遠い岸辺

tooi kishibe

遠い岸辺
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神6
  • 萌×23
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

214

レビュー数
2
得点
49
評価数
13件
平均
3.9 / 5
神率
46.2%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
大洋図書
シリーズ
SHYノベルス(シャイノベルス・大洋図書)
発売日
価格
¥900(税抜)  
ISBN
9784813013099

あらすじ

マル暴の刑事でありながら傷害事件を起こした射場は
出所してから下っ端ヤクザとして自堕落に生きていた。
そんなある日、暴力団の企業舎弟、日夏晄介のボディガードを
任される。それはずっと憎んでいた男との再会でもあった。
ゲイではないと言いながら男を抱き、男に抱かれる日夏。
同性愛を嫌悪する射場は苛立つが、
一緒に暮らすうちに謎めいた年上の男に惹かれていく。
だが日夏の命を狙う何者かが現れ……!?
愛と憎しみ、死と魂の再生の物語、誕生!!

表題作遠い岸辺

射場真二,下っ端ヤクザ(元マル暴の刑事),32歳
日夏晄介,地下経済の仕事師,42歳

その他の収録作品

  • 夢の岸辺
  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数2

文句なしです!!!

時間を置いて、落ち着いてからのレビューです!! ちょっと自分でも、興奮しすぎだろう…という事で。(^_^)ゞ 
常々、なんだか私の萌えは人様からズレてるんじゃないかと思ったりしていますが、この作品は文句なしで『神』だと言っちゃっていいと思うのです!! 本当に面白かった!! ちゃんと時間を置いて、冷静になっても揺るぎません!!
そもそも英田サキ先生の作品で「元刑事」だの「ヤクザ」だのって単語が出てくるだけで期待値がグンと上がるのですが、個人的にめちゃくちゃ萌える作品とイマイチだったりする時の差が激しいので、期待と不安が半々で読み始めたんですね。しかし、読み始めると静かに引き込まれる…。一気にグイグイという感じではないのです。読んでるうちにジワジワ引き込まれて、それが終盤に向けどんどん加速度を増していくという感じなんです。

内容自体もハード過ぎないハードボイルドといった感じで大変面白いのですが、なんといってもキャラクターが魅力的過ぎるのです。読む前は四十路の受けに萌える事が出来るのか…と若干不安を感じていましたが、そんな心配は杞憂でした!! 飄々としていてつかみ所のない受けなのに続き、性根の部分が可愛すぎる…。かわいいというか、愛すべき!!といった男なのです。そして攻めも元刑事で32歳のやさぐれた下っ端ヤクザなのに、読んでいるうちにどんどん可愛くて仕方なくなってくる…!! この二人がウダウダやってるのに、萌え転がりたくなるのです!! いい年したオッサン二人が恋愛でジタバタしているのって、なんでこんなにキュンキュンくるのでしょうか…。

一応ですね、この作品は「ちょっと、先生?!」と言いたくなる程自由すぎる設定ではあるのです。主役二人にリバ要素、攻めと受け更にS嬢を加えた3人での絡み、攻めは女を抱いてる(直接的な描写はナシです)、受けは男を抱いたり抱かれたり、と地雷系がわんさか。私はありがたい事に全部問題ありませんが、苦手な方もおられるだろうなぁと思うのです。あとがきでも、「かなり趣味に走った」と書かれてるし。しかし、そんな要素が入ってるからより面白くなってるとも感じるのですね。まぁ、どうしても必要かと言われれば、そうでもないかも…という感じではありますが。(;^_^A 「私にとってはご褒美本」となってるので、先生も楽しんで書かれたんだろうなぁと伝わって来る作品なのです。

後、私にとっての萌え所が、二人の飄々とした会話です!! 本音をぶつけ合う会話にも相当萌えましたが、普段の掛け合いみたいな軽い会話もとても素敵なんですね。受けが気になって仕方ないと言う攻めと、気の迷いだから忘れろと言い切る受け。無理だと言う攻めに対して「だったらお前はゲイだ。ようこそ、新しい世界へ」と受けが言うと、「もう、なんでもいいって気がしてきた」という攻め。そこで、「諦めるなよ、抗え。大事な問題だぞ」といった感じ。こんな会話が、もう随所に!! 最高です!( ´艸`)

なんだかグダグダと書いてしまいましたが、そんな訳で大変お薦めです。ちょっと自由すぎる設定ですが、地雷でさえなければ、そんな部分もちゃんと深い意味があったりするので!!

4

三十路×四十路の大人カプが素敵

英田サキさんとZAKKさんのコラボで裏社会モノという、御二方のファンとしては手に取らずにはいられない一冊。
三十路×四十路という渋いカップリングです。

あらすじ:
元マル暴の刑事で、過去に傷害事件で服役し、今は下っ端ヤクザをやっている射場(攻め・32歳)。
暴力団の企業舎弟で実業家の日夏(受け・42歳)のボディガードを命じられ、しばらく彼と一緒に暮らすことに。
日夏は10数年前、射場を強姦した男で…

語り手は主に射場で、昔自分をレイプした日夏という男の人となりを探っていくような展開。
飄々とした日夏のキャラクターに射場と共に読者も魅入られていきます。

射場は学生時代、ヤクザに絡まれリンチに遭っていたところを、通りかかった日夏にレイプされたという過去が(このシーン自体は数行で済まされています)。
日夏は自分をリンチから守るため敢えてレイプしたのか、それともただの男好きなのか。

再会した日夏は、ゲイじゃないと言いつつ男女問わず(タチネコも問わず)関係を持つ掴みどころのない男で、射場は日夏に翻弄されるうち、彼に惹かれていきます。

この日夏のキャラクタ続きーが実に魅力的で、四十路の美中年という設定がよく活かされています。
射場を犬扱いしてからかうSな一面もあれば、可哀想な境遇の青年を自分の下で世話している優しい一面もあり、容易には底が見えない人物。
射場をけむに巻くテクニックが流石年の功という感じで、若者にはない色気とカッコよさを感じます。

こんな日夏視点のエピソードも少しずつ挿入され、彼の過去やトラウマ、射場に惹かれていく気持ちも描かれていきます。
妻子を殺したという日夏と、先輩刑事の死にトラウマを抱える射場。
それぞれに重い過去を背負う二人が、同居生活を通じて少しずつ心を通わせていく様には温かな気持ちになります。

日夏が何者かに命を狙われているため、アクションシーンやサスペンス要素はあるものの、全体的には静かな雰囲気。
裏で糸を引いているのは誰なのか、なぜ日夏の死を望んでいるのかという人間ドラマ的テーマがストーリーの核であり、
単純な好き嫌いでは割りきれない複雑な人間関係が描かれています。

シリアスな設定ながら、ワンコな射場と大人な日夏とのやり取りは大変可愛く、脇キャラも魅力的で、ほのぼの要素もあるバランスのとれた作品。
射場と日夏のキャラ設定的にリバっても良かった気がしますが、そこまで踏み込まず大衆路線を保っているのが英田さんらしいなという感じです。

あとがきで趣味に走った〜と書かれていて、
確かに中年同士のカップリングや、射場や日夏がそれぞれ別の相手とセックスするシーンなど、読む人を選びそうな要素はチラホラ。
しかし中年同士といっても射場も日夏もオヤジ臭さはなく非常に爽やかだし、他の相手との絡みもかなり手短に描かれているので、
設定の割にはかなり読みやすい印象。

年下攻や落ち着いた大人カプがお好きな方に特にオススメしたい一冊です。

9

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