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久しぶりの新刊。耽美な絵柄が大好きな本仁先生の、その絵柄がぴったりとハマりこんだ『グラン・ギニョール』。表紙も中もどこを開いても美しく妖しげな世界観に、やっぱり好きだなぁとため息が出ました。
『耽美主義』にも収録の「ロマンティック」を読んでから、彼らのその後、またはその前を読んでみたいと思っていたので、こんな風に一冊にまとまってとても嬉しいです。
狂おしいほどに愛しあっていても決して交わることはしない須蛾子爵とドイツ人執事のコンラート。「愛しているから阿木乃男爵とおやり」と主はいう。誠実な恋人なら「Nain(no)」、忠実な執事としてなら「Ja(yes)」と答えるだろう。いやだといやだと思いながら口をついたのは「Ja」。こうしてコンラートの『グラン・ギニョール』は始まった。
体は反応しても忍耐でしかなかった歪な三角関係が、阿木乃のペニスをまるでコンラートのモノのように舐める須蛾子爵を見て【観る愉しみ】を知るコンラート。“コンラートの『グラン・ギニョール』”が阿木乃の身体を通した、“須蛾子爵とコンラートの二人の世界”に変わる。淫靡で退廃的な『グラン・ギニョール』。ゾクゾクするようなエロスに目を奪われ、「僕」という須蛾子爵が「コンラート」と口にするたび萌えました (*´д`*)
では、コンラートと彼に想いを寄せる白川伯爵、そして二人の逢瀬を知った須蛾子爵との三角関係は?
「(君を)救ってあげる」という白川が、部屋を後にしたのはなぜなのか、是非本編を読んで欲しい。
冒頭の「ロマンティック」までには、まだ続きがあるという『グラン・ギニョール』。色んな大人の事情で2巻が出る可能性は低いとあとがきされていますが私は読みたい。連載当初から考えていたと言う大どんでん返しの最終話を目にしたい。彼らを待っているのは生か死か。あるいは別の世界なのか。舞台に終幕は必要です。最後の大舞台『グラン・ギニョール』のFinaleを鑑賞させてください。
同じように考える人のうちの98%は人任せだと仰る本仁先生。リアルにリクエストを送ってくれるのは5人ぐらいだと…。ならば私はその5人になりましょう。誰か5人衆のお仲間になってくれたら嬉しいです。
エロスいっぱいな本作ですがそこはリブレ、白抜きが本当にしらけさせます。そして犬が殺されてしまうという設定もあるので、いくら可愛くない犬だとしても犬好きの私は「ううっ」と思ってしまい★ひとつ減らそうかともちょっぴり頭をよぎったのですが、物語としては大いに有りな展開でした。完結することを願って神を付けます。
耽美、絶望、諦観。こんな言葉が全編を通して漂いそれが足元にまとわりつき、時には身体全体にまで立ち昇る、そんな作品でした。絶対に最低あと一巻は出版されなくてはいけない作品です。
昨今高評価を受けてる作品内容とは離れてるためオトナの事情が出てくるのは理解出来ますが、このような作品をすっと受け入れるくらいBL業界は成熟してるのではないでしょうか?映画やテレビ、小説などにも言われてますが大ヒットを狙っていってもそれらの層が薄くなるばかりではないかと。映画「ブロークバックマウンテン」もあんなにヒットしたのでこの作品も一般紙でも充分理解が得られるのではないでしょうか?どちらの作品も男同士が世間の抑圧された禁秘の世界の中で愛の形を隠したり歪ませたりしてその愛を守る様を描いた作品に違いないから。
先生があとがきにオトナの事情があってもご自分も2巻出版に努力される事、読者の皆さんにも""本作の2巻希望とTwitterかメールをお願いします。誰かやるだろうと思ってると5人くらいしか来ないんですよ""なんて冗談交じりに書かれてたので真に受け過ぎかと思いましたが、それでも1人でも多くがいいに違いない!とこれからメール、ポータルサイトとココにレビューして2巻熱烈希望と拡散するつもりです。
私の好きなもの全部入ってんじゃないかって思う本仁戻さんの新刊。
今夏一待ち侘びたコミックといっても過言じゃないです。
最初の作品から8年越しで、ついに1冊にまとまりました \(^o^)/
「耽美主義」に収録されていた「ロマンティック」も改めて本コミックに収録されていますよ。嬉しい~☆
<初出メモ>
「ロマンティック」
b-BOY Phoenix 15(2008年12月)
「グラン・ギニョール-序章-」
BE・BOY GOLD 2009年8月号、2010年2月号、4月号、6月号
「グラン・ギニョール-青幕-」
PINK GOLD 5(2014年10月)
「グラン・ギニョール-赤幕-」
性格悪い受けがぐずぐずに泣かされる本。(2016年1月)
「グラン・ギニョール-黒幕-」
描き下ろし
日本人子爵〔須蛾〕とドイツ人執事〔コンラート〕の耽美的で哲学的な恋愛譚。
万人受けとは無縁の美学が詰まっています。
本仁作品は何度読んでも100%は読み取り切れないところが魅力。
それ故、本仁イズムを少しでもたくさん理解したくて何度も読み返すのです。
須蛾とコンラートの関係性のベースにあるのは、アンビバレントな精神的SM。
決して触れ合わずキスすら交わさないプラトニックな関係を貫きながら、その一方で主人は愛する執事に第三者(阿木乃男爵)との交わりを強要する。そして忠実な執事は嫌々ながらも愛する主人のためとそれを受け入れる。
一見ストレートな主従関係に見える二人だけれど、SMにおいての「主」がSだと言い切れないように、この関係における「主」もまた須蛾とは言い切れない逆転の主従関係が存在しています。
須蛾は自分をコンラートの奴隷だと言い、コンラートへの無体は『命令』ではなく『懇願』なのだと。
そんなのは単なる詭弁に過ぎないとも思うけど、真理なのかもしれない。
須蛾のこの言い分を合図にするように、その先のストーリーは読者の勝手な思い込みをどんどん覆していきます。
〔阿木乃男爵〕と〔白川伯爵〕の脇役2人が本格的に絡み始める後半が特に面白い。
読み始めは【須蛾→→←←コンラート】の相思相愛を信じて疑わなかった物語は気付けばいくつもの矢印が絡み合うダブルのトライアングルラブになり、単なる寝取らせプレイだと思っていた3人(須蛾とコンラートと阿木乃)のベッドシーンは別の意味を含んだものへと変化していることに気付かされます。
「まさかこんなお話だったなんて」というのが読み終わっての感想。
「ロマンティック」とPINK GOLDに載っていたお話の2編だけを断片的に読んで勝手に描いていた全体像はなんて浅かったんだろうかと。
期待を良い方へ何倍も裏切られました。
退廃の美学が笑えるほどロマンティックに描かれています。
好きなセリフやモノローグをここにつらつら書き連ねたいくらい一つ一つがほんと耽美な1冊です。
「皆殺しだ!」なんてセリフが似合うBLの攻めそうそういないよ。
この作品自体はまだあと4話あり、その中には大ドンデン返しが用意されているそうです。
彼らの結末は冒頭の「ロマンティック」ですでに描かれているはずなのですが、あの結末までの間にあるんだろうか。それともあれは結末ではないんだろうか。
そんなネタバレをされてしまっては、読まないうちは絶対に死ねません。
私も98%の一人だけど、今回ばかりはしっかりと声を上げようと思います。
そして途中で触れられなかったので最後に無理やり突っ込みますが…
エロスシーンもかなりの神レベルです!
特に初出が18禁本の2編が神がかってます。
こんなエロいエロ読んだことない!
鼻血出そうなアングルやら3Pの構図やらが盛りだくさんで、いまだかつてない満足感を得られた1冊でした。
ただ攻めと受けが直接するシーンは冒頭にしかありませんので、攻め×受け以外の絡みがNGな方はご注意を。
この作品に描かれている愛し方は、
まず恐らく万人が理解できるものでなく、
嫌悪する人も、拒否感が先に立つ人も、
もしくはこの感覚自体、理解が出来ない人も居るかと思います。
身体は交われずとも、視線を交わし、言葉を交わし、心を通わせる。
ただ、お互いその身には欲望が存在し、
熱くなる身体と滾る欲望の向かう先、昇華の仕方が万人とは異なるという事。
そんな二人の情念の行きつく先は一体どこなのか…
卓越した画力で生み出される精巧で耽美な愛の世界。
肉体の交わりだけがSEXではない。
服を着たまま、言葉を交わしただけの二人が、
何故こうも扇情的でエロティックなのか…
本仁先生、渾身の作品です。
グラン・ギニョール
それは人の業と情念が渦巻く醜悪で美しい、怪しくも甘美な世界。
どのような過去を辿りこの、結末を迎えたのか。
独特の世界観で描かれるさまに引き込まれました。
触れることを禁忌とし、焦がれる気持ちを耐える日々。
愛するがゆえに暴走する行動がよりエロスを際立たせている。
触れられないからこそ、せめて官能に打ち震える姿が見たいと
他の男に好きな男を抱かせる刹那。
いや、刹那でもないのか。
ときにして人は~という部分が多く垣間見える。
愛する人の願いはかなえてやりたい。
しかし、他の男に抱かれろと命じられ「NO」と答えてしまう。
けれど。。な葛藤シーンがすごく好き。
お前も犯されるんかーいwwwな展開またおつ((´∀`))ケラケラ
とってもいいところで終わってしまっている本作。
続きがでるかいなかはーなんて言わないで
ひたすら2巻を切望いたします。