おまえは俺の弟だろ。

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表題作双極

和泉朱也/双子弟/高校3年生
和泉郁朗/双子兄/高校3年生

その他の収録作品

  • わずらい(描き下ろし)
  • あとがき漫画①
  • あとがき漫画②

あらすじ

双子の兄・郁朗は成績トップの優等生で、落ちこぼれの弟・朱也に対して優越感を抱いていた。
けれど常に纏わり付く朱也の視線に、以前に言われた「触ってもいい?」という欲を孕んだお願いを思い出す。
怯えと苛立ちを感じながら、その視線に追い詰められていく郁朗。
ついに朱也を詰るが、彼は生活態度を改める代わりにと、ご褒美の“約束”をねだってきて……。

歪んでしまった双子の“約束”の行方は──。
待望の2ndコミックス!

作品情報

作品名
双極
著者
芽玖いろは 
媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
ISBN
9784829685778
3.8

(220)

(75)

萌々

(75)

(42)

中立

(23)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
30
得点
824
評価数
220
平均
3.8 / 5
神率
34.1%

レビュー投稿数30

すごく、良かった

初読みの作家さまでしたが、ちるちるさんでの評価があまりに高く、気になって手に取ってみました。内容はすでに書いてくださっているので感想を。

ガチ兄弟(双子)なので、地雷の方もいらっしゃるかも。
だがしかし、すごく良かった。

朱也(攻め・弟)の郁朗(受け・兄)への執着心。
そして郁朗の、朱也に対する気持ちの変遷。

チャラ男の朱也が、「そう」である理由。
まじめで優秀な郁朗が抱える弟へのコンプレックスと葛藤。

一筋縄ではいかない二人の想いが交錯し、互いの気持ちがあべこべのほうを向いたまま、体から始まってしまう関係。
そして、郁朗が朱也の想いを理解し、その気持ちを受け入れる過程。
徐々にわかってくる二人の相手への想いがぐちゃぐちゃで、必死すぎて、すごく良かった。

高校生という大人でも子どもでもない年齢ならではの、揺れ動く、未熟な世代を見事に描ききっています。

そして終わり方もとてもツボでした。
二人の気持ちが繋がったところで突然訪れる別離の時。
その後の二人はどうなったのか、読み手に委ねる終わり方が非常に心憎い。
カバー下に「10年後の二人」についていろはさんが少し描いていますが、郁朗と朱也兄弟であることには変わりなく、切れることのない二人の絆。その絆を、二人がどういう形に築き上げていくのか、想像すると萌えMAX。
ラブラブになった二人を見たいと思いつつ、この余韻を残す終わり方が素晴らしいと思いました。

絵柄もとてもきれいで、圧倒的な画力に支えられたセックスシーンは圧巻。デビュー作である『蛇喰い鳥』も読んでみたいと思います。

とにもかくにも、文句なく、神評価です。

15

続編を是非

ガチ双子のよくあるストーリー(すみません)なのですが、コミックで久々にどハマりしました。
ガチ双子、執着は大好きな設定なのですが、それ以上に芽玖先生の描く二人の表情や心理の描写に引き込まれました。

朱也は一見傲慢な様に見えて、実は健気な執着弟。
小さい頃から郁朗の真似ばかりしていました。
中学の時に「俺よりずっとバカでいろ」と郁朗に言われ、健気にもその約束を守って高校3年生まで過ごして来ました…が、ここから朱也の追い込みが始まります。
「朱也が郁朗の成績を抜かせたら、郁朗は朱也のお願いを一つだけ聞く」という約束をとりつけます。
郁朗は、そんな事は無理だろうと鷹をくくっていたのですが…

朱也は郁朗が好きなだけなのに、郁朗は朱也は自分のことを憎んでいると思っている。
このすれ違いがもどかしいなと思いました。
ある日、ようやく郁朗は朱也が自分のことを好きなんだということに気付き、朱也のことを気にかけるようになります。
そして、朱也を自分から解放しようと考えます。

結末は…物足りないです。
すごく良すぎて、もっとずっと二人の行く先を見ていたい。

書き下ろしの「わずらい」は、結末から4ヶ月後のお話です。
郁朗が夏休みに帰省したら、朱也が風邪で寝込んでいたという。
2人の距離は前よりはかなり縮まったのかな。
朱也は相変わらず郁朗が好きだけど、郁朗の方もまんざらではなさそうな気もします。

12

近距離恋愛

どんだけ兄ちゃん好きなの(*´∀`*)ホケェ

思わずな衝動買いでございました。が!
思っていたよりも面白かったです。
双子に生まれた二人。
弟はずっと兄についてまわって、真似をしたがった。
けれど、あることをきっかけにその均衡は崩れてしまう。
それがよかったかどうなのか。
それから少し大人になった二人は~な部分。

秀でているのは兄。
世間でも家でも立ち位置が変わることはないと思っていた。
ところがところが本当は・・・・!?
というところですね。
意思に反して身体は篭絡し、男同士の性行為にも反応を示し
落ちるまであと少し=なくだりが好きでした。
ぎりぎりの駆け引きから、ちょっと駆け足なラスト。

紆余曲折あっての両想いな気配がなんとも甘酸っぱい。
ガッツリ両想いの甘い部分が見られなかったのが少々残念。
もう1冊くらい続編あっても面白いなーと思う作品でした。
おもしろかったー

8

是非ともカバー下のワンチャンを現実に…!!!

実の双子もの。
チートな弟(普段は劣等生を装ってる)×優等生な兄ですねっ(๑•̀ㅂ•́)و✧
こういう設定大好きでございますっ!
朱也のこれまでの言動は自分の事が好きだからって気付いてからの郁郎の変化がたまりませんでしたhshs(*´Д`≡´Д`*)hshs
赤面しながら戸惑った感じと、これまで踏み台にしてきたのか…って後悔でぐらつくのがもう…!
郁朗自身が自分よりも馬鹿でいろと朱也に命じてたんですけどね。
まぁ…普通の兄弟ならそんなこと言われて「はい、分かりました」なんて…自分の将来が掛かっているんですから、きくわきゃないですよ。
んなこと知るかよ!がオチ。
郁朗自身だって自分の一言を本気にするなんて思わなかったでしょうね。
実際、作中では思っていなかったからこそとても動揺していたわけですし。
ってか寧ろ思うほうが引くわ…。
しかもチートレベルの朱也とは違って郁朗はどちらかというと努力家タイプ。
ちゃんと試験に向けて勉強して、そして成果を出すタイプ。
ずっと勉強せずにフラフラしていると思う人間に「成績を抜かされるわけがない」と思ったんでしょうね。
だから条件を出した。(「自分より好成績をとったら何でも言うことをきく」)
そしたら実は弟は普段の努力なんてなんのその、軽く勉強しただけで自分をあっさり抜けちゃうぐらいの能力を隠し持っていた…と。
そらもう色んなものがぐらつきますね。

結局、一緒の大学に行けなかったのは残念だけど…実の兄弟だからそれでも縁は切れないし、遠距離だけど普通よりは会いに来やすいよね。
ってかあのミス本番でやったら本気で洒落にならんよね…終わった瞬間の郁郎を思うと…orz
今年、弟が大学受験だったから他人事に思えないよ。

描き下ろしの2人可愛かったなー(*´艸`*)
デレ( ̄ー ̄)bグッ!

是非とも大学生編&カバー下にあるような10年後の本番を描いて頂きたい(*´Д`)ハァハァ

8

愛の裏は憎しみで、憎しみの裏には愛がある。

愛憎に絡めとられた双子のお話です。

優等生の兄・郁朗と落ちこぼれの弟・朱也は血のつながった双子の兄弟。
小さい頃から兄にベッタリの朱也とそんな弟を甘やかしてきた郁郎。
郁郎は兄としてのプレッシャーを感じつつも、
それでも決して兄弟仲は悪くはなかった。
だけど、ある日欲情した朱也が「触ってもいい?」と
伸ばした手を振り払い、拒絶してしまう。

以来5年間、2人は会話も、目を合わせることもなく過ごしてきた。
ただ、時折感じる弟からの視線。
ものも言わず、何を考えているかもわからず、
ただただ注がれる朱也からの熱い視線に郁郎は戸惑う。

そんな状態に耐え切れずに詰め寄った郁郎に対して、
朱也はある提案をしてくる。
それは真面目になる代わりに〝ご褒美〟が欲しいというものだった。
学年1位の兄の成績を抜くこと。
落ちこぼれの朱也にそんなことできるはずがないと
高をくくった郁郎はその条件をのんでしまう。

その日から朱也は変わってゆく。
髪を黒く染め、真面目に勉強し…
ここでは見た目も中身も正反対だと思っていたけれど、
髪を染めて切るだけでそっくりで、やっぱり双子なんだなぁ…と思った。

そして、迎えた成績発表ではまさかの兄を抜いてしまう朱也。
実は落ちこぼれであることすらフリだったのだ。
理由は以前兄に「俺よりずっとバカでいろ」と言われたから。
それとは逆に真面目にやれと言われれば、
兄を抜かしてしまうことだってできてしまうのだ。
朱也にとっては郁郎の言葉が全て。

郁郎に言われれば、自らの人生を放り投げてでもやる、という無茶苦茶さ。
もうすごいを通り越して、ヤバい。
これは従順を通り越して、執着だ。
それまでうっすらと感じていた朱也の気味の悪さが
ここではっきりしたものに変わる。

そして、ご褒美として遂に郁郎の体を手に入れた朱也。
明るく人当たりがよさそうに見える朱也の内面は昏く、狡猾だ。
ただ、それも兄への純粋な愛情ゆえで、
すべては郁郎から愛されいがための行動だ。
その無垢なまでの愛が重たい。

対する郁郎はそんな弟の行動が理解できず、怯え、苛立つばかり。
抱かれるごとに開かれてゆく身体とは裏腹に
心は朱也を拒絶しつつも、かき乱されてゆく。

しかし、ある郁也の一言で、弟が自分に向けていたものが
憎しみではなく、愛情であることに気が付く。
そして、自分自身が弟を縛り付けてきたことにも。
その時点から郁郎の朱也に向ける感情が変わり始めてゆき…。

愛と憎しみは表裏一体で、反転してしまえばこうも
見える景色が変わってしまうのかと感じた。
郁郎の朱也への感情の動きを見ていると、
憎んでるってことは実は愛してるってことでも
あるのだなあと思えてしまった。

結末にはええぇ!!?と驚いたけれど、あとがきの
「この双子の恋愛関係は10年後くらいからが本番だと思っています。」
との著者のお話で納得。
なるほど、今はまだこの若い2人にはこのもて余したまくった
感情を整理することも受け容れることも難しいのだろうな、と。

一度離れて、閉鎖的だった2人の関係性が新たに再構築されることで、
そこからまた始まるものもあるんだろうなと私は希望的にとらえました。
朱也が言うように、一生の別れじゃあるまいし。
双子の縁は切っても切れはしない。
であれば、今はまだ。
未来の2人を思い浮かべ、この昂った気持ちを静めることとします。

3

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