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面白かった!真っ暗闇がダメなことから派生して極度の怖がりな容姿も仕事も完璧なはず上司佐久間とそれを偶然知ってしまった滝本。偶然暗闇の中で抱きついた滝本に安心感を覚えた佐久間は夜一緒に寝てくれ、と頼み抱き枕生活が始まるのだが...
佐久間はスマートでモテモテなできる人なんだけど、すれてなくて抜けてるところがあって、それに振り回される滝本。二人のどこか噛み合ってるようで噛み合ってないような会話とそれぞれのモノローグがすごく面白い。
佐久間はまったく恋愛感情なんてなく、ただ単に怖いからそばにいてほしい、って素直に子供のように求めてきて、それに対して滝本はちょっともやっとしたり。そして二人の間に現れる岩瀬という佐久間に執着するヤンデレイケメン...佐久間を幼い頃から知ってるような口ぶりの岩瀬の正体ににやりとさせられます!
暗闇がダメになったトラウマが私的に素晴らしかったです。幼い頃から完璧な父親に同じように完璧を求められ、期待に応えられないとしつけとして、箱の中に閉じ込められて...父親の笑顔と優しい雰囲気、そして箱から出される時の...好きすぎました。
基本コミカルなんだけど、トラウマのシリアスな部分が効いていて好きでした。
カバー裏でバッドエンドが2つあって滝本が選択肢を間違えるとバッドエンドに!っていうのを読んで、バッドエンド!!バッドエンドも読みたい!!ってなりました。
面白かった〜!!
社内でも完璧な振る舞いで有名な上司が実は・・・まさかの幼稚園児レベルの異常な怖がり。
一緒に寝てほしい、一緒にお風呂に入ってほしいと言います。
当然、男同士でそんな事はしたくない部下は拒否するんだけど、上司は何故ダメなのか解らない。
一人だと怖くて髪が洗えない!と主張し
「後ろに気配を感じたらどうすればいいんだ!死んだらどうすんだ?!」とすんごく必死。
・・・・気配(笑)
なんなんだ?この人・・・と思いながらも、渋々妥協点を見つけて協力してあげる部下。
この上司はすれてないゆえの危うさや世間とのズレもあり、ほんと何なんだよ・・・と思いながらも部下は振り回されてしまう。
上司は部下の提案にぱあっっと笑ってみたり、怒られてしゅんとしてみたり・・・表情が屈託無く無邪気な子供のそのもの。
そんなある日、上司のことを良く知っている謎めいた隣人が引っ越してきて、その完璧さは、彼の父親から躾の一環(虐待だと思う)によるもので、暗闇もそれが原因であることを教えてもらいます。
過去のトラウマものって扱いが難しいと思うんです。
そればかりだとダーク過ぎて息苦しくなるし、おざなりだと読者は消化不良になってしまうし・・・。
この作品は、トラウマ持ちで異常な怖がりにも関わらず、なんだかずれてて部下を振り回す上司の可愛さに救われている部分も大きいと思います。不思議な魅力を持った人物で彼から目を離せない。
最初は一緒に寝ろ!だの当然のように押し付けていたのに、途中からはこれ以上嫌われたくないからと一緒に寝てほしいにも関わらず、大丈夫だと嘘をつくいじらしさ。
そして悪意のない鈍感さも持ち合わせていてそれが部下を傷つけるのだけど、その鈍さからの脱却とともに二人の関係も進んでいくところも良い。
部下が最後に「何かできないことがある度に どんどん好きになる」と言ったのに対して上司が「そんなこと言われたら 僕は何もできなくなってしまうよ・・・」と答えるのが素晴らしいです!!
暗闇に関する着地点も良くて、お見事でした。
描き下ろし、まさかの攻め×攻め攻防が少し見られて、またちょっとSな部下も見られて楽しかった!
課長がとにかくかわいいです。
最後まで本番はないのですが、ぜひとも本番が読みたいし、課長のかわいい姿がもっと観たいです。
くっつく前から浮世離れしたものの考え方をする課長ですが、そこは滝本くんが目を離せなくなる一因でしょうし、課長がなぜ恐怖心を抱くようになったのかを知ると守ってあげたくなります。
くっついた後もまずまず浮世離れした考え方は抜けていませんが、ころころと表情豊かに喜んだり焦ったり落ち込んだりしている課長がとにかくかわいいです。
そんな課長にキュンっとする一冊でした。
ずーっと気になっていたのですが、絵が苦手でして躊躇してました。
最近『暗闇がトラウマ』の受けが出てくる作品を読み、こちらもやはり同様のトラウマの話なので興味が再発し購入。
うん。とても良かった。とても良かった。
トラウマの過去の映像が客観的に流れ、読者に共感や悲しみを覚えさせる方法は多々あれど、
これほどまでに過去の映像から苦しむ本人の姿が主観的に描かれ、苦しみが読者に伝わってくる作品は中々ないのではないか。
彼の感じている恐怖が、私の想像ではなく、映像で伝わるものだからパンチが強い!!本当に闇を感じ、可哀想という哀れみよりも恐怖を覚える。彼の闇への恐怖は決して大袈裟ではなく、本物なんだろうと体感する。
そんな闇を感じた所から見える光。素晴らしい。
二人が結ばれる為に都合よくトラウマが作られたのではなく、重たいトラウマをしっかりとゆっくりと二人で軽くしていく。決して消える不安ではなく軽減する不安。この辺が非常にリアルで、甘くない所が本当に良かったです!
だからこそ、見えた光の強さ優しさを強烈に感じられる。
凄く心に響いた作品でした。