サヨナラ・リアル(表題作 「恋する鳥は空を飛べない」)

sayonara real

サヨナラ・リアル(表題作 「恋する鳥は空を飛べない」)
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神24
  • 萌×28
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

35

レビュー数
6
得点
152
評価数
33件
平均
4.6 / 5
神率
72.7%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
シリーズ
ダリア文庫(小説・フロンティアワークス)
発売日
価格
¥657(税抜)  
ISBN
9784861349003

あらすじ

高校生の真白の背中には羽が生えている。好かれるのも嫌われるのも、人格ではなく羽。そんな自身に空虚を感じていた真白は、「心の底から笑ったことある?」という美術教師の高岡の一言に救われて恋に落ちる。真白の告白はつれなく断られるが、高岡を想う真白は『美術準備室にいると窒息死する』という不穏な学校の噂を調査し始め……。人間と獣人が共存する世界。そこで生まれる3つの恋景色。

表題作サヨナラ・リアル(表題作 「恋する鳥は空を飛べない」)

高岡翔
吉沢真白

同時収録作品毒蛇は涙をこぼさない

矢浪功貴
松本正

同時収録作品モノクロ世界でうたう猫

諏訪敏公
里田円

同時収録作品鳥は太陽にくちづける

高岡翔
吉沢真白

その他の収録作品

  • あとがき
  • ナツイロ・リアル

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レビュー投稿数6

じわじわとあったまる

人と獣人が一緒に生きる世界の、教師を好きになった高校生のお話です。すごく綺麗で、透明で、じわじわとあったまるお話でした。この2人のお話に関わる人達のストーリーがオムニバス形式で読めます。どの登場人物も、純粋で、可愛くて、癒されました。

大人な先生にドキドキする真白も、高校生の時の人を信じられない真白も、わかるなぁと思いながら読んでました。苦しくて息が詰まりそうな感覚も、鮮明に伝わってきて、素敵な文章だと感じました。
あと、先生が大人の余裕がある男すぎて……!反則だよ真白じゃなくてもドキドキするよ!そんな先生に一生懸命真っ直ぐに想いを寄せる真白も、不器用で愛おしいです。

綺麗なものを読みたい時、おすすめです。きゅん、とあったかい、幸せな気分になれます。

2

透明感のある綺麗なお話です(*^^*)

人間と獣人が混在して現代社会で普通に生活をしているという突飛な設定なのに、戸惑うことも無くとても自然に読ませてくれます。読んでいるうちに、いつの間にかグイグイ引き込まれちゃいます。

初読みの作家さんなんですが、文章がとても静かで綺麗なんです。透明感があるとでも言うんでしょうか?
私の表現力では上手く伝える事が出来なくて申し訳ないのですが、読まれた事がある方は、この独特な空気感が分かってもらえると思います。
そしてイラストが、これまた透明感のある美しい物で、これ以上無い程ピッタリ来ます!
特に表紙のイラストが、心が通じ合った二人の穏やかで幸せな感じを堪能させてくれて、ウットリと眺めていたくなります(*´ω`*)

全部で4編、3組のカップルが出てきます。
この3カップルがリンクしながら話が進みますが、美術準備室の噂という設定が上手く生かされています。
噂の真相が分かった時は「なるほどね」とニヤッとしました。

それぞれのカップルが魅力的なのですが、私が一番惹かれたのが表題作の高岡と真白のカップルです。
分別のある大人であるがゆえに、惹かれていても耐えるしかない攻続きめと、子どもだからひたすら真っ直ぐ向かって行く受けというのは、非常にもどかしくて切ないです。
卒業して3年がたち、少し大人になった真白と、教師を辞め自分の夢に進んでいる高岡が再び向かい合いますが、あのもどかしい3年がやっと報われたんだなあと感慨深いものがあります。

Hは最近では珍しくかなり控え目なんですが、この作品の雰囲気にあっていてとても素敵でした。
愛し合う二人の神聖な行為って感じで。バスローブの使い方にキュン死にです。

それと、最後のボーナストラックでは3カップルのその後が読めて、幸せな気持ちになれます。
あとがきの後にあるので見逃さないで下さいね。

2

小説なればこその自由度

人間と獣人が混在する世界での恋愛。
本作でのこの設定のおもしろいところって、獣人の発現が全くの偶然で、多少なりとも遺伝が関係しないとは言えないけど、いつ、どんな獣化した子が生まれるかは、誰にもわからない。
獣化は人種に左右される訳でも、住んでいる地域に関係する訳でもない。
そんな世界なので、獣人と人間が共存する世界の、背中に羽根があったり、毒蛇の牙があったりするファンタジックな登場キャラクター達の存在は自然で、悩みや葛藤や恋愛の物語もファンタジーをそれほど意識させずに読めます。

真白と高岡の物語から始まり、時間を行き来しつつ紡がれる三つのカップルの物語。
コミックだったら全4巻6年がかりの長期連載になりそうなラブストーリーを、小説なればこその一気読みでどうぞ。

2

非常にリアルな現代ファンタジーのオムニバス作品

大好きな朝丘先生の新刊です。
日常系が多い朝丘先生ですが、今回は半獣の獣人と人間が共存する世界の現代ファンタジーでした。
「人外」は本来「人でなし、人の道に外れること、人並みの扱いを受けられない者」という意味があり、差別用語とされている世界。
「自分と違う者」への偏見や嫉妬や賛美が描かれていて、非常にリアルです。ファンタジーが苦手でもすんなり入り込めるのでご安心下さい。

1章 恋する鳥は空を飛べない
美術科の高校教師・高岡×羽が生えた生徒・真白
2章 毒蛇は涙をこぼさない
毒蛇の毒牙を持つ先輩・矢浪×後輩・正
3章 モノクロ世界でうたう猫
学級委員長・諏訪×猫耳を持つ転入生・円
4章 鳥は太陽にくちづける
高岡と真白、真白の卒業から3年後の再会

以上4章の物語で構成されており、高岡と真白をメインにしながらも、真白を通じて縁を繋ぎ、1つの物語に集約していきます。

1章では幼く視野の狭い真白と、教師という立場を貫く高岡が描かれていてなんとも切ない。
2人が結ばれる事なく卒業と共に別れていくまで。
苦しいんだけど、教師と生徒が結ばれない現実的な流れが続き大変好ましかったです。修学旅行の夜は涙がホロリ。

2章では1章で真白をサポートした矢浪の過去が描かれています。
矢浪の生い立ちと、正の秘密が苦しく、私が最も泣いたのがこの2人の物語。若いのに様々な経験をした人間らしい2人に胸が詰まります。

3章では真白の担任教師だった諏訪先生の過去が描かれます。
猫耳は人間の10倍の聴力があり、猫耳持ちの円は陰口が聞こえてしまう。しかし非常にポジティブで、どちらかというと諏訪が円に救われる同級生青春モノ。
諏訪の偏屈っぷりと、最後の猫耳の円だけに聞こえる告白に萌えすぎて悶絶しました………。

そして4章で、成長して視野の広くなった真白と、教師を辞めた高岡先生の再会に繋がります。
1章での真白の幼さは4章の為にあるのが分かります。
高岡先生が生徒の真白に言わず我慢し続けていた想いも明かされるのですが、それも人間味があってよかった。
高岡先生の大人の色気と、バスローブの周到な使用方法にこれまた悶絶でした……。

あとがきの後には6CP全員が出てくる掌編もあって、大変満足度が高い1冊でした。
まだまだこの6人の未来が知りたいから書いて欲しい!と思える温もりと幸せに溢れた作品でした。

11

サイドストーリーのほうがツボでした

朝丘さんの新刊ということで楽しみに待っていました。


一つの高校が舞台。その高校を舞台に、関連する3つのCPのお話が収録されていました。

動物の特徴が身体に顕著に表れる『獣人』と、普通の『人間』が共存する世界。朝丘さんらしい人外(この表現は朝丘さん自身作中で否定的な見解でしたが)が出てくるファンタジー要素が詰まった作品でした。

表題作『サヨナラ・リアル』は高校教師の高岡×羽を持つ高校生・真白のお話。
2つ目のお話『毒蛇は涙をこぼさない』はかつてこの高校に在学していた矢浪×正。
3作目『モノクロ世界でうたう猫』は、高岡先生の同僚の諏訪先生と彼の後輩の円のお話。

全て彼らが高校在学中の時の話。全く関連がないように見えて、さすが朝丘先生というべきか、すべての話が無理なくつながっていてすんなり話に入り込めます。

正直、表題作『サヨナラ・リアル』は全然ツボに入らなかった。いや、ごめんなさい。
高岡先生に恋する真白と、真白の先輩の手塚くんがあまりにお子さま的な思考で読んでいてげんなりしてしまった。自分の感情ばかりを優先させる彼らがどうにも好きになれなかった。
続き
そして、真白の友達の板橋くんが彼らが通う高校の先生(女性)とそういう関係になったのがすんごい不愉快で。修学旅行で板橋くんと先生がキスをするというシーンがあるのですが、そこで先生が板橋くんは他の子とキスしたことがあると聞いてすねちゃった、という件があるのですが、なんだ、それ…、というか。ごめんなさい、先生×生徒(もしくは生徒×先生)って、先生のほうに「生徒とこういう関係になるのは…」という葛藤があるのは別にいいのですが、そういう葛藤もなくすんなり恋人になる先生、が個人的な地雷なんです。ちょっと気持ち悪い、というか…。つい保護者目線で読んでしまうからかもしれません。
そして一方の高岡先生のほうも真白に対する想いはダダ漏れなのに、どうしてそういう想いを真白に持つようになったのか、という過程もわからず、なんとも理解しがたいキャラに感じました。
なので途中で読むのを放棄しようかなと思ったほど。

が、その続きの矢浪×正はすごく良かった。
毒蛇の特徴を持つ矢浪の孤独と、彼の孤独を理解し、矢浪を支える正くん。
『サヨナラ・リアル』からこの二人の話に移行する過程も無理がない展開なので話に入り込みやすかったし、矢浪と正くんの繋がりにも思わずウルっとしました。

3つ目のお話の諏訪先生と円くんの話もよかった。
『サヨナラ・リアル』で人を食ったような態度を取りつつナイスアシストぶりも発揮する諏訪先生の高校生時代のお話。
なんだかんだ言いつつ、円一筋の諏訪先生がかっこよかったです。

終盤の高岡先生と真白の後日談もよかった。
高岡先生が、真白をどれだけ愛し、大切に想っていたのか。
そして、それぞれの話に出てくる3CPのその後の幸せそうな『今』を垣間見ることができて。

トラウマを抱える健気な受けに、こちらもやはり胸に何かを抱えている攻め。
どんな障害も、二人なら乗り越えていける、乗り越えていこう、という想いを持つキャラたち。
ストーリー全体を通して優しく、そしてたくましい雰囲気にあふれ、なんとも朝丘さんらしい1冊だったなという感じ。

『サヨナラ・リアル』だけだったら「趣味じゃない」なのですが、そのあとの話が非常にツボだったので萌え×2で。

3

朝丘先生最高です!

朝丘先生の作品が好きで色々と読んでるんですが
今回の作品もとても素晴らしかったです!!
相変わらず表現が綺麗!!読んでいて心地よくなる感じがたまりませんでした!!
今回はお話が3つ入っているという事で、それぞれ単独のものかと思っていたらキャラ同士の意外な繋がりがあって読み終わったあとにもう一回読まねば!!と思いました。
あと「美術準備室に長時間いると窒息死するという噂」の真相を知った時は笑ってしまいましたね(^ω^)

人間と獣人のお話ですが抵抗無くすんなりと読めますしそれぞれが抱える苦悩なども丁寧に書かれています。もちろん最後は皆んなハッピーエンドです!

可愛らしい登場人物達に心が温まりました!それにウルッとくるシーンもありBL小説初心者様&愛好家様どちらにもオススメできます!!

10

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