切っ掛けで
交流が始まる二人
次第に谷だけには心を開ける総悟
恋とは?友情とは?
友達もいなかった総悟には自分の気持ちなど
わかるはずもなく...

でも、谷には幼馴染で想い人の瞬がいました
谷の瞬への思いと聞いて「俺じゃ駄目か?」と
抱きつく総悟
そんな総悟を愛しく思いだす谷
互いを知ろうと交流を深める二人

総悟の誕生日を二人で過ごすはずだったのに
瞬が顔を腫らして谷のマンションへ来ていた
そんな瞬を放おっておくことが出来ない谷
身を引く総悟

俺って谷のなんだろう、と自問する総悟
その疑問を谷へぶつけた時
「俺は瞬が好きだ...」
と告げた谷
初めての失恋、失意、総悟は恋が出来なくなりました

それから10年後縁あり出くわす二人
気まずい中、やはり谷が好きな自分に気づく総悟
「こんな想い他の誰にも感じたことなかった...」
意を決して谷の誕生日会に行くことにした総悟
しかし、仕事が押して間に合わない
着いたら会はお開き「待ってる」と言った谷もいないじゃん...と総悟
でも、居たんです、谷
そんな谷へ好きと告白する総悟
あんな酷い事した俺でもいいのか?と問う谷
「俺は谷ならどんな奴でも好きになるよ」
この総悟の一言でえーん(泣)でした

描きおろしのラブくてエロい二人がたまらんのです
総悟の一途で真っ直ぐで純真な想い
谷の優柔不断に見えるかもしれないけど、
迷って選んで決断した優しさ
大好きな二人でした
純愛っていいなぁ
再読してより一層好きになりました
あびるさんの作品のもう一つの楽しみは
キャラの服装&髪型がめっちゃお洒落な事です!!
いつ見ても真似したくなるセンスの良さでした
家に置いて疲れた時に癒やされようと思う一冊です

5

ノックアウトされた感じ

「それでも恋する迷探偵」のスピンオフ作品で、
その松田×榎本瞬の同僚で、瞬の友人の谷がこの本の攻め(表紙右)。

「それでも恋する迷探偵」を読んでいなくても、
というか、読んでいない方が、
え!?どうなるの??とドキドキできるかも。
わたしは「それでも恋する迷探偵」は既読なんですが、
もうかなりうろ覚えになっていたので、
緊張感を味わいながら読んで、それもあってすごくトキメキました♪


コミュ障で人と上手く話せず、
友達は植物だけ…という高校生が主人公(受け・表紙左)。
攻めがタンポポを踏んづけているのを勇気を出して注意して、
それがキッカケでふたりは仲良くなり、
受けは次第に攻めに惹かれていって、同時に世界が広がっていく。
でも攻めは、友人の瞬(「それでも恋する名探偵」の受け)相手に、
報われない片想いをしていて…

とにかく、この本はキャラの表情や空気感がとても素敵。
胸を焦がして恋をしている顔って、
こんなに愛しいんだな…って感じます。

スタイリッシュな絵柄ですが、植物がいっぱい出てくるし、
攻めも受けも弱さを持った人間味のある人として描かれているので、
あたたかな印象に仕上がっていて、そんなところもすごく好み。

高校時代は、受けの攻めへの想いは報われないのですが、
攻めも、攻めの想い人の瞬も、皆がもがきながらも恋に懸命で、
その不器用さが切なくも愛おしく感じました。

もし、お互いのことを知ろう…じゃなくて、
お試しに付き合ってみよう…ってなっていたら、
その後に受けじゃなくて瞬を選んだ攻めにイラッときたと思うけど、
攻めはずっと瞬への想いを受けにも隠さず言っていたし、
そのあきらめの悪い一途さが、反対に好ましいくらいに感じました。
そんな攻めだから、
ちゃんと気持ちを決めたら受けのことも、
ずっとずっと大事に、ほんとに幸せにしてくれそう。
単純なわたしはそう思ってしまったのですが、少数派かな?(^_^;)

どちらも互いの存在に救われているのとか、
でも、それぞれの頑張りと決意で成長していっているのとか、
一緒に草花を大事にしてる、その雰囲気とか、すごく好きです。
そして何より、ふとした時の攻めの谷の表情が、堪らない…!!

特別珍しいお話では決してないのですが、
とてもピュアであたたかな、愛しい恋のお話でした。
神寄りです☆

※ 封入ペーパーが入っていない本があるようです。
 東京漫画社さんが、お問い合わせ後に送ってくれるそうなので、
 もし入っていない方がいましたら、連絡してみて下さい。
  http://tokyomangasha.com/20151026.html

5

スタイリッシュ純愛

『それでも恋する迷探偵』のスピンオフ。
前作受けの幼なじみで同僚の谷(攻め)のお話ですが、主人公は谷ではなくお相手の総悟(受け)です。

あらすじ:
コミュ障の高校生・総悟(受け)は、体育館裏に咲く花だけが日々の話し相手。
上級生の谷(攻め)と仲良くなり惹かれていくが、彼は幼なじみの瞬(前作受け)に片想いしており…

総悟の10年越しの片想いがとにかく切なくていじらしいお話。
絵柄はスタイリッシュですが、ストーリーは特に軽妙洒脱でも粋でもありません。
探偵仕事が物語のアクセントになっていた前作と異なり、本書は本当にオーソドックスな片想い物。

総悟は、不良っぽい見た目(周囲に話しかけられないための武装)とは裏腹に、中身はとてもピュア。
総悟に背中を押してもらったことで、花屋のバイトを始め、クラスメイトとも少しずつ話せるようになり…
ゆっくり成長し、その過程で谷に好意を抱き、ストレートにその想いを伝える様が本当に可愛らしいです。

谷は、曲者っぽい外見とは裏腹に、意外と優しくてお人好しな人物。
瞬に「お前は大事な友達だから」とフラれてからも、何かと彼の世話を焼いています。
しかし谷自身も、総悟の告白に対し"友達"から始めようとはぐらかすズルい一面も。
総悟と過ごしていても、男関係でトラブった瞬に呼ばれたらホイホイそっちに行ってしまう等、煮えきらないヘタレな一面も目立ちます。

結局、谷の瞬への気持ちは変わらず、総悟は失恋。
10年後、二人は探偵と花屋として再会します。
総悟が谷のことを今でも好きだと自覚し、再び告白するまでの流れは恋の切なさやときめきに満ちており、とても惹き付けられました。

逆に、谷の気持ちは掴みづらいです。
総悟に再び告白されての返事が
「こんな俺でもまた選んでくれるなら」
って、最後の最後まで受け身。
彼自身の意志が見えず、お人好しな面ばかりが目立っていたのが残念でした。

ちなみに瞬の人となりは詳しく描かれないので、前作未読だと瞬が勝手な奴に見えてしまうかも?
現在の谷の瞬への気持ちもよく分からず、そういう意味では前作への依存度が強いスピンオフです。

絵は本当に素敵で、特に10年後イケメンに成長した総悟のヴィジュアルは必見。
この見た目で「…だって …はじめてなんだもん」は反則すぎますw

総悟→谷、谷→瞬の報われなさにフラストレーションが溜まる展開だっただけに、描き下ろしにはもう少しサービスが欲しかったかな。
「今度は絶対幸せにする」で終わるのではなく、実際に幸せになったところが見たかったです。
『それでも恋する~』の続編で、この二人も少しは登場してくれるといいなと思います。

5

この作品が収納されている本棚

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