啼かせられるものなら、啼かせてみな。

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表題作極悪BL

その他の収録作品

  • 桐式トキコ「花の芥」
  • 天河藍「薔薇とヘドロ」
  • 犬神スケキヨ「カルマン」
  • 七菱ヒロ「セックスプライスチケット」
  • kayama「生きる歓び」
  • みづい甘「極道の推しメン」
  • 多田基生「cold floor」
  • 浅井西「小説家の愛し方」
  • 小説:阿賀直己 イラスト:末吉アコ「聖者の足跡」
  • 作家コメント

あらすじ

ワルい男たちよ、啼け。
極道・クズ・ヤンキーなど、最低最凶の恋とエロスのアンソロジー

カバーイラスト:桐式トキコ

コミックス:
浅井西
犬神スケキヨ
kayama
桐式トキコ
多田基生
天河藍
七菱ヒロ
みづい甘

ノベル:
阿賀直己

ノベル挿絵:
松吉アコ

作品情報

作品名
極悪BL
媒体
漫画(コミック)
出版社
三交社
レーベル
Charles Comics
発売日
ISBN
9784879197504
3.3

(8)

(1)

萌々

(3)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
26
評価数
8
平均
3.3 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数2

ダーク好きにはたまらない粒ぞろいアンソロジー♪

「極悪」のタイトル通りわっるい話を集めたアンソロジー。裏組織や非道な人間がザックザクでてきて、ダーク好きにはたまらない一冊になってます!

●桐式トキコ「花の芥」
潜入捜査中の椿木は、冷酷なヤクザ若頭・加白の補佐まで登りつめた。
椿木は警察官なのに凶暴性を秘め、加白は女のように組長に抱かれつつ、陰謀をめぐらす。そして加白は椿木を取り込み…
加白くらい冷酷さを極められると、その美しさにゾクゾクさせられる!
表紙は加白。見た目はクールそうな美人なのに、中身は真っ黒っていうのがイイ!
シャルルお題アンソロジーの執筆率が高い桐式先生、好きだなと思う短編多いけど、中でもこの話が一番好き!ダークな話もっと描いて欲しい!

●天河藍「薔薇とヘドロ」
高校生もの。大我は学園キングの理人にかわいがられているのを良いことに、女を寝取り、妊娠させても放置でやりたい放題。でも腹いせに犯した学園一の美女は理人の新しい彼女で制裁が…
いままでのやりたい放題のツケを惨めに払わされていく大我。理人の凶暴さが見物です。
詳しくは書きませんが最後のページは必見!

●犬神スケキヨ「カルマン」
ヤクザ抗争勃発を背景に、激しくカラダを繋げる男同士。
抱いているのは対抗組織の中心人物・尾道、抱かれているのは潰すために送り込まれた下っ端ヤクザ・坂咲。でも尾道はそんなことはお見通しで坂咲に本気になり坂咲も…
尾道の選択と、それを”業”として背負って行く坂咲。短いページで多くを語ってないのに人生が詰まってます!

●七菱ヒロ「セックスプライスチケット」
チケット転売で儲けてるショーマは人気バンドのチケットが高額で売れ、チケット手渡しに行くと、相手はそのバンドのボーカルで、ライブ=魂を売るなんて許せないと犯され…
スキャンダルを嫌う芸能人がそんなことするかな?ってのが引っかかる。

●kayama「生きる歓び」
あらすじも何も知らずに展開を楽しむべき短編。
それを「生きる歓び」といいますか?と背筋が寒い…

●みづい甘「極道の推しメン」
ヤクザ跡取りのカゲは、10年応援してきたアイドルのアルトに偶然会うと、アルトは傍若無人な感じでアイドルの時とは全然違って…
アイドル×ヤクザの甘いオチで、これは極悪じゃないと思うな。

●多田基生「cold floor」
友達に犯された男は借金取りになって、犯した男と取り立てで再会。
昔好きだったから、借金の理由を聞いてほだされて逃がしてしまう。でも代わりに取立屋のほうが絶対絶命のピンチで…
嘘と本当がわからないままの愛憎劇はバッドエンドへの余韻を残して終わります。

●浅井西「小説家の愛し方」
全てを暴き出して見たい小説家と、暴かれ見られる快感を知った編集者。
共依存的なダークさが良い話しだったのに…
ハッピーそうな最後のコマが私は嫌い。

小説も一編収録されてますがそちらは未読。(絵が好きなもので…)

レビューは収録順通りに書きましたが、最初の3編が特に好きです。
ダークな話って、欝々にさせられつつ、背筋がゾクゾクするのがたまらないんですよね。私にはお気に入りのアンソロジーです♪

6

一般論に終始していた

9作品収録のアンソロジー。(内1作品は小説)
どんな「悪」の形を読ませてくれる?と手に取りました。
全て読み終わってみて、なんか物足りない。
いえ、悪いヤツ、イヤなヤツはいっぱい出てきますよ。
ただみんな同じ味。
…と思ったら「極道・クズ・ヤンキー」という一応のくくりがあるんですね。
極悪≒極道、ヤクザ。
ちょっと一般論すぎましたね。
善のような悪、宗教的な話、無垢だからこその悪…そんなものを期待してたから。
その中でも印象に残ったものを。
作者様敬称略です。

「薔薇とヘドロ」天河藍
これがその後長編になるのも納得。だけどこの一編は尻切れでいきなり終わる。逆に印象深いとも言えますが。
ただ「極悪」というよりマウント、支配の主権がどこにあるか、それを「暴力」で示してるだけ?暴力は確かに悪ですけどね。

「小説家の愛し方」浅井西
小説家の作品と本人に惚れ抜いて何もかも言いなりになる編集者のお話。
絵も話もかなり好きでしたが「極悪」感は無い。このアンソロに入ってる意味がわからん。

「聖者の足跡」阿賀直己
この作品だけ小説です。
アンソロ収録にしては少し長すぎ。マンガ目当てで読んでる人にアピールできるかな…もっととっつきやすい方が良かったかも。
内容は暗い。そしてこれも「極悪」の捉え方があまり伝わってこないと感じてしまった。
後味が悪いのと「極悪」って違うでしょ?
主人公はゲイの公務員(多分○ローワークの職員)・貴明。小学生の時に転校生イジメの先頭に立ってた。
ある日1人の男を拾い、部屋に住まわせる。その男・油川にどんどん執着心が湧いていく。
貴明の前の恋人がストーカーになり、油川を刺して…
結局油川の実体はよくわからないままです。この後貴明は元々無い善良さを本当に底から無くし、公務員も辞めて転落していくのかもね…


多分私が読みたかったのは「聖(セイント)ロザリンド」(わたなべまさこ作)みたいな話。
悪と無垢と恐怖の融合、のような。

1

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