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表題作負け犬の領分

苫澤繁行,元刑事の私立探偵
神木篤成,ネット通販会社のクレーム処理課主任,31歳

その他の収録作品

  • 大人の時間
  • あとがき

あらすじ

涼しい顔でクレーム処理をこなす、有能なお客様係──その実は、ストレス解消で深酒しては記憶を失くし、通報されるトラブル体質!? いつものようにある朝、養豚場で目覚めて、警察に突き出されてしまった神木。窮地を救ってくれたのは、無精髭の元刑事で私立探偵の苫澤だ。「愚痴をいうお前もかーいいなぁ」仕事に疲れた神木を甘やかしてくれる心地よさに、足繁く事務所に通うようになけれど…!?

作品情報

作品名
負け犬の領分
著者
中原一也 
イラスト
新藤まゆり 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199008269
3.6

(31)

(3)

萌々

(16)

(11)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
113
評価数
31
平均
3.6 / 5
神率
9.7%

レビュー投稿数10

地味ながらなかなかの社会派

あらすじ:
クレーム処理の部署で働く神木(受け)は、泥酔した翌朝、養豚所で目を覚ます。
警察に不審者扱いされる神木を救ってくれたのは、元刑事で私立探偵の苫澤(攻め)。
毎日のクレーム処理でストレスが溜まっている神木は、以後たびたび苫澤の事務所を訪れるようになり…

神木は、30代のイケメン会社員。
クレーム対応の上手さで周囲から一目置かれていますが、仕事のストレスで夜は泥酔しがち。
真面目なエリートですが、ドジで可愛いところもあるのが魅力のキャラクターでした。
苫澤が神木のことを度々「かーいいなぁ」と愛でるのがよく分かる感じです☆

苫澤は、男も女もいけるタラシですが、根は正義感が強く包容力あるオヤジ。
警察官をやめる原因となった某悪徳政治家のネタを何年も追っている信念の人物でもあります。
飄々としていますが、刑事時代の苦い経験を引きずっており、自身を「負け犬」と自虐する繊細な一面も。

苫澤が神木の愚痴に付き合ったり、逆に神木が辛い過去を持つ苫澤を受け止めたり……
お互いに励まし合い、影響を与え合っている関係性がとても素敵でした。
恋人同士になってからの甘い雰囲気もかなり好み。

ヤクザが出てくるような派手でドラマティックな展開を期待すると物足りないかもしれませんが、社会問題や、それぞれの仕事に地道に取り組む二人の姿が丁寧に描かれており、読み応えある作品。
冒頭の養豚所のシーンが後々の展開の伏線となっている点なども、上手いなぁと思いました。

ほのぼのした空気感とシリアスな展開のバランスが良く、地味ながら引き込まれる一冊です。

13

snowblack

Krovopizzaさま、コメントありがとうございました!
なるほど。
まぁ、もう、通じればそれでよし!という雑な結論で参りますw
しかし、実際のお名前でこういう表示ができなかったりする字を
お使いの方は、なかなか大変でしょうね。

適度にライトでバランスのいい中原作品

安定の中原節という感じ。

チョイ悪という風情の元刑事の探偵・苫澤(40代)と
クレーム処理担当のサラリーマンの神木(31)。
イケメンで、会社では頼りがいのあるエリートサラリーマンの神木だが
仕事のストレスは並大抵ではなく、飲むと泥酔して意識をなくし
あらぬところで眠ってしまったりする……

ある日彼が養豚場で豚に囲まれて目が覚め、豚泥棒と間違えられ
そこに丁度居合わせた苫澤に助けて貰ったことから縁ができる二人。
初っぱなの口絵からこの可愛い豚さん登場なのだが、
単なるネタじゃなくてあとからストーリーに絡むところも上手い。

苫澤の事務所には地域猫が出入りしていて、その猫達に癒やされる神木。
やがて、苫澤自身に惹かれているのに気がついて……
二人の関係が進むのに重なって
苫澤がかつて刑事を辞める原因になった過去の因縁の
暴力団や政治家も絡んだ事件に巻き込まれていく。
このあたりは緊迫感はあるが案外あっさりスピーディに展開。

社会派なストーリーなのだが、重すぎず、
中原さんお得意のオヤジ攻めなのだが
下品さや汚らしさが適度で格好良く、
受けの神木は「かーいい」(by 苫澤)けれど男前。

そんな適度にライトで楽しく面白く読める一冊でした。


ところで、デートで二人が選んだB級ホラー映画のタイトルが……
『飼料のはらわた』! 吹きました。!


追記: 主人公の名前だが、示偏に申で神なのだけれど、
    何度入力しても表示が神になってしまうので、あしからず。

5

Krovopizza

横から失礼します。
私の場合、Chromeでやったら「神」表示いけました。先ほどIEで試してみたら「神」になってしまったので、ブラウザの問題かもしれませんね。

はるぽん

こんにちは。
受けの名前、私もちゃんと入力しても、送信の際に神木になっちゃいます…。
最初のレビューのかたは大丈夫なのに…何ででしょうね。

オッサンの可愛げ

クレーム担当のサラリーマン・神木(受け)。ストレスの溜まる職務で、酒を飲んだら泥酔し、時折とんでもないことをやらかしてしまう。その朝もなぜか養豚場で子豚にまみれて目を覚まし、養豚場の従業員に豚泥棒に間違われて警察へ突き出されたところを、偶然出くわした元刑事だという私立探偵の苫澤(攻め)に助けられる。以来、猫天国だった苫澤の事務所に、仕事のストレスを癒すモフモフを求めて訪れるようになった神木だったが…。


事件ものなんですが、モフモフや、受けのエリートのくせに天然な言動や、攻めの元同僚の刑事さんなんかが事件のハードさをいい具合に緩和してました。あと攻めが何かっちゃあ受けのことを「かーいいなぁ」っていうのがすごくよかった。受けも31歳のいい大人なのに、オッサン攻め(年齢は出てこなかった)にかーいいって言われて、「やめてくださいよー」とか言ってるのがそれこそ可愛い。
作中でもオッサンと大人がにこにこデート。映画見に行ったりバッティングセンター行ったり、ひたすら微笑ましかった。

でもせっかく受けが酒癖が悪く、カーネルサンダースならぬサーネルカンダースをお持ち帰りしたり、そういう武勇伝が話の上ではいろいろ出てくるのに、攻めが遭遇(しかも事後)したのが養豚場だけなのがもったいなかった。くっついたあととかくっつく前とかに、「俺が一緒だから飲み過ぎても大丈夫だろ」とか言いつつ飲ませ、リアルタイムで受けのとんでもない酒癖を味わってほしかった。

4

snowblack

はるぽん様、
コメントありがとうございました!
Krovopizza様が、こうしたら表示できました〜という書き込みを下さっています。

猫にまみれてお昼寝したい…

目を覚ますと、そこは養豚場。
仕事はスマートにこなすけれど、深酒すれば記憶を失いとんでもない所で目覚めることが多々ある神木。
警察へつき出された神木を助けてくれたのは、癖のありそうな探偵、苫澤。
助けてくれたお礼に伺うと、苫澤と青年のキス現場に遭遇!
つい構えてしまう神木だが、猫が集まる事務所に居心地の良さを感じ、通うようになり…。

野性味溢れるオヤジ。不精ひげに漂うエロス。癖あり、包容力あり、意地悪で適当かと思いきや芯は熱い。
なんて好みドストライク!とオヤジ好きぃにはたまらん人物像で、それだけで5割増しの魅力。

神木は真っ直ぐで男前で純粋で、好感度抜群でした。
うん、「かーいいなぁ」と言ってしまう苫澤の気持ち、わかります!
「かーいいなぁ」とからかい半分、しみじみとつぶやく苫澤もまたかっこいいなぁ。
自分のやってることを神木のような純粋なやつに肯定されたりしたら、そらぐっとくるよね。好みならなおさら。惚れてしまう!

刑事時代、引かざるを得なかった事件。
苫澤は今もなおある人物を追い続け、真相に迫ろうとします。
苫澤と出会ったことで神木も巻き込まれていくのですが、これまた神木の肝の据わっていること。
二人の出会いの場がうまい具合に事件と噛み合わさり、ストーリーも読んでいてとても楽しかったです。

そして一番惹かれたのは、なんといっても癒しの猫!
寝てるところにゴロニャンと増えていき…
猫 ま み れ !
なんて素敵羨ましい……。わたしもしたい!

そんな微笑ましい情景、そら苫澤も癒されるわ、と納得してしまいます。

オヤジ好きぃ、猫好きぃにはたまらん一冊でした。

1

もふもふの癒し力v

素直に一言『面白かったv』

導入部からなんだこの主人公⁉︎と思ったら、
酒癖の悪さとは裏腹に
実に『かーいく(可愛く)』出来るサラリーマンでした!

ストレスだらけの彼を癒すのが
もふもふの野良猫達というのがまたいいv

今回は神木さんサイドだけでなく苫澤さんのターンもあるので、
どちらにも素直に感情移入できて気持ちよく読破。

苫澤さんの後輩が『犬山』くんというのもいいv
相変わらず脇のキャラがいい味出してますv

苫澤さんは確かに昔「負け犬」ではあったのですが、
数々の中原オヤジの中ではダントツ好きなタイプですv
一つ大きな目標を達成した彼が、
今後どんなふうに生きていくのか見たい気もしますが、
そうそう物語になるような事件に遭遇していたら、
神木さんが可哀想な気もしますw

主人公の神木さんが、
本当に嫌味のないいい人なので、
最後まで気持ちよく読破。
もふもふの魅力も手伝って、
評価は神に近い「萌×2」で!

1

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