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表題作龍の節義、Dr.の愛念

橘高清和,20歳,眞鍋組組長
氷川諒一,30歳,内科医

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

清和くん、妬くのは僕だーー!?仕事に、浮気疑惑に、隠し子疑惑!!? 氷川、大活躍。初版限定イラストカードつき

作品情報

作品名
龍の節義、Dr.の愛念
著者
樹生かなめ 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
シリーズ
龍の恋、Dr.の愛
発売日
ISBN
9784062869119
5

(4)

(4)

萌々

(0)

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中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
20
評価数
4
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

それぞれの立場

表紙カバーイラストの金魚が印象的な今作。
なぜ金魚なのか?読んでみてよく分かりましたw
今作は奈良さんのイラストが特に素晴らしくて、うっとりと眺める挿絵も多いです。
個人的に、初めて心に刻まれた奈良千春さんの絵の表紙。
電子書籍ストアの新着BL一覧で、度々奈良さんの絵は見かけていましたが、この表紙は特に目に付いて印象に残ってます。
長編すぎてなかなか手に取れなかった龍&Dr.シリーズ。やっとここまで辿り着いたなぁと感慨深い気持ちで読み始めました。

今回は前巻と打って変わって後半はかなりシリアスでした。
明和病院に復帰した氷川の元に看護師として現れた麻薬取締官(マトリ)の兼世。
製薬会社、厚生労働省、櫛橋組、眞鍋組、清和、氷川、それぞれの立場や思惑が絡み、お話が進んでいきます。
清和には清和の、氷川には氷川の立場があり、2人のやりとりは見ていて苦しいし、切ない。
ヤクザとカタギの医者という立場の違う2人の間には、埋められない深い溝があると改めて思わされました。
読者は氷川目線で物語を読んでいるので、やはり氷川寄りの考え方になりがちですが、正義だけでは解決しないのが世の常。
指を詰めて責任を取ろうとする清和、止める氷川。恐ろしいまでの清和の気迫に読んでいて心臓がバクバクしました。
20歳になって氷川のことをお前と呼ぶようになり、時には怒鳴りつけるようにもなった清和は、やはり極道の男なんだなとしみじみ…
でもそれは決して読んでいて不快なものではなく、組長という自分の立場や女房である氷川を守っていくという男としての決意がより強固になって現れた変化だと思うのです。

祐は、氷川を清和のもとへ行かせまいとしますが、あれは氷川を使って清和を止めようとした作戦でしょうね。清和が指を詰めようとしてると知ったら、絶対に何が何でも氷川は止めようとするでしょうから。
「丸く収まってたことを大騒動にした」と祐は氷川に言うけれど、そもそも沙織と土肥が氷川を引き止めて家に入れなければ、氷川は何も気付かずにそのまま帰宅してたと思うんですが…
岡田からのメッセージを読んでしまったのも、あの状況では仕方ないことですし。
氷川が郵便物を岡田家に届けた時点で、最初から沙織と土肥は氷川を家に招き入れて何かするつもりだったのか?それとも、中身を読んでしまった氷川がどこまで気付いたか探るつもりだったのか?
多分後者で、結果的に氷川が襲われることになったのかなと思いましたが…
真実を知ってしまった氷川が大人しくしているわけがないんですよね。自分にも関わることですし。

それにしても清和は花音を始末しようとしてたくらいなのに、そっちの方が(もし実行してたら)櫛橋組と揉めませんかね?w
氷川は核弾頭ですが、清和は氷川に危害を加える相手に対しては見境なく始末しようとするので(桐嶋といい関係を保ってるのが奇跡w)、サメや祐は氷川を抑えるよりも清和を抑えるのが苦労なようで…
結局、怒髪天を衝いた清和を止められるのは氷川だけだし、核弾頭に頼るしかないんですよ。登場人物それぞれの力関係やキャラクターが本当に面白くて魅力的!相関図を作ってみたくなります。

この巻は電子書籍のナンバリングでは29巻となっていますが、ここまで来てもやっぱり面白い!
初期の頃よりも巻を重ねる毎に面白くなってきていると思います。清和も氷川も初期の頃に比べると変わってきています。
相変わらずオカン気質はありますが、氷川はギャーギャー煩いだけの女々しいキャラじゃない。
正直、番外編含めて40巻近く出ている小説にはなかなか手を出しにくくて迷ってましたが、思い切って大人買いして良かったです。
この1ヶ月足らずで睡眠時間を削り29巻まで読みました。息の長い作品なのでダレる巻もあり、緩急いろいろですが、読んで行く度に嵌る。おすすめ作品です!

最後に…ウラジーミルが出てきたので、次巻はいよいよ藤堂が動き出す!?

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