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表題作王様と猫と甘い生活

霧谷蒼真,26歳,料理上手な霧谷フラワーパーク園長
野原渉,23歳,桐谷宅に居候するイラストレーター

その他の収録作品

  • 王様と子猫と新婚生活
  • あとがき

あらすじ

訳アリのイラストレーター・渉が行き倒れた先のフラワーパークの園長・霧谷は、美人で料理上手の理想の嫁タイプ。
色とりどりの花が咲きたくさんの猫も出入りするパークは居心地がよく、家に戻りたくない渉は居候を申し込む。
すると「好きにしろ」と霧谷の許可もおり(?)奇妙な同居生活が始まると、いつしか渉は“押しかけ女房"の称号を与えられて!?

作品情報

作品名
王様と猫と甘い生活
著者
金坂理衣子 
イラスト
鈴倉温 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344838383
3.3

(22)

(1)

萌々

(10)

(8)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
71
評価数
22
平均
3.3 / 5
神率
4.5%

レビュー投稿数6

実在する世界のようなほのぼのワールド

23歳のイラストレーター受けと、26歳のフラワーパーク園長攻めのお話です。

熱中すると寝食を忘れるイラストレーターの受けは、ある理由から家にいたくなく散歩に出かけたところ、冬なのに綺麗に花を咲かせた和風庭園を見つけます。持ち歩いていたスケッチブックに夢中になってスケッチしていたら、風邪気味だったため倒れてしまい、その家に住む攻めに保護されます。
受けは、決して幸せな身の上ではないのですが、嫌なことは考えないように、との亡き母の教育のおかげでやたら人懐っこく、能天気でポジティブなキャラ。初対面の攻めが美人だと騒ぎ、遠慮なしに聞きたいことを聞くなどかなり傍若無人。
そんな受けに呆れつつも、その性格の裏のなさや明るさに笑ってしまう攻め。かなりクールなキャラなのに、受けの突拍子もない言動がツボに入り、一気に懐に入れてしまいます。

攻めが近くのフラワーパークの園長だということを知った受けは、家に帰りたくない事情もあり、寂れた園の改装をするから居候させてくれるよう頼み込みます。
そこから2人の同居と、フラワーパークでの仕事が始まります。この日常パートが読んでいてとても楽しい。猫がたくさんいる攻め宅&フラワーパークなのですが、その猫との触れ合いや、園の改装に奮闘する姿、クールな攻めのペースを狂わせる受けの天然さなどがいきいきと描かれていて、その世界に入り込んだような気分になりました。
受けも攻めも好みのタイプではないのに、読んでいて好きになってしまう感じのキャラでした。

受け攻めの会話がポンポンとリズムよく、ナチュラルにノリツッコミしてるみたいです。
それはエッチのときにも健在で、BLの事後描写でよく「まだ何か入ってるみたいな違和感」って表現がありますが、この作品では「まだ何か入ってるみたい、霧谷(攻め)のち○こ、ちゃんとそっちについてる?」「心配しなくても、取り外し不可能な仕様になっている」とか。思わず噴いてしまうようなやり取りが満載でした。

受けが自宅にいたくなかった理由や、攻めのお家事情など、いろいろなエピソードがありますが、悪人は出てこない、猫や植物はたくさん出てくるほのぼのしたお話でした。イラストがすごく合ってて、それも良かったです。

8

取り外し不可能な仕様

金坂先生の作品色々お試し中で購入しました。
渉のはじけつつも真正直な性格が面白く、甘い&読後感が良かったので
萌2でお願いします。
本編230Pほど+後日談16Pほど+金坂先生のあとがき。全て書下ろし。
地雷は、途中で、ちょっと無理やり という感じがあるかも ぐらいかな。

金坂先生、ところどころ、びっくりするフレーズを書かれるように思うので
読むほうは気が抜けません(笑)
タイトルは、あるシーンで受けが
「ちゃんとそっちについてる?(=体内に残ってる気がする)」と聞いて
攻めが答えた内容。今回最も驚いたフレーズで、あまりに可笑しかったので
タイトルにしました。

見た目は無邪気で可愛い渉と、キーアイテムとなるヘブンリーブルーという
爽やかな青い花・・・なんですが
健気受けか?と思う暇もないほど、冒頭から渉がとにかくぶっ飛んでました。
ただアホなだけかと思いきや、ちゃんと一芸に秀でていて、
集中力ばっちりなイラストレーター。手に職があるって素敵。
そして最後らへんに男前!な所を見せるので、大好きです、この子。
あっけらかんとしていて、飽きない&面白い。
(背景にはちょっと悲しいものもあるけれど、それにも勝る生命力
 というか前向きな姿勢というか・・・お母さん偉大。)

攻めさんの方は、一人で静かに色々したくて、
手がかかる方が好きという、とても奇特な方。
それでほぼ子供な受けさんを構いまくってます。
そんな二人の間にちょろちょろ挟まる可愛い猫描写。和みます。
それから先生が植物好きらしく、植物に関する描写もそこそこあります。
お花好きな人にはいいかも。

攻め受け以外の登場する方々は
人間:攻めの保有するフラワーパークの職員さんが複数
   +攻めの兄ちゃん+受けの担当編集ぐらいかな。
人間以外:攻めさんの家に集う猫たち。一緒に寝たりする。可愛い♡
    (飼ってないと言いはる攻め。でもご飯あげてる&猫扉あり)。
でした。

とにかく 渉の豪快?明るい逞しさ? を主として
猫の愛らしい描写も楽しめる一冊だと思いました。

1

フラワーキングとそのお嫁さんの甘々なお話

最初から最後まで甘い甘いお話で、溺愛ものってこれか!と改めて考えさせられる程のお話でした笑。

受けさんの渉が、本当におバカワイイキャラクターなんですよね。
明るいしポジティブだし発想が面白く豊かだし…だからこそ、内で悩みごとなどを溜めても周りからしたら分かりづらいやっかいな性格でもあって。
そんな渉を、最初からすんごい広い広い包容力で受け止める攻めさんのフラワーキングこと霧谷は、一見中身も外見もかっこいいキングのあだ名ピッタリな攻めさんなんですが、ただ単に生まれ育った環境もあって人との深い関わり合いを極端に嫌う、人のあしらい方が上手いこちらも厄介な性格で。
なので、この受け攻めは出会うべくして出会ったピッタリな2人だったように思います。

あとは、前作から引き続きたくさん出てくる猫ちゃんたちが可愛くて可愛くて…。
私自身、犬とか猫とか動物全般苦手なので知識もほぼゼロに近いのですが、金坂先生の作品で猫に関してはだいぶ詳しくなれた気がしてます笑。
それくらいたくさん出てくるし、思わず飼いたくなってしまうほどの可愛さを上手く引き出してあるしで…。
またいつか、新作で新しい猫ちゃんや違った動物に会えるのを楽しみにさせられる、新鮮な作家さんだなあ…とひしひしと感じました。

魅力が沢山詰まったお話なので、甘々に浸りたい時には是非( *´︶`*)

3

人に興味がない世話好きなフラワーパークの王様

イラストレーターの渉(受け)は、冬なのに綺麗に花を咲かせている庭を見つけて夢中でスケッチしていると、風邪と寝不足のため倒れてしまい、その家の住人に看病されます。家主の霧谷(攻め)は勝手に住み着いている猫を世話するような世話好きな人で、渉にも医者に見せて氷枕をしてくれ食事までふるまってくれます。あまりに居心地よくて家に帰りたくない理由もあり、猫の様にこのまま住まわせてほしいと頼んでみると意外にも許可されます。
霧谷はフラワーパークの園長をしていて、以前に休園していて行けなかった場所だったことから中を見せてもらいます。ところが園の中はとても綺麗なのにお客さんがいません。花にとっては最適な園ですが、人が鑑賞するにはあまり向いていない作りを見た渉は園の中を人が入りやすく鑑賞しやすいように少し改装することを提案します。居候するかわりに自分の特技を生かそうと思ったのです。
入場門を変えたり、園の中にイラストをたくさん描いたり、鑑賞会を開いたり、チラシを作ったりともっと来園者が来るように奮闘します。


渉は興味のあるものがくるくる変わり、思ったことはすぐに口にしてしまう、少し変わった子です。思ったことをすぐに口にするせいで他人を傷つけないようポジティブな考えをするように母親に育てられます。その母親を早くに亡くし父親は仕事人間だったせいで、愛情に飢えて育ちました。そのため、人懐こく誰とでも仲良くなれます。

霧谷は世話好きで頼られると世話を焼いてしまうため、飼っているわけでもない猫に餌をやって世話しています。世話を焼いただけ帰ってくる花が大好きで、子供のころ構われ過ぎたせいで構われるのは好きではなく、人にもあまり興味がありません。顔が良いので女性に不自由したことはなく、結婚はしないけどそれでも良ければというような付き合いをするような一面もあります。

最初が渉視点で途中から霧谷視点になるので、どちらも好意を持つきっかけがよくわかります。渉はお子様なので、初めて会った時から美人で料理もうまい霧谷が女性ならお嫁さんにしたいと思っていますが、恋愛感情だと気付くのはだいぶになってからだと思われます。又、霧谷の方も来るもの拒まずで自分から好きになった人はいないので、渉の世話を他の人に譲りたくないとか猫のようにいつかどこかに行ってしまうのではと心配しずっとそばにいてほしいという気持ちがなんなのかわからなくてもやもやします。

渉の突拍子もない行動にわくわくしている霧谷はいつもふんわり笑っているのでわかりにくいのですが、渉以外の人にはあまり笑顔も見せないため渉の認識とほかの人との認識が違い、私自身も渉視点で読み始めたせいか違和感を感じました。
渉視点ではいつもにこにこしているし、霧谷視点では渉に対しての気持ちが全面に出ているので、どうも霧谷がセフレを作ってくるもの拒まずという人間に見えなくて、この設定は別になくてもよかったんじゃと思いました。花と結婚してしまうかもと兄に思われるくらい花が好きな男っていうのだけでよかったんじゃないかと思いました。

渉が興味あるものに目移りしながら二人の会話がテンポよく進んでいくので読んでいて楽しいです。二人が他愛もない会話をしながら猫と植物の世話をする家の中の様子は自分もこの家の猫になった気分になります。渉が家にいたくない事情や霧谷の家の事情など少しシリアスになるところもありますが、暗くなったりうじうじしたりすることなく明るい気持ちで読了できました。
いつまでも子供のような目を持った渉と花に囲まれた幸せな家に住める霧谷には、今まで人に興味を持てなかった分、渉の世話をいっぱい焼きいてもらいたいです。渉には今まで愛に飢えていた分いっぱいの愛をもらって幸せに暮らしてほしいと思います。

2

ほのぼの

王様と猫と〜というタイトルですが、作中でキングと呼称される攻めは、しかし全然俺様キャラではなくて、むしろ世話焼きの甲斐甲斐しい人でした。
受けは本当に明るくって元気なアホの子といった感じですが、でも空気は読めるのかな?という感じ。
嫌味のない二人で、ほのぼのしました。

攻めは料理上手で花を咲かせるのも上手。
受けはプロのイラストレーターで、二つのことを同時進行はできないけれど、一つのことに集中させれば人並み以上にできる。
そんなふうに、特技のある二人がお互いのダメなところを補い合っているのが夫婦感満載でいいなあと思いました。

1

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