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表題作ファミリー・レポート

水野博志,大学病院の救命医
瀬名春樹,27歳,不当解雇された元エンジニア

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

歯に衣着せぬ性格が祟り不当解雇された春樹は、夜の公園で一人家族の帰りを待つ幼い女の子・葵を見かけ保護する。翌日、迎えに現れた父親の水野を責めると、自分は救命救急医で滅多に家に帰らず、妻が離婚届を置いて出て行ったという。呆れる春樹に、彼は前職と同額だすから家政夫をやってくれと持ちかけた。葵が可哀想で引き受けるが、水野は顔と仕事は完璧な反面、言葉足らずで無愛想、その上、家事も子育てもできないポンコツ人間で…

作品情報

作品名
ファミリー・レポート
著者
一咲 
イラスト
ひなこ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
シリーズ
ファミリー・レポート
発売日
ISBN
9784778120771
3.1

(39)

(5)

萌々

(11)

(14)

中立

(4)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
8
得点
115
評価数
39
平均
3.1 / 5
神率
12.8%

レビュー投稿数8

愛…!

受の瀬名はゲイであることを家族にカミングアウトしたが理解されず縁を切られ、一生一緒にいたいと願った恋人にも重いと捨てられた過去があります。おまけにキツい物言いで友達もおらず会社も不当解雇され、お先真っ暗状態。
そんな瀬名ですがちゃんと幼い頃に愛し愛されることを経験しているため根底に愛する力があるのです。愛されることを知っている人は、たとえ誰からも愛されていなくとも他者に自らの愛を与えることができると感じました。
攻めの子供を優しく包む姿は読んでいてすごくほっこりします。子供への接し方も、かわいい冗談を言ったり大袈裟に喜んでみたり、本当に可愛くて頬が緩みます。攻とも喧嘩しつつ(受はすごく口が悪いし思ったことをズバズバ言う!そこも最高)徐々に距離を縮め、3人で疑似家族のようになっていくのです。
そんなほっこりなストーリ展開にうっすらと漂うのは、ゲイである自分は2人と家族にはなれない、いつか消えなければならないという諦観にも似た感情です。
洗濯物を畳みながら受けは自分が小さな衣類を畳む日が来るとは思わなかったと自嘲します。
愛する人と結ばれ家族になり新しい命を宿すこと、いわゆる普通の幸せには参加できないことをふと思い出し、踏みとどまる。
その姿も自虐的な「どうせ俺なんて…」と言う感じではなく、達観していて、自らの立ち位置を間違えないように生きている感じが切ないです。
そんな受に攻は惹かれるのですが、攻とその子供のことを思うからこそ自分のいるところに来たらいけないと身を引く様にはすごく胸を打たれました。
最後の2人の気持ちが通じた後の初夜はホントに大人の男の色気が溢れてて一つ一つの所作に好きが爆発してて最高でした。受がめちゃくちゃ男前で痺れます。
この作品は2人だけの物語じゃなくて3人で家族になるところが最高だなと思います。
続編を読むのが今から楽しみです。

0

イラスト買い

えーーと。なんで?その唐突な恋愛モード?というのが正直な感想。

攻めさんがなぜ恋愛的に受けを好きになったのかがいまいち納得いかず。
そして、元嫁の神経が知れない。
旦那が家に居るのが困難な職業であるにもかかわらず子供置いてくか?
それも離婚届とお留守番って。攻めがポンコツ父親である前に責められるべきはこの元嫁。
しゃしゃり出てこなかったから影が薄いところは作者さんお見事。
ですが、こいつ母親としての前に人としてどう?
そこで出会ったばかりの受けにいきなり子供を預ける攻めも不思議ですが。

設定が無理ありすぎでした。
あと受けの言葉遣い。
口が悪いのと言葉遣いが汚いのは違うと思うよ。(これはBLあるあるかもだけど。)

というわけでちょっと私にはハテナが飛び交う状況でした。
頭固くてすみません。

イラストはとてもお話に合ってた。


2

はっきりって言ってくれます

子育て物でやはり攻め様である子供のお父さんは、
どうも子育ても全然だし奥さんには逃げられてしまっている状態で
人としてのコミニケーションも、おいおい(;´∀`)って感じの方

受け様の方はズケズケものを言ってしまうタイプで正義感は強いタイプだと思うのですが
周りからは煙たがられちゃうタイプ
健気な感じはなく男前で、男として自立している方ですw

攻め様は奥さんに逃げられ子供の世話をする人がいない
受け様は仕事をクビになり今後の生活を考えながらも、
子供をほおっておけず世話をすることになるのですが
やはり子供は可愛かった!
受け様の料理の奮闘もあったし

最終的にはハッピーホモエンドですが
子供の事を良くしてくれて、自分の事も気にかけてくれる受け様の事を
口が足らない攻め様が好きになるのもまあうなずけますw

1

一体いつの間に?

子育てBLは結構読んでいますが、家事も大して得意ではなくどちらかというと粗野な印象の男前なタイプの受という設定は初めて読みました。攻の「嫁」ではなくあくまで同性のパートナーというポジションで育児に参加する感じは良かったと思います。水野の子である葵はとても健気で可愛かったです。

全編が主人公の瀬名(受)の視点で書かれているせいか水野(攻)の心境の変化がイマイチ分からなかったので、ストレートの彼がゲイだと把握した上で瀬名を抱きたいと思い、あまつさえ「愛している」なんて突然言ってしまうほどの情熱や愛憎が一体いつの間に芽生えていたのだろう…と不思議に思いました。水野の好意を感じ取った(?)瀬名が「お前は俺のことを好きになるな」って牽制するシーンにも違和感が…。また、水野の離婚の件も結局どうなったのか分かりませんでした。大人達は納得したようだけど、水野の妻は葵にとっては悪い母親ではなかったようなのに(不倫とネグレクトは別の問題だと思うので)、これでハッピーエンドでいいのかなぁ。

ひなこさんの小説イラストを初めて拝見しましたが、背景がまったく描き込まれておらず残念でした。お忙しいのでしょうね…。特に浴室のシーンは距離感がなんだかおかしくて笑ってしまいました。

5

漢気のある受け最高!!!

4歳の女の子を夜に保護するあたり、
いくら親切心でも現実ではアウトかもしれませんが
春樹の家族観がきっちりしていて
女の子・葵のいじらしい姿に
何度も涙をこぼしてしまいました…。
いくら物分かりが良くてもそこはまだまだ小さい子どもですからね。
子育てあるある、懐かしさも感じました☆

元々子ども好きだったわけでもなく
料理上手だったわけでもない春樹が
葵の為に奮闘してくれて頑張っていました!
ちょっと言葉は強めですが
言う事は正論だし結局優しいので
こういうタイプの受けが大好きな私は非常に滾りましたよ!!
過去の恋愛と家族との軋轢を抱えたまま
職まで失ってしまって気の毒でしたが
そうでなければ水野と葵と出逢うこともなかったでしょうから…。

水野のポンコツぶり、想像以上で驚きました。
言葉足らずにもほどがあるし
救命救急医がいくら尊いお仕事とはいえ
自分の娘にあんな寂しい気持ちにさせるなんて…と
腹立たしさを覚えましたが
春樹が真正面から向き合ってくれて
ようやく父親として再スタートをきる事が出来、安心です。
春樹を否定せず、同情ではなく愛へと育っていった想いは
表しきれない感謝も含まれているんだろうなぁ。

出会いからすでにケンカ腰の二人、
お互いの言い分は勿論わかるので
これからどんな風に歩み寄っていくんだろうと
非常にわくわくしながら読ませていただきました!!
生まれて初めてのオリジナルBL作品だなんて思えないくらい
読み応えがありましたし
キャラブレも感じず素晴らしかったので
私の中で作家買い決定です!!

2

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