愛になるまで

aininrumade

愛になるまで
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神3
  • 萌×215
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない2

104

レビュー数
7
得点
87
評価数
24件
平均
3.7 / 5
神率
12.5%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
徳間書店
シリーズ
キャラ文庫(小説・徳間書店)
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784199008566

あらすじ

一つ年下の高校生なのに、大人びた翳りのある男前──。再婚した父に引き取られた光里の、大切な自慢の義弟だ。義母に辛くあたられ居場所がない光里を、いつも守ってくれた瑛斗。けれど、気がつくと瑛斗の眼差しに熱を感じるように…。「俺、光里のためならなんでもする」。このまま一緒にいたら、家族ではいられない──。不安を覚えていた矢先、両親の転勤で瑛斗と二人きりで暮らすことに!?

表題作愛になるまで

森川 瑛斗,高校生,義理の弟
森川 光里,大学生,義理の兄

評価・レビューする

レビュー投稿数7

多分、読み手を選ぶ、かな

義理兄弟が「愛になるまで」のお話。

これは、ネタバレしてもかまわない設定だと思うので書いちゃうけど、もともと相思相愛だった二人が、お兄ちゃんの方は、幼い頃からと、弟ができてからの、まあ、あれやこれやの心のアレがあって、なんとかギリギリのバランスで、愛を認めないっていうか、必死で普通の兄弟にしておこうとするのを、義弟の方が追いつめていくのだけど、この追いつめ方が、暴力でも、病み系でもなく、静に、ある意味光明として、とうとう義兄に愛を受け入れさせて、最終的には、愛になるまでで、その先のことは何も解決していないという、
この、ジリジリしたあげくに、ほとんどエロいこともなく(そのシーンはない訳じゃないけど、そんなに生々しく重視されない)モヤッとしたまま放置される、
これが、快感!
これぞ、杉原理生の醍醐味!
そんな感じで、私は楽しかったよ。

0

乾いた心に染み込み溢れ出す愛

義兄弟ものです。レビュー難しいです。両想いなのに、じれじれします。上手く描けないのですが感想だけ。

兄の光里(受け)は生い立ちのせいもあって、必要とされないといけない、与えられた役割をこなさなければ愛されない傍にいてもらえないという思いが根底にあります。だから義弟の瑛斗(攻め)のことが好きなのに兄という役割を演じなければ家族が壊れてしまうからと踏み込めない。好きだという気持ちが溢れ出ないように危うい均衡を保ち続けています。瑛斗も同じようにこの均衡を保とうと努力しています。が、どちらかというと瑛斗は関係が変わると家族が壊れると信じている光里に合わせている印象があります。
でも、両親が転勤で関西の方に行ってしまって均衡を保たなければという義務感が減り、二人の想いがあふれ出てしまいます。これを押さえつけようとする緊迫感にはらはらします。

とにかく、二人の母親がなんて自分勝手なんだろうと思いました。大人なのに、大人に頼ってしか生きられない幼い子供に対して自分の感情を優先させるなんて。母親だからって女を捨てる必要はないですが、子供を健やかに育てる義務があると思います。二人の母親のし続きたことは精神的な虐待です。読んでて心が痛くなるキツイものではないけれど、じわじわとボディーブローのように効いてきて光里を縛り付ける。義母の方は光里が瑛斗の想いを受け取り自分の想いをさらけ出せない原因だし、実母の方はもっと根本的なところで光里を閉じ込めてしまってるし。瑛斗がいなければ、きっと実母が作ってしまった檻の中に閉じ込められたままだったことでしょう。

読んでて、周りのことばかり気にするのはやめようよ!って叫びたくなりました。自分の人生なんだから。人にはそれぞれの立場考え方があるんだし、全てが丸く収まることなんてありえない。

瑛斗は男前でした。兄弟になったときからそばにいてずっと光里を見て光里の負担にならないよう、そして自分を選んでくれるのを待ちながら自分を律している姿が中高校生とは思えない。でもこんな瑛斗だから光里を守っていけるんじゃないかと頼もしく思います。こんなにできた男が何故できたのがちょっと不思議ではありますが、大好きな光里がお母さんに八つ当たりされてるのを見て光里の為にこんな風に育ったのかなと思います。

やっと、「ずっとそばにいて欲しい」と正直な気持ちを吐露することができた光里は、心の奥底にあった母親の作った檻の中から瑛斗に連れ出してもらって、瑛斗の愛に包まれて幸せになるといいなと思いました。
とてもいいところで終わっているので穏やかな気持ちで読了できたのですが、数年後の二人も読んでみたいと思いました。

イラストもお話にぴったりで、杉原先生の雰囲気に小椋先生はぴったりでした。

1

人生の分岐点

杉原理生先生の最新作。
実は先月はじめに読みました。
あ~杉原先生の世界だなぁ~、としみじみ思う世界観。
しかし、レビューが難しかった…。
悩んでいるうちに、あっという間に一月たってしまいました。

私が読んだ杉原先生のお話はどれも、静かにゆっくり変化が起きます。
派手さや激しさはあまり無いですが、心の中の熱量は半端なくて。
今回の主人公である光里も瑛斗も、表面的には低体温過ぎるくらいな雰囲気の男の子達なのに。
中身は青い炎が静かに、でも怖いくらい熱く燃え上がっています。

自分も相手も、お互いその炎を覗いてしまう事が怖くて。
過去や現在の人間関係も複雑に絡み合って。
気持ちが強いほど、相手が大事なほど、互いの大切なものを壊してしまいそうで。
必死に気づかないふりを続けている二人です。

※今回のレビュー、かなりネタバレをしていると思います。
未読の方はご注意を。

このお話の好きなところは、やはり同性愛への「迷い」がしっかり描かれている事。
男同士で。
義理とはいえ兄弟で、家族で。
一冊まるまる迷うこのお話は、やはりかなり好みのお話でした。続き

そしてもうひとつ好きなのは、「家族」がしっかり描かれている事です。
特に母という存在は、男の子にとってかなり大きな存在。
このお話には二人の母が出てきますが。
どちらの母も、すべてを左右する大きな存在ではあっても、理解のある存在ではありません。
でも母の愛が何よりも大切なのは、まだ十代の二人には当たり前の事だと思います。

お話の終盤に家族がそろうシーンがあります。
その家族を見送った後の光里の姿は、心を鷲掴みされるくらい印象的でした。
そして、その後の二人が互いの気持ちを吐露するシーン。
光里の越えなくてはいけないもの、瑛斗の欲しかったものが重なる時。
二人にとって、最初の人生の分岐点となります。
最後の最後、光里が見た夢についてのお話は、ストンと府に落ちる終わり方でした。

このお話のレビューが難しくて一月もかかった理由の一つは。
私の中で、評価がいったり来たり激しかった為でした。
結局、萌とまりになってしまった訳ですが。
理由は二つありました。

一つは、二人の気持ちが重なるシーンが短かすぎると感じた事です。
本音を言えば、ラストのエッチシーンは無くても良かった。
あの雨のシーンの後だと、私の中ではまだ家族の残像が色濃すぎて。
まだ受け入れられませんでした。
もう少し、互いの気持ちをしっかり受けとめあう部分が欲しかったです。

もう一つは、瑛斗にあまり感情移入が出来なかった事。
光里は子供の頃に早く大人になりすぎているので、あんな感じかなと納得なんですが。
瑛斗はもう少しだけ、高校生らしい部分が欲しかったかも。
そして、光里の親友である木之瀬くんが可愛くて。
ああいう感じの男の子好きだなぁ、と思ってしまったせいもあるかも?
坂下先輩が可愛がるのわかるなぁ。

でも、全体的な構成は大好きでした。
ラストはとにかく流石!と思いましたし。
二人の関係が淡々と、行きつ戻りつしながら前進していって。
例えこのお話がメリバだったとしても大好きです。

それにしても、杉原理生先生と小椋ムク先生のタッグが初だったとは驚きでした!
杉原先生のお話は淡々としているため、淡いタッチの挿し絵が多いので。
小椋先生の絵はぴったり。
今後またあると良いな♪
素敵なお話と絵をありがとうございました。

2

両想いなのに…

義兄弟か恋人か、家族と恋愛の間に揺れる煩悩や葛藤が繊細に描かれた話だった。
惹かれあいながら、なかなか一線を越えられない二人がとてももどかしくて切ない。
家庭環境の不運ゆえに心に枷をかけて自分の感情を抑えている受を、見守りつつしっかりと支える攻は好感度高い。
女性キャラの描写は良くも悪くも生々しくて不快感が拭えない。
最後モヤモヤが残る感じのラストは賛否分かれるかもしれないけど、私はこれで良かったと思う。

3

兄弟モノの王道!!

義理の兄弟モノです。お兄ちゃん大好きな弟×臆病な兄。兄視点です。
弟は強く前向きですが、兄は色々な事に雁字搦めな為に逃げ腰です。この二人の、ギリギリでなんとか均衡を保っているような危うい関係、親への罪悪感、それでもなお、どうしても抑える事の出来ない気持ち、そして刹那的な衝動。そんな兄弟モノとしての醍醐味をぞんぶんに味わえる作品でした。このあたりが最近の作品ではアッサリしていて、ガチ兄弟でも割と簡単に乗り越えちゃうのが多い気がしますが、こちらはガッツリ苦悩してます。兄弟モノ好きとしては、二人の緊張感ただよう関係にゾクゾクしました。

親同士の再婚で兄弟になった二人ですが、年頃になるとお互いに惹かれ合っている事を察します。その為、兄の光里が高校進学と同時に寮に入る事で、二人は物理的に距離を置くようになります。しかし、光里の大学進学と同時に、親の転勤で、再び二人だけでの生活を送る事になり…という展開です。

派手さは無く、二人の日常をひたすら丁寧に書いてあるだけです。しかし、この日常が綱渡りをしているような緊張感に満ちています。お互いに兄弟のラインをはみ出さないようにしている為です続き。兄は、居場所が分からない自分に、お兄ちゃんという役割を見いだしたがために、強迫観念的に兄弟であろうとします。そして弟は、そんな兄の気持ちが分かっているので兄弟であろうとするのですね。しかし何かのひょうしに、ふとこみ上げる衝動。焦れたせいで出てしまう本音。これらが平凡な日常の中で異彩をはなっていて、ヒヤリとした緊張感を漂わせます。これが兄弟モノの醍醐味で、背筋がゾクゾク来ちゃいます!!

以前は名前で呼び捨てだったのに、「お兄ちゃん」と呼ぶようになった弟に、「バカにするために呼んでいるだろう」と言う兄に対して、「ー違うよ。『お兄ちゃん』と呼ばなきゃ、もう駄目だなって時があるから」という弟が非常に切ないです。弟は、常に兄が一番で、覚悟を決めている強さがあるのですね。
対して兄は、色々な事に雁字搦めで、ひたすら兄弟という形にしがみつこうとしています。しかし、とうとう気持ちが爆発した時に、自分で好きな物を選んで良いと弟に言われて、本音をさらけ出す事が出来ます。「…そばにーいて。俺のそばにいてほしい」と、やっと口にした時は、本当に胸が熱くなりました。
絡みは少なめですが、気持ちが通じ合った二人の「やっと…光里」という台詞が納得の感動ものでした。

兄弟モノで、しっかりと心情を追うことの出来る感動作です!

7

お互いの大好きが半端じゃないね

父親の再婚を機に義兄弟になった 光里と瑛斗、義母から辛くなるような事を言われた時はいつも守ってくれる。一つ年下だけなのに、大人びていて中身も見目も良い自慢の弟、そんな弟に恋愛の意味で好意を寄せられている感じがして高校は全寮制にしたが、大学入学と同じ頃両親の転勤に伴い瑛斗が一人になる為、家に戻って一緒に暮らす事になったが‥
最初から最後まで【せつない】の一色だった気がします。幼い頃から人に迷惑をかけず居場所を作る為、自分の親や継母に気を使いすぎる程気を使う生活、そんな生活の中、自分を庇ってくれる人がいたら好きになって当然だと思う。
話の始めから両想いでお互い大好きオーラが分かるけど、両親や弟のしょうらいを考えると素直に好きと言えず二人っきりの生活は緊張気味、弟は光里の事を大好きなのを無理に隠そうとはしてないが、光里に意識させないように気を使ってはいる。
ほぼラストまで素直になれず【せつない】というか【しっとり】というか重いって事は無いですが、明るくは無いですね。

3

あふれる

幼い頃、心の弱かった実母を護る騎士になろうとした光里は、成長してからも周りが望む姿であろうと思い続けていた。中学生のとき、一緒に寝ていた瑛斗が隣で自慰をしていたのに気付いた光里は、高校進学を機に家を出ることを決意する。だが、高校卒業後に父の転勤が決まり再び瑛斗とと二人で同居するようになる。

実母の死、父の再婚、義母の心無い言葉、義理の弟への許されない想い。光里は様々な過去を抱えているから、おいそれと瑛斗の胸に飛び込んで行けないのが、もどかしいです。誰も傷つけたくないし、周りが望む姿であろうとする光里は、優しいというより優柔不断ともとれるのですが、そういった彼の弱さごと受け止めた瑛斗が男前でした。
杉原さんの作品の登場人物は、ある日突然“ズギャァァァン!”と恋に落ちたり、「俺の愛を受け止めろー!!」っていう感じ(どんなBLだよ)ではないので、派手さはありません。
ですが、刻一刻と湧いてくる劣情を隠しきれなくなる二人に毎回ドキドキさせられます。

今作もやはり杉原さんらしく随分間怠っこしい物語でしたが、最後は漸くまとまってくれました。

惜しいなぁ、と感じたのは、最後くら続きい光里はもっと瑛斗に長年の情熱をぶつけてほしかった、というのと義母との確執は結局どうなったのか、もう少し掘り下げても良かったかな?

4

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