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表題作御伽艶夜 ~かぐや皇子と花咲か小鬼~

輝夜、月の皇子で月軍の大将24歳
シロ、月から地球の桃源郷に向かった半鬼16歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

月に住む半分鬼の子のシロは、
想い人の美麗で威厳ある"月の皇子"輝夜のために、
綺麗な桜を咲かせることに熱心な庭師。
輝夜はたわむれに自分を抱くのだとさびしく思うシロは、
地球にある桃源郷に育ての親兄弟の鬼たちと行くことになる。
だが地球は桃源郷とは名ばかりの地獄で、シロは犯罪者として追われることに!
真相を知らない月軍の大将である輝夜は、逃げるシロの真意が分からないまま、
彼を追いつめ強引に口づけるが!?
すれ違う想い、けなげな小鬼の身分違いの恋の行方は?

作品情報

作品名
御伽艶夜 ~かぐや皇子と花咲か小鬼~
著者
犬飼のの 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784799731703
4

(68)

(32)

萌々

(20)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
10
得点
271
評価数
68
平均
4 / 5
神率
47.1%

レビュー投稿数10

かぐや皇子と忠鬼のすれ違い愛

日本昔話をモチーフにしたファンタジー作品。
攻めはかぐや姫、受けは花咲か爺さんの忠犬がモデルとなっており、
攻めの側近には浦島太郎や一寸法師や金太郎が。
律令制の敷かれた世界観と、現代ノリの小ネタとのミスマッチ感が大変楽しい一冊です。

あらすじ:
半鬼のシロ(受け)は、地球で遺体遺棄の疑いで指名手配犯に。
月の皇子・輝夜(攻め)はシロの身を案じ、自ら地球に赴くが…

天然ツンデレ皇子な輝夜が大変良いキャラ。
絶世の美男で高貴な生まれなのに、突飛な行動を度々側近にツッコまれたり、いじられたりしているのが可笑しいです。

そんな輝夜が好きになったのは、半鬼のシロ。
奴隷層である鬼の血を引くシロは、高貴で美しい輝夜に恐縮しまくりで、なかなか打ち解けられず。
今まで散々チヤホヤされてきた輝夜は、自分に全く食いついてこないシロの返答に傷つき、その度プライドからちょっと高飛車な態度をとってしまう…というすれ違い。
シロは自分が傷つくのも構わず輝夜に尽くす健気なキャラで、
輝夜もそんなシロのためなら怪我も厭わないほど一途なのですが、
お互い言葉の意味を取り違え、なかなか両想いになれない…
そんなすれ違い展開に萌えます。

やがて身体の関係を持ち、蜜月を過ごす二人ですが、シロは自分の親兄弟(純粋な鬼)と共に、地球へ渡ることに。
桃源郷と呼ばれる鬼ヶ島を目指しますが…

なぜシロは指名手配犯になったのか?
桃源郷・鬼ヶ島の実態とは?
といった点が物語の核で、その背景には鬼に対して発令したある法令の存在が。
謎が明らかになる物語後半では、身分制社会において搾取される鬼たちの悲劇や、そんな社会を変えることの難しさが描かれており、シリアスな展開に引き込まれます。

物語前半は、ドラマティックすぎてややシュールさも醸す輝夜とシロのすれ違い愛がある種シリアスな笑いを生んでおり、主に二人のやり取りを堪能しましたが、
舞台設定が掘り下げられていくにつれこの世界観自体にも惹きつけられ、最初から最後まで楽しめる一冊でした。

犬飼ののさんと言えば、設定が倒錯的だったり、受けが痛い目に遭ったり…といったちょっとクセの強い作風が持ち味ですが、
今回はそうしたクセが控えめで、攻めが受けにベタ惚れで攻め視点が多いため、全体的に雰囲気が甘め。
かなり読みやすい作品となっている印象です。

笠井あゆみさんの挿絵もいつもながら美麗で、耽美な世界観を一層盛り上げて下さっていました。

15

245ページ好きです♥︎鍵に秘められていた想い……

2016/12/19発売

■御伽艶夜〜かぐや皇子と花咲か小鬼〜■
著 犬飼 のの 先生

とても暖かい…*春*のような物語でした。
痛みや出血は控えめで、いつもの…いつも以上の
読み応え、愛がたっぷりファンタジー小説です!

*・゜゚・*・*・*・゜゚・**・゜゚・*・*・*・゜゚・**・゜゚・*
身分の違いや困難を、2人それぞれが乗り越え、
見えた先にある愛は格別だと感じました///
*・゜゚・*・*・*・゜゚・**・゜゚・*・*・*・゜゚・**・゜゚・*

▼主要人物と物語と世界観(※軽くネタバレです)▼

★輝夜(24歳)攻★
月の世界に住む月軍の大将。月の女帝を母に持つ、平安期時代に出てくるような皇子です。(髪型の変化も見所!?)ある日からチラチラ見える小鬼の存在を気にするようになり、桜を見てるつもりが…美しい服を纏った者よりも美しく咲く桜よりも、小鬼であるシロへと目も心も奪われていきます。追うのは彼ばかりの輝夜はソワソワ動き出し、堪え性のない行動(game)をシロに持ち掛け………。
本当にイロイロ強弱のある不思議な性格の持ち主。(←悪い意味ではなく、とても良い性格です/)”重力”を自由自在に操ることができる能力の持ち主で、何処で能力が活かされるか…楽しめる注目部分(point)なので勿論ココでは言えませんが、この能力をどの様に使うか…頭の片隅で妄想するだけでも楽しいのではないかと思います。(私は初体験頂けました♡)

★シロ[白妙](16歳)受★
天仙と鬼の血をひく…捨て子の半鬼。とにかく可愛い。こんなに愛らしい人物はいただろうか?というくらい優しい小鬼ちゃんです。公開された情報にもある通り、2本の角と首裏に白い三日月痣があります。
綺麗な桜を咲かせたいがため、アルものを犠牲にし美しい桜を咲かせ続けようと奮闘する、尊敬すべき存在となりました。輝夜に命じられたも同然の頼み(game)にシロも挑むのですが……遥か高い木に括り付けられた謎の鍵には既に込められた2人の想いが秘められていて……!?
最後の最後に明かされるシロの言葉に輝夜だけでなく読者をも驚かせてくれることと思います。(やられました…。)

シロに鬼の血が混ざっているにも関わらず、周りから白い目で見られる存在でありながら御所内の園丁…庭師としていられる理由。そこには女帝の企み…謎の想いが関わっていて……。(何処までも奥深い物語だと感じます。)

★物語設定・世界★
作中…日本も、人気観光スポットや町も舞台として登場します。帯に大きく書いてある輝夜の言葉通り『そこで!??』という驚きもありました……。地球へ降り立つことが可能で、月の月竜門から地球の月竜門までの所要時間は歩いて約◯日。(←いつの日か、これが現実になったら…と希望を抱き想像し、自分が月に降り立った目線で読んでいました。)
様々な景色…場所…多くの人物が出てくるので、2度も3度も美味しく楽しい世界です。月では平安時代、降りれば現時代、謎の桃源郷(島)3つの不思議な体験が出来ます。

*・゜゚・*・*・*・゜゚・**・゜゚・*・*・*・゜゚・**・゜゚・*・*
のの先生の小説は最後まで気が抜けない緊張があり、それは御伽艶夜にもありますが、最後の最後まで…特典ペーパーまで愛に溢れているので物凄く幸せでした。これからも、のの先生の小説を読み続けたいです。

13

すれ違い身分差ファンタジー神作品!!

面白かったです!!
久しぶりに犬飼先生の作品でこれぞと思える作品でした!
かぐや姫(攻め)に花咲か爺さんの犬ちゃん(受け)、脇を固めるのは一寸法師に浦島太郎。。と某CMを彷彿とさせる豪華メンバーなのですが、それぞれのキャラクターがたっていて、素晴らしかったです!!
すれ違いや執着攻めが大好きなので、受けのことが気になってるのに高貴すぎるが故になかなか素直になれなかったり、意地を張ってすれ違ったりしてるのがとってもツボでした!!
半鬼で周りから迫害されてる受けが、とにかく献身的な良い子で、攻めのことや家族同然の仲間を守りたいと必死に耐える姿が、可哀想でとても切なかったです。。
そして、受けのためにも時間が掛かっても良いから母の帝に正々堂々と勝とうとする攻めの潔い姿はとても男らしく、見直しました!
色々な伏線の回収も素晴らしかったです。
桜の描写も美しく、ストーリーや世界観を堪能できました。
ゴールドマンが金太郎のこととは気付かず、あとがきで思わず笑ってしまいました。

7

雅?

再読してレビューしたくなった。

月の世界という設定の平安時代と現代との混在したお話です。

輝夜様がなんか憎めないキャラ。表向きは身分も高く能力も高く見目麗しいんですけど、残念とまではいきませんけど、大変お可愛らしい方です。

シロがまた健気でありながら一本筋の通った控えめな子です。
控えめで謙虚すぎて、ちょっとだけイラッとしました。ちょっとだけです。笑

輝夜様がなかなか素直になれない描写が笑いを誘ってくれます。

何はともあれ、最後はめでたしめでたし。

何より、ゴールドマンって…笑笑


0

痛い話かと思いきや甘々☆

犬飼さんの童話や日本昔話をリスペクトしたお話は、記憶が確かならこれが3冊目。ちょびっと食傷気味で手に取らなかったのですが、でも笠井さんの描かれた表紙を見たら素敵すぎて思わず購入。またしても笠井さんホイホイされてしまった。

内容はすでに書いてくださっているので感想を。

「輝夜」と書いて「かぐや」と読む。
がしかし、かぐやは女性ではなく男性で、しかも攻め。天仙(月に住む人)のトップに立つ帝(と書くが実は女性)の長男で、かつ跡取り。

受け・シロは鬼と天仙のハーフ。
鬼は奴隷的な扱いを受けているので、当然のごとくシロの身分は低い。

接点のない、身分差のある二人が出会い、そして惹かれあい…。

という、犬飼さんらしいお話だな、と。

初っ端から「遺体損壊」とか物騒な言葉が出てくるので、もしかしたらとんでもなく痛い話なんじゃないかと危惧しつつ読み始めたのですが実に甘~いお話でした。

とにかく攻めが受けを溺愛してるんです。
帝の跡取り=次期皇帝という事で、当たり前のように下々をつかう立場で、ゆえに時に不遜な態度もとる輝夜なのですが、シロを大切にしすぎててワタワタしてしまう輝夜は恋する男子で可愛いんです。

一方のシロが、これまた良い感じの薄幸・健気受けさん。
自分を卑下しているわけではないのですが、輝夜との身分差をごく当たり前に納得して、分不相応な望みは持たず、家族のために自分を犠牲にするシロがめっちゃ可愛い。

舞台は月であるとか。
登場人物たちの名前が輝夜(かぐや)とか桃とか浦島とか一寸とか。
平安貴族のような服装でありながら、現代の日本も出てくるとか。
そして様々な障害がある二人の恋のゆくえとか。
ストーリーが緻密で、複雑で、とっても面白かった。

のだけれど、ちょっと納得できない点も。

かぐやとか、浦島とか、一寸とか、鬼が出てくるとか。
日本の昔話をリスペクトしたような名前だったりするわけですが、普通にイメージする名前と立場が一致してないんですね。
ありきたりではなく、読者の意表を突くようなストーリーにしたかったのかな、とは思うのですが、それならあえてそう言った名前を付けなくてもよかったんじゃないのかなあ、と思ったりしました。

そして、シロ。
家族のために遺体を盗んでいたわけですが、それでも指名手配されてしまった彼が、そのまま地球で生活し続けるのは無理があったような気がしました。

輝夜とシロは、二人の恋路をとある人物に邪魔されてしんどい目に合うわけですが、それでもその妨害に二人が屈しなかったことや、妨害していた人物が最後まで顔を見せなかった(物理的にも描写的にも)ことで、そこまで痛い話にはならず甘い話になっていたのも良かった。

あと特筆すべきは笠井さんの描かれた挿絵。
すんごい綺麗。もううっとりします。イメージにぴったりでとっても良かったです。



7

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