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表題作花にくちづけ

平井一(いっくん),21歳,冴えない大学三回生
松川花太郎(ハナ),姿を消していた高校の同級生

その他の収録作品

  • 花とくちづけ 前篇 / 後篇
  • メガネの野望(描き下ろし)
  • あとがき
  • カバー下:漫画「俺の名前をいってみろ」

あらすじ

高校卒業直前に親友の花太郎に乗っかられ童貞を喪失。
しかしその直後に彼は姿を消し、三年後、突然戻ってきた時には女装男子になっていて!?

作品情報

作品名
花にくちづけ
著者
阿部あかね 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
シリーズ
花にくちづけ
発売日
ISBN
9784403665165
4.3

(192)

(107)

萌々

(57)

(15)

中立

(6)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
24
得点
814
評価数
192
平均
4.3 / 5
神率
55.7%

レビュー投稿数24

地味メガネ×女装、愛しいふたり

女装モノ、近年よく見かけるようになりましたね、
最近は特に多いような気がします。
その中でもコチラの本は、頭ひとつ出ているような印象です。
女装のクォリティーが高くて可愛いくて、バリエーションも豊富で、
見た目でもとても楽しめるけれど、
女装をしていない素の状態ではちゃ~んと男の子。
攻めが女装する受けのことを、
ひとりの男として、親友として、恋人として見ていて、
そのうえで、女装姿にもドキッとしてるのでとても好感が持てました。


ふたりは高校の同級生で親友、
だけど高3の冬、受けは自分はゲイだとカミングアウトし、
そのまま攻め(表紙左)に乗っかって、耳と目を塞いだ状態で告白。
その告白が聞こえていた攻めは、
その後に姿を消してしまった受けのことが忘れられず、未だ童貞のまま。
なのに、3年後に帰ってきた受けは、
ロングヘアで胸も膨らんでて、どこからどう見ても女性!
(ウィッグ&胸パッド~~攻めの前でとって見せるのが可笑しい♪)
しかも、ゲイモノのAVにチョイ役で出演したとか、
何でもない事のように楽しそうに話してきて、攻めはショック…
でも、
グイグイと甘えて絡んでくる受けは、
昔のままのところもいっぱいあるし、女装も可愛いし、
まだ攻めのことが好きなのも顔を見てれば分かるし……だけど……


すごくすごく攻めが好きだからこそ、怖くて逃げちゃう受けと、
そんな受けのことが、好きだからこそ腹が立ってしまう攻め。
(わたしは共感できるのは、攻めの方だったなぁ)

なりふり構わず想いをぶつけるシーンは、
お互いの気持ちの強さがダイレクトに伝わってきて、
だけどちょっと可笑しくもあって、とても素敵でした。

なんでパッとしない外見の攻めのことを、
受けがずっと好きだったのかもちゃんと描かれて、
ふたりのやり取りを見てても、
替えの利かない相手なんだって伝わってきて、
自然だけど説得力が感じられる話になっているのも、さすがでした。

エッチは女装しないで~が多いのも、
素のお互いが好き!って感じでよかったし、
女装の醍醐味ともいえる(?)、
小さなパンティーが膨らんで~なのもシッカリ見れたし、
それに興奮してる攻めはムッツリすぎて可笑しかったし、
キュンも笑いもいっぱい詰まっていて、とっても楽しめました♪♪♪

13

再会BLの先は臆病な大胆


どうして阿部あかねさんってこんなに素晴らしいのでしょうか。
こんなに言葉で言い表し難い作家さんは数少なく…読んでいて一度は顔が険しくなります。キャーって悶える一線を越えているんです。思わず噴き出してしまうところも必ずありつつこの、ひとつの物語としてのクオリティの高さ。続きが気になって気になって進んでいく。
引き出しが多いなぁ、とも。今回は女装男子(受け)がどこか頼りなくてかわいくて。あかねさんといったらダメ男ですがこの受けもだめだなぁと思いつついとおしさが勝手に募るばかり。攻めの気持ちとシンクロします。
内容としては亡くなっていたお父さんの皆のお墓、の前で、「まぁ俺もいずれはココや」発言が引っかかっていて一巻じゃ勿体ないくらい、もっといちゃいちゃして花(受け)の心を紐解いていってほしいくらいです、が。
恋愛面ではえちシチュ含め大満足でした。笑 本当、ただの男の子としてもサラッとしていて格好良く、その上女装映えするだけの花の綺麗さ可愛さ、攻めのいっくんのモサっと絆され攻め感…あー、よい。笑
そう、外見ですね!絵柄というか外見がいつも、登場人物を思い出してすぐこの人はこの話だと思い浮かぶのが凄いなぁって。
あとは終始方言BLでもあります。ここで思い出すくらいなので読んでいく内に馴染む! 因みに関西弁です。

終わりの方のえち、好きなとこ。
「ちゃんとした理由!」のとこの攻めの顔。(あかねさんの漫画でちょいちょい出喰わすギャグ顔)
攻めの「舐めてええ?」&ふぇ○顔。からの受けの「た……食べてんのん?」←めっちゃ可愛い
……。あれ。漫画見返しつつこんなかわいらしいちんでAV出てたのか受けは……。逆に燃えr
それはさておき。笑 真面目に、自分が、胃が痛くなるほど心配だとか嫌だって思っていることとかって、案外相手にしたらなーんてことないことなんだなぁって改めて救われたりもあり…好きだなぁと。

あかねさんにしか描けない色気諸々、相変わらず何度めかになる作家買いの意思が上塗りされました。

もう…ここにきて裏表紙のふたり含め、題名が。

いとしくて仕方ないです。

9

ハナちゃん、めっちゃかわえー♡♡

性には奔放でゲイビに出たり女装バーで働いたりもするけど、大好きな人の前ではとたんに何をどうしたらいいのか分からなくなってしまう花太郎と、ムサくてお洒落にも無頓着で、恋愛経験もゼロの上に本の読みすぎで頭ばっかりでっかくなってるいっくんのお話。

高校卒業前にいっくんの童貞を奪って姿を消したハナ。いっくんのことが大好きだけど、告白して拒絶なんかされたら立ち直れない。だから、最後の思い出作り。イヤフォンで耳をふさいで、洋服を頭にかぶせて目隠しして、一方的に乗っかかって。泣きながら「めっちゃ好き・・・」って囁いて。もう一生会わないはずだった・・・だけど、結局は我慢できずに3年後大阪に帰って来るハナ。また友達として楽しくやれるはずだった。でも、実はいっくんにはあの時の告白が聞こえてて・・・

不器用過ぎて近づいたり離れたりを何度も繰り返す2人です。見ている方はヤキモキを通り越してちょっとイライラ。主にいっくん。と言うかいっくん。ツッコミどころありすぎ。なんでやねん!!新種のヘタレですか?あんな可愛さの塊みたいなハナちゃんをあそこまで追いつめてもう一回告白までさせてといて「すぐには答えられへん」って、何様!?ヽ(`Д´#)ノ ムキー!! しかも、ハナの働く女装クラブに乗り込んで怒鳴り散らした挙句「なんで帰って来たん?正直迷惑や」とか。好きなくせに思ってることの真逆を言うなんて生理中かっ!!しかも女に追いかけさせてどうする!!いっくんは外面的にはヘタレキャラではないけれども、恋愛偏差値が低すぎー( ;∀;)

でも、いいんです。そんな中盤の私の怒りとかはどうでも。恋愛下手な2人だけど、最終的には本当に幸せになれて良かったよぉ。。。後半ハナのお父さんが亡くなるんですが、このあたりからいっくんがかなり男らしくて。ハナはいっくんと一緒なら何でも乗り切れるなって安心出来るぐらいです♡いっくん突如男前になりすぎww(謎に腹筋とかも割れてる。七不思議か!)

全編大阪弁で、私が一番萌えたのはハナがいっくんにまたがって「俺に触れんのいっくんだけなん♡」っていうセリフです。かわいいー(*´Д`)ハァハァ あっ、ハナは女装中は女性にしか見えないので、男性が女装をしてる感じが好きな人は注意です。エロは阿部先生作品の中では多めかな?初めていっくんからハナにフ●ラしてあげるシーンがよかったな( *´艸`)いっくん経験ないくせに舌使いエロいww えっちなシーンはほとんど女装してなかったですね。あと、何と言っても描きおろしです!!正直、このまま終わっちゃうのかなと思ってました。不完全燃焼感?いっくん覚醒しきってないよと。でも、描きおろしで完全に爆発しました。いっくんも阿部先生ワールドも。ムッツリド変態あざーす!!最後の2コマが神でした(*´▽`*)

8

どんなときも。

“高三冬の大事変”とは・・・高校卒業直前に親友から「ゲイやねん」とカミングアウトされ『思い出作り』と称し、乗っかられ童貞を奪われること。
しっかり覚えとこ(笑)
女装男子と聞いて二の足を踏んでいる方、安心して下さい!素の花ちゃんの可愛さを知れば、そんなの全く気になりません。それに男の子の花ちゃん(受け)の方が、とびきり魅力的に描かれていますので。
あ~~…いっくんと花の日常会話が全て好きなので、是非CD化して欲しいなぁ。
演者は関西弁がネイティブの声優さんでお願いします!

三年ぶり、事変首謀者・花が帰還してからの物語が、いっくん(攻め)視点で進んでいきます。
そして予感した通りに起こる、笑いとシリアスとハッピーと切なさを ぎゅっと詰め込んだ日々。
いっくんフィルターを通して語られる花は奔放なのに一途で、アホだけどほっとけない惹かれてやまない、愛しい存在。

関西弁で彩られた本作。これ、標準語で言われたらしんどいな・・・と切実に感じる場面も、関西弁の持つどこかユーモアを含んでいて救いのある響きに助けられていた気がする。
にしても、ツッコミつつ話の核心を突いていく、あの技術。何なんですかねぇ、あれ。
凄すぎてずるい。
印象的なモノローグもいくつもありました。小難しいことは何ひとつ描かれていないが、花の丸ごと全部を真剣に受け止める いっくんの心情だからこそ、こんなに胸に刺さるのだと思う。

一人では抱えきれない不安や寂しさ、女装だろうと同性同士で手を繋いでいようが、混沌としていてもどこか人の温かさを感じる花の地元が、自然と二人を受け入れてくれそうなのも良い。
「どんな事があっても放さへんよ」
「ずっと一緒におろな」この言葉が、恋にうつつを抜かしている人のたわ言ではなく、一生懸命に恋をする二人の選手宣誓に聞こえてきました。

最後に、描き下ろしでいっくんの変態性を爆発させてくれた阿部さんが、とても好き!

6

なにわ泣き笑い人生劇場

2/11に「花といっくん」を読んでハマり、BL資金をやりくりして「花にくちづけ」も買うぞ!と宣言した者です。
買っちゃいました、その日のうちに。某通販サイトさまさまです。カード払いってこわい。

阿部あかねさんはわたしにとって地雷メーカーであり、面白作品メーカーでもあるという不思議な作家さんです。両極端すぎてポテンシャルものすごい。
そして楽しみに待った「花にくちづけ」、すっごくよかったです!!!
やっぱり買って良かった。読んで良かった。「花といっくん」ももう一回読もう。

「花といっくん」を読んで謎だったいっくんの「ほぼ童貞」も「レジェンド」もスッキリ解決。
花といっくんのなれそめは予想以上でした。
本編4ページ目で早くも噴き出しました。ツッコミが的確すぎる。
大阪弁のテンポの良い掛け合いも、小ネタもいちいち面白い。
それなのに切ない。悲しいし、やるせない場面もあるのです。
花はあほの子だけどものすごく一途だし、ヘタレっぽいいっくんが何気に性格男前。真剣に向き合っているからこそ、間違えたり逃げたり、でもやっぱり会いたくて仕方なかったりする、人間くさいふたりがどこまでも愛おしい。
笑って泣いて、また笑って。つらいことがあっても一緒にいるからまた笑える。ずっと見ていたい。そんなふたりでした。
本当に好きです。大好き。

4

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