T.E.ロレンス1

T.E.ロレンス1
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
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レビュー数
1
得点
5
評価数
1件
平均
5 / 5
神率
100%
著者
 
媒体
コミック
出版社
新書館
シリーズ
Wings文庫(ウィングス文庫 小説・新書館)
発売日
価格
ISBN
9784403500114

あらすじ

1888年8月16日、トーマス・エドワード・ロレンスは准男爵の私生児として誕生した。
故国・イギリスでのモラルと宗教に戸惑いを覚えていた学生時代、ロレンスはホーガス博士と出会い、考古学に興味を持つ。
そして卒業後、遺跡の発掘作業のため、ロレンスは博士と共にアラブへと旅立った。
そこでアラブ人ハムディの独立戦争にかける情熱に触れた彼は、アラビアの地に強く魅せられていく。
やがて世界大戦が勃発。
帰国していたロレンスは、ハムディと接触するべく英国陸軍に入隊する。

表題作T.E.ロレンス1

ハムディ(実在だが人物像は架空 アラブ独立運動家)
T.E.ロレンス(実在のイギリス軍情報将校)

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レビュー投稿数1

あの「砂漠の英雄」がBLの主人公に!

映画「アラビアのロレンス」で知られる、T.E.ロレンスを主人公にした歴史漫画です。
最初に実在のT.E.ロレンスについて。
第一次世界大戦当時、中東の対トルコ戦で苦戦していたイギリスは、トルコ支配地域のアラブ人の独立運動を支援し、味方に引き入れる策に出ます。
その作戦のために派遣されたイギリス軍の情報将校がT.E.ロレンス。
彼は、アラブ式の衣裳を纏い自ら駱駝に乗って、アラブ人と共に戦い、対トルコ戦を勝利に導きます。
そして、ロレンスは一躍英雄に――しかし、戦後イギリスはアラブ独立の約束を反故にし、ロレンスはアラブ人にとって裏切り者に。
一見輝かしく見えるロレンスの英雄譚の影には、イギリスとアラブとの板挟みの立場に置かれた苦しみが・・・
戦後は、アラブ人を裏切ったという思いと挫折感で精神的に不安定になり、地位や名誉も自ら固辞して一兵卒として生涯を終えた人です。
さらに、この人には死後に暴露された危険な趣味も。。。

いまだ謎に包まれ、多くの人を惹きつけ続けるアラビアのロレンス。
ただ、彼の場合にはそれだけでなく、金髪碧眼の美青年・軍人・アラブ服・ホモセクシャル(※続き1)・・・と、BLの素材としてもかなりの逸材と呼べる要素が満載。
戦後、何故アラブ独立を支援したのか、と聞かれて「一人のアラブ人が好きだったから」と答えたという純情一途さには、まさにBLの主人公として不足のないピュアピュアのオーラが!! 
もう、心鷲掴みもいいとこです。。。

神坂版ロレンスのお相手は、実在のロレンスが愛したと言われるアラブ人少年・ダフームではなく、ダフームと同じく発掘現場(※2)で働いていたハムディです。
敢えてのハムディ×ロレンス――でも、このアレンジで、BL的にはグンと面白くなった気がします。
金髪美人で小柄、表向きの活躍とは裏腹にマゾで精神不安定、私生児という生い立ちの影をひきずり、ゲイであることに苦しむ――というロレンスの人物像は、まさにヤンデレ美人受け!
ひと回り近くも年下のダフーム少年相手だと、ロレンス受けは難しい(それ以前に掛け算自体が御法度かも)ですもんね。

アラブ独立運動家として描かれるハムディの人物像は殆どフィクションですが、ハムディとの関係を通じて描かれるロレンスには、実在のロレンス像がしっかり映し出されている気がします。
同性に惹かれる自分に戸惑うロレンスと、これまた素直になれないハムディのもだもだには胸熱!
愛情だけでなく、お互い国のために利用し利用される関係でもある2人の、時には傷つけあうことを楽しむかのような駆け引きには、キュンキュンさせられっぱなしです(*ノωノ)

ロレンスの人生に大きな影響を与えたホガース博士との関係もイイ。
好きな人=ハムディには素直になれないロレンスが、博士には素直に愛情(父親に対する愛情のような、少しだけ恋人のような)を示せる・・・というあたり。
そんなロレンスを見て嫉妬するハムディがまた可愛いんです。

そして、作中ではロレンスの熱烈な信奉者として描かれるダフーム君のけなげさも・・・
ロレンスに、「ダフームを抱いてあげて!!」と言いたくなってしまうほど(笑)
少ししょっぱい出来事、でもふんわり傷は癒えていく・・・この2人の関係も好きですね。

その他、金髪碧眼美人のロレンスにわらわらと吸い寄せられて来るアラブの男たち――。
やっぱりアラブはBLの舞台に最適です。(←)
ただ、いわゆるアラブものBLとは全くテイストの違う作品なので、そこは予めご留意ください。

一巻は、考古学者の道を志していたロレンスが、ハムディに出会ったことがきっかけで動乱のアラブに巻き込まれていく経過、そしてアラブ独立の旗頭になるエミール・ファイサルに出会う直前までが描かれています。
全四巻、二巻と三巻はまさに映画「アラビアのロレンス」とかぶる叛乱軍時代のお話になります。
泥沼の中東問題の元凶とされるイギリスの中東政策を知るきっかけとしても、オススメの作品です。


※1 イギリスで同性愛が禁止されていた時代の人ですし、ロレンス自身が同性愛者であることをカミングアウトしたわけではありません。また、学会の通説でもないようです。ただ、情況証拠から判断して、そういう見方をする人が多いのは確かです。

※2 ロレンスは軍人になる前は、オックスフォード大学のホガース博士の下で考古学を研究しており、シリアの遺跡発掘に参加した際にダフームやハムディと知り合ったとされています。

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