百ヘクタールの愛をきみに

hyaku hectare no ai wo kimi ni

百ヘクタールの愛をきみに
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神2
  • 萌×24
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
29
評価数
7件
平均
4.1 / 5
神率
28.6%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
心交社
シリーズ
ショコラ文庫(小説・心交社)
発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784778120986

あらすじ

自分に優しくする人は不幸になる。書道教室と畑を継いで孤独に暮らしていた大原穂波は、世界で一番会いたくて会いたくなかった幼馴染みの今井篤志と五年ぶりに再会する。カメラマンになるため、すべてを捨てたはずの篤志は「俺の帰る場所はここだし」とぬけぬけ言い、居候まで決め込んでいた。過去、篤志に怪我をさせた穂波は、彼を好きだからこそ拒絶する。けれど篤志は機嫌良さそうに冗談めいた愛を囁いてきて……。

表題作百ヘクタールの愛をきみに

今井篤志,幼馴染み・カメラマン,25歳
大原穂波,田舎暮らしの書道家・農家,25歳

その他の収録作品

  • あとがき

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レビュー投稿数3

カメラマン攻めとトラウマ受けの12年愛

幼い頃に母親から疎まれ、蔑まれて育った受けと、そのため後ろ向きで人と関わろうとしない受けに唯一付きまとっていた幼なじみ攻めのお話です。

母親には「お前のせいで不幸になった」と言われ、母親に殺されそうになったところを助けてくれた人が大怪我をし、自分を構ってくれていた攻めまでもが怪我をして野球の道をあきらめた、というコンポで、自分に関わる人は皆不幸になると思い込んでいる受けです。BL界には卑屈で思い込みの激しい受けはよくいて、その多くは「思い込み激しすぎだろう」という感じですが、さすがにこの人生だと後ろ向きになるのも仕方ないという説得力があります。
そんな受けを好きで、小6からずっと付きまとっているのが攻め。ようやく受けの心が開いてきた、というときに怪我をしてしまい、再び心を閉ざされてしまったタイミングの悪い人です。20歳の時に突然野球からカメラマンの道に転向し、「海外に行く、これが最後だ」と受けを言いくるめて純潔をゲットして外国へ行ったのち、5年経って日本に戻ってきた、というのが話の始まり。

攻めが帰ってきても、受けは相変わらず後ろ向きで、攻めのことは大好きなのに「自分に関続きわると不幸にさせる」からずっとツンツンしています。それを知っていて口説き続ける攻め。太陽のようだと称される明るいキャラで、陰陽の対比のはっきりしたカプです。
納得はできるのですが、とにかく受けの後ろ向きさが重かった。暗いし意固地だし、これを理解し、それでも可愛いと思い続ける攻めは一途で男前です。頼り甲斐のある人なのですが、ちょっと詰めの甘いところがあり、そのせいで受けを危険に晒したりして少々イラっとする面もあります。

時々受けの交友関係に疑心暗鬼になりブラックな顔を覗かせる攻めに萌えたし、受けの後ろ向きさを「中二病」の一言で片付ける脇役小学生も楽しかった。受けがトラウマを克服し、前を向くストーリーはとても感動的でした。
でもちょっとキュンキュンや切なさは少なめだったかな。あと、受けと離れている間に攻めに(たとえ少ないとは言え)経験があったのが萎えました。師匠とも身体のお付き合いがあったんじゃ…と邪推してしまいました。そこは「ずっと右手がお友達」であってほしかった…。

1

農業+書道家BL

穂波(受け)は祖母の農地と書道教室を継いで独りひっそりと死んだように生きています。そこへ、5年前に写真家になるといってすべてを捨てて出て行った幼馴染の篤志(攻め)が帰ってきます。勘当された身なので家には帰れないから泊めてほしいという篤志に納屋を貸すことにします。

穂波は父親を知らず、母親に疎まれ、あげくに母親の別れた男が穂波を庇ったのを見て逆上され包丁で刺されそうになります。母親はそのまま心を病んでしまいその後病院で息を引き取ります。
母親に愛されなかった穂波は心を閉ざし、男性が重症を負い、引き取ってくれた祖母が病気になったことで自分にやさしくする人は不幸になると思い込みます。
祖母に引き取られても犯罪者の息子だと遠巻きにされ、親しくしてくれるのは篤志だけでした。
篤志によって殻から少しずつ出られるようになったころ、その篤志も野球で甲子園に行ける寸前までいっていましたが、穂波を庇って手をケガし甲子園に行けなくなってしまいます。
自分にかかわると不幸になるというのが確信になってしまい、さらに殻に閉じこもってしまいます。

篤志は酒屋の三男坊で明るい家庭で育ったせいか、明続きるく太陽のような人です。なんでも前向きに考える癖がついているようでいつも明るく穂波を導こうとします。が、自分のせいでせっかく殻から出てこようとしていた穂波がまた殻に閉じこもってしまったことを残念に思い、今の自分では穂波は自分の手を取らないとすべてを捨てて写真家になることにします。

納得できる写真が撮れ、戻ってきましたが、帰ってきてからは開き直って、穂波の仕事の手伝いをし、口説いてきます。初めから両想いであったのに、穂波は自
分が手を取るとまた不幸にするのではとなかなか自分の本音を言えず突き放します。焦らず、ゆっくり、でも積極的に穂波を殻から出そうとする篤志。

篤志が帰ったきたことがきっかけで、元書道教室の生徒を救おうと頑張ったり、イベントに出演したり、昔のトラウマと向き合ったり、少しずつ周りとの触れ合いを増やしながら心を開いていきます。初めは自分がもっとしっかりと独りで生き
ていけることを示したら篤志が出ていくと思って頑張っていましたが、自分がそばにいても篤志が不幸になることはなく手を取っても大丈夫かもと考えを変えていきます。
ただ、穂波のトラウマはかなり深いためこの考えに至るまでがとても時間がかかります。すべてが穂波視点なため、母親がらみの回想がとても心が痛く、ちょっとしんどかったです。


一途な攻めは大好きです。穂波を殻から出すためにケガをしても野球を続け、それでダメだと思ったから写真家になった。ここまで一途ならよそ見してほしくなかったな。なのに、自分は穂波が会っていない間誰かと関係してなかったか心配してるんだから。。今まで篤志の愛に感動してたのに一気に萎えてしまいました。これさえなかったら、感動だったのに。
すべてを捨てて写真家になったんだったら別にいいんです。でも、そんなことを言いながら穂波の目を見開かせるものを撮って帰ってくるつもりだったんだったら最後まで一途でいてほしかった。残念です。
私は心が狭いので一回目読んだとき「え~!」と思いましたが、読み返しているうちにまあいっかとはなりました。でも、私個人としてはよそ見してなかったら完璧な攻めさんだったのにと残念に思いました。

同級生との再会もありましたが、イベントで司会をしていた女性の同級生はすごく好意的で、中学時代は話をしていても篤志が横入りしてきて話ができなかったと言っているし、篤志が帰ってきて納屋に住み着いてからは回想に出てきた穂波に批判的な同 級生たちが出入りしていますが、こちらにはその後一切出てきません。穂波視点しかないので、
本当は中学生時代どんな感じだったのかほとんどわかりません。穂波は同級生から自分が篤志にとって邪魔だと思われていると思っているようですが、実際はどうだったんだろう。結構気にしていたようなのに、途中から全く存在がなくなってしまい、気になりました。穂波を攻撃してきた篤志のストーカーも何者かさっぱりわからず、無罪放免にしてしまったし、経緯くらいは説明あってもよかったんじゃないかな。
穂波が篤志の手を取るまでの話なので、なくても話は成立しますが、私は細かいところが気になるたちなので、出てきた登場人物についてもう少し読みたかったです。

細かいところが気になりましたが、お話としては、大らかな攻めがトラウマで心を閉ざしてしまった受けを殻から出してあげる優しいお話でした。

3

心洗われるスローライフBL

あらすじ:
祖母の畑と書道教室を継ぎ、田舎でひっそり暮らす穂波(受け・25歳)。
そんな穂波を訪ねてきたのは、幼馴染みでカメラマンの篤志(攻め・25歳)。
5年ぶりに故郷へ戻ってきた篤志は、しばらく穂波の家に泊めてほしいと言い出し…


幼馴染みの再会モノ。
二人は5年前一度だけ一線を越えたことがあり、ほぼ両想い状態。
トラウマ持ちの穂波を篤志が根気強く待ち続けているような関係で、
陽と陰の正反対のキャラクターが大変良いバランスです。

穂波は内気な美人さんで、人と深く関わわるのが苦手。
幼い頃母親に殺されかけたトラウマを今も引きずっており、自分は近づく人間を不幸にすると思い込んでいます。

そんな穂波に幼い頃から唯一友好的だったのが篤志。
穂波にどんなにそっけない態度をとられようが構わず話しかけてくる、太陽のように明るい気質の持ち主です。

中学、高校…と友達付き合いを続けていた二人ですが、ある日、篤志は穂波を庇ったことで片腕を負傷。
プロ野球選手を目指していた彼が、その怪我のせいで甲子園で結果を出せず、穂波は責任を感じてしまいます。
その後、野続き球をやめカメラマンを目指すことにした篤志は、穂波と一夜を共にした後放浪の旅へ。
5年後、カメラマンとなり一時的に戻ってきた…という経緯です。


篤志は日常的に穂波を口説くし、
穂波もツンツンしつつも篤志への好意が隠せていないし、
大きな喧嘩もないしで、
全体的にほのぼの和やかな雰囲気。

しかし上記の穂波のトラウマは重く、篤志を不幸にしたくないとの想いからなかなか素直になれず。
篤志もそんな穂波の気持ちを汲んでか無理に接触しないので、くっつくまでにはそれなりに時間がかかります。

篤志の大らかな愛情や、周囲の人々の交流を通して少しずつ変わっていく穂波の様子が丁寧に描かれており、
また彼が本来持つ優しさや純粋さが周囲を動かしていくエピソードもあり、
穂波のキャラクターに自然と愛着が持てるようなストーリー展開。
内気だけど芯の強い穂波が、勇気を出して色んなことに挑戦していく様を素直に応援したくなりました。

萌えるというより、爽やかな物語に心が洗われたような気分になれる一冊です。

3

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