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完結したら読もうと積んでいて、遅くなりましたがやっと読み始めました。
1巻は登場人物の紹介な感じですかね。
坊ちゃんが不遇な境遇で。
それを上回るのが蘭蔵で。
蘭蔵と健一がなんとも幸薄げで切ない。
(泣いちゃう蘭蔵かわいい)
典彦がいちばんヤバい奴ですね。
この先、坊ちゃんをどうしていくのか見応えありそうです。
蟷螂(カマキリ)は育郎の父のことかと思いましたが(それもあるかもだけど)
漢字のつくりが當間育郎なんですね。
タイトルにいろんな意味がありそうです。
なんとも背徳な世界観…この時代の京都の名家という舞台がピッタリですね。
典彦の不気味な感じと、寄生虫の話がオーバーラップして怖かった(ホラーも虫も苦手)。
背徳感、仄暗い世界観にエロも加えて…この辺でりこ先生お上手ですよね。
先が読めないおもしろさです。
2巻いきます〜。
最終巻まで読んでの感想です。
なのであのシーンはこういう事かと色々思っちゃいますね。
まだまだ人物紹介くらいの1巻。
地方名家と座敷牢で横溝を思い浮かべる姐さんは楽しめると思います。
読み返して改めて和服の似合うキャラ達の造形だったなぁと。お見事です。
そういえば体毛描写がありますね。そこも含めてリアル。苦手な人は注意を。
あとは書き下ろしが白眉。ただの散髪シーンですがとんでもなくエロいのです。
このじっとりしたエロの部分は谷崎に似てるかも。
完結したのを機会に再読!!
闇が深い!背徳感と高潔さの混じり具合よ!!
崇高な魂を愛してると言いながら、壊れていくことに甘美さを見出す典彦。
気丈に振る舞いながら、愛情に飢えてる育郎。
典彦が初期の初期から育郎に執着して心の悦びを見出そうとしていたことが恐ろし!!育郎の心に巧みに入り込み、育郎が求めるとスっと引く、けどまた歩み寄る。この均衡にハラハラぞわぞわします。何もかも投げ出したくて典彦に寄りかかる育郎の淫靡な可愛さもとんでもなし!
策略ばかりの大人、昭和初期のほの暗さがより一層ドロドロ感を上げてます。
当初は典彦の闇と坊ちゃんの健気さに惹かれて、読み始めたわけですが、ドロドロじっとり具合にグルグル悶えまくって、よくぞまとまったな!という本シリーズ。万人にはオススメできないけど、こんな愛し愛され方も生き方もあるんだなとずっしりきます。
なぜか5巻だけシリーズ登録されてないんですが(修正追加分からなくてすみません)、5巻完結です。
ネタバレしません!ネタバレせずに読むべき本です。
闇がすごい、、闇がすごいよ…光属性にはだいぶ辛いです。キンシンソーカンだけでも辛いのに、知的障がい者と座敷牢…昔これ系の歴史書を読んだことがあるので本当にこの辺で一回吐きそうになりました。
でも、なんか、この先にきっとヘブンが…!と思って読み進めると、、そっちはそっちで爛れた関係なのね…光がない_(:3 」∠)_
こういう作品ってすごく不思議で、好みでないとわかってもページを捲る手を止められませんね。好きではないですが、素晴らしい作品なのだと思います。最新刊が出たので一気読みします。
4巻一気に購入してしばらく積んであったのですが、そろそろ…と思い立ち、読みました。
まずは1巻。
序章といった感じで、物語の雰囲気はやや掴めたかな?という程度の感想。
この先の展開次第ですごく面白くなるか、アレレ?になるかが分かれて来ると思います。
時代背景、設定など昼ドラちっくなストーリーに彩景先生の絵が合っていて、とても期待感が高まっています。
私的には典彦が1番何を考えているのか分からなくて、不気味ですね…。
カマキリに寄生して操るハリガネムシは誰の事を指しているのか、そんなところもきっと伏線になっていると思うので、楽しみに続きを読みたいです。
エロいの読みたくなると定期的に読み返してしまいます。何度読んでもぞわぞわして大好きです。市川崑の金田一シリーズのような感じ、癖になってます。彩景先生の作品の中で一番好きです(他の作品も全部好き!)。坊ちゃんの色気が凄まじい、服着ててもエロい、服脱がされてももちろんエロい、じわじわ開発されていく様がたまりません。細くて美形なのにちゃんと男性感があってそれがまたエロい。そして攻めの典彦がまた最高にエロい。目の死んだネチネチした人大好き。二人の行為は男同士でいけないことをしています感がすごくてエロい。先生、おしゃれな絵柄なのにしっかり昭和感を描ききっていて嘘っぽくない、それがまたエロい。エロい。エロい。でもエロいだけじゃない、ストーリーがまた辛くて暗くて美しくていい。じめじめした季節に敢えてジメジメした作品読むのもいいなって読み返して思いました。
やっと読みました。毎回挑戦しては挫折の繰り返しで。
蘭蔵がすべてを狂わせたのかな?それとも父かな?
何もかもいびつで。使用人まで。
蘭蔵は大切に大切にされてきて、父の死後も新しい世話役を迎えてまた大切にされて。
育郎は親にも見向きもされず使用人に変なことを仕込まれ、家の後は継ぐけど何も持たないみたいで。
結婚相手すら自分の意志で決めようとしない。
そもそも思春期にあんなことをされてきて、女性に興味すらないようで。
育郎の母も使用人の典彦を彼の父とごっちゃになって。
育郎は誰の子?
闇ばかりでどんな展開なら幸せなのかもわかりません。
主要な重要人物である4人をめぐる話です。
時代は現代ではなく大正か昭和あたり?だと思います。
父が愛人の間に出来た第一子である兄、蘭蔵を幽閉している時点で泥沼の予感。
厄介なのは使用人の男、典彦。
育郎にも、蘭蔵の母にも手を出し、暗い笑みを浮かべる場面があります。
父が亡くなり、母も自殺。
両親が居なくなった家で、取り残された兄弟がどう過ごしていくのか…。
1巻では登場人物紹介、という感じで動きがみられなかったので続きが気になります。
作者さんの作風的にも、きっとハッピーエンドではないのだろうな…。
実はこの作品は私がBLに興味を持ち始めた頃に半分くらいまで読んでいました。記憶が曖昧な理由は、当時の私は、この作品の設定やどろどろな関係が理解出来ていなかったらしく母親が男の子(育郎)の頭をやばい表情で噛み付いているシーンがトラウマで怖い作品というだけの印象であったからです。(当時タイトルも表紙も覚えていなかった、、)しかし、最近、BL漫画を読みまくっていると彩景でりこ先生の「蟷螂の檻」の表紙に惹かれ、読んでみると、例のシーンにがあるじゃないですか!私が当時読んでいたのだ!と。なんでこんなに素敵な作品を最後まで読んでいなかったのか。そして、背徳感や時代や耽美という単語が似合うとても美しい作品だと感動しました。そして自分の感性が歳をとって変わっているのと違う意味で感動。この作品に出会わせてくれた神様、作家さまへの感謝を忘れず続きもじっくり読んでいきます!
特に主従関係が好き!という訳ではありませんでしたが、レビューの高さを見て購入しました。
1巻を読み終わってから既刊を全て読み終わるまであっという間でした…!それくらい面白い作品です!
典彦の育郎への愛情の形が凄まじくて…もう既に何回も読み返してます…ドロドロした作品が好きな方にはぜひ読んで欲しいです。
ずっと気になってはいたものの、なぜかまだ読んでいなかった作品。
カバー装丁の美しさにどうしても惹かれてしまいます。
思わず手に取りたくなるようなレトロな耽美さを感じさせる美麗さでした。
on BLUE作品は内容も見事ながら、作品の雰囲気とぴったりの丁寧な装丁も見事だなと。
戦後の昭和を舞台に、歪んだ感情と歪さが入り乱れるドロドロとした愛憎劇が繰り広げられていく。
陰鬱としていて、耽美で、一見すると救いがなさそうなこの雰囲気はとても好みかもしれない。
作中の「ハリガネムシ」のように、まだ幼い純粋な育郎の内側にさり気なく入り込み、じわじわと寄生・浸食し、内側から壊そうとする典彦の歪んだ感情が見え隠れするのが恐ろしい。
宿主にされた虫は生殖機能を失うと言われているハリガネムシ。
育郎が恐れ、まるで蟷螂のようだと嫌悪している蘭蔵よりも、本当に恐ろしいのは蟷螂すらも殺してしまえるハリガネムシなのでは。
一貫して無表情・無感情に見える典彦の、育郎を見つめるじっとりと湿っぽい視線が何とも不穏。
ただ愛され、必要とされたいだけの育郎と、何もせずとも存在しているだけで良くも悪くも人の関心を全て奪っていく無邪気な白痴の異母兄。
幼いころは黒髪だった蘭蔵はなぜ白髪なのか?
本当に哀れなのは座敷牢に幽閉されていた蘭蔵なのか?果たして。
謎だらけの過去についてや、2人の対比が今後どうなるのか、西浦の登場によって4人の関係がどう変化するのかを楽しみにしつつ、次巻へ進みたいと思います。
遅ればせながら読ませて頂きました。
表紙が好みだったので購入したのですが、とてつもなくド性癖でした……。
なんと言っていいかわからない面白さ。続き読みたくなるし、色々な人が出てくる。
シリアスな内容で、色々な人の視点で繰り広げられていき、そこまでいっぱいに「そういう」描写がある訳ではないですが、全体的にそういう雰囲気を纏っていて映画を1本見させていただいてるような感じでした。
シリアス、ドロドロなのにそれでいて綺麗な作品だと思います。
1巻は状況設定まで。
地方のだいふごうr、當間家が舞台。
奥の座敷牢で白痴の兄を愛でる父。
後妻で家を継がせることにしか意味を見出さない母。
側付きの典彦。
そんな人達に囲まれ、愛情を受けずに育ちながらも、素直に育った育郎。
1巻は状況設定まで。
父が亡くなり、当主となった育郎。秘書的な役割の典彦。
典彦にしか肯定されることのない存在。育郎は雛が条件反射で親と思うように、常に側にいる典彦に依存していく。
一方、育郎に性の手ほどきをする典彦。
それとは言わないが、ふと触れた肌に欲情してしまう、そんなエロスの1巻です。
最新巻、現在4巻目を読了したので。おさらい読みです。
そうか。この1巻は幕開けで、実に巧みに登場人物を浮き上がらせていく。
昭和は戦後。旧家にあったかもしれない、江戸川乱歩や横溝正史のような陰鬱なトーンで描かれていく舞台。
先代当主が愛した白痴の子、蘭蔵。妻を顧みる事なく、その美しい子供に執着する当主。
苦しさのあまり狂って行く妻。両親に愛される事なく育つ息子、育郎。その愛情に飢えた無垢の心に忍び寄り、蟷螂に寄生する虫の様にへつらい意のままに貪り始める使用人、典彦。
當間家の家業を乗っ取らんが為、後継者の嫁にと差し出される娘、さち子。
当主亡き後、誰もが嫌がる白痴の子の世話係を任じられる事になる、混血の子、健一。
蒸し暑いこの夏の様に、鬱屈したこの世界の役者たちが揃う。それぞれの身内に暗い炎を燃やしながら。
白痴であるのに関わらず、先代当主が全ての財産を長兄、蘭蔵に遺すと遺言したことで、裏切られたと怒り、その鬱憤を蘭蔵にぶつける育郎。しかし彼は、精通をした頃から使用人の典彦に自身の躰を弄ばれて行く。縋れるのは典彦だけ。両親に愛されなかったこの子供は、典彦の愛撫に縋って、やっとの思いで生きている。育郎は恐ろしいのだ。いつか見た、父が蘭蔵の足元に平伏して、その脚の間に頭を下げていた事を。蟷螂が獲物を挟み込む様な、その淫靡な姿態を。
長らく座敷牢に閉ざされた其処が「蟷螂の檻」
今読み返しても、ゾクゾクする様な隠微な世界。ゾッとする様なシーンもあるので、決して美しいとは言い難くもあるんだけど。仄暗い耽美でもある。
典彦が寄せるそれは愛情とは言い難く。育郎が壊れていくところを見たいなどという歪な執着。
けれど、憤りに癇癪を起しこそすれ、育郎は素直で強い無垢な心を持っている。
堕ちていくのは典彦だけでいい。4巻まで読んで、私はそう願っている。
昔こういうの好きでした。コドモの時。
ドロドロの、因習の、背徳の、執着の、愛欲の、の、の、の…etc
今はなぁ……
…という感じで、実に鬱いです。
犬神○の一族って感じで、家長によって歪められた家族の悲劇、というか。
座敷牢、妾の子、顧みられない妻、狂っていく妻。
愛されない子供。
そんな悲惨があっても一番大事なのは「家」の体面…
使用人・典彦の気味悪い八の字眉毛にゾッとする。
坊ちゃん、逃げて〜っと叫んであげたいけど、もうドップリだもんね…
4巻が出るということで積んでた3冊分を一気に読んでます。世界観も絵面も黒い。
ここまでどストライクな作品無いです。
彩景先生らしいシリアスで歪みまくったお話で傍から見ると怖くなるくらいおかしくてゾッとするんですけど育郎と典彦は愛し合ってておかしさに気付いて無いんだろうなとか思うと余計にサイコでほんと、好きです。語彙力飛びます。
なんでもドンと来いで暗めのサイコパスっぽいような重い歪んだ愛が好きな人は絶対好きだと思います。あと、個人的に黒髪受けが好きなので最高でした(^o^)/
ドラマCD発売のニュースでこの作品を知りました。音声を聴く前に、とコミックスを購入した次第です。
雰囲気は暗いし、なんだかドロドロしてて…わたしにはとても良かったです!独特の陰湿さにエロスがあると思います。
若き当主育郎と、その使用人典彦の関係は、育郎の幼い頃のトラウマに典彦がつけこんでるようでもあるし、典彦の本心がまだまだ分からないです。育郎の兄蘭蔵には、新しい使用人西浦がつき、育郎は婚姻を…と、これからのストーリーに目が離せなくなりました。
さっそく、2巻のページをめくります!
退廃した空気と熟れ過ぎた果実のような重苦しい甘さの漂う作品でした。育郎の兄・蘭蔵に囚われていた父、蘭蔵に奪われた父の愛を使用人・典彦に求めた母、精通を迎えた育郎に手を出し始める典彦、典彦からの愛撫を期待してしまうようになる育郎、そして、父亡き後新たに自分の世話をすることになる郵便局員だった西浦を絡め取ってしまう蘭蔵。どの関係性も禁断であり、不毛。静かにどろどろしているような、独特の後味の悪さがありました。
幼少期の育郎が本当に可愛らしく無垢だった分、父からも母からも愛されず、すっかり諦め癖のついてしまった彼がとても気の毒でした。でも、典彦に愛撫され息を乱す彼はいやらしくて、萌えます。痴呆のように描かれている蘭蔵は何を考えているのか、父との関係をどう思っていたのか、そういうところも気になりますね。
以前ロボ耳太郎くんに「すごい勢いで性癖に刺さるBLをおススメしているスレッド」で紹介してもらった作品です(ロボ耳太郎くんありがとう)。
しかしあまりにすごい作品を紹介されてしまって動揺が止まらないよ。
確かに闇って入れたけど、闇が強すぎるよ。
でも、昭和の初期、座敷牢に飼われている義母兄弟、など全体的なテイストはピッタリ。
あとは私の足りない脳みそがどれだけ頑張って物語を理解してくれるか…に期待したいよ。
まだ1巻しか読んでないので、なんとも言えないけど、典彦さんが必要以上にアダルティーなことを教え込んでしまっているところまでは理解出来たよ。
とりあえず2巻を買って、5,6回読み返して頭整理してみるね。
それから、また次にこういう企画があったら、「頭弱めでも理解出来ちゃうぞ!!」的な作品お願いします。
…う~ん、私、これ本当に解説なしで読めるかなぁ。
みなさんのレビュー見ながら頑張ってみま~す(なんか課題図書みたいになってきた…)。
淡々と進んでいくので感情移入しにくく、盛り上がりに欠けますが、それぞれのキャラクターや時代設定がすごく好みです。
孤独な育郎。妾腹の兄・蘭蔵への憎しみや恐れ、複雑な感情から殴る蹴る、閉じ込めるなどの扱いや
まるで手のかかる子どものような蘭蔵を見ると
やるせない気持ちになります。
當眞家に仕える典彦の、育郎が壊れていく様子がみたいという狂気にゾクッとさせられました。
描きおろしの触ってもらう理由を探す育郎がかわいい。
住み込みで蘭蔵の世話をすることになった西浦さんも「身内の恥」と言われて生きてきたので、共感したのかもしれません。
同情されるのがかわいそうでもある蘭蔵ですが、西浦さんが来てくれて良かった。
薄暗い雰囲気が妙に心地よい作品です。
色っぽい表紙と昭和アングラ感が漂う怪しい雰囲気に釣られて軽い気持ちで読み始めましたが、予想以上に引き込まれるストーリーだったので一気に2巻まで読み終えてしまいました。読み終えた後も作品の毒に当てられたようなクラクラとした余韻が残っています。本当におもしろい作品に出会えたと感動しました!
あらすじは今更なので省きますが、これはただの主従・下克上モノではないです。育郎の抱えるトラウマや孤独に寄り添うようにして、その実それを利用する形で育郎の体を調教し自分のものになるよう仕向けてきた典彦。2巻になって2人は一線を越えますが1巻では幼い育郎が徐々に典彦の毒牙にかかっていく様子が描写されています。無垢な少年だった育郎が秘密の快楽を知って淫靡さを帯びていく過程にゾクゾクしました。
堕ちていく育郎とは対照的に蘭蔵はいつまでも純真なままです。ですが、その頽廃的な魔性によって健一も育郎の父と同様絡みとられて行ってしまう。典彦×育郎に並行して語られていますがこの2人の行く末も非常に気になるところです!
長々とまとまりの無い文章になってしまいましたが、如何せんまだ謎が多い段階なのでこの時点では「エロい!」「すごい!」としか言いようがないです。2巻も読了したので後日レビューを書きたいと思います。
この先の展開にも大いに期待しています!勿論「神」評価で。
妖艶で淫靡な雰囲気が表紙からも漂ってきて、吸い寄せられるように買った1,2巻。新巻が出るにあたって読み返しましたが、やっぱりいいです。
時代設定が昭和初期ということもあって、異質なモノを排除しようとしたり、隠匿しようとする風潮が強く、現代物以上に禁忌に触れる感じがたまらなくそそられます。
日も差さない薄暗い座敷牢に幽閉された障碍のある異母兄・蘭蔵と彼を溺愛する父親の愛欲の日々、それを目撃した弟・育郎の蘭蔵に対するトラウマ、蘭蔵に対する怨念じみた母親の狂気と育郎に対する過剰なまでの跡継ぎとしての期待、性処理をすることで育郎の孤独につけ込む典彦の思惑。いろいろな負の要素が絡み合って、どんどん暗く重い世界へ引き込まれていきます。
読後感のよい作品とは言い難いですが、この淫靡さは格別。次がたまらなく読みたくなる作品です。
表紙といい、タイトルといい、なかなか読むのに勇気がいる作品でした。そして、予想通り、重くて、シリアス。昭和の初めごろの設定みたいですが、彩景でりこさんの描く一重の和顔が冷たさと色っぽさを増しています。
座敷牢で匿われていた兄が妾腹と言うだけでなく、精神的にも病んでいると言うか、幼いので、弟の育郎が叩いたり蹴ったりするのがちょっと見ていられなかったです。そう言うのが地雷な人には辛いかも。ただ、その兄の蘭蔵にも庇ってくれる人がいるのでなんとか持ちこたえられました。
登場人物みんながトラウマだったり闇を抱えていて、それでも時折見せる色っぽいシーンにドキドキして、どういう結末を迎えるんだろうとBL抜きにしても気になる作品でした。
発売と同時に買ってたのに積んでました。
でも正直ちゃんと完結してから読めばよかったなとも思う今作。
まず表紙がイイ。
すごくきれい。並べておくのにも良いですな(*´▽`*)ふふv
とある名家の御曹司として生まれた育郎。
厳しく厳しく育てられた孤独な御曹司。
すでに亡くなってる父は、自分にかまってくれることはなく。
地下牢に閉じ込めた少年をひたすらに愛して死んだ。
それに発狂した母もまた今はなく。
そして地下に閉じ込められていたのは実は~というところですな。
なんだろうな、ひたすらドロドロドロドロ。
話としてはまだ序章なのかしら。
どういう顛末を迎えるのかまだ見えない。
昭和の耽美、アングラ、浪漫等お好きなかたにはおすすめです。
ただ、知的障碍者が昭和初期頃にどのような扱いであったか、むかしの田舎の名家の跡継ぎがどんな立場であったか、などの知識の有無。
父から愛を受けられずに歪んでしまった主人公を悪ととるか哀れととるかで、
この作品の印象も随分変わって来ると思います。
育郎の”畏れ”は漠然とした記憶の靄の中に、檻の中に居た蘭造が己の父を誑かし愛までも奪った。
非力な兄のどこにそのような力があるかわからない。
知らず知らずのうちに自分も取り込まれ、餌食になるのではないかという不安。
だから振り払うように暴力をふるったり、詰ったりしてしまうのではないでしょうか。
誰もしあわせになれる要素がなく、とことん闇堕ちしてゆくばかりですが、
和装やら主従やら背徳やらが好きなかた、どっぷり嵌まって滾れるのではないでしょうか。
因みに私は昭●元●落●心●中が好きで、その登場人物の菊●古さんに主人公の育郎がソックリだったので
そこに萌えてジャケ買いしてしまいましたが個人的に大当たりでした。
古典文学やら団鬼六の美少年がお好きなかたにもおすすめします。
典彦が育郎へ向けた愛。
育郎が蘭蔵へ向けた暴力。
全てがどろどろ 背徳的に歪んで、美しい……。
昭和初期の封建的な一族。
閉鎖された世界のような、独特な雰囲気に背筋がぞっとするような感覚を覚えました。
この方の作品は初めて読みましたが、なかなかいらっしゃらない作風だと思います。
ピュアで可愛い作品が多い中、異彩を放つこの作品。
僕は一瞬で虜になりました。
この先、當間一族がどのように変わってゆくのか……
まだ全く想像も出来ませんが、続編を楽しみにしております。
世界観は良くできてるし絵も綺麗です。ただ個人的にあまり趣味に合わなかったかな…。
受けが兄を殴るような性格の悪いやつで使用人の男に性欲処理してもらっています。使用人は計画的に受けを快楽落ちさせている感じです。
知的な障害があるようで幼児のような兄と献身的に世話をする優しいハーフの男も出てきますが、こちらのカプはどうなるかまだわからないです。カプだったらこちらの方が好みかな。
主人公の受けがとにかく嫌なやつなので、性格悪い受けが好きな人には合うかもしれません。
全体的に薄暗い雰囲気で背徳感が漂う、昭和期の封建的な田舎の旧家のお家騒動を描いたBL。
いつもの彩景でりこ先生が描かれている、明るくてラブラブエッチなお話に慣れていると驚きます。
メインの登場人物すべてになんらかの歪で悲劇的な要素があり、今のところ救いがありません。
主人公である育郎は実の父母に愛されず、母親には先立たれて遺産を貰える権利もない。
そして使用人の典彦に愛されてはいますが、ハッキリ言って虐待的に偏愛された可哀想な設定です。
また育郎が父親の愛を独占したと憎んでは暴力をふるう、兄の蘭蔵は遺産の為に生かされている。
その蘭蔵が発達障害である原因は、間違いなく愛人への嫉妬で病んだ育郎の母親です。
幼少期に育郎の母親が彼の首を絞め、そのときに呼吸を止められて脳障害が残ったせいでしょう。
これからの展開が楽しみではありますが、このままの暗い雰囲気が続くと正直しんどいです。
完結しないと、この作品をちゃんと評価できないような気がしています。
花札みたいな表紙がとっても気になっていたこちら。1.2巻同時発売なのに完結していないと言うことで購入をためらっていましたが、電子で出たのを知り勢いで2巻まとめてポチっとしてしまいました。
これは面白い!ちるちるインタビューで「昭和の映画の様な」と形容されていたけど、確かにそんな感じです。登場人物たちの名前を冠した各話がうまく絡み合い、常識とはかけ離れた名家の深部が少しずつ明らかになって行く構成が巧みで、どっぷりと淫らで背徳的な世界観に浸ることができました。
それぞれのキャラも生い立ちや性格などもしっかりと設定されていて、言葉づかいや仕草など細かいところまで描かれているのがすごいと思いました。
淫靡に描かれたエロシーンも、しっかりとしたストーリと共鳴して、よりいっそう淫らな雰囲気を増しています。彩景でりこ先生の絵柄にはこういうダークなストーリーの方がずっとしっくりきますね。
電子なので修正にも触れておきますが、私は楽天koboで購入しました。紙版の状態がわからないので比べられないのですが、局部は元の線がうっすら見える白抜きで、細かいコマは上手く見えないように描かれているので、修正がストレスになることなく読むことができました。
インタビューによると「使用人攻×御曹司受の主従BL」と言うことですが、私は育郎と蘭蔵の関係がどう進んでいくのかが気になります。こう言う題材の作品の辿りつく先には光が見えないので、もしやメリバ…?とちょっと気になっています。
表紙の雰囲気が好きだと思った人なら、買って間違いないと思う!続きが楽しみだー!!
面白いのですが、育郎の蘭蔵に対する仕打ちがあまりに酷くて少し不快になりました。蘭蔵の発達障害の原因或いは悪化させたのは、育郎の母親であるように見えました。育郎の母親が蘭蔵の首を絞め殺そうとしたシーンがあったので。育郎が赤子の頃ですから、知る由も無いのは無理がありませんが、それにしても何の害もない障害を抱える兄を殴る蹴るのは酷すぎます。嫉妬心だけでよくあそこまで酷いことができるものだな、精神的に問題を抱えていそうだなと思いました。
ただ、内容自体はすごく面白いですし、統一性もあるので読みやすいです。
久しぶりにがっつり背徳感のある作品が読めた気がします。
彩景さんのシリアスは本当に好き。エロじゃなくて淫靡をうまく描いてくれる稀有な作家さんだなぁと思いました。
実力のある作家さんなので何を読んでもそれなりに面白いのですが、こういう題材はまず好みなうえに、こんなにがっぷり書いてくれる作家さん&出版社が少なくて(ニーズが少ないのでしょうか?)不満だったところに、キタコレです。昭和レトロダーク系とでもいいますか、匂い立つような空気が感じられます。
「秘め事」という言葉をこれほど如実に表現している作品も珍しいのではないでしょうか。こういう題材を書こうとして構築しきれていない作品が多い中、これは読んで間違いないと思います。
こういうレトロでドロドロなお話が好きな方には必見じゃないかな。
久々神評価できる作品です。
気になって調べたら『チョコストロベリーバニラ』の作者さんでした。納得です。それぐらい面白かった。引き込まれた。そしてめちゃくちゃエロかった…。2巻までのネタバレ含みます。
結局人って一人では生きていけないんだな〜と思いました。両親の愛を得られなかった育郎は典彦にそれを求め、異国の血が混ざっているために周囲から疎まれてきた健一は同じく嫌われ者の蘭蔵を拠り所にする。育郎も健一も、愛情を欠いた人達でした。育郎は幼い頃に母親が死に、父親は兄にばかり関心を向け、結局後継として認められることもなく。健一はその見た目から結局どこに行っても受け入れられるとこはない(混血キャラはいつでもここが萌える。自分のルーツがわからない、どこに行っても余所者扱い、っていう)。周囲と違うことで弾かれた健一は特にわかり易い。自己愛のような。愛されなかった自分と同じ存在を愛することで自分を愛する。蘭蔵に自分との同一性を求めてる。育郎も同じ。育郎の場合は典彦が度々口にする「同じですよ」に影響するところがあるが…方向性は違えど、どちらかと言うと典彦の方がその傾向があるかも。典彦は育郎を周囲と違う自分の所まで堕として同じになる、って感じ。蟷螂の共生の話もあるし…。典彦は共に生きて、共に死ぬ、っていうずるずると依存しあった関係になりたいのかなあ。この人も大概暗いですね。
蘭蔵は魔性です。本人の自覚がないままに。体は大人だけど、中身が子供で、どこまでも無垢な所が人を惹きつけるのかもしれない。父しかり健一しかり、育郎もまた。
演出が細部にあるので繰り返して読んでほしいです。育郎の握った左の人差し指だとか、他にもたくさんあるので。
伏線というか、まだ触れられていないものもあるので、そこも楽しみです。お父さんの義足とか、「あの男」とか。2巻最終話の男は誰なのか。
3巻まで一年待たなければならないのがつらい……
作家買いです。特典が欲しくてとらのあなさんで1・2巻まとめてポチったのだけれど、アニメイトさんのクリアファイルも欲しくて久々の複数買いをしてしまった…。
とらさんで購入した分はまだ届いていないので、とりあえずアニメイトさんで購入してきた1巻を読んでみました。
ネタバレしてます。苦手な方はご注意を。
やばい。すんごく面白い。
でりこさんはギャグテイストな作品も描かれますが、この作品はでりこさんらしいドシリアスもの。でりこさんの独特な絵柄と相まって、ドロッドロなお話です。
時代は昭和初期(だと思われる)。
地方の名家に生まれた育郎が主人公。
育郎の父親は育郎に構うことなく屋敷のとある部屋に入りびたり。その部屋に近づいてはいけないと言われ続けてきた育郎ですが、まだ子どもだった頃、偶然中を覗いてしまったことが。
そこで、父親がきれいな男の足元にかしずき、彼の足をなめているところを見てしまいます。
父親が、まるでカマキリに食べられてしまうようだ。
そういう感想を持った育郎ですが、彼が誰なのかも知らず育ちます。
育郎を産んだ母親は正妻さんですが、実は外に愛人がいて、その愛人が生んだ子が部屋に閉じ込められていた男・蘭蔵。育郎とは腹違いの兄。
夫を深く愛しすぎていた育郎の母親は、愛人と愛人の産んだ子の存在に耐え切れず精神を病んでしまい、それを理由に離縁され、そして孤独な死を迎えています。
時は過ぎ、当主が亡くなり、跡継ぎとして家を任されたのは育郎。
なのだけれど、父親は財産を蘭蔵に相続させると遺言に残しており育郎はお飾りの当主でしかない。
母親が死んだこと、そして父親の愛情を取られたことを恨み蘭蔵に辛辣な態度をとる育郎ですが、その育郎の孤独を埋めてきたのが古くから使用人として育郎に仕えてきた典彦で。
典彦は育郎に忠誠をちかっているようで、実は…。
というちょっと昔の昼ドラのようなストーリー。
従順な使用人の顔を持ちながらも、育郎を手のひらで転がし続ける典彦。
両親から愛されることなく育ち、心のバランスが危うい育郎。
育郎の腹違いの兄で、知的障害を持ち子どものような蘭蔵。
そして、家族から疎まれる蘭蔵を、自身も混血という境遇を持つために共鳴してしまう郵便局員の西浦くん。
出てくる登場人物たちがみんな個性的で、それでいて話に統一感がありストーリーに無理がない。
育郎の母親と典彦が関係を持ったのだとわかる表現が少しですがあったり(地雷の方はご注意を)、知的障害を持つ蘭蔵や混血の西浦くんを差別するような言葉や体罰があったり。
もしかしたら読み手を選ぶ作品かなと思いますが、個人的にはとてもツボでした。
1巻では典彦と育郎のセックスシーンはありません。
男同士で関係を持つ意味がない、と典彦が育郎に教え込んでいるため。そして、育郎自身が立派な当主にならねばならないという母親の呪縛に縛られているため。
けれど、典彦が育郎の身体を性的に追い詰めるシーンはある。身体は繋げないのに、指でいたぶる。
そのシーンがそれはそれは官能的。
育郎の、典彦への想いが透けて見えるためか。
典彦の、育郎へのいびつな感情がどこから来ているものかわからないためか。
西浦くん×蘭蔵の関係もすんごく気になります。
ああ、しまった。やっぱり2巻もまとめて買ってくるんだった。
と後悔しきり。
早く2巻を読みたいです。