月の檻のフーゴ

月の檻のフーゴ
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神0
  • 萌×22
  • 萌4
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
3
得点
23
評価数
10件
平均
2.7 / 5
神率
0%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
心交社
シリーズ
ショコラ文庫(小説・心交社)
発売日
価格
¥690(税抜)  ¥745(税込)
ISBN
9784778119133

あらすじ

絶望の底にいたその日、真嶋倖夜は一枚の人物画に出会った。『フーゴ』。月のような眼差しをした絵画の中の少年。彼の湛える静かな微笑みが、倖夜を救った。出会いから数年、フーゴの面影を求めていびつな恋を繰り返す倖夜の前に、新進気鋭の若手画家、古河諒介が現れる。古河は、美しく才能に溢れた完璧な男で、穏やかな瞳と優しさはフーゴによく似ていた。倖夜は一目で恋に落ち、日ごと古河への想いを募らせていくのだが――。

表題作月の檻のフーゴ

古河諒介,美大生,新進気鋭の若手画家,25歳
真嶋倖夜,大学生,成金一家の次男,21歳

その他の収録作品

  • あとがき

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レビュー投稿数3

挿絵があまりに残念

章ごとに変わる、攻め受けの両視点。
あらすじには書かれていませんが、攻めはかなり好き嫌いの分かれそうなキャラです。
攻め視点もあるせいで腹の中が丸わかりで、可愛くない方の腹黒です(苦笑

**********************
受けの倖夜は、21歳。
両親ともに成功者で裕福な家庭に育ちながらも、本人は自己主張をしない大人しい大学生で、ゲイであることを悩んでいます。

攻めは美大の二回生の古河、25歳。
成功した新進気鋭の若手画家でありなら、笑顔の裏にはどす黒い感情が渦巻く青年。
**********************

絵に描かれた人間(フーゴ)に恋している倖夜は、その絵に似た雰囲気の男にばかり恋し付き合い捨てられるということを繰り返す片想いの常習者。
そんな倖夜が図書館で偶然出会ったのが、フーゴに似た瞳を持つ古河でした。
一瞬で古河に惹かれた倖夜は彼の笑顔が偽りであることを知らず近づいていくのですが、古河の方は倖夜がいつも男に騙されていることを知っており、自分の生い立ちの鬱屈をはらす相手として利用することに…

綾さんの作品には優しい温かい続き人間が脇を固めることが多く、今回も倖夜の幼馴染み芽衣やノンケながらもゲイバーを経営する廣沢が登場しています。
古河が思った以上に真っ黒けの思考の持ち主だったので、まあ癒しと言いましょうか(苦笑
月と同じで自力では輝けないと己を称した古河の闇は深いですが、それもまたなんというか清々しさまで感じるほど徹底していて、ひじょうに珍しいタイプの攻めではないでしょうか。
例えば普通ならばフーゴの正体が判明した時に改心しちゃうなんて言うのがセオリーかなと思うのですが、そういう展開ではなく、今度はブレーキを踏みぬいて壊しちゃったように倖夜へ執着し抱き込もうとし、精神的に相手を縛るすべも知恵も行動力もあるという。
わたしは攻め至上主義的な人間なので、これもアリと思いました。

しかし問題は挿絵でした。
挿絵って作品自体が面白ければなくても良いけれど、せっかくあるならばそれなりのクオリティが欲しいなと思うのですよね。
真青さんという方は申し訳なくも存じ上げませんが、カラーはともかくモノクロが酷すぎるのでは…
トーンに頼りすぎな気もしますし、そんなトーンがあっても画面が白く感じる。
線の強弱がないせいか、ただ下絵に主線をさくさく入れただけのように見えます。
あまり挿絵の方を批判的に書くのは良くないかなとも思いますが、話の質を下げていると正直感じましたし、申し訳ないですが久々に隠して読みたくなりました。

そして最後に今作についてではないのですが…
あとがきに今回は謎解き要素がないと書かれておりましたが、個人的には綾さんの前作までの作品に織り交ぜられたものは謎解きというミステリー要素でないと思っております。
謎解きと言われてしまうと、なんだか作為的に感じてしまうというか。
もちろんその部分だけ説明書きのように抜き出すとドラマチックに感じますが、読んでいるとそれが当たり前に起きているように感じるのです。
気負いを感じないと言いますか。
あのような仕掛けはどなたの作品でも成立するものではないですし、読んでいて絵空事のように感じて冷めるということがわたしはありませんでした。
どっぷり浸かりホロホロ泣きました。(過去数作)
そんな仕掛け要素が前作の『神様の庭で廻る』で区切りをつけられるということで、ひじょうに残念です。
確かにあのような作品たちはとても時間がかかるのであろうと察せられますが、やはり個性といいますか、誰にでも書けるという物でない綾さん独自の世界観をこれからも楽しみにしたかったなあというのが正直なところです。

3

うーん、納得いかん・・・

作家買いです。
綾ちはるさんの前作の評価が辛めにしてしまったので、
今作は好みに合うと良いなぁと思いつつ、読み始めました。

綾さんがあとがきで書かれていたように、今回は綾さんお得意の「謎」が
出てきません。
サラリとした感じで始まり、
サラリサラリと作品が進み、
サラリと物語の終焉。
それが作品をつまらなくさせてしまった一因なのかもしれませんが…。
納得いかないところがいくつかあり、読む興味が失せてしまい、
最後はパラリと斜め読み~って感じでした。
(それでも後からちゃんと何回かは読みなおしましたが…)

   ◆◆   ◆◆   ◆◆

《CP》
新進気鋭の若手画家 × 歪な恋を繰り返すゲイの大学生

ある日、倖夜(受け)は、1枚の絵画に出会います。
その人物画は自分を救ってくれたと信じ、「フーゴ」と
その人物画の人物に名前をつけます。
そして、その「フーゴ」とそっくりな若手画家・諒介(攻め)が
現れます。
ゲイの倖夜(受け)は、一目惚れをしてしまうわけですが…?

と、いうのが冒頭のあらすじです。
それから倖夜(受け)は、諒介続き(攻め)に想いを募らせていくのですが…

まず納得出来ないのが、倖夜は何故絵画のフーゴが
自分を救ってくれたと信じたのか?
幻聴でも何でもいいですが、傷ついている倖夜に絵画が
話しかけたというのが、何ともご都合主義で信じられないのです。
傷ついた倖夜の単なる思い込みとしか考えられません。
それが諒介(攻め)の心を動かし、
付き合うキッカケになったというのも、何ともお手軽です。
諒介って、恋とか愛とか信じないようなキャラじゃ
なかったんでしたっけ?
それがフーゴの絵画のことを熱く語る倖夜の一言で、
陥落しちゃうんですか?
うーん、納得いかないです。

諒介(攻め)って、化けの皮を剥がせばとんでもない悪役。
バーのママも手伝って、ムカつくことこの上ないです。
まさしくこれこそ「ヒール」役に相応しいとも思いました。
その諒介は、倖夜(受け)のことを遊んで捨ててやろうと
思ってたわけでしょ?
それがどうして、倖夜のたった一言でストンと悪役からいいヤツに
変わって、尚且つ恋に落ちてしまうんだ。
そんなに諒介は感情に弱い人物だっただろうか。
数時間前まで、気に入らなかった倖夜に恋に落ちてしまうほど……。



エッチシーンですが、一回だけありました。
ラストではないです。
でも、このエッチシーンも違和感あり。
両想いになってから、エッチシーンまでの期間は、それなりに
まあ短いです。
男って、まあ即物的なもんでもありますしね…。
それはおいといて…
ノンケでヒールの諒介(攻め)がどうやったらこんなに男同士のエッチが
出来てしまうんだ! ってところがビックリ。
諒介は、女社長(?)と枕営業とかしてパトロンになってもらってた
わけでしょ?
完全ノンケで倖夜(受け)を嫌っていた諒介(攻め)がサラッと
思惑もなにもなく、愛情だけで倖夜を押し倒し、
衣服を全部剥いでしまったりするシーンは違和感アリアリでした。
ちなみに、エロシーンはそんなに濃くないです。

   ◆◆   ◆◆   ◆◆

「あー、これじゃあ『しゅみじゃない』評価かなぁ」と
思っていたのですが、ラストでホロリとさせられるシーンがありました。
「自分が絵を書かない代償として、倖夜をとる」
そのために諒介は、自分の右手に刃を突き刺しました。
高い評価を得ている自分の絵が、描けなくなるのを厭わず…。
ここは、ちょっと心が動きました。
諒介の愛を見た気がしました。


ですので、今回は「中立」でお願いします。
綾さんの作品、2回続けて、辛口評価になってしまいました><

次作に期待します。

8

どこまでも美しく感動的

あとがきにもあるように、綾ちはるさんにしては珍しく謎解き要素のない作品。
攻め受けの視点が交互に入れ替わる構成で、各章の冒頭に入るフランス語の単語にちょっとした仕掛けがある点が、謎解き要素といえば謎解き要素かもしれません(あとがきに解説あり)。

あらすじ:
大学生でゲイの倖夜(受け)は、偶然出会った新進気鋭の若手画家・諒介(攻め・25歳)に一目惚れする。
諒介は、倖夜が大事にしている絵画に描かれた少年『フーゴ』に瓜二つで……

倖夜は、真面目でひたむきでピュアなゲイの青年。成金で仕事をバリバリこなす両親や兄とは対照的に、平凡で大人しい性格です。
初めて付き合った相手(家庭教師)には本命(兄)の身代わりにされ、
大学で付き合った男は倖夜の家の金目当てで……と男運もいまいち。
それでもめげずに好きな人に尽くす姿が健気で、それが攻めの諒介をも変えていくような展開です。

諒介は、売れない元画家を父親に持つ苦労人。
倖夜の前では爽やかな好青年を演じていますが、実は大の金持ち嫌い。
そのうちこっぴどく振ってやるつもりが、倖夜の優しさと純粋さに少しずつ絆されていきます続き
父の死にショックを受け自身の絵を燃やす諒介のところに、倖夜が駆けつけるシーンが印象的。
必死に絵を雨から守ろうとする倖夜の健気さに心打たれ、最終的には彼のため画家をやめようとまでする変化が感動的でした。

綾ちはるさんの作品には基本的に根っからの悪人は出てこないため、謎解き要素がないと本当にただの感動物という感じでやや物足りなさも。
素晴らしい大団円ですが、もう少し毒が欲しい気もしました。

11

この作品が収納されている本棚

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