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表題作ビッチなスズキくん

須崎・大学生 22歳
スズキ・コンビニ店店員

同時収録作品ビッチなスズキくん

コンビニ店オーナー
圭・コンビニ店店長

その他の収録作品

  • カナダにて(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

コンビニバイトのフリーター・スズキくんは、いつも黙々と働いている。家族なし、恋人なし、友人なし。自宅アパートとバイト先の行き来でスズキくんの毎日は過ぎていく。同じコンビニで働く大学生の須崎は、そんなスズキくんのことが好き。体の関係だけでは満足せず、きちんと付き合いたいと思っている須崎だったが、スズキくんにはキモがられるばかりで……。
アクの強い人物が集まるコンビニを舞台に、独特のユーモアと過激なセックス描写で熱い支持を得た三原可楠の怪作が描き下ろしを加えた完全版でコミックス化!

作品情報

作品名
ビッチなスズキくん
著者
三原可楠 
媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
アプレコミックス
発売日
ISBN
9784864422765
3.8

(122)

(62)

萌々

(19)

(15)

中立

(8)

趣味じゃない

(18)

レビュー数
20
得点
439
評価数
122
平均
3.8 / 5
神率
50.8%

レビュー投稿数20

好みは分かれると思うけどわたしは好き

情報量が多いように感じた。
1周目はぼんやり読んで、2周目に内容を吟味できる感じ。
とにかくエロパートが多いので、自分は1周目では細かい伏線、内容を拾っていけず、うまく物語として楽しめなかった……。
でも2周目でこれはこういうことだったのかーとか、細かい感情の起伏とかが見えてくるようになって、ただエロいだけの本ではないなって思えた。自分にはキャラの描き分けも見えにくかったので、ますます1周目はしんどいものがあった。

恋愛ホルモンの持続力の話とかは、今まで愛されたことのなかった受けが献身的な攻めに深く愛されて仲良くずっと暮らしてましたよ〜みたいなアレで表現されてたやつなんじゃないですかねー?

1

読み終えた後、きっとあなたもスズキくんが愛おしくてたまらなくなるよ。

〖DMM電子書籍〗
修正:白線
カバー折り返し:なし
カバー下:なし
帯:なし
裏表紙:なし
備考:修正甘いし、スズキくんと店長がエロくて最高です。

〖紙媒体〗
未読

0

asacco

〖追記〗
〖紙媒体〗
修正 :
カバー下 : 四コマ「スズキのこと」「須崎のこと」
備考 : 修正は電子と同じ。電子で読んでてもボリューミーだなぁとは思っていましたが、実際本を手に取るとものすごく厚くて、それだけで嬉しい。

〖紙媒体〗
未読

ダークで、とても重いんだけど、確実に愛情の本質を見据えた物語。

重い実先生の別名義の作品。
とても好みが分かれる物語だと思うし、ストーリーの裏?
言外のどこか? に、端々に。言葉と絵だけでは語り尽くせない愛情が滲み出ていて。
その事に切なく涙する、そういう物語なのだと思う。
とても説明しにくいのだ。
大好きな「アホエロ」とは双璧をなす、シュールさをダークに描いているかと思う。

スズキくんは、須崎に抱かれている時だけ、メロメロに可愛い。
終わった途端、事後の余韻も無く、足蹴にする。
「手に入れなければ、失わない。」
「関わらなければ、傷つかない。」
幼ない頃に母親に捨てられた事で、誰かを信じて愛するという事に怯えているスズキくんは、
執拗に迫って、告白する須崎を、身体では受け入れるが、つれないそぶりをする。
須崎に捨てられる事に怯えているのだと思う。

と、見せかけておいて。バイトの堺にも気のある様な、無いような素振りを見せる。
須崎は過敏に反応するが、スズキくんは言い訳もしない。
そもそも堺は、店長を好きで。
その店長は、浅からぬ因縁で結ばれたオーナーとの深い絆があったりする。
という様な、若干本筋から逸れた様な、周りの人々を描いていて。
そこにも割り切れない様な想いとか。もう、恋とは呼べない様な。
そんな感情が描かれている。

スズキくんは、とても病んでいるし、怪我もしていないのに執拗にバンソーコーを貼っていたりするけれども。
心の重石になっていた母親との死別を後に知る頃、その何とも言えない感情に正解が無いと思っている。
描き下ろしには、カナダで、母親の元カレと再会して、ハグして涙しているスズキくんを
少し離れた所から見守っている須崎がいて。
母親の元カレと言いながら、作中、まだ子供だったスズキくんとセックスを何度もしていたらしい描写があったりするので。むしろ、スズキくんの元カレだったりするのだが、
何もかも分かった上で、須崎は見守っている…。

本編の最後の方には、後ろ姿などで、顔を見えない様な描き方だけれども、
その後、数十年後にも、おそらく死ぬ時まで。
須崎は、スズキくんの傍らに居て。この恋を全うさせた事を私たちは知る事になる。
その事に涙する。
とても難解だったけど、確かにこれは純愛だったと。
恋にも愛情にも。正解は無い。
スズキくんの感情も推して知るべしとしか言いようが無い。
この物語を好きかと問われれば、うーん…、というしか無い。
けれども涙を流さずにはいられない。

0

気付いたら物語の奥深くに呑み込まれていた

 一見いつものシュールで奇特なストーリーのように思えるけれど、読み進めるにつれて、実は登場キャラクター達の深層心理がなかなか重たいものだということに気付きます。濡れ場も多く挟みながら淡々と進んでいく中に、どこか得体の知れない、でもページを捲らずにはいられない空気が漂っていました。確かに今まで読んだ重い実(三原)先生の作品の中では、一番シリアス要素が強いかもしれません。

 メインCPのスズキはバイト先で同僚の須崎にしつこく迫られていて、最初から最後まで彼に組み敷かれれば一切抵抗することなく受け入れます。でも、行為が終わると彼は情事中の須崎との会話をすべて忘れてしまう。本当に覚えてないのか明確には分かりませんが、私には彼が努めて忘れようとしているようにも見えました。幼い頃母親に唐突に置いていかれた経験は、飄々と振る舞う彼の中に深い根を張っていて、新しい関係を始めることは彼にとっては不安でしかない。ただ、寂しくないわけじゃないから、来る者拒まずなスタンスをとっている。結局最後まで須崎に追いかけられる立場のまま、受け入れる素振りを見せなかったスズキですが、私は須崎と一緒にカナダに行った時点で十分彼は須崎を受け入れていたのだと思います。でも母親の死を彼女を知る人物と共有するまでは、彼は本当に重い足枷を引き摺っていたのかもしれません。

 サブCPのオーナー×店長もかなり魅力的で、店長がオーナーと知り合った頃や、刺青を入れられた頃の話をもっと詳しく読みたいと思うほどインパクトがありましたね。何より、坊主で綺麗な頭の形がよく分かる店長が、とてもエロいんです。「全身穴みたいなツラ」というパワーワードが忘れられません(笑)。でも、このCPも笑えるだけではなくて、ブラックコーヒーのような関係性なんです。本当はどちらが依存しているのかが見えてくると、なんとも言えない切なさも感じました。店長目線の番外編などが読みたいですね。

0

衝撃が凄い。

衝撃的でした。

序盤はスズキくんと須崎さんがセックスしてるシーンが多くて、店長と堺くんの話が出てきた時には、これはただヤってる話なのか?と思いましたが…。店長とオーナーの馴れ初め?が語られたあたりから、急にそうくるか!と驚きつつ、一気にラストまで読みました。展開が予想つかないですし、物語の入り口と、出口が違うというか…好んで読む人を選ぶ作品かもしれないですね。

スズキくんと須崎さんのセックスは、会話や須崎さんのひとり語りが多くて、というか会話しながらセックスしてるのか、セックスしながら会話してるのか…普段のスズキくんが人を寄せ付けないだけに、大事なことがその中のあるのかな、と思いながら読みました。

結末はほんとにびっくりしました。そして、作者さまの書きたかったのが愛の賞味期限だという…わたしには、なかなか理解するのに時間がかかりそうですが、再度読んでみたいと思います。

評価は悩みましたが、衝撃度で神にさせていただきます。

2

“愛されたい”だけのスズキくん。スズキくんは何も返さないの?

発売と同時に買って読んだものの、なんとなく低評価レビューを入れにくかったので仕舞ってました。
そろそろいいかな?

これって恋愛??
あとがきで「一般的に3年程度しかもたないとされている恋愛ホルモンの持続に挑戦してみました」と解説されていて、それもまた「え、これそういう話かしら?」と首を傾げてしまうのですが、一旦仮にそういう話だとして、自分を愛してくれる相手を死ぬまで自分に向け続けさせるためにスズキくんは頑張ったと。
その結果、須崎の恋愛ホルモンはスズキくんの命が尽きる瞬間までちゃんと持続しました。めでたしめでたし。
そういう話??

んーでもこれ須崎じゃなくても良かったんじゃないの?
誰でもいいからとりあえず永遠の愛情が貰えればそれでよかったんじゃないの?
それって恋愛??
「こうして僕は親からは貰えなかった無償の愛を他の人から貰うことができました。めでたしめでたし。」
私にはそんな愛のない独りよがりな結末にしか読めなかったです。

辛辣かもしれませんが、愛されたいだけの人が描いたハリボテの理想だなと思うストーリーでした。

【電子】レンタ版:修正○、カバー下なし、裏表紙なし

2

エロを捉エロ!

この先生の作品
「アホエロ」で面白い!作家買いだと次作の

「ロマンスとジェラシー」でわっかんないな、独特だな、これ、わかんない私があほなのか?そして

「大きい小竹とちいさい武田くん」でこの先生にしてはおとなしめとというか、こんなにあらすじ通りと捉えていいのか何か見落としているんじゃないか?でも下巻は買う気にならないや、

で!本作!
かけで買ってみるかと勢いつけたら!
面白くて切なかったぁー。
と言ってもオーナーと店長と堺くんのお話は本当にここに入れた方がいい?
スピンオフにした方がいいの?
いや、なくてもいいんじゃないか?
でも先生はココに入れる意味があると思ってるんだよなー、その意味をまた汲み取れない私がアホなのか?と少し混乱しました。

が、それにしても本当、良かったなぁ〜。

あ、あとみんなの期待のエロですが、前評判どおり普段の生活と心情を描いてるのが2割、あとの8割が素っ裸でいたしております。

あら、前評判どおりね、私もう大人よ、こんなに素っ裸の連続見せられたってピクリともエロセンサーと読み進めていたんです。

そしたら本作のエロの意味、自分なりに気づきました!
須崎くんのエロと裸は最初から変わらない、そのままの心を取っ払って見せ、スズキくんにぶつけてる事を表現している。

スズキくんのエロと裸は体という外側は全部見せているくせに心の中は見せない。
でも須崎くんの愛ある攻めと言葉で最後には体も心の内も見せてしまってる。
でも素気無い態度と絆創膏で隠してますよねー。

須崎くんは心を優しい鬼にして追いかけっこ。そして2人は末永く仲良く暮らしました、ですかね。

っとに、今回、自分のエロ中を反省しました。
大人になったなんてほざきやがって!ダンカンばかやろー(そういえばオフ◯ス北野大変ですね)、オマエ、局部をガン見してただろ!です。

自己中判断ですが今回は先生の意図を捉えました。

8

純愛

タイトルはアレですが、純愛です。
そして自立するほどに厚い(笑

過去に親から捨てられたことで、自分一人で生きていくことを決めているのが受けのスズキ。
そして、ヤリチンでスズキへ執着しているバイト仲間の須崎が攻め。
絵柄はかなり好きずきありそうですし、とにかくヤッてばかりなので好みが分かれそうではあります。

キッモが口癖のスズキなんですが、まあそれは内面へ入れないようにする予防線というか…だって須崎以外には普通の態度ですしね。
須崎の方も来るもの拒まず的なヤリチンなんですが、スズキくんと付き合いたくて(付き合ってると思ってたりするんだけど)必死です。ストーカー一歩手前のイケメンです。
スズキくんは完全に不幸体質なので、これくらい押しの強い人じゃないとダメだったろうなぁと思いますね。

主カプは基本、須崎×スズキなんですが、ちょくちょく挟まれる店長話。
良い話なんですよ、話は良いんです。
が、わたしの中であの店長が受けとかまったくないので、そこがちょっと個人的好みからは微妙にズレております…
せめて毛が欲しかった…毛髪(涙

3

スズキくんが一番欲しかったもの。

ああ、どうしよう。心を揺さぶられてしまった。前作の『アホエロ』も大変面白く、いつかレビューしようと思っていた作品なのですが、コミカル色の強いあちらにも、シリアスでシュールな色が濃いこちらにも、作家様の個性が溢れていて独特の空気感があり、それがとても好きで何度も読み返す作品になりました。

スズキくんの綺麗な膝に貼られた絆創膏。転ぶ前に、怪我をする前に、先に貼っておくという絆創膏。謎めいたスズキくんのことを少しでも知りたくて、須崎は何度も何度もスズキくんを抱くのです。Hの最中にはグズグズにトロけてしまうスズキくんですが、事が終わると「キッモ」と須崎を追い出します。彼らが働くコンビニとスズキくんの部屋でのエッチが長い物語の大半を占めているのですが、エッチの最中のスズキくんも須崎もとてもコミカルでエロいのに、なんだか胸が締め付けられて、スズキくんが抱かれるたびに、悲しみと切なさと安堵が混ざったような複雑な気持ちになり、読んでいる間じわじわと涙が止まりませんでした。

誰にも期待せず、誰も好きにならないと言うスズキくんが、もう一人のバイト仲間の堺に見せた恋心は、もしかしたら母の元恋人のカナダ人に似ていたからなのかな?と思いました。大柄でがっしりした体つきやちょっと長めの髪や穏やかな性格。そしてスズキくんへ向ける優しさと、スズキくんが感じたあたたかさに、どこか共通するものを感じました。

コンビニオーナーと店長の壮絶な関係も描かれているのですが、これは是非スピンオフで読みたいなと思います。寺の息子で菩薩のように真っ白で真っすぐな店長が流す、どす黒い血。その血に染まってなお、店長を抱え続けるオーナーの贖罪は愛なのか?その愛は店長にとってどんな意味を持つのだろうか?もっと深く覗いてみたいと思う。

須崎にずっと追いかけられて、最後まで逃げ切ったスズキくんは幸せだったと思う。変わらず自分に向けられる愛情は、スズキくんが一番欲しかったものだから。そして生涯変わらずスズキくんだけを見つめて、スズキくんを愛し、追い続けることが出来た須崎も、とても幸せだったと思う。大好きなスズキくんが一番欲しかったものを、惜しみなく与えることが出来て、誰かをずっと愛し続けられるなんて奇跡のような出来事だから…。

15

ごめんなさい!私には難しかったです!

いやなこと書いてしまって申し訳ありません!一回目読んだときは『しゅみじゃない』だったのですが、二回目を読んで、「これが彼のにとっての愛情表現なのかな」と納得できたので『中立』に引き上げました。

まず私は「お弁当箱ほどの厚さがある」というレビューに興味をそそられて購入しました。
確かに分厚くって、届いたときに思わず笑ってしまいましたw子供向けの辞書くらいの厚さだと思います。
そのうちえっちは5、6割だと思います。「がっつりえろなのかな」と思っていたのですが、ストーリーも一応ありました。ただ私には理解しづらかったため、当初は「しゅみじゃない」を選択していました。理解しにくかったのは絵のテイストが私に合わなかったのもあったかもしれませんね。また、眼鏡付き卵的つるつるスキンヘッドさんのえっちはやっぱり読んでいて私は萌えられませんでした。いい人なんですけどね。本を購入する際はあらかじめ作者さんの絵柄を確認しておくことをお勧めします。
内容はシリアスというか、病み系に分類されるのかな?いわゆるハッピーエンドって感じではありませんでした。「奥が深い」「深読みができる」とも評せらるかとも思います。

3

須崎、がんばったね

一般的なコミックスの2倍かヘタすると3倍くらいのボリュームありそうな、びっくりするほど厚い本。
そのうちの多分半分くらいのページ数がハダカでエチシーンなんですが、これだけ有り余る程エチシーンを展開される割には読後感がすっきりしていて、ただのエロメインの作品って印象が残らないのは、登場するキャラクターが皆、心の中にちゃんと真っ直ぐな物を持っていて、卑しいとことが無いからなんでしょうね。
須崎にしても、最初はゲスなやりチンとして登場しても、根は素直な(素直すぎる)おぼっちゃまでスズキのことがただひたすらに好きなだけだし、スズキも生い立ちから投げやりに生きているようでも本心は愛に臆病なだけだし、コンビニ店長とオーナーの関係も、見た目とは裏腹に菩薩とその下僕のようだし、
添い遂げる結末にも、最後のカナダでのエピソードにも、泣かされちゃいました。

4

7割がたエロページ

『アホエロ』の重い実さんの別名義だそうです。(何でわざわざ別名義にする必要があったんだろう、と思いました)
分厚いけれど同じ話のみが収録されています。

親から捨てられた幼少期のトラウマで、誰にも期待せず、何にも執着しないコンビニ店員スズキが受け、スズキに執着し、関係を持っている大学生の須崎が攻め。
エッチシーンがゲシュタルト崩壊しそうなくらい、延々とエッチシーンが続きます。攻めに対して妙にキツい受けは、攻めに「キモ」って連発するし、蹴りは入れるし、一見まるで愛が見えません。でも攻めに求められて拒むことは一度もないし、普段は冷たい態度でもエッチ中の言動は可愛いし、攻めに対する愛はあるんだな〜と安心して読んでいました。
なのに、コンビニバイトの堺くんに対する受けの態度が、どう見ても攻めに対するよりも愛が感じられ…ちょっと疑問になりました。ビッチ設定だからいいと言えばいいんですけど、攻めが気の毒な気もしました。
作中にもう1組カップリングがあります。コンビニオーナー×店長というカプなのですが、個人的にはこちらはスピンオフの形で別の本にまとめてくれたら良かったなと思いました。

『アホエロ』でもそうでしたが、エッチシーンの身体つきが肉感的で生々しさがあり、リアルでいい感じです。顔はちょっと安定しない気がしますが、キャラの描き分けはしっかりしています。
話はとても良くできたお話でした。ラストは賛否あるかと思いますが、個人的にはあれがなければ「萌」評価だったかな。

2

やはり個性的。

いろんな要素が詰まった作品。
アホエロ同様、笑えるところが多々ありますが、スズキくんの抱えているものは複雑で笑えなかったりします。須崎、よく頑張った!と言いたいです。
エロは盛りだくさんですが、重い話メインなのでサラっとは読めないと思います。
ページ数もかなり多く読み応えがあり、スズキくんと須崎の終着まで描かれています。

作画がちょっと不安定な感じで、キャラクターもぼんやりしている印象がありますが、それも魅力的。
今後の作品が楽しみです。

5

ほんとにビッチなのか…

一体スズキくんは誰が好きだったのだろうか…。

読み終えた後に分厚い本を閉じその重みをひしひしと感じました。
一途に想ってくれる須崎に心揺れる(シャツの匂いを嗅いだり、バイトを休んでる時など)描写があるにも関わらず結局は堺さんに想いはいっていたのか…。何度も読み返しましたがスズキくんの気持ちは分からないまま。
オーナーと店長は最初酷い関係だな〜と少し敬遠してしまったが、二人には確かな繋がりがあり誰も手出しできない関係だと分かりました。そう思うとオーナーの台詞も嫌悪感なく読めました。

心は堺さんに
家族はお母さんの元彼に

では須崎には何を求めるのか。
考えさせられる話でした。

7

愛してくれるなら誰でもいいビッチくん?いいえ、と言うには時間がかかった

読み返す中、評価が変わりました。
以下、すみません、思い切りネタバレしています。

須崎の残り香のするシーツを抱きしめたり、時間を気にする須崎を見たくないばかりに事後はすぐ部屋から追い出したりと、スズキくんの須崎への執着心は良い感じだったのですが。
連絡なく急に姿を見せなくなった須崎に不安を感じて、堺に揺れたのであろうことは想像がついても、以降、堺から貰ったものを大事に部屋に置いたり、堺に好きですと言ったり、堺の名前を連呼しながらイクスズキくんのセックスに、スズキくんが取るすべての行動を理解できなくなってしまいました。

恋心は堺に。
家族愛は母親の元彼に。
体だけは須崎に、なんてことはなく、隙あらば堺とヤろうとするスズキくん。
増え続ける執着心の権化「絆創膏」も、北海道へ帰る堺への想いとも取れる。
スズキくんの頑固で溶けない心に、一心不乱に愛情を注ぎ続けた須崎に対して、私には読み取れないスズキくんの心。「愛してくれるなら、須崎じゃなくてもよかった」のではないか・・・

何度も何度も読み返しました。
須崎や、堺、オーナーと店長、彼らには溢れんばかりの「愛する心」があるのに、スズキくんのそういう描写は、須崎への執着のあと、堺への執着、と言う流れの繰り返しで、「愛してくれるなら誰でもいい」から抜け出せない。結局そうなのかな・・・と納得しようとした、そのとき。

あとがきにある作者様の「恋愛ホルモンの持続力に挑戦しました」という言葉が目に留まりました。
恋愛ホルモン持続させてたのはスズキくん以外の人たちだと思ってましたが、ふと思い浮かんだ「スズキくんが恋愛ホルモン持続させてたんだとしたら?」

追いかけっこは、鬼だけじゃなく、追いかけられる人もいないとできません。
追いかけっこを提案したのは須崎だけれど、始めたのはスズキくんで、
”叶わなかった恋心”も”なくなってしまった家族の愛”も
スズキくんは40年もの間、須崎からもらい続けるために
「始終私のことだけをずっと見ていた」須崎を、スズキくんもずっと見続け、
「追いかけっこは終わらないまま」(追いかけっこを終わらせないまま)、
「私の勝ちです」と、最後まで須崎を愛し続けました。

という解釈を経て、評価は変わりました。
すべては想像でしかないし、スズキくんを愛したいが故の、こじつけかもしれません。が、今はもうモエモエと再読しております!

11

スズキくんの絆創膏になりたい

良い子にしていたのに捨てられてしまったスズキくん。
大人になっても大きな心の傷。
身体は素直なのに心と態度は素直になれなくて。
膝に貼ったばんそうこうが切ないのです。
好きだ好きだ愛してる。
どれだけ言われても疑心暗鬼。
信じて、許して、飽きられて捨てられる。
この妄想を捨てられないまま。
後半、足いっぱいに絆創膏張ってしまうすがた思わず( ;∀;)あぅ

表現も細かい部分がすごく面白かった。
なんだろうね、あのサトリ世代漫画をほうふつさせるといいますか。
独特の視点が面白い。
終始エロ場面なのですが、ちょっとした伏線が張られているので要注意
エロばっかりじゃん!て読み流してしまうと見逃しますw

ラストは、寂しんぼのスズキくんが幸せそうで良かった。
遊び人でヤリちんだった攻が一途でかいがいしい男に成長するのも良。
エロな読み物としてももちろんオイシイですが、
意外と読んでみるとストーリー的にも悪くない。

前作、評価は高いけどイマヒトツと思っていたワタクシでありますが
これは読み返してみなければと思うのです。
ぜひエロを飛ばさず読んでいただきたい

9

作家さんの個性が光る!

「アホエロ」と同一作家さんの作品です。
webサイトでずっと追っかけていた作家さんですが、この「ビッチなスズキくん」はweb上でも未発表(DLのみ)だったので楽しみにしていました。

まずはお弁当箱のような分厚さにビックリ!!
東京漫画社さん、削らずに全部入れてくれてありがとう≧∀≦


読み終えた後、いつの間にか涙が出ていました・・・
最後の数ページで泣かされていました。

複雑な環境で育った複雑な性格の主人公が一途な愛を注いでもらって
少しずつ変化していく・・・

複雑な性格ゆえに言葉や表情で素直に出せず、思わず照れ隠しで「キッモ!」と言ってしまうのですが、それがまた可愛かったです。

攻めの方もどんなにキモがられても臆することなく変わらぬ愛を注ぎ続ける、ある意味「神ってる」人です(笑)

長い人生をともに過ごしたところが描かれていて、その最後の時まで
スズキくんは大切にしてもらい幸せに過ごせたことがわかり、胸に込みあげるものがありました。

「アホエロ」も大好きな作品ですが、むしろこちらの方がこの作家さんらしい作品だと思います。

単純明快とはほど遠い、一筋縄ではいかないお話が多いのですが、ずっと
見ているとそこがいいと思えてきて、じわじわハマっていく作家さんです。
独特の絵柄にもエロスを感じます。

アホエロで商業デビューとなりましたが、これからも大衆に惑わされることなく独自の路線を貫いてほしいと心から願います。

11

ここまで複雑な受けは初めて読んだ…。

この例えであってるか自信が無いですが、フランス映画っぽいイメージ。単純なのは攻めくらいで、後は全員すごーく複雑なんです…。
「アホエロ」の印象が強すぎるせいで余計にそう感じるのか知れませんが、何だか小難しくて私にはハードルが高かった。

登場人物の気持ちが深く掘り下げてあるのですが、それを客観的なトーンで淡々と。特に大きな事件が起こる訳でもなく、ひたすら丁寧に日常が描かれてるんですね。ちょっとお洒落な雰囲気も漂わせつつ、ちょこちょこシュールな感じのギャグも入って。ギャグというより、「ユーモア」の方がぴったり来る感じかも。
所々、グッと引き込まれるシーンもあるけど、「あれ? やっぱよく分からないな…。」という感じで進むのですね。
何だかおしゃれだし、凄く深いのも分かるけど、よく分からないまま終わっちゃった…、というのが私のフランス映画のイメージなのですが、まさにそんな感じ。
対して、派手で明るく、誰でも分かりやすく楽しめるのがハリウッド映画のイメージ。「アホエロ」はこちら。私の勝手なイメージなんですが。(>_<)ゞ

なんと言っても、主役とも言える「鈴木くん」が複雑すぎるのですね。エッチの時には箍を外しちゃうという感じですごく素直で奔放だったりするのですが、基本的には感情の起伏が乏しい。そして心に深い傷を負ってるんだろうなぁ…と。しかし、それが分かりやすく説明されてる訳ではなく、読みながら自分で推察していくしかない。だから、私はイマイチ感情移入が出来なかった…。唯一分かりやすかったのが攻めで、こちらは一途な執着攻めと言った所。

もう一組、オーナー×店長のカップルもありますが、こちらも色んな意味でハードルが高い…。オーナーは酷薄なヤクザで、店長はスキンヘッドで入れ墨。こちらも見た目そのままでは無く、色々複雑なんですが。なんかもう、私にはハードルが高すぎる…。

しかし、多くて濃厚なエロには非常に萌えたし、ラストシーンなんかにはグッと引きつけられたので『萌』です。
私の勝手な感想ですが、ちょっとこの作品は、複雑な登場人物をしっかり理解でき、感受性が豊かな上級者向けなんじゃないかなぁと思ったりします。

11

そんなにビッチかな??

アホエロが面白くて、別のお名前名義だったのですが、購入しました。
手にとってびっくりの分厚さ!!!
ほぼ単行本2冊分の厚さです。
やってるシーン多めです。
攻めが孤独な受けのスズキくんを放っておけなくなる気持ちも分かるのですが、どんなきっかけでそーなったのかも描かれていないので、超ヤリチンだった攻めがなぜそこまでスズキくんだけに執着するのかが???でした。
スズキくんが同じコンビニでバイトしてた人を好き?だったのもえっそーなの?と唐突で、結局なんだったの??という感じでした。
あとHの最中に英語が出てくるって。。個人的にあまり萌えませんでした。。
分厚さの割に深みがないというか説明不足というか、素朴な絵柄のせいもあるのかキャラクターの感情が読みづらかったです。

4

痛くて、優しくて、ほっこりしたお話。

ちるちるさんでずっとランキングにも載っていて高評価ばかりの『アホエロ』を描かれた重い実さんの別名義作品。
というか、『アホエロ』は未読なんです。ごめんなさい。なので、正直この作品もそんなに心ひかれなかったのですが(いや、失礼)。本屋さんですんごく分厚くて存在感を放っていて、思わず手に取ってみたら表紙がなんとも素敵。別名義ってことはBLじゃないのかな?いや、でもBL本の棚に置いてあるしBLなんだろうと思って購入してみました。

内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。





主人公はスズキくん。表紙の彼です。
子どもの頃、ネグレクトされ、最終的に母親に捨てられてしまった過去を持つスズキくん。ゆえに大切なものをつくっても捨てられる。だから大切なものは作りたくないと、人間関係も、持ち物も、最低限のものしか持たない。

そんなスズキくんはコンビニでバイトをして生計を立てていますが、バイト仲間の須崎くんから求愛されています。この須崎くんという男の子はいわゆるヤリチンで複数の女の子と関係を持っていましたが、スズキくんと恋人になりたいがために女の子全員と関係を切ったというところから話は始まります。

素気無くされても酷い態度を取られてもスズキくんに求愛し続ける須藤くんと、そんな須藤くんの気持ちは受け入れず体の関係だけ維持し続けるスズキくんとの恋のお話。

須藤くんの気持ちは受け取りませんが、須藤くんとセックスだけはするスズキくんなので、セックスシーンはかなりあります。エロエロです。
が、エロいだけではない。
過去のトラウマからくる彼の孤独が、要所要所で描かれているのでなんとも切ないのです。

で、スズキくんと須藤くんのお話だけではこの厚さにはなりません。

スズキくんたちのバイト仲間の堺さん。
バイト先のコンビニ店長の圭さんと、コンビニのオーナー。
彼らのお話が、これまた濃い。

店長に淡い恋心を抱いている堺さんですが、店長とオーナーの間には他人が入ることができない強いつながりがある。

オーナーに酷い事をされてもじっと耐える店長ですが、この店長さんという人も中々に濃いキャラでした。スキンヘッドで、一瞬怖い人なのかと思いきや実はお寺さんの息子さんだから、という理由だったり。清廉な人に見えて体中に入れ墨が入っていたり、堺さんを誘惑するようなアダルティさも持ち合わせている。

オーナーもやくざ者でひどい人かと思いきや、店長に対する愛情は本物で。

読み始めたとき、スズキくんと須藤くんがひたすらヤッている話かなと思いつつ読み始めたのですが、トラウマや過去に囚われた一筋縄ではいかない内面を持つ人たちが出てくる、なかなか味わい深いお話でした。特にスズキくんが身体に貼る絆創膏。この絆創膏の意味するところや使い方が非常にお上手でした。全体を通してややシリアス寄りなお話なのですが、所々で出てくるギャグにほっこりし、相手を大切にしたいと願う愛情にウルっとし、エロは満載だしでとても良かった。

最後の描きおろしには泣いた。
いつか捨てられてしまうのではないかとおびえていたスズキくんですが、最後は幸せだったんだな、って。

ただちょっと気になった点も。
スズキくんって堺さんのことが好きだったんじゃないのかな、と思ったり。
『ビッチなスズキくん』というタイトルではあるものの、ビッチくんではないような気もしました。

これって同人誌だったんでしょうか?絵柄の描き方とか同人誌っぽいなあと思いつつ読みました。そしてなぜ別名義だったのか…。ちょびっと謎なので、ちるちるさんでインタビューしてくれないかなあと思っています。

16

この作品が収納されている本棚

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