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表題作眠れる王子と召使い

シバ・シンイチ、人嫌いで頭脳明晰な男
タキ・ヒロシ、召使いの高性能アンドロイド

同時収録作品愛と密室。つまりは愛で

夕陽、大学生
市丸、同級生

同時収録作品ペルセウス流星群

同時収録作品あぶない勧誘会

その他の収録作品

  • 愛の話(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

シバは天才工学者である父譲りの頭脳を持つが人嫌い・文明嫌いの偏屈な少年。「感情をもつギミック」のタキと暮らしているが…!?

作品情報

作品名
眠れる王子と召使い
著者
日高あすま 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス・リンクスコレクション
発売日
ISBN
9784344835634
3.8

(11)

(4)

萌々

(2)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
41
評価数
11
平均
3.8 / 5
神率
36.4%

レビュー投稿数2

心を与えられたアンドロイド

近い将来に、実際に起こりそうなSFファンタジーでした。
人造の「物」に心が無いとして、ゴミ扱いできなくなる時代が到来するかも。
ちょっと前まで、動物に心が無いと獣医師のテキストにも記載があったくらいです。人が作る定義は、分からないモノを「無い」と定義するのは世の常です。人が都合よく生きる為の便宜です。
精密精工になって便利を追求していくほど、アンドロイドを使い捨てにできなくなるこの話は、現実味を帯びて感じます。というか、今から考えておかなきゃいけないことかもしれない。
不死のアンドロイドに人生の選択権を与える=自死する権利を与えた主人公。不死とは、一人で生きていくこと。
心を持つと、アンドロイドでさえ、愛する人が居ない独りぼっちを選べない。
---
主人公の父親が作った精密なアンドロイドは、1体だけ心を持たせていた。それを「不完全品」と称して手元に置いて、売らなかった。
主人公は、天才児で有名。でも父親の仕事が嫌い。母親が出て行ったのは、父の仕事のせいだと、アンドロイド製造作業を嫌っている。
父の死後も不完全品のアンドロイドは主人公の身の廻りの面倒をみていた。

ある日、故障をして動かなくなったアンドロイドを、主人公は廃棄する。
廃棄後、アンドロイドが抱いていた自分への気持ちを街の人達から聞いて、廃棄所に探しに行く。

父の作業場で、修理して、アンドロイドは復活。自分の死後は、自由にアンドロイドが生き方を選択できるように装置を追加した。
以前より親密な仲になる二人、修理後に父がアンドロイドに託した想いを知ることに。
---
この作者の経歴がネットでヒットしないのですけど、絵が上手。原案者と組んで、心理描写をもっと深めたら名作を生みそう。

神。

1

目と心が痺れる

一筋縄じゃいかない曲者たち揃い。
そんな曲者を愛おしく思えるのは、繊細で美しく、ときどきコミカルで可愛い作画と深い心理描写があるからなんだなあ。

【眠れる王子と召使い】(前中後編) 萌2
家事全般を完璧にこなす「ギミック」と呼ばれるアンドロイドが一家に一台いる世界。
完全オーダーメイドのギミックを作る人気の人形師だった父が亡くなり、シバに残されたのは心を持つポンコツギミックのタキで…。
人形作りだけに没頭する父と、そんな父を見限って男と出て行った母。
愛を信じられない環境で育ったシバにとって、その元凶とも言えるギミック。
タキを受け入れることは、父のせいで孤独だった自分を裏切ることになるわけで、ぶつけどころのない父への反発を、タキにぶつけたくなるのも分かる。
それを甘んじて受けるタキが、おどけてはいるけど切ない。
本当に孤独になったシバが、タキの心の部分に触れてからの行動とラストは必見です。

【猫と密室。つまりは愛で】(前後編) 萌2
クールでカッコいい友人の夕陽と旅行に行くのを楽しみにしていた市丸。
出発当日、夕陽の家へ迎えに行くと…。
フェチの暴走と自己満足→自己完結に、巻き込み事故状態な話です。
前編はひたすら甘い2人だけの世界。
後編で現実に戻ったフェチ男と対決する市丸がとことん男らしくて、逆にフェチ男は可愛く見えてきます。

【ペルセウス流星群】 萌
『恋愛発展途上』の2人の登場。
流れ星に願い事をするべく、友人の菊池と流星群を待つ神崎。
短い作品だけど、可憐な見た目の菊池の潔さが前出の市丸に通じるものがあります。

【あぶない勧誘会】 萌2
『スノーブロッサム』の桜井×ユキだーー!!
新入生への部活紹介で、部員が自分一人の囲碁将棋部の紹介をすることになったユキ。
緊張するユキに桜井がかけた魔法で、入部希望者続出!?というコミカルな話。
『スノーブロッサム』を読んでいると、萌えが確実に増します。

【愛の話】 萌
シバの父とタキの話。
息子(シンイチ)に直接愛を注ぐことも、時間を共有することもなく、すべてを人形作りに費やした父なりの、息子への愛が伝わってきます。

自分だけの宝物にしておきたいという気持ちと、多くの人に読んでほしいという気持ちのせめぎ合い。
少女漫画寄りの作画が苦手という方もいらっしゃるとは思いますが、そこを超えて読んでみたら、きっと心に残る1冊になると思います。

2

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