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表題作殉恋王子

シュリ 第一王子側近 26歳
ディーネ 第一王子 18歳

あらすじ

エリスランド国の第一王子・ディーネは、王位争いで、孤独な闘いを強いられていた。
そんな彼の心の支えは、自分のみに忠誠を誓う、美しく凛々しい近衛兵のシュリ。
ディーネは彼に主従関係以上の想いを抱くが、己の立場を慮り感情を押し殺そうとする。
ある日、雨宿りのため宿屋でシュリと一夜を共にするが、溢れる想いは止められず…。
禁忌と官能が織りなす、切なくも美しい主従愛。

作品情報

作品名
殉恋王子
著者
辻内弥里 
イラスト
さばるどろ 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861348549
3.4

(15)

(4)

萌々

(4)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
2
得点
48
評価数
15
平均
3.4 / 5
神率
26.7%

レビュー投稿数2

きっちり世界観が作り込まれたファンタジー

エリスランドの第一王子であるディーネ(受け)は、敵の多い王宮で、自分に忠誠を誓うシュリ(攻め)に全幅の信頼をおいている。しかしその信頼はいつしか形を変え、シュリに対する想いは日々重さを増していた。
そんなある日、お忍びの散策中大雨に見舞われたふたりは休憩のために宿をとったが、シュリに淫らな行為を仕掛けられるという夢か現実か区別のつかない出来事が起こり…。


主従の下剋上で、最初の頃の攻めと、宿屋で受けに手を出した頃の攻めの印象が一致しなくてハマりにくかったんですが、物語が進むにつれて「そういうことだったんだ」というのがわかりました。
ちゃんといろんなことに説得力のある、丁寧に描かれた作品でした。

ただ、書き込みがやたら過剰でした。文庫ながらかなり分厚い本なんですが、王宮の間取りやら、それほど必要じゃないことに対する説明がびっしりすぎて、こんなところの書き込みはちょっと削った方が読みやすかったと思います。別に王宮に行くわけじゃないんで、東宮がどこにあるかとか、正宮にどんな部屋があるかとかの情報は必要じゃないし…。
それから、黒幕が○○だとするなら、最初から受けを守らず亡き者にしておけばよかったのに、なんで不必要に守ってたんだろう、とも思いました。冒頭で悪漢が入った時に、悪漢に気づけず王子を守りきれませんでした、でいいじゃん、と。いくらでも自分に疑いをかけられることなく王子を殺すことができるのにそれをせず、わざわざ持って回った排除の仕方をするのがわからない。まあそれを言い出せば物語の必要性がなくなっちゃいますが。

読みごたえはあったし、エロはなかなか濃くてよかったとは思います。あと受けの弟王子とその護衛の話も読んでみたい気もします。

5

忠実な護衛の裏には。

第一王子のディーネは王位争いの真っ只中にいた。
しかしその王座は自ら望むものではなく、ある人物の願いのためだった。
敵が多い中、信頼を置いているのは忠実な護衛、シュリ。
彼に対して主従以上の想いを抱きながら、自分を戒め気持ちをひた隠す。
忠実なシュリに対して、主として触れ合う距離はどこまで『許される』の
だろうか──。


生真面目で融通のきかない、けれどその実直な性格が魅力的に見えたシュリ。
やんちゃで一途な王子様とくそ真面目な護衛は一体どんな恋物語を見せてくれるのかと思っていたら。
いわゆる身分の違いの切ない系ラブではなく、もっと陰謀めいたものでした。

今までの凛々しさは!?とシュリの変わりように少し驚きつつも、彼の裏を見て納得。
生真面目で実直で凛々しい護衛、というキャラももちろん素敵ですが、シュリのようなキャラも案外一癖あっておもしろい。
シュリの、生い立ちゆえの処世術。ディーネを騙していたのか!と憤る気持ちがないわけではないが、でもそれ以上に『ディーネが好きなんでしょ?』と問いかけたくなってしまう。
きっとディーネが初めてなんだろうなぁ、心動かされた相手は。

このお話の中で実に男らしいのは、二人の王子たち。
最後のシーンでのディーネの男前さといったら。
もうシュリの完敗です。
それから奮い立ち母に向かうフェルマの勇姿に賞賛!でした。

2

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