逃げるか堕ちるかふたつにひとつーーー。

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表題作スピンアウト 上

巽将貴,会社員,社長子息のお目付役
三木蓉介,ネイリスト

その他の収録作品

  • スピンアウト#2.5(幕間)(描き下ろし)

あらすじ

会社員の巽は社長子息の涼馬のお目付役としてストレスの多い日々を送っている。穏やかな表の顔の一方で、巽は美しく妖艶な男・三木とのSMプレイを楽しんでいたが、謎の多い三木との逢瀬を重ねるうち、三木への執着を深めていく。そして、巽に執着する涼馬は、ホテルへ向かう巽をストーカーし、三木との関係を知ってしまい!?

作品情報

作品名
スピンアウト 上
著者
国枝彩香 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
シリーズ
スピンアウト
発売日
ISBN
9784801953901
4

(81)

(35)

萌々

(22)

(18)

中立

(2)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
12
得点
319
評価数
81
平均
4 / 5
神率
43.2%

レビュー投稿数12

どSの心理がよくわかる

上巻のみの感想です。
どSとどMのセフレの関係。
暴力描写が控えめではありますが、少し怖い場面がありました。
でも三木が気が強くて、その行為に興奮するということなのでまだ見られます。
何より巽のモノローグがわかりやすい。
普段は常識人な秘書でありながら、秘められたSっ気に目覚めて自覚しているのがよくわかります。
三木のことを性癖が一致しただけの関係と割り切りつつ執着していることも伝わる。
三木の心のうちがわかりませんが、巽の嫌なところは拒絶するし、悪くないと思うところは笑ったり、態度に出ているのでモノローグが必要ないのかな。

それより涼馬が不気味です。
巽が気になるのはわかるけど、ストーカー行為をして巽に電話までするかねと。
ストーリーを動かす役割ですね。

0

SとかMとか関係なく

先が気になって、ページをめくるのすらもどかしい!
もはや自分が萌えているのか、単純にこの無様に絡まった糸がどう解れていくのかを見届けたいだけなのか、分からなくなっていました。

大企業の社長の運転手をしていた父が亡くなり、社長宅に引き取られた巽。
社長には2人息子がいて、長男は社長に似て横柄。
使用人としてこき使われる巽に懐いてきた次男の涼馬は、愚鈍でピュア。
数年後、次期社長として育てられた長男が亡くなって、急遽社長候補となった涼馬。
ことあるごとに引きこもる涼馬のお目付役として、ストレスを溜めていた巽が出会ったのは、三木という怪しい男で…。

受けへの愛情を感じられないS攻めは苦手です。
それなのに、なぜかそこまで嫌悪感なく読み進められました。
巽の幹に対する酷い仕打ちよりも、先が気になって!

巽の中にある嗜虐性は、愚鈍な涼馬のそばにいたせいなのか。
年齢はわからないけれど、あまりに幼く甘ったれな涼馬を見ていると苛立つのはものすごーーーく分かります。
だけどそれと同時に巽は涼馬に対する庇護欲も感じていて、そういう涼馬に対するどろどろした感情の捌け口として三木を利用するわけですが、三木自体がミステリアス過ぎて、先が読めない!

巽の中に生まれてきた三木への執着と、涼馬の巽に対する独占欲のようなものも見えてきたところで上巻終了。
早く下巻を!!
という気持ちになるので、必ず上下巻揃えてからお読みください。

さて、早く下巻を!!

3

妖しさから現実へ

国枝先生によるダークでヘヴィな作品。
ですが、今までのいわゆる「国枝スタイル」的なダークさとは種類が違うと感じた。
これまでの国枝先生のダーク系は、ベースが耽美というか。そして哀しみがある。
しかし、本作には耽美の匂いは無いですね…
そして、はっきりとした暴力。
それはプレイとしてのSMの陰に隠れて、日頃抑えつけているイラつきを発散させる行為としての。
そこに哀しみや情緒は感じられません。
これらを受ける「受け」も今までの国枝先生の受けとはタイプが違います。
妖しい笑みを浮かべる妖艶でしなやかな受けではない。はっきりと怯えや怒りや肉体的な痛みを感じている。
事後には楽しんだような素振りは見せるけれど、絶対に楽しんではいない。
そして、1人無垢っぽい存在がいます。
これまでなら彼は何かの救いになる。だけど、本作では彼が何か凶事の原因になりそうな予感…

下巻に続く。

2

性癖にハマれば最高

ジェットコースターのような展開と、まるで綱渡りをしているかのような不安定な関係。

上では巽と三木の関係が変質していく様子が描かれているだけですが、非常に先の展開が気になる上手い構成になっています。

痛いセックスの描写も多く、それも愛情なんてないような、読む人を選ぶ作品であることは間違いないでしょう。

しかしながらダークで痛々しく、ぐちゃぐちゃでドロドロな物語が大好きな私にとって最高の作品です。

プレイ自体もあまり酷すぎると感じるようなレベルではないと私は感じました。

もし、私と好みが被っている人ならば非常に楽しめる作品になっていると思います。

ただネタバレになってしまうようですが、これだけは言わせてください。甘々でハッピーな展開を求める人には絶対に向いていない。王道とは離れた、路地裏のような物語です。

4

意外と涼馬が一番喰えないのかも

 痛い系と聞いて構えて読み始めましたが、プレイ自体は確かに暴力的な雰囲気もあるものの、まだそこまで鬼畜さは感じませんでした。攻めの巽が、悪い人にはなりきれないだろうなというのが分かるからでしょうかね。そして、情事中に手酷く扱われても終わるとケロッとしていたり、生首を描いた絵画を鑑賞して薄笑いしたりするような受けの三木。彼の方もその謎めいた部分に気味悪さを感じることもあるものの、一方で巽が度が過ぎた行為に走ると普通に怯えたりもするので、狂気だけしか持ち合わせていないわけでもなさそうです。

 巽も三木も、ある時には相手を苛つかせ、ある時には相手に出し抜かれ、まだどちらが一枚上手とも言えないような関係性にあるように感じました。巽が秘書として守る対象の涼馬に抱いている感情は、好意なのか、苛立ちから来る嗜虐的な気持ちなのかもはっきりとは分からず。この物語がどんな方向に進んで行くのか今は見当もつきません。それぞれ心に何か良からぬものを抱えてそうなので、それらが露わになった時、どんな結末が待っているのか非常に楽しみです。

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