ボタンを押すと即立ち読みできます!
表題作のほか、三編のお話が入った短編集です。
こちら短編集ながら一つ一つの話にグッとくる部分があって、大好きで何度も読み返しています。
表題作は、双子の顔を完璧に見分けることができる受けと、そんな彼に同時に恋してしまった双子兄弟のお話。
死ネタが苦手なため、表題作は読んでいてちょっと辛くて「大好き❤︎」というテンションにはならないんですが、読めば読むほどグッと胸に来るものがある、何層にも重なる「味」を感じるようなお話です。「死」が絡む話だからか、読むといつも泣きたくなる( ; ; )
表題作のほかに好きなのは、最後の「稲穂につづく道」かな。学生時代の恋と別れ、そして大人になってからの再会愛。
この再会までの過程、そして再会の仕方が本当に素敵で…!ドラマか映画を見ているような気持ちになります。
ストーリー性のあるもの、余韻の残る作品を読みたいという方に強く強くおすすめしたい一冊です。
先生の初単行本なんですね。
先生作品初読みです。
この後、3作読みます。
本作は短編4本。
どのお話もいい。
ほんのり切なかったり、かわいらしかったり。
絵は少し荒削りかな…なんて思うけど(偉そうにすみません)味があっていいと思います。
「扉の向こうの凪いだ海」
緑さんが幽霊もどきを見て怖がっている時、泣いちゃって凪を呼ぶとこ、抱きつくところがとてもかわいかった。
そんな緑をかわいいと思う凪にも萌え〜。
「嘘つきたちの食卓」
不毛な関係かと思えば、その逆で。
2人の本心がお互いのことをとても思い合っているさま、その描写が好きです。
「稲穂に帰る道」「稲穂につづく道」
これがいちばん好き。
稲穂とススキの風景に、ですます調の独白、切ない恋心が合っていて、じんわり感動しました。
この短編を読んでレビューを書こうと思いました。
「その後」のそれぞれのcpの後日談もかわいらしく、萌えがあってとてもよかったです。
あとがきの「手を動かす」という表現、ステキですね。
コマ割り、コマ枠や、詩情的な表現(独白の乗せ方とか)が草間さかえ先生ぽいな〜好きだな〜と思いました(違っていたらすみません)
早寝電灯先生らしい着眼点で描かれた
表題作と他3作の短編集。
デビューコミックスとは思えぬ完成度の高さで、読み返す毎に違う感動がある作品だなと思います。
表題作は切なくて優しくて、ちょっぴり不思議で温かい、色んな表情をみせてくれるお話です。
ユウの全てを悟った寂しげな笑顔にギュッと胸を締め付けられ、
ハルの複雑な胸の内を思っては切なくなり…。
これまで見分けられたことがなかったからこそ共有してきたモノがたくさんあったのに
同じ人を好きになって、感情だけは共有出来ないことに気付いたふたりの小さな約束が
きちんとした形で果たされなかったことがすごく悲しかった。
でも悔やんだり、涙を流す日々があっても
同じ気持ちでいてくれる人が側に居れば強くなれると思うのです。
ユウのおかげでハルと豊樹はきっといいバランスでお互いを支えあっていけるでしょうね。
ふたりのこれからはきっと明るいものになると信じられるようなラストだったなと思います。
初めて読んだ早寝電灯さんのコミックだったのですが、久しぶりに再読してレビューします。
BLにハマりたての頃に答姐で知った作品でした。
琴線に触れるBLか、同録が良いとかそんなトピだった気がします。
4組の短編集で、双子兄弟との三角関係、怖がりな管理人と賃借人、料理人と食べ物に無頓着な物書き、初恋救済ストーリー。
それぞれに作者さんの味が出ていて、心を揺さぶられるほどの強さはないけど、まさに「琴線に触れる」ような作品たちでした。
中でも最終話の「稲穂に帰る道」「稲穂につづく道」は何度読んでも胸がキューっとなり、後に温かい涙が流れるような作品です。
閉塞感のある片田舎で、2人の思い出の稲穂の道だけが手を繋いで歩ける場所だった…もうこの部分だけでもエモい。
今なら多分別れなくても続けられた気がするんだけど、このお話はスマホはおろか携帯もない時代で、遠距離となると同性カップルにはハードルが高かったのでしょうね。
いい時代になったな。
でも顔が見たい、声さえ聞けない、待ち合わせですれ違うなどの切なさがなくなるのは残念な事と思っちゃう自分もいます。
大人になってからのやり取りもSNSとかじゃなくて、パソコンからのメールってところもいいですね。
お互いが当時の思い出にとらわれていたけど、またやり直せそうで心から良かったと思える作品でした。
どの作品もそれぞれのキャラクターの感情表現が作者さん特有というか、独自の言葉選びで表現されていてそれが読者の心に心地よく響いてきます。
それぞれのお話の描き下ろしも、ちょっとコミカルに甘々にその後が垣間見られて良かったです。
早寝電灯先生のコミックスは全部読んでいるのに、こちらは見落としてて()ようやく買えた一冊。
初コミックスは最高でしたし、これが初とか信じられないくらい。
センスの塊のような作家さまですねえ…すごいなあ。
読後部屋にひとりなのに「…うまいっ!!」って叫んだくらい。
短編が多くてページ数が短いのに、短い頁の中でもものすごく上手くまとめてあって、長編大作にも劣らない満足感。決して明るいばかりのお話ではないのに、切ない中にも爽やかさを感じるし、風景が見えるBLだと思います。
描きおろしですべての作品のその後が短く描かれていて、お話が終わったあとも、きっとこの二人は幸せに生きていくんだろうなあ…としみじみ。
すべての主人公たちがとても魅力的でした。