ボタンを押すと即立ち読みできます!
表題作とスピンアウトである『新しい朝が来る』。
この両者を切り離して作品の世界観を語る事は
出来ないでしょう。
友人をある日突然恋人として認識する。
その衝撃をどういう風に昇華して行くか、そして
納得して行くか。
兄と弟の遣り方は、丁度良い鏡像かと思われます。
併録短編はミステリ作家とその幼馴染?の
昔探しの心の旅。
同級生同士の恋愛を描いた作品が二作品入っています。
一つは、兄が同性愛者と知って動揺する弟と幼なじみのカップル、もう一つはその兄と兄に言い寄る同級生のお話です。
弟のほうのお話はかわいらしく初々しい感じで、兄のほうのお話はしっとりしたせつない雰囲気でした。
共通しているのは、「友達」だと思っていた相手(向こうは友達と思っていない)に自分が恋愛対象だと気づかされ、時間はかかるけどいつの間にか意識するようになっていく…という部分。
「幼なじみ」「同級生」「友達から恋人に」などというワードが好きな方におすすめな作品だと思います。
那州さんの作品は他にも読んだのですが、いつもちょっと変わった設定のものが多かったため、この本は割と普通の日常系というか、変わったことも起きない、さらりと読みやすいタイプのお話でした。