• 紙書籍【PR】

表題作甘い生活

藤井清隆, 大学1〜3年生,文和の家庭教師
三宮文和,小学4年〜中学1年生,不登校の少年

同時収録作品口唇エレジー

三宮文和,中学3年〜高校1年生
藤井清隆,24〜25歳会社員

同時収録作品太陽がいっぱい

三宮文和,高校1年生
藤井清隆,25歳,会社員

あらすじ

家庭教師のバイトを始めた清隆の生徒は、不登校の子供だった。本を読む以外に反応を示さない文和に、とうとう清隆は切れて、欲望のままに押し倒してしまう…。

少年と青年の微妙な心の関係を描いた「甘い生活」。高校生に成長した文和が恋に悩む姿をつづった「口唇エレジー」。そして、二人のその後を描いた書き下ろし「太陽がいっぱい」等3本を収録。木原ファン待望の作品がついにノベルズ化。
(出版社より)

作品情報

作品名
甘い生活
著者
木原音瀬 
イラスト
石原理 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
アイスノベルズ
発売日
ISBN
9784872788662
3.9

(40)

(19)

萌々

(8)

(7)

中立

(2)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
17
得点
150
評価数
40
平均
3.9 / 5
神率
47.5%

レビュー投稿数17

ゾクゾクするほど見事な下剋上でした

うひゃー!鬼畜キター!
どこが甘いんじゃい、と突っ込み、これは「甘ったれた」という意味だなと思って納得しました。
また胸くその悪くなる作品が登場です。
木原さんすごいよ、児童ポルノ確定だよ。
「気の弱い鬼畜」という、一見矛盾してるようで矛盾してない主役の登場です。
木原作品の鬼畜キャラというと、『FRAGILE』の監禁男や『POLLINATION』『FROWER』のスーパースペシャル鬼畜医者などが有名(?)ですが、 この小説の鬼畜はそういう鬼畜とはかなり違います。
引きこもりの小学生をレイプするゲイの家庭教師が主人公です。
主人公の好きなタイプは『同い年か年上の頼れる人』なのに、気が弱いゆえにそういう相手には思いを打ちあげられず、結局は手近にいたかよわい小学生に手を出すのだ。
最低の人間です。
いいのかこれは。
や、いいとか悪いとかではないな。
児童に手を出す性的犯罪者のうち、真のペドフィリアをのぞけば、その大半は「オトナを相手にするのがコワイ、コドモならコワクナイ」という気の弱い人間なわけで。
そういう意味で、この主人公の人物造形はリアルです。リアルに醜い。

もちろん、この主人公は、のちに手痛いしっぺ返しに合います。
小さくてかよわい小学生は、いつまでも小さな小学生のままではいないのだ。
家庭教師をする数年間のうちに、その小学生はめきめきと身長を伸ばし、彼にどんどん近づいていく。
そして――。

ゾクゾクするほど見事な下剋上を楽しみました。
ずっと受け役をしてた小学生が中学生となり、リバーシブルに踏み切って攻めに転じたその瞬間、

キター!!

でしたw
下剋上によって復讐心が満たされたあとは、この二人の寒い関係が、どうやって愛に変わってゆくか、という部分が見ものとなります。
木原さん得意の、イビツな人間同士のイビツな愛の姿を、また一つ堪能しました。

「すごいだろう、俺は好きな人を守れるんだ」

高校生となった男の子のセリフに、ちょっとジーンとしました。
登場時は失語症状態の登校拒否児、小さくて無力な小学生にすぎなかったのに。
小児レイプした鬼畜男は、はからずも理想の相手を恋人にすることができたのかもしれない。
何年もの時間をかけて。

ちなみに私はショタ萌えはまったくないいんですが、木原音瀬作品に限っては、大丈夫みたいです。
ショタ萌えはないけど、『小説』として面白い。

15

むつこ

刑務所に悲鳴をあげられ、腐女子は追い出されそうな予感がしてきました。


>>菊乃さん
岩井おさむw
わかるわかる、私もそうですw

いろんなものを乗り越えさせられて、一歩、また一歩とケガレてきちゃったんですね~(-人-)ナムー
乙女から腐女子への脱皮は一瞬、おそるべし木原マジック。

そういや『FRAGILE』には浣腸シーンがありましたね~。やけにあっさりした描写で、それが逆にそそられました。(そそられたんかい)
水城さんの『爼上~』でも、背景になにげにイチジク浣腸が描かれてて、「つ、使ってんのかい恭一!」ってツッコミ入れた記憶が。

ハッ( ̄□ ̄;)

スイマセン、スカト〇と聞いて、思わず浣腸を熱く語ってしまいました。

菊乃

アムロ、逝きます!!w
。。。。。
私もガンダム詳しくないので
このセリフで思い浮かぶのはモノマネの若井おさむだったりしますw

ショタプレイはどちらかと言えば苦手なんですが
コノハラマジックにかかって、オヤジもスカ○ロも近親相姦も乗り越えたので
きっとショタも越えられると思います!

なんとか今月中に手に入りそうなので
そしたら“ショーシャンク計画”スタートさせて下さい!w

むつこ

>>菊乃さん
いけ!アムロ!
突き進め!
えーと、、

そういや私、ガンダムには詳しくないんだった。なぜガンダムネタで背中を押そうとしたのか自分でも意味不明です。
『FRAGILE』がいけるなら、たいがいなんでも大丈夫だと思いますよー。(勿論ショタレイプがダメならオススメできないんですが)
この本(に限らず、木原音瀬さんの絶版作品)の場合は、入手が一番のネックなんですよね~、ほんとに高いし(涙)
困難乗りこえて、ぜひぜひお試しください♪

おし、刑務所には一緒に行きましょう。ショーシャンク計画発動させます!
刑務所内にBL図書館作っちゃえばほら、もうそこはパラダイス(*´∇`*)

むつこ

>>乱菊さん
おはようございます!
この話は、あやしいシーンだけ書きかえっていうのもできないですからねー。
たまに近親相姦ネタを削ったり、ショタレイプをイタズラ程度にかえて新装される本も見かけるんですが、そういうのができない。
つまり、このストーリーのなかでの必然なんですよ!(そこがスゴイ!サービスシーンではないのだ!木原さーんヽ(´∇`)ノ)

『こどもの瞳』は、タイトルと表紙の雰囲気で読むと衝撃を受ける作品のベストスリーぐらいには入ってる気がしますw

菊乃

むつこさん、こんばんは~。
ずっとむつこさんの「木原音瀬祭り」を羨ましく思っておりましたが
この「甘い生活」は、何が何でも読んでみたくなってしまいました!
てか、やばいです?自ら刑務所に行こうとしてます?w
しかも、そんな法案が通った日には
今でさえ高値をつけているこの本がさらに入手困難になるかも?

コノハラー初心者としては、ここまでハードな作品は
越えられるかどうかギリギリな気もするんですが
(「FRAGILE」が今のところボーダーラインです^^)
挑戦して見る価値ありますよね?
ぜひ背中を押してやってください!

ワッショイ!

乱菊

ですよねー。
確実にこの作品の新装版は無理っぽい雰囲気ですもんね。

『こどもの瞳』とかもある意味ギリな感じする・・・。
心は子供とヤっちゃってるわけだから。
だけども、見た目は大人だから、そういうのは多分OKなんでしょうねえ。
そうするとこの法案って一体何なんだ?って思う訳で。
やだなーやだなー。



P.S.網走でマッテマス!!!

むつこ

>>乱菊さん
大丈夫!
網走刑務所だろうがアルカトラズだろうが、差し入れ持って面会にいきますから!
(どこが大丈夫やねんw)

正直、たとえ法案が通っても、この程度じゃ逮捕みたいなことにはならないと思いますが、それより怖いのは、こういう法案が審議されるだけで、出版社さんがこぞって自主規制に励む可能性があることかな。
作家さんたちの足枷になって、自由な創作活動できなくなるんじゃないかなと。
こんなに面白い作品も、新装版が出にくくなるんじゃないかなーと。

BL作家さんたちには足枷をつけないで(>д<)!!

乱菊

確かにこのお話はショタ萌えとか、そういう甘いものではないですよね。
うん『甘ったれた生活』ですよね、言いえて妙です。

と言うかね、これ所持している私は・・・・・・

||Φ|(|´|Д|`|)|Φ|| タイーホ!!!


こういう事になるんすか?
NO!児童ポルノ法!

名作です。でも読み手を選びますね。

木原さんの本の事を
私は別名「人でなしカタログ」と呼んでるんですがw
この作品も、みごとに最悪の大人が登場してましたね。

まず、家庭教師として行った家の
小学四年生の男の子・文和に欲情して強姦する大学生・藤井。
しかも、相手が抵抗しない事をいいことにその後大学卒業寸前まで関係を続け
そのうち、成長した子に恐怖を感じてさっさと家庭教師を辞めようとするあたり
身勝手もは甚だしい。
てか、これって犯罪だよね。。。
そういう事件が現実の世界でも起こっている事を考えると
変にリアルできついです。。。

そして、実はもっとも腹立たしいのが文和の義母。
登校拒否している息子を心配しているふりして
実は、その事が夫にばれるのが怖いだけの
自己保身ばかり考えてる最悪女。
まあ、その原因を作ったのが、文和の父だったり
義母が来るまでのお手伝いの老女の虐待だったりするわけで
ほんと、まともな大人なんて一人も出てこないのかよ!
とかなり失望させられました(お話に、じゃなくて、大人にw)

だから、強姦とはいえ
初めて自分の事を必要としてくれた藤井のことを
文和が好きになってしまったのは仕方なかったのかな、と思うんですが
藤井の方には愛情などはないわけで、歯がゆいです。
そんな藤井にはちゃんとツケが回ってきたのでちょっとスッとしたけどw

でも「口唇エレジー」で
相変わらず、自分の生活のすべてが藤井中心に回っている文和と
そんな文和にきつく当たりつつも体の関係を続けている藤井を見てると
文和のあまりの一途さが見ていられない気分にさせられます。
こんなサイテーなヤツ、もうやめとけ!
と、なんど心の中で叫んだか!!
しかし、文和は結局藤井の元へ。。。

ノベルス版の書き下ろし「太陽がいっぱい」があって救われましたよ。
特に、ラストの文和のうれしそうな様子と心からのセリフ。
文和の親友・森村と同じく「なんでこいつがいいんだ?」と思っていたのが
エピローグでストンと腑に落ちた感じで
全体通してかなりきつい内容だったのに読後感をすっきりしたものにしてくれました。

未成年、それも小学生に手を出してしまうので
読み手をかなり選ぶと思うんですが
ぜひ、この作品のどこが“甘い”のか、感じて欲しいです。

11

菊乃

>むつこさ~ん!コメントありがとうございます^^
だいぶ前に読み終わっていたんですが
何度レビューを書いても、萌えどころが語れなくて
もういいや、エイ!とレビュー上げちゃいました^^;

こんなに酷い登場人物ばかりなのに
やはり最後まで読ませてしまう木原マジックおそるべし!
でも、最後まで読んだおかげであの唯一(?)の萌えゼリフに出会えたので
頑張って手に入れて、読み切って本当に良かったです^^

むつこさん、ショーシャンク計画発動の危険性も恐れずに
薦めてくださってありがとうございました!!w

むつこ

キター♪
待っておりました。
「人でなしカタログ」まさにwww
「どれだけ最低の人間を描けるか」に挑戦してるのかのような、ほんと人でなしで、胸張ってみんなにオススメできないのが、木原さんの一連の「人でなし小説」なんですよねw
文章力や描写力のない作家さんがこれをやったら、読者の誰もついてこないだろーなァ。
菊乃さんも、単純な萌えを感じただけではないようで、ニンマリしましたw

タイトルの意味

作品を読み終わって、このタイトルの意味を考えるのもこの作品の味わい方の一つだと思う。

藤井はどうしようもない男です、弱くて小心者で卑怯で人間のクズ。
そんな男に子供の頃に犯されるという行いをされていても、それでも藤井の事がやはり好きな三宮。
あ、自分はショタスキーですがこれは所謂BLショタとは全く位置にあります。
藤井はBLショタでなくて、現実的な小児相手の性的犯罪者のそれに近い描写で書かれています。

大学生でゲイの藤井が家庭教師でみている、小学4年生の三宮を無理矢理レイプしてしまう。
自分より弱い立場の者を力付くで犯す、完全に性的暴力な、まさしくレイプ。
藤井は三宮に口止めをし、彼が母親に何も言わない事を知るとそれをいい事に家庭教師に来る度に三宮を抱く様になります。
しかし4年たち、幼かった三宮の身長はぐんぐん伸びて成長し子供ではなくなってしまい、次第に藤井の好みから外れて行くのです。
大学卒業をひかえて、藤井は家庭教師を辞めようと告げた時に今度は藤井が三宮にレイプされる。最初に口止めにと渡したコインを渡されて。

自閉症かとさえ思っていた三宮ですが、その後、中学、高校と行き部活までこなしていて、数少ないですが友人も居る。
家庭教師はとっくに止め、今は会社員として働いている藤井の元へと三宮は訪れ、嫌がる彼を抱き続けます。
会社員になっても相変わらず藤井は、弱くて小心者で、そして卑怯で自分勝手なところも相変わらず。
なのに三宮は彼に落胆も見捨てる事もなく、ただただ藤井の元へと通う。
そんな彼らの奇妙で不思議な関係。
どんなにクズで小心者で卑怯な藤井でも三宮にとっては彼だけ。

最後の三宮の一言が印象的でした。
「すごいだろう、俺は好きな人を守れるんだ」

11

泥の中から生まれるもの

全く甘くないらしいというレビューを踏まえて読んでみて、こういうことかと納得。
小学生を強姦、しかも常習化。罪悪感も最初だけで、いつになったら勉強教えるのかと思って待っていても結局何も教えないまま。
自分の都合で勝手に関係を終わらせたりと、本当に鬼畜な藤井。しかも自分がやれらた時には、痛がって打ちのめされる。ちょっとまて、体格的にお前の方が楽だったはずだろ、と苦々しい気持ちに。本当に人の痛みには鈍感なくせに自分の痛みには弱くて、卑小というのがぴったりの変態でした。
それを受け入れて藤井に思いを寄せる文和もまた歪んでいて、それは成育歴のせいではあるのですが、普通とはかなり逸脱していて周囲がそれを受け入れがたいのも仕方がないと思わせます。
文和の家族も、藤井がのちに手に入れる恋人も、二人が深く関わる人々はみんな歪んでいます。
そんな二人の世界の中で、何にも侵されずゆるぎなく育った文和のまっすぐな思いだけが聖域のように美しかったです。
蓮は泥から生まれて美しい花を咲かせると言われますが、まさにそんな感じ。始まりも環境もひどいものだったのに、それを大切に純粋に育てた文和の気持ちの美しさ。それをずっと秘めていることしかできなかった不憫さが哀れで、しかしそれゆえに胸を打たれました。
自分は好きな人を守ることができると晴れ晴れと言う文和が手に入れたものはきっとかけがえのない素晴らしいものなのでしょう。そのゆるぎない純粋さで彼と藤井は救済されるんでしょう。
文和が小学生のときに読んでいた聖書とこの救済とで、なんだか宗教的な雰囲気を強く感じる作品でした。

木原作品は一貫して、愛による救済の物語を描いている気がします。これは割と直截的にそれが表現されている気がしました。

11

痛くて辛いが最後まで読むと感動ものに……

家族に腐を秘密にしているため、電子書籍での入手が原則です。
勇気を出してネットで中古品を購入。
この機会を逃したら2度と読めないのではないか?と思ったから。
コノハラーとしては、どうしても読みたかった。
読んでみて、やっぱり再版&電子書籍化はあり得ないな……確信しました。

下衆の中の下衆、キングオブ下衆が攻めです。
この攻めの藤井は、今まで読んだ、どの作品に出てくる登場人物より下衆い。
よくも、まあ、こんな最低な人物を描くことが出来たもんだ……と尊敬します。
内容も、本当に痛くて酷い。
なのに、最後まで読むと、ポカポカと心が温まる良いお話になっている……

何故??
木原マジックです。

萌えるかと問われれば、全然、萌える事は出来ない内容です。
でも、あえて『神』評価をつけさせてもらいます。
ここまでの内容の作品は、これから先、商業BLとして出版不可能だと思うから。
読後感は、最後まで読むと悪くありません。
むしろ、文和の成長具合に感動して、涙さえ出てきそうです。

あとがきに書いてあるこの言葉、『手にいれたものは、ひょっとしたらクズかもしれないけど、まあ自分が宝物だと思っていればそれでいい』 、これがこの作品の全てを物語っています。

9

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP