遠い岸辺

tooi kishibe

遠い岸辺
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神18
  • 萌×211
  • 萌6
  • 中立3
  • しゅみじゃない4

94

レビュー数
8
得点
155
評価数
42件
平均
3.9 / 5
神率
42.9%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
大洋図書
シリーズ
SHYノベルス(シャイノベルス・大洋図書)
発売日
価格
¥900(税抜)  
ISBN
9784813013099

あらすじ

マル暴の刑事でありながら傷害事件を起こした射場は
出所してから下っ端ヤクザとして自堕落に生きていた。
そんなある日、暴力団の企業舎弟、日夏晄介のボディガードを
任される。それはずっと憎んでいた男との再会でもあった。
ゲイではないと言いながら男を抱き、男に抱かれる日夏。
同性愛を嫌悪する射場は苛立つが、
一緒に暮らすうちに謎めいた年上の男に惹かれていく。
だが日夏の命を狙う何者かが現れ……!?
愛と憎しみ、死と魂の再生の物語、誕生!!

表題作遠い岸辺

射場真二,下っ端ヤクザ(元マル暴の刑事),32歳
日夏晄介,地下経済の仕事師,42歳

その他の収録作品

  • 夢の岸辺
  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数8

これはBLでなくてもよかったのでは?

射場も日夏も魅力的なキャラで、ストーリーも読みやすいですが、読み終えた感想としては、「これはBLでなくてもよかったのでは?」というのが正直なところです。
BLに必須の二人が恋に墜ちる必然性というものがあまり感じられない。逆に、過去に傷を持つ二人が救済されるために、恋愛はそれほど大きな要素ではない気がしました。体は繋げないけどそれ以上に心の深いところで繋がるようなバディものの方が、萌えれた気がします。

狂犬が懐いていく様子とか、日夏の懐の深さだとか、脇役のキャラについても丁寧に人物像が描かれていて、色々と楽しめる要素はありました。

2

日夏もエロいが

エスのシリーズにちょっぴりリンクしている裏社会物ですが、今作、随分感じが変わったように思うのは、ZAKK先生のイラストが、なかなか斬新な雰囲気を醸し出しているからかな。
クッキリと線が太くて、挿絵というよりコミックの1ページ。
身近な者の死にまつわる、愛と憎しみが絡み合った過去を解き明かしていくっていう、それなりにヘビーなストーリーなんだけど、日夏のしれっとした表情や射場の雄弁な目つきが、全体の雰囲気をじめ付かせることなく盛り上げて、ハッピーエンドに気持ちよく着地できた。

この後、これまた食えない感じの六戸部と狛のスピンアウトに含みを持たせているあたりがたまらない。
日夏より更に年上で、日夏より更に怪しい仕事をしてそうで、日夏より更に危ない性癖の持ち主らしい六戸部の物語。
読んでみたいです。

2

おっさん受けはいいぞ!


裏社会の話はは初めてなので、どうなんだろうなと思っていたが、案の定おもしろかった。
番犬気質の攻めはけっこうお気に入り。一番最初のシーンで外狩さんに腕を強く掴まれても仏頂面を保つ射場はとても印象に残ってた。それから日夏さんと過ごしているうちにだんだん彼に惹かれて、彼の前で拗ねたり泣いたりするようになって…飼い主に懐くでかい犬に見えてすごく萌えました(笑)。
受の日夏さんについてはいろいろ語りたいが、一番最初の声の描写を読んですぐに興津和幸さんのだるくて色っぽい声が頭に浮かんだ。話が進むと、40才のオッさんだと知ったらやはり興津さんの声は個人的にもっと若々しく聞こえるので、後半は勝手に遊佐浩二さんの声を脳内再生しながら読んでた(笑)。
そして話が進むとなんとなく「DEADLOCK」のロブを思い出してしまう。初対面の人にも遠慮せず軽やかに接するところも、好きな人を揶揄うのが好きで意地悪なところも、いつも面白半分でやってるに見えてるけど実は大人で情の深い男であるところとか…読んでいてにやにやしてしまった(笑)。こういう男って猫だけじゃなくて、番犬ともお似合いだなあと改めて感続き心した。
脇役の狛のこともすごく気になっている。こういう健気な子は本当に危なっかしくて放っておけない。日夏さんも狛のこと大事にして、手放しできないのも分からなくもないね。でもやはり彼の本当の幸せを見つけてほしいよね…いつか狛のスピンオフが読めたらいいな。
ZAKK先生の絵柄はストーリーの雰囲気にすごくぴったりで、調べてみたら先生自分自身もヤクザのBL漫画を出したらしい。時間があったらそちらも読んでみたい!素敵なイラストありがとうございました!
英田先生のあとがきによって「遠い岸辺」は「エス」とちょっと繋がってるようで速攻で読んでみたいと思う。今作も楽しく読ませていただきました、ありがとうございました!

2

救いのない過去から許されていくための出会い

帯にあった言葉通り
『愛と憎しみ、魂の再生の物語』でした。

水壬楓子さん以来久々の年齢高めのカップルかもしれないおじさん同士がくっつくお話でした。
個人的に受け年齢はBL読書史上最高齢かもです。

射場 (元マル暴刑事の下っ端ヤクザ32歳) × 日夏 (企業舎弟の仕事師43歳)

3Pあり女性キャラとの絡みありリバ有り…と盛りだくさんですが、エロエロでも甘々でもないように感じました。
二人には、悲惨で悲しい過去がありその贖罪や後悔に囚われたまま生き急いでいるというところが似ていると思います。

射場にとって日夏は口が悪く意地悪なことをズケズケといい過去にも酷い因縁がある相手です。
なのに射場は、人馴れしない大型犬だったのがだんだん甘えたな駄犬に変化していき最後にはお腹を見せて寝転がり撫でろと言ってくるくらいになってしまうんですから面白いです。
ヤクザがらみの殺伐とした血なまぐさい場面もありますが、軽快なテンポと緩めの会話や、明るい性格のSMの女王さまの登場にあまりギスギスしない展開でした。

失ってしまった大切なものを思い出に変えて、幸せになってもいいと続き自分を許して未来を夢見る場面にジンと来ました。
いつか夢が叶ってそんな日がきたらいいと願ってしまうくらいに。

初回特典の番外で、日夏が可愛がっていた弟分に対して娘を嫁に出すような哀しみを抱きつつ幸せを噛み締める穏やかな日がくることを予感させられました。

『エス』とのかすった程度のリンクがあり、英田さんのおっしゃるとおり作品ファンとしてニヤッとしました。

1

ほだされオヤジ

893の企業舎弟である日夏のボディーガードをすることになった、元マル暴の射場。
互いに、過去に自責の念を拭い去れないトラウマを抱えていた二人が、互いの苦しみに同調し徐々に惹かれていった感じでしょうか。

射場は真面目なワンコです。
日夏はクールそうに見えて、結構簡単にほだされちゃうオヤジでした(笑)

事件も二人の関係も結構あっさり決着がついて、物足りなさはありましたが
面白くさらっと読める作品でした。
(個人的にはもう少しハードなストーリーを期待してました)

ちなみに脇キャラとしては、六戸部と狛の関係が気になりました。
スピンオフが出たら読んでみたい。

0

じわじわ沁みてくる作品

射場は傷害事件を起こして服役した元マル暴刑事。
出所してからは、ヤクザに身を落としています。
ある日、組のフロント企業で経済活動を行っている実業家・日夏のボディガードを任されます。
射場は日夏と過去に因縁があることに、すぐ気が付きます。が、日夏の方は気付きません。
共に過ごすうちに射場は、日夏に惹かれ彼をもっと知りたいと思うようになるのですが、同性愛を嫌悪している射場はそんな自分に苛立って・・・という話です。

最初はちょっと読み辛いな、と思いながら読んでいたのですが、射場のキャラクターが掴めてきたら、どんどん嵌っていました。
射場がすごく私の好み!!
ノンケの男(しかも男前の筋肉系で頭もちゃんと回る)が、男に惚れていってジタバタするなんて最高です!
射場と日夏が惹かれ合っていくその過程が凄く丁寧に描かれているのもツボでした!
お互いが互いに救われていくところ、二人の会話のやりとり、各々の抱えたトラウマ、どれも重なれば重なるほど愛しくなって、作品に嵌っていきました。
私がもっと若い頃(10~20代前半くらい)に読んでいたら、ここまで心に刺さらなかったかもしれません続き。(笑)
二人とも人生に絶望してます。射場は諦めかけ、日夏は諦めたつもりでいます。
そんな二人が出会って、互いに欠かせない存在になる・・・じわじわと胸に沁みてくる、素敵な作品です。

日夏が狙われる件やヤクザの抗争、そういうハードボイルドな面を期待しすぎると少し物足りないかもしれません。それらは、あくまで射場と日夏が出会うための舞台設定や、他作品との繋がりを仄めかすものに過ぎない気がします。
「エス」とリンクしている部分もあるそうです。私は「エス」未読なのですが、それでも楽しめましたよ。読んでいればもっと楽しめるのかも知れませんが。
あくまで今作は射場と日夏の再生の物語、二人が再び人生に夢を持つまでの物語です。
まるで映画を観ているように、読みながら脳裏に映像が浮かぶ作品です。
少ないですが、リバ要素・女性との絡みもあるので、万人向けとは言えないのですが、それでもオススメしたいです。
私にとって、こういうBLを読みたかったんだ!と思える小説でした!!

6

文句なしです!!!

時間を置いて、落ち着いてからのレビューです!! ちょっと自分でも、興奮しすぎだろう…という事で。(^_^)ゞ 
常々、なんだか私の萌えは人様からズレてるんじゃないかと思ったりしていますが、この作品は文句なしで『神』だと言っちゃっていいと思うのです!! 本当に面白かった!! ちゃんと時間を置いて、冷静になっても揺るぎません!!
そもそも英田サキ先生の作品で「元刑事」だの「ヤクザ」だのって単語が出てくるだけで期待値がグンと上がるのですが、個人的にめちゃくちゃ萌える作品とイマイチだったりする時の差が激しいので、期待と不安が半々で読み始めたんですね。しかし、読み始めると静かに引き込まれる…。一気にグイグイという感じではないのです。読んでるうちにジワジワ引き込まれて、それが終盤に向けどんどん加速度を増していくという感じなんです。

内容自体もハード過ぎないハードボイルドといった感じで大変面白いのですが、なんといってもキャラクターが魅力的過ぎるのです。読む前は四十路の受けに萌える事が出来るのか…と若干不安を感じていましたが、そんな心配は杞憂でした!! 飄々としていてつかみ所のない受けなのに続き、性根の部分が可愛すぎる…。かわいいというか、愛すべき!!といった男なのです。そして攻めも元刑事で32歳のやさぐれた下っ端ヤクザなのに、読んでいるうちにどんどん可愛くて仕方なくなってくる…!! この二人がウダウダやってるのに、萌え転がりたくなるのです!! いい年したオッサン二人が恋愛でジタバタしているのって、なんでこんなにキュンキュンくるのでしょうか…。

一応ですね、この作品は「ちょっと、先生?!」と言いたくなる程自由すぎる設定ではあるのです。主役二人にリバ要素、攻めと受け更にS嬢を加えた3人での絡み、攻めは女を抱いてる(直接的な描写はナシです)、受けは男を抱いたり抱かれたり、と地雷系がわんさか。私はありがたい事に全部問題ありませんが、苦手な方もおられるだろうなぁと思うのです。あとがきでも、「かなり趣味に走った」と書かれてるし。しかし、そんな要素が入ってるからより面白くなってるとも感じるのですね。まぁ、どうしても必要かと言われれば、そうでもないかも…という感じではありますが。(;^_^A 「私にとってはご褒美本」となってるので、先生も楽しんで書かれたんだろうなぁと伝わって来る作品なのです。

後、私にとっての萌え所が、二人の飄々とした会話です!! 本音をぶつけ合う会話にも相当萌えましたが、普段の掛け合いみたいな軽い会話もとても素敵なんですね。受けが気になって仕方ないと言う攻めと、気の迷いだから忘れろと言い切る受け。無理だと言う攻めに対して「だったらお前はゲイだ。ようこそ、新しい世界へ」と受けが言うと、「もう、なんでもいいって気がしてきた」という攻め。そこで、「諦めるなよ、抗え。大事な問題だぞ」といった感じ。こんな会話が、もう随所に!! 最高です!( ´艸`)

なんだかグダグダと書いてしまいましたが、そんな訳で大変お薦めです。ちょっと自由すぎる設定ですが、地雷でさえなければ、そんな部分もちゃんと深い意味があったりするので!!

8

三十路×四十路の大人カプが素敵

英田サキさんとZAKKさんのコラボで裏社会モノという、御二方のファンとしては手に取らずにはいられない一冊。
三十路×四十路という渋いカップリングです。

あらすじ:
元マル暴の刑事で、過去に傷害事件で服役し、今は下っ端ヤクザをやっている射場(攻め・32歳)。
暴力団の企業舎弟で実業家の日夏(受け・42歳)のボディガードを命じられ、しばらく彼と一緒に暮らすことに。
日夏は10数年前、射場を強姦した男で…

語り手は主に射場で、昔自分をレイプした日夏という男の人となりを探っていくような展開。
飄々とした日夏のキャラクターに射場と共に読者も魅入られていきます。

射場は学生時代、ヤクザに絡まれリンチに遭っていたところを、通りかかった日夏にレイプされたという過去が(このシーン自体は数行で済まされています)。
日夏は自分をリンチから守るため敢えてレイプしたのか、それともただの男好きなのか。

再会した日夏は、ゲイじゃないと言いつつ男女問わず(タチネコも問わず)関係を持つ掴みどころのない男で、射場は日夏に翻弄されるうち、彼に惹かれていきます。

この日夏のキャラクタ続きーが実に魅力的で、四十路の美中年という設定がよく活かされています。
射場を犬扱いしてからかうSな一面もあれば、可哀想な境遇の青年を自分の下で世話している優しい一面もあり、容易には底が見えない人物。
射場をけむに巻くテクニックが流石年の功という感じで、若者にはない色気とカッコよさを感じます。

こんな日夏視点のエピソードも少しずつ挿入され、彼の過去やトラウマ、射場に惹かれていく気持ちも描かれていきます。
妻子を殺したという日夏と、先輩刑事の死にトラウマを抱える射場。
それぞれに重い過去を背負う二人が、同居生活を通じて少しずつ心を通わせていく様には温かな気持ちになります。

日夏が何者かに命を狙われているため、アクションシーンやサスペンス要素はあるものの、全体的には静かな雰囲気。
裏で糸を引いているのは誰なのか、なぜ日夏の死を望んでいるのかという人間ドラマ的テーマがストーリーの核であり、
単純な好き嫌いでは割りきれない複雑な人間関係が描かれています。

シリアスな設定ながら、ワンコな射場と大人な日夏とのやり取りは大変可愛く、脇キャラも魅力的で、ほのぼの要素もあるバランスのとれた作品。
射場と日夏のキャラ設定的にリバっても良かった気がしますが、そこまで踏み込まず大衆路線を保っているのが英田さんらしいなという感じです。

あとがきで趣味に走った〜と書かれていて、
確かに中年同士のカップリングや、射場や日夏がそれぞれ別の相手とセックスするシーンなど、読む人を選びそうな要素はチラホラ。
しかし中年同士といっても射場も日夏もオヤジ臭さはなく非常に爽やかだし、他の相手との絡みもかなり手短に描かれているので、
設定の割にはかなり読みやすい印象。

年下攻や落ち着いた大人カプがお好きな方に特にオススメしたい一冊です。

11

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