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表題作俺様なペット

棟方基生 世話をやかせる無気力ダメ男
一 世話を焼いてしまう真面目なしっかり者

同時収録作品リモコン

同時収録作品てつ・らぶ

宮本 会社員 25才
佐原 高校生 17才

同時収録作品酩酊ドッグナイト

柳 客引き
白岩 現在住所不定の元バイト仲間

同時収録作品春が来ても夏が来ても秋が来ても

兵庫 美容師
菊池理人 新米美容師

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ラブ マスター・パラダイス大学中退以来、無職で最低レベルの生活を送る基生と、彼を心配し、何かと世話を焼くハジメ。基生の兄に言われて少し離れる決心をしたものの…!?

作品情報

作品名
俺様なペット
著者
佐倉ハイジ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
角川書店
レーベル
あすかコミックスCL-DX
発売日
ISBN
9784048534161
3.3

(11)

(0)

萌々

(5)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
36
評価数
11
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数7

ゆるさの中に紛れる本音

扉カラーの痛々しいほどの体と強いまなざしに表紙のポップなイメージとはがらりと変わり、少し気が引き締まります。
そして始まる5編の短編。
…なのですが、初っ端からたまねぎ丸かじりするアホさ加減。
色んな意味で駄目だめなモトオを、見るに見かねてついつい世話を焼いてしまうハジメ。
かまってほしいが為の度を越えた無気力さに何がしたいんだと呆気にとられてしまうのですが、ラスト2ページ。
ハジメの売り言葉に買い言葉的な条件を嬉々として呑んだモトオの今後を考えるだけでわくわくが止まらなくなります。
「リモコン。」
こちらもアホな子が登場です。
思春期の自分で自分を制御できない、もやもやする苛立ちを同級生をからかうことで解消しようとして出来ずに更に苛立っていく。
誰とも向き合えない直とちゃんと向き合おうとするキーチのふたりにラブ的な要素は感じられませんが、タイトルの一言が!!
見事にふたりのこれからを暗示するみたいで一気にときめいてしまいます。
「てつ・らぶ」
やはり無気力気味な高校生が登場。
いつも会うコンビニでパンを買う宮本と話すようになり同じ趣味だと知り意気投合。
そして唐突なキス。
ようやくBLらしい作品となります。
何気に気になるのはどこまでシタのか。
宮本の「平気?」発言と佐原の「のりものよい」発言。
どっちがどっちに?とようやくのラブに激しく食いついてしまいました。
「酩酊ドッグナイト」
扉カラーの人が出るお話です。
ライトに、違法なことで生活してる柳の酔いつぶれては何かを拾ってくる毎日。
何気に一度拾ったものに対する愛着をもつお人よしな部分もあるせいか。
初の生もの、白岩をお持ち帰りした後も、世話をするつもりのエッチなこととか。
色々ズレてて危ういけれど、確かな幸せの日々が長く続けばいいなと思えます。
「春が来ても夏が来ても秋が来ても」
一番マトモっぽく見えてしまう作品です。
美容室の先輩と後輩の師弟関係の中に紛れる好意。
理人の真っ直ぐさがのらりくらりとふわふわな兵庫を無言で追い詰めていく感じです。
滲み出る空気感ににやにやしたり、早くどうにかならないかとそわそわしたりしながら、ようやくスタートラインなふたりの今後が読みたくなります。

初「ハイジ」作品となりますが、どれもこれも読み終わった途端その後を考えるだけでわくわくどきどきしてしまう短編の良さが詰まった作品ばかりでした。

2

佐倉ハイジさんの初期短編集

佐倉さんの作品独特のゆるふわな感じはありますが、どこかほの暗い部分のあるお話が多いです。
いくつかのお話は完結しきってないというか、これからって所で終わっていて、カップルとして成立する以前に受け攻めも不明なお話もいくつかあります。

表題作の俺様なペットのそんな感じでした。
生活能力のない無職の幼馴染の面倒をついつい見てしまうというお話ですが、依存しているのは果たしてどっちなのか。
血管は青いから血も青いかも…なんて理由で手を切ってしまうなんだか難しいキャラクターが出てきます。
が、こういう子って世界で一人だけ絶対の味方がいて存在していられる気がします。
なんで?とか、だから?といった、説明を求めたい部分があるけれど、
この雰囲気を大事にしたいんだろうなあと思えるお話でした。

「酩酊ドッグナイト」
水商売に犯罪に暴力と、これだけははっきりアングラなお話です。
こちらも依存系に分類される気がします。
久々に再開したら犯罪者っぽいその日暮らしをしていたもとバイト仲間。でも久々にあった、というのにこうも依存するまで一足飛びに好きになるかちょっと疑問に思いながら読んでいました。
でも不思議と頭に残るお話でした。

「リモコン」
このお話が一番好きです。
こういう肉体的に攻めていても精神的に受け攻め逆なお話が大好きです。
友情の延長ともとれますが…はっきりどうにかなって終わってるわけではないです。
これだけはこの先が知りたい!て思います。

短編集の多い作家さんですが、この作品はほの暗い中のに自分にとってハズレが少なくて、佐倉さんの本の中でも大好きな一冊です。

1

俺様なペットレビュー。

今の脱力系BLって銘打って売り出す前の作品なのでちょっと新鮮。あんまりゆるくない。恋愛に真剣って感じで(いや、今の作品だって恋愛に真剣だけどどこか心が読めない脱力系要素がチラチラしているので…)

表題作は、無気力青年×世話焼き青年(主人公)の話です。
放っておくと野垂れ死にそうな友人のために何かと世話を焼く主人公。
しかし友人の兄に「君がかまうからいけないんだ」と言われ、もう世話は焼かないと本人に告げる、が…。

だってオレ、お前が気になるんだもん!オレが世話してやらないとお前駄目になるんだもん!

あれ?なんだかすっごく一生懸命。ちょっと最近(05年以降)の作品から佐倉さんを知った人は軽く驚きそうな作風です。別名で出した「美少年の恋」での荒い線と、ギラギラとした絵柄がこの作品でも残っていて今の作風に慣れている人だとなんだか落ち着かなくてソワソワします。
初期の頃の作品集なので、絵も話も荒いのですが独特のテンポとギャグは健在です。根っこの部分は変わらず面白い!エロなシーンは殆どありません、BLなのに全然エロくない。でも妙な色気が漂っていて、コレはコレでアリかなって満足出来ます。脱力系マジック!

他。
「リモコンおじさん」
眼鏡くんと、眼鏡な彼に対してSっ気が湧き上がるクラスメイトの話。キスどころかハグもピュアな関係。友達以上、恋人未満な関係。

「てつ・らぶ」
鉄道好きな2人、友情の延長線上に愛情があるんだとチラチラチラリズムなもどかしい話。

「酩酊ドッグナイト」
客引き商売の眼鏡と自虐的なピアスっ子の話。なんか、全体的にやさぐれている感じ。でも痛くはない、ちょっとだけスレている。そんな2人。

「春が来ても夏が来ても秋が来ても」
美容師カップルの話。三角関係もどきっぽい距離の描写がハイジさんらしい作品。受がね、結構好みだった!容姿も性格も!
この話は今のハイジさんらしさというか、脱力系要素がチラチラ見えて読み易いと思いますよ。

0

 俺様な・・・

 ハイジ先生大好き★最近あまりに好きで、コミックスを一気買い!!
ゆったりと流れるようなラブがいい。特に、この「俺様なペット」は一番最初のコミックスにして、ハイジ節がきらめいている。
 
 「俺様なペット」:無職でだらけている基生×しっかりもののハジメ。
ハジメが構ってやらねば本当に死んでしまうのではないだろうかと不安な基生は、ちょっと情緒不安定?学生のころから、公園の滑り台の上で、「雪ってやわらかいのかな」と、ハジメの目の前で頭から落ちてみたり(あぶね~)、「静脈って本当に青いのか」と切って見せたり、自殺志願者みたいなことをしてたんで、ハジメもそんな基生の行動に驚きを隠せない、という関係が大人になってからも続いている二人。
 この二人は、犬に振り回される主人と犬の定義に合っているかと。普通の恋人同士になれるのかな?しかし基生もまともっていえばまともであるともいえるので、ハジメが甘やかすだけでなく、躾も強化していく必要が大いにありそう。うふふ、面白かったです。
 
 「てつ・らぶ」:この作品集の中で、実は一番好きな話。
投げやりでダラダラ~な高校生がよく利用するコンビニで出会った、スーツを着た彼と、鉄道の魅力を共有しあううちに生まれた恋、みたいなもの。
高校生のほうが、外見、攻めに見えるのでギャップ萌えもあり、これからの二人の旅先でのお話も読みたいな~★

0

めっちゃ萌えた

『俺様なペット』
この話、好き!
ペットと飼い主っていうより、ダメダメな旦那としっかり者の嫁って構図じゃないかな。めっちゃ萌える。
でもこのダメダメな旦那は嫁のことが大好きだから、調教しだいではさぞかし素敵な男になるのでしょう。
恋はこれからってところなんだけど、いい場所で終わってると思います。

『リモコン。』
上手いなァ…。
これを読みながら、私は「恋」を読みたいわけじゃなく「萌え」を読みたいんだなってつくづく思いました。

『てつ・らぶ』
鉄道オタクふたりw
何かに夢中になってる男はカワイイですね。

『酩酊ドッグナイト』
この二人、どうしようもない二人だね。
面白かったんだけど、すごく切なくて寂しい気分になっちゃった。

『春が来ても夏が来ても秋が来ても』
美容師さん同士の恋。
エロい場面はないのに、なんかエロかったな。
髪を洗うシーンが好きだな。髪を洗われるときって、なぜか妙にセクシャルな気分になるんだよね。

0

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