半壊の花

hankai no hana

半壊の花
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神19
  • 萌×25
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
6
得点
122
評価数
28件
平均
4.4 / 5
神率
67.9%
著者
 
媒体
コミック
出版社
ホーム社
シリーズ
EYE'S COMICS BLink(アイズコミックスブリンク・ホーム社)
発売日
価格
¥690(税抜)  ¥745(税込)
ISBN
9784834262841

あらすじ

どんなに長いこと会わなくても、俺はおまえらのこと絶対に間違えたりしない──。
高校時代、そっくりな双子の兄弟・ハルとユウを唯一見分けることができた豊樹。三人の関係はうまくいっているように見えたが、高校卒業と共になぜか双子と連絡が取れなくなってしまう。そして数年後、豊樹が彼らと再会したのは、ユウの葬式だった──…。
切ない約束を巡る三角関係を描いた表題作ほか、三編+描き下ろしを収録した早寝電灯デビューコミックス。


表題作半壊の花

瑞穂遥, 高校生~数年後
芦原豊樹, 高校生~数年後

同時収録作品扉の向こうの凪いだ海

凪, 大学生, 攻め?
緑, 大家, 受け?

同時収録作品嘘つきたちの食卓

料理人の男
物書きの男

同時収録作品稲穂に帰る道

間宮櫂, 高校生, 攻め?
水落幸助, 高校生, 受け?

同時収録作品稲穂につづく道

間宮櫂, 絵描き
水落幸助, サラリーマン

その他の収録作品

  • その後(描きおろし)

評価・レビューする

レビュー投稿数6

短編集ですがどれも心に残る素敵な作品です

この作品大好きです!
早寝電灯さんは電子書籍のBLinkで「嘘つきたちの食卓」を読んだのをきっかけに知ったのですがコミックを見てどの作品も読み応えがあり素晴らしいのでますます好きになりました。
これから早寝電灯さんの作品が出たら迷わず購入します!

表題作は双子と双子を唯一見分けられる同級生のお話です。 三人の中の誰の視点に立っても切ないお話です。
双子のハルとユウは自分たちをちゃんと見分けられるトヨに惹かれ次第に執着していきます。
トヨがハルに惹かれていると気づいたユウはハルに抜け駆け禁止を持ちかけ二人は高校卒業と同時にトヨとの連絡を断ちます。
交通事故で帰らぬ人となったユウのお葬式で二人は再会するのですが…。

読み終えるまですごく不安でした。
二人がユウを気遣って恋人になり幸せになる事を拒むのではないかと思ったので…。
ハルは双子の片割れを失った喪失感、自分だけ幸せになる事への罪悪感から躊躇いがちでしたがトヨが男らしい性格なのでこの二人は大丈夫だなと思いました。

「嘘つきたちの食卓」も大好きな作品です。
二人ともちゃんと相手が好きでこれは絶対に恋なの続きに身体だけの関係から一歩も動けない。
傷つくのがこわい、友人としても失ってしまうかもしれない、すごく共感できて切ない気持ちになりました。
「強がりを看破してくれ」がとても印象的でした。
攻めに恋人がいると思い込んでいて本当は傷ついてるのに強がっている受けがかわいそうでした。
攻めは受けのために料理を作ったり洗濯したりすごく尽くしていて優しいのですが、早く彼女と別れた事言ってあげればよかったのに!と思いました。

どの作品も書き下ろしでその後が読めて嬉しかったです。
電子書籍で購入したのですが紙でも欲しいので購入しようと思います。

1

繊細で美しい言葉たちが綴るあたたかな短編集

短編集ですが、どの作品も読みごたえがあり、まるで良質な短編映画を観ているような気持ちになりました。短編なのに、そう思わせない濃密な時間が詰まっている、という感じで…。

繊細で美しいモノローグやセリフの数々、丁寧なストーリー展開、登場人物たちの人間らしい不器用さ…。派手な作品ではありませんが、読み終わったあと心がじんわりとあたかかくなり、優しい気持ちになれます。

特に私は、最後の「稲穂に帰る道」「稲穂につづく道」のお話が好きでした。
「稲穂に帰る道」では田舎の高校生の健気な恋が描かれています。噂になるのことへの恐れや、親への罪悪感から恋人らしいことはできなかったけれど、秋になると稲穂とススキに隠れてこっそり手をつなげるのが嬉しかった、という幼くもまっすぐで純粋な恋心に胸が締め付けられました。

そのふたりは一度別れてしまうのですが、大人になり再会するまでを描いたお話が「稲穂につづく道」です。
バラバラに東京に出てきていたふたりが、とあることをきっかけにメールでやり取りするようになり…という、一途な恋心が再び実を結ぶ様子は、一度別れを見ている分、よかったね…!と心から思続きえる展開で、最後のシーンでは涙してしまいました。本当にいいラストでした…!
描きおろしのその後も、とてもよかった。

モノローグやセリフの言葉が、胸に響く美しさで、絵はまだ少し粗削りな感じもありますが、雰囲気に合っていると思いました。

一話一話が丁寧に作られていて、何度も読み返したくなる(実際に何度も読み返している)作品です。

3

切ないのとキュートなの、どっちも有り

高校に入学した豊樹(受け)は、ある人気者の双子と出会う。その双子は、親からも間違われるほどの同じ顔をしていたが、豊樹が2人を見分けられることに気づき、懐いて付きまとってくるようになる。双子のハル(攻め)とユウは豊樹に執着していたが、高校卒業後に連絡が途絶え…。


親でも間違える双子を完全に見分けられる唯一の存在、というのは鉄板の萌えだと思います。
誰も自分たちを見分けられないので、見分けられる人が現れるのを待っていた双子。受けが完全に自分たちを見分けられる、と気づいた時の2人のテンションの高さが微笑ましいです。
そのまま友達づきあいをしていた3人。なのに高校卒業後に双子からの連絡が途絶えます。そして数年後、受けは双子の片割れ・ユウが死んだと知らされます。(片割れの死はかなりのネタバレだと思うのですが、本の裏表紙のあらすじに明記されています)

とても切ないお話でした。
自分たちを見分けてくれる受けを見つけて、子供のように喜んだ双子たちの微笑ましさと、その後受けに対する恋愛感情が双子双方に芽生えてしまった切なさとのギャップが大きく、可哀想でなりませんでした。
受けくん続きの方も双子だったら良かったのにな、とアホなことをつい考えてしまいました。或いは3Pじゃダメだったのかな、とか。

受けが双子を見分け、その内のハルに惹かれた、という流れなのですが、そのハルに惹かれたシーンがワンエピソードしか描かれていなかったのが少し残念ではありました。ハルじゃないとダメだという理由があまりハッキリしなかった。
あと、ユウが可哀想で切なかった。


他にも短編が3本収録されていましたが、どれもとても良かったです。
怖がりなアパート管理人と店子の話、セフレ関係の料理人と物書きの話、田舎の高校生たちが進学を機に別れ、のちに再会する話。
個人的には料理人×物書きのお話が可愛くて好みでした。大人同士のセフレなのですが、最初に関係ができた時にボタンを掛け違ったせいで両片想い状態に陥っている2人。
受けが好きでせっせと料理を食べさせ、世話を焼いているのにちっとも気持ちに気づいてもらえない攻め、天然で生活能力に欠けまくりのちょっと抜けた受け、どちらも大人ならではの可愛らしさで、ニヤニヤしながら読んでしまいました。
描き下ろしの、くっついたあとに同居することになるエピソードにすんごく萌えました。

2

良作ばかりの短編集

短編集。どの作品もとても良かったです。

「半壊の花」
双子x同級生。
親でさえ見分けのつかない双子のとりかへばやゲームを終わらせたトヨ。
ハルとユウは「抜けがけ禁止」のルールを勝手に作ってトヨとの連絡を絶つが、ユウが事故死してしまう。
三角関係、とあるけど決して三角などではない。当時からトヨはハルに惹かれてて、トヨにとってはユウとハルはちゃんと別人だった。
2人を同一視してたのは彼ら自身。喪失感は、トヨを得るハルの罪悪感。

「扉の向こうの凪いだ海」
すごく雰囲気のあるお話。設定が良い。
ざっといえば、大家さんの青年と、部屋を借りている大学生のお話。大家さんの緑はお化けの怖がりさんで、大学生の凪はお化けより怖いオオカミさんじゃないの?という…

「嘘つきたちの食卓」
料理人xライター。セフレ?
始まりの時の行き違いから、どうも心がすれ違ったままきてしまった2人。
『潮時だ』と心で思ってるモノローグからのハピエン。もっと早く言えば良かったのに!

「稲穂に帰る道」「稲穂につづく道」
高校時代の淡いけれども真剣な恋心。進路が違って別れてしまった。
続き何年も経って片や新進画家、片や結局自分も上京した会社員。偽名を使ったメールのやり取り。
そして…
高校時代のほんっとに人目を気にした付き合い、好きだけど別れる気持ち、大人になってからまた思い出すときめき、あの頃個展開いたら行くよ、って言った約束…それは自分自身への約束でもあったんですね。読んでて胸が一杯になりました。

「その後」
各話のその後が、描き下ろしにて少々コミカルに。

6

味わい深き珠玉の作品集

早寝電灯さんのデビューコミックス。
表題作を含め4つの物語と、巻末にそれぞれの”その後”が描き下ろしで収録されています。

〇半壊の花(前後編)
入れ替わりをゲームのように楽しむ双子と、それを見破った同級生の物語。
双子の片割れの”死”を起点に、3人が出会った高校時代に遡ることで、現在の痛みや切なさを伴う喪失感が非常に巧く描かれた良作。
特にクライマックスからエンディングにかけてがすごく良かった。

〇扉の向こうの凪いだ海
下宿人大学生と、怖がりの大家さんのお話。
こちらは早寝電灯さんのデビュー作で、眠れない夜に読みたくなるような、絵本のような物語BL。この雰囲気、好きだなあ。

〇嘘つきたちの食卓
料理人と物書きのお話。
男同士のデリカシーのない体の関係。気持ちはあるのに中々踏み込めなくて…
不安な気持ちを表現した物書きのモノローグや泣き顔がとても良い。料理人らしい攻めの最後の台詞もじんわりキュン!『その後』も含め、一番好みのお話でした♪

〇稲穂に帰る道 / 稲穂につづく道(稲穂シリーズ)
『稲穂に帰る道』では高校時代、『稲穂につづく道』では大人続きになってからが描かれた、切なく瑞々しい田舎の同級生BL。
田舎の噂話への恐れ、両親への罪悪感、そんな中で精いっぱい育んだ淡く幼い恋心。稲穂とススキに覆われてできた、”恋人らしいこと”があまりにも健気で初々しくて涙が出ました。『その後』がめちゃくちゃ可愛かった♡

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先のレビュアー様も書かれていますが、どの作品も引き込まれる物語ばかり。
キャラクターやストーリーが本当によく練られているし、心理描写も非常に丁寧で、それに伴うキャラクターの表情もとっても魅力的。

個人的に最も惹かれたのは、作中のモノローグです。時に抒情的に、また時に恥ずかしい程ド直球。でも、だからこそ胸に響き、熱を灯してくれる。
あと、タイトルセンスがもう、すごく好きです...

奇をてらうストーリー展開や刺激的なベッドシーンはないし、画が少し粗削りに感じる部分もあるけれど、読後じんわり温かな余韻をもたらしてくれる味わい深き珠玉の作品集。おすすめです!

追記:当初”萌×2”と評価しましたが、繰り返し読み作品と向き合った結果、”神”に変更致しました☆

9

心揺さぶられる作品の数々

凄く良かったです!!
デビュー作とは思えない完成度の高い作品でした。
とにかく心が揺さぶられました。
絵柄も表紙から受ける印象とは違い、味があって感情豊かに描かれていて好きです。
特に受けがどれも目つきが悪くて男前で真っ直ぐな気性で好き。
表題作は前後編の短いお話なのに、ぐっと世界観に引き込まれてしまい、思わず泣いてしまいました。
短編の田舎の高校生同士のプラトニックな関係性も情景描写が目に浮かぶようでした。
なんて青くて切なくて懐かしいような焦がれるような気持ちになるのでしょうか。
短編でここまで心揺さぶられるのは珍しいです。
その他のキャラクターもそれぞれに生きていて、感情がよく分かるからこそ、一緒に切なくなったり嬉しくなったりできました。
あらすじを書くと陳腐にしか表現できないので、ぜひ手に取っていただきたいです。

7

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