性悪狐は夜に啼く コミコミオリジナル特典

一人従者ごっこの真髄

本品は『性悪狐は夜に啼く』の
コミコミスタジオオリジナル特典ペーパーです。

本編後、北斗が
秋野をかいがいしくお世話するお話です。

化け狐の秋野は
その日の気分によって人間の姿だったり
狐の姿になったりしています。

北斗の見たところ、
何もせずに怠惰に過ごしたい時は
狐になっている時が多いよう。

最近の秋野は長い梅雨のせいで
天候が不安定で身体も怠い…
という風情です。

今夜もベットでゴロゴロしている狐を
北斗はバスルームに連れていって
隅々まで洗いあげましたが

秋野は礼も言わないけれど
文句も言わずで
北斗の好きにさせてくれました。

ベッドの中央で丸くなる
大きな白狐の濡れた毛を掬い上げて
丁寧にドライヤーの温風を当てると
気持ち良さそうに長い尻尾が揺れます。

秋野によって
天蓋付きのものに変わったベットに
横たわる秋野の美しさは絶品で

北斗はおふざけと本気半々で
「お姫さま」呼びをしていますが、
秋野には頭が悪いのかと
失礼な切り返しをされてしまいます(笑)

それでも北斗の気分は
ひっそりとお姫さまに使える従者♪

本日も余計な事は言わず
鼻歌だけを口遊みながら
せっせとご奉公していましたが
ふと秋野が口を開きます。

前から聞こうとは思っていたんだが
おまえはどうしていつも服を着ないんだ

北斗はバスルームを出る時に
ざっと水滴を拭いてそのまま秋野を抱え
ベッドまで来ていたのです。

着替えるのが面倒くさいんだよ
空調が効いてれば風邪もひかないだろ

しかしながら北斗は帰宅すれば
風呂に入るからと部屋着に着替えもせず
風呂に入れば寝るだけだからと
家にいる時はたいてい全裸なのです。

普段はともかく
風呂上がりは着る必要ないだろ
どうせすぐ脱ぐ羽目になる

渇いた白い毛を掬い唇をつける北斗に
秋野は嫌そうな唸り声を響かせて･･･

B5サイズペーパー両面を使った
少し長めの番外編になります。

狐姿の秋野にマメマメしく仕える
北斗の様子を描いたSSです。

それぞれ単品だとかなり非常識な2人も
お互いの凹と凸に合っていれば
けっこうお似合いのカプになるのかな
と思わされた本編でしたが

本作でも秋野に罵られたり、
蹴られたり、引っ掻かれたりしても
北斗は一晩中可愛がる気満々な展開です。

北斗は秋野に奉仕する事に
至上の楽しみを見出していますが

秋野も嫌がるそぶりを見せながらも
北斗の好きにさせているので
無意識であってもふりだけなのですよね。

ひねくれた秋野の思考を
ポジティプシンキングで解釈する北斗の
掛け合い漫才風な会話が楽しかったです。