求愛し交尾をしおまえを花嫁にする

虎王の妻恋い婚

koou no tsumagoikon

虎王の妻恋い婚
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神4
  • 萌×26
  • 萌6
  • 中立1
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
4
得点
63
評価数
20件
平均
3.4 / 5
神率
20%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
シリーズ
クロスノベルス(小説・笠倉出版社)
発売日
価格
¥889(税抜)  
ISBN
9784773088403

あらすじ

麻薬捜査官の依吹は、思春期の頃から雨の夜決まって見る夢があった。
それはベッドに忍び込んでくる黒い虎に犯される淫夢。
首筋を舐められ身体は火照り、獣に貫かれ悦び果てる。
目覚めても生々しい残り香につい自らを慰めてしまう。
見たこともない虎なのに…。
だが潜入捜査のためブエノスアイレスに飛んだ依吹はターゲットのマフィア・レックスを見た瞬間、黒い虎の気配を感じ身体の奥から溢れる疼きに襲われて──!?

表題作虎王の妻恋い婚

レックス,ブエノスアイレスのマフィア幹部,27歳
青山依吹,麻薬取締官,25歳

その他の収録作品

  • あとがき

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レビュー投稿数4

健気攻め

華藤流獣ファンタジー群の今回は虎一族のお話です。
遙か昔にユーラシア大陸から流れ流れて、アルゼンチンの南の果てまで辿り着き、ひっそりと続いていた虎の王国。
そこへ、同じ祖先から別れてヨーロッパで続いていた虎の一族が、第二次大戦後ヨーロッパの地から逃れてきて出会います。
この二つの虎の王家の血統争いと、マフィアの裏社会での覇権争いを、妖艶なアルゼンチンタンゴの調べに乗せて、もふもふ、幼なじみ、再会愛、記憶喪失etc、いろいろたっぷり盛り込んで描いた「デカダンスなタンゴエロス」。
忘れられても、ずっとずっと愛している。
一途で健気なスーパー攻は獣ファンタジーならでは。

1

虎王の深い愛に感動


日系人の依吹(受け)は父親を強盗に殺されて以来、渡米していたのですが、麻薬取締官としての任務で生まれ故郷のブエノスアイレスに帰ってきます。マフィアの経営するタンゴバーに潜入しマフィアのナンバー2レックス(攻め)の身辺を探ることになります。

依吹は父親が日本人で母親がドイツ系だと聞かされています。が、父親を殺された前後の記憶がありません。事件の時に性交の痕があり、レイプされたことと父親を殺されたショックもあって記憶を失ってしまったのではと説明されています。(実際には違いましたが)
麻薬で父親がおかしくなっていたことは覚えていて、父親をだめにした麻薬を憎んでいます。事件により感情もなくしてしまったようで、殆ど感情が動くことがありません。が、麻薬を憎む心だけが依吹のなくなった感情が動く唯一の物になりました。
憎い麻薬を扱っているマフィアのレックスを探らなければならないのに、彼の匂いを感じると発情しそうになって混乱します。レックスは出会ったか時から口説いてきますが、相手にしないと今度は情報を横流しする代わりに関係を持つように言われます。自分の過去を知っているようなレックスから私的続きにも公的にも情報を得るため関係を持つことにします。自分の目的のためには相手のことを考える必要はないはずなのに、何故か彼の立場が悪くなるのではと心配してしまいます。
抱かれる度に少しずつ昔の夢を見て、これが自分の記憶なのか、妄想なのか見分けがつかず、思い出したくても思い出せなくてもどかしい思いをします。

レックスは虎王ですが、裏切りにより力を無くし、マフィアに身を落として力を蓄えています。依吹とつがいの契りをしていますが、依吹が自分で記憶を取り戻して再び自分を愛してもらわなければなりません。彼を守るため、思い出してもらうため口説き、情報を提供しています。

アルゼンチンはとても遠くて私には全く縁のない場所なので、イメージするのが難しかったのですが、作中に出ていたアニメ「母を訪ねて三千里」の話で一気にイメージすることができました。あの話は私が子供のころ放送され何度も再放送されていたので何度も見ており懐かしい感じがしました。(依吹の父親と同世代ってことですね!(*_*))パンパ(大草原)やごちゃごちゃした街の様子は確かに「母を・・・」でした。特にパンパのシーンはOPが頭の中でリピートしてしまいました。

話の中でタンゴが鍵として何度も出てきます。社交ダンスでタンゴを知っている程度でかつ官能的な曲や踊りがあまり好きでない私には上手く脳内再生できなかったのですが、歌詞はとても切なくてレックスの感情や状況にぴったりで切なくなりました。一途な執着攻めが大好きな私は、レックス視点でも伊吹視点でもレックス頑張れと応援していました。

クズ父親のせいで、父親に愛されたかったのに、父親を愛していたのに、結局金づるとして売られそうになった依吹は気の毒で、二人は長い試練に身を投じることになりましたが、この試練を乗り越えた二人は敵対勢力を一掃して、人虎一族の発展のため尽くしながら、唯一無二のつがいとして愛し愛されることでしょう。

虎王にだけある再生能力はどうやって受け継がれていくのかとか、肉体を再生するのはどうするんだろうとか、一族のものを虎のまま人間に戻らなくする方法とか、洗脳がどうとか、細かいことが気になる私にはちょっと引っかかるところが所々見られましたが、深い愛の話として流して読むのが得策かなと思いました。

虎を膝枕するなんて絶対にできないけど、もふもふの虎をお互いを抱きしめられる二人がうらやましい。
あとがきににもありましたが、虎を膝枕しているイラスト、凄くよかったです。

3

設定もストーリーもツボなのだけれど

小山田さんの美しすぎる表紙につられ、手に取ってみました。で、華藤さんの小説は初読み(コミカライズされたものは読んだことはありますが)。

文体って好みがあると思うのですが、ごめんなさい、個人的にすごく読みづらかった…。説明文的な感じ、っていうのかな。なのに時系列とかが分かりづらくて時々「?」と思ったりしてしまいました。まあこれは私の理解力が低いからなのだと思うし、完全に好みの問題だと思います。

内容はすでに書いてくださっているので感想を。

人外ものですが、彼らの祖先にさかのぼっての話があり、現実世界での麻薬取締官とマフィアとの対決あり、依吹の失ってしまった過去の記憶の謎があり、と、とにかく盛りだくさん。さらにペンギンのチョコの逸話があったりタンゴに絡ませたエピソードがあったり、話が広がりすぎてるんじゃないかなと思いました。

そうした伏線を回収しつつ、レックスと依吹の関係や、過去の謎、人虎の世界での因縁を解き明かしていくという展開は面白くはあったのですが、先述したように華藤さんの文章に入り込みづらいこともあって、読み進めるのがしんどかった。

舞台がブエノスアイ続きレスで、BGMはタンゴ。
依吹が夢で見る、虎との性交。
そしてレックスとの激しい絡み。

淫靡な雰囲気に満ち溢れ、かつ依吹の正体や彼の失った記憶といった謎を解き明かしながらのストーリー展開はエロティックでよかったのですが、いかんせん盛り込みすぎ、という感がぬぐえなかった。

小山田さんの挿絵は今回も神でした。
美しいだけではなくて、この作品の根底に流れる淫靡な雰囲気を見事に表していたように思います。




3

ピアソラの調べと共に

あらすじ:
舞台はブエノスアイレス。
麻薬取締官の依吹(受け)は、バンドネオン奏者としてタンゴバーに潜入。
その店を経営するマフィア幹部・レックス(攻め)と出会った瞬間、10代の頃から夢でよく見る「黒い虎」の気配を感じ…

外国モノ、マフィア、溺愛攻め、タンゴ…と、華藤さん作品お馴染みの要素がギュッと詰まった一冊。
一応モフモフ系ファンタジーでもありますが、「虎」ということで、モフモフというよりガッツリ肉食系です。

依吹は母を亡くし、アル中で麻薬中毒の父親の面倒を見てきた苦労人。
その父も依吹が15歳のとき死亡。
父の殺害現場で発見された依吹は記憶を失っており、以後、雨の日の夜は必ず「黒い虎」に犯される夢を見るように。
普段はクールで淡白な依吹ですが、夢の中で虎に犯されている時だけは激しく感じてしまいます。

そんな「虎」を連想させる男・レックスは、マフィア幹部でありながら依吹に非常に友好的。
タンゴバーで依吹と一緒にタンゴを踊ったり、機密情報を気前よく教えてくれたりと、約2ページにわたり依吹との妄想新婚生活について力説したりと、いちいち依吹への愛に溢れて続きいます。

レックスの正体についてネタバレは避けますが、依吹に思い出してもらえるのを健気に待つ姿はさながら人魚姫のようで、非常に健気。
終盤明かされる依吹との過去も丁寧に描かれていて、幼い頃の二人の仲の良さに萌えます。

モフモフ系ファンタジーと言えば獣×人間というパターンが多いですが、本書の場合は受けの依吹にも獣要素があり、婚姻モノにしては比較的対等感がある点も萌ポイントでした。

ただ、人外設定を世界にまで広げたのはいささかチープな印象。風呂敷を広げるのは良いですが、ちょっと説明的なところが気になりました。

外国モノとしては、土着文化とキリスト教文化が混在する中南米の情熱的かつ退廃的な空気が伝わってきて、非常に華藤さんらしい一冊。
作中で度々流されるアストル・ピアソラ(アルゼンチンの作曲家でバンドネオン奏者)の曲の数々もストーリーに華を添えており、特に「オブリビオン(忘却)」の使い方が上手いと思いました。

ぜひ、ピアソラの曲をBGMに読んでいただきたい一冊です。

※惜しむらくは、ラストの台詞の脱字。
締めの大事な一言でこのミスはさすがにどうかと思いました。
ちゃんと校正は行われたのか大いに疑問です。

7

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