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褌姿も楽しめる、繊細で耽美な画集
NOTBLですが、美しい男たちが幻灯町という不思議な町で活躍する『艶漢』で人気の尚月地先生の2冊目の画集です。こちらは“画集”、1冊目の『ノスタルヂア』は“イラスト集”となっているのですが、この『極彩少年』のほうがイラスト集といった趣で、『ノスタルジア』は画集と呼ぶのが相応しい仕上がりだと思います。
『極彩少年』は『艶漢』に特化しているので男だらけです！『艶漢』には女性キャラも沢山出てくるのですが、こちらの画集には水劇の人魚と光路郎の妹のアグリが1カットずつ描かれているだけで、あとはすべて男性キャラです。美少年、軟派系、硬派系、そしておじ様までが楽しめます。美しくて繊細な絵柄は美少年にピッタリですが、筋肉の美しさも尚先生の持ち味です。
正直なところ、ボリューム、背景の描き込みなどは『ノスタルヂア』に及ばないので、どちらか1冊というなら全力で『ノスタルヂア』をお勧めしますが、こちらには１９Pの描き下ろし漫画が色付きで掲載されています。
・『また、雨の頃には』描きおろし１９P
詩郎を連れだって流水町に泳ぎに行く光路郎と幼なじみの荒上。遊泳場になるというその町で出会った老婆は…。
尚先生の好きなものがそのまま背景になったような美しい水の町と、醜い老婆が奏でる美しい音楽。妖しくノスタルジックな物語と3人の褌姿も楽しめて、お約束のノーフンもある『艶漢』らしいお話でした。醜い老婆や荒れ果てた廃屋までが綺麗に見えてしまう尚月地ワールド。自分の好きなものを全力で描いて、認められて、長く続けられる、というのは幸せなことだろうなぁと思います。小物の一つまで美しいイラストは好きだからこそ手抜きがないのでしょう。
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