おまえだったら六十のじいさんでも可愛い。

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表題作運命の転機は三十歳でした。

東元遼太郎,大学時代からの友人で研究者,30歳
多岐川透,大手メガバンク勤務,30歳

その他の収録作品

  • 新婚旅行に行ってきました。
  • あとがき

あらすじ

大手メガバンクに勤めるエリートサラリーマンの透は、仲間うちで美人のジャイアンと呼ばれる傍若無人なオレ様。
「三十過ぎて独身だったら一緒に住もう」と約束した悪友たちの中で独身なのは透よりもハイスペックだけど貧乏な学者の東元と二人だけ。
そんなある日、東元が透のマンションに「迎えにきた」と引っ越し業者とともに現れて──!?
ボロい一軒家でぐずぐずのメロメロに甘やかされる彼との同居生活は透をもっとダメにして

作品情報

作品名
運命の転機は三十歳でした。
著者
夕映月子 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773088441
3.2

(95)

(20)

萌々

(30)

(22)

中立

(4)

趣味じゃない

(19)

レビュー数
17
得点
290
評価数
95
平均
3.2 / 5
神率
21.1%

レビュー投稿数17

攻め様がすごい!!!!

夕映先生の作品は、以前一冊だけ読んだ本がどうにも好みに合わず、以降なんとなく読む機会をもたないまま今に至ってしまいました。でも、今回は、あらすじに興味を持ち、購入を決めました。
今回の作品は物凄くツボだったので、今後は先生の作品をちゃんとチェックしていこうと思います。

執着攻め、長年片想い、同級生(今回は大学の)として出会い、、、と、私の萌えツボが満たされる作品だったのですが、しかしこの攻め様がもう凄かった!!!!
今迄、長年片思いの執着攻め様が登場する作品はいくつか読んできましたが、私が今まで読んだ作品ではあまりお目にかかったことのないタイプの攻め様で、すごく新鮮でしたし、ここまでくるともうあっぱれでした。(見る角度によっては戦慄タイプかも・・・私はこの攻め様大好きですが・・・)
30になったら受け様と恋人になれるはずだ・・・と信じ、焦る訳でもなく、でも、しっかり計画的にじっとその時を待ち(12年間も!!!)、いざその時がきたら、飄々としながらも、しっかり受け様を追い込み囲い込んでいくという・・・そして、受け様はまんまとその策にはまってしまうという展開。
攻め様、穏やかで優しそうな中にまさかの腹黒さが・・・。そのギャップがたまりませんし、基本絶対に受け様を思いっきり甘やかしまくってくれる攻め様なので、もう受け様が羨ましくてしょうがありません。

・・・と、こう書くとなんだかやっぱりちょっとサイコものっぽいですね。
でも、実際にはとても楽しいお話です。読んでいる側は割と早い段階で攻め様が受け様の事を好きなんだと分かるようになっているので、受け様があれこれぐるぐるしていても、安心して見守ることができます。
受け様がなんだかんだ潔い性格で、男前な性格で、友人の前では裏表がないというのも読んでいて清々しかったです。

6

ジャイアンは掌の上で溺れる

はぁ~良かった。満足感でいっぱいです。
正直前半1/3くらいはなかなか集中できず間に他の本を読んでは戻っての繰り返しでしたが、途中からは一気に読めました。

端正な男前の攻め(東元)。美人ジャイアン受け(多岐川)のことを知り尽くして何枚も上手で。攻めのふんわりした所やクスッとかフッと笑う描写も良かったです。

ジャイアンこと受けの多岐川。自由を愛して結婚にも恋愛にもまだまだ興味はなくて。

んもう東元が多岐川を甘やかして一人じゃ寂しくていられなくして、策士なんだから。

そう、ものすごい策士なんです。しかも大学一年から12年もの間ずっと多岐川を好きで時期を狙って。
皆で約束してた30歳になっても独身だったら一緒に住もうという約束を目指して出来ることをコツコツと。そしていざという時はビシッとやり遂げる!
もし多岐川が結婚したら本心からおめでとうと言うつもりだったと。男前すぎでしょう!一生の恋だと思ってたんですね。

読んでるうちに、あれ?東元は多岐川を好きなのでは?とわかるんですがそれでもハラハラしました。

多岐川が東元を好きだと自覚して、東元は関西の名門大学に内定し離ればなれになる、しかも指輪を部屋に置いていて。多岐川の片想いの切なさにこちらもヒリヒリしました。
そして想いが溢れて決行の時。もうこっちまで多岐川の気持ちに涙が出ました。ごめん、今なら引き返せる、でももう今しかないとか。
東元に手錠をはめて媚薬を飲ませて自分で準備した体で乗っかって。

これもすべて東元の計算だったんですけど、まんまと罠にはまって。
いや、襲うのは想定外でしたが。ここまで追い詰めて囲いこむよう多岐川の様子を見ながら練ってましたね。

でも良かったね。いっぱい書きたいことがあるのにまとまりません。
東元の執着にありがとうですね。
独占欲も大好物です!

甘々ハネムーンもご馳走さまでした。

3

執着というより忍耐

あとがきにもかかれてましたが…
この受けは誘い受けどころか襲い受け、いやいや、、、なんとも初めて読んだタイプ。

同級生の長年越し純愛モノか?と思いきや、全く裏切られるストーリーであっぱれ!

そして攻めも昔から想ってた?!
でも文中でゲイじゃないって言ってたよね?
だとするとDT??まさか!
攻めの長期戦略は尋常じゃないけど、個人的には「ママチャリでのビワイチ」を成し遂げる彼ならやりかねんとw 立志社大学、とか夕映月子さんは関西出身なのですね〜

そして二人共ノンケ出身でこうなるのか?と思ったけど、そこはファンタジーで乗り切りました(笑)

攻めの腹黒さは素晴らしく、病的な執着というか怖さが無いのは「もし多岐川に結婚したいと心から思う人が出来たら幸せを願う」的なことを言ってたからかな。ま、そんなことは無いはず、って思ってそうですけど。

置かれてたリングが男物と気づかなかったのか?とか、そんな都合よく関西の大学のサテライトに就職できるのか?とかツッコミどころはたくさんありつつ、楽しく読めた作品でした。

2

”好き”が全部詰まってた…12年間の執着愛で甘やかす攻めと美人なジャイアン受け

や〜〜…!!本当に本当に自分の「好き!」がこれでもか!と詰まっている作品でした感涙。

攻め→受けへの、12年間の執着愛。
そして攻めと一緒に暮らすうちに本気の恋に落ちてしまい、「強引に迫る受け」。

好きすぎるんだな、もう…!*(о゚д゚о)*゚+

や、執着攻めが半ば無理やり受けを襲いーってパターンはいくつも見てきたんですが、攻めの執着愛と同等レベルに受けが攻めを好きになってしまい、思い詰めて襲うってパターンは実は初めてでした。最っ高だよ…!おかわりください、と言いたいです。。

18歳の時、飲み会で初めて会った時から30歳になる現在までずっとずっと好きだった相手を甘やかし、自分から離れられないように囲い込む攻め。

そんな攻めなんですが、多岐川に無理に迫ったりしないのがね…いや、自分に甘えて離れられないようになればいい、本音を言えば「鎖で繋いでおきたいくらいだ」なんて独白してるし本気で思ってるし実際囲い込んではいるんですが、少しでも多岐川が嫌がりそうなことは絶対にしないんですよね。。涙ぐましいわ。。

まだ多岐川が攻めをそんな目で見ていなかった同居当初、台所で肩に顔を乗っけられて硬直していた東元(攻)の心臓バクバク度たるやいかほどのものか…なんて想像しちゃいます。

「美人のジャイアン」なんて友人たちから評されている傲岸不遜な多岐川ですが、それは心を開いた人への甘えの裏返しでもあるんですよね( *´艸`)

これからもずっとずっと、「60歳になっても多岐川は可愛い」と言ってくれる東元のそばで甘えて甘やかされていって欲しいものです✨


……夕映先生の作品、もっともっと読んでみたい!と思いXを見ていたところ、数年前に亡くなられていたことを知りました。。ショックです( ; ; )
もっと前に先生の作品を読み、感想をお伝えできていたらな、、

心からご冥福をお祈りいたします。

2

30歳男子の等身大描写が絶妙

あらすじ:
大手メガバンクに勤める透(受け・30歳)は、仲間内で「美人なジャイアン」と呼ばれる、自他共に認める俺様。
大学からの友人で貧乏学者の東元(攻め・30歳)と、独身男同士、同居生活を
始めることに…

俺様で自己中なのに可愛さもある透が良いキャラ。
仲間内では言いたいことをズバズバ言う俺様キャラですが、
仕事で好青年を演じる程度の良識はあり、
人に気を遣うのが嫌なので結婚願望も特になし…と、
自分の性格に難があることを理解している点に謙虚な可愛さがあります。
一生独り身でいる覚悟でコツコツ貯金しているものの、そんな人生にふと寂しさを覚えることも。
そんな、アラサー男女問わず抱きそうな悩みや不安感が等身大に描かれています。

東元は、透とは大学の旅行サークルで出会って以来の付き合い。
今は近代文学を専門とする研究者ですが、最近ようやく博士号をとったばかりで、まだ就職口はなし。
透と比べ、穏やかで落ち着いた男性然としている東口ですが、こちらも年齢を考えるとなかなか余裕ではいられない境遇です。

こんな30歳男子の同居生活をほのぼの描くお話。
東元への想いを自覚した透が、思い余って東元に手錠をかけて襲う(!)という展開もあり、
東元→透かと思いきやそれだけではないのが面白いところです。

成人男性のリアルな日常生活の合間にちょっとしたロマンスが挟まれているところに作家さんのセンスの良さを感じる一冊でした。
後日談のオマーン旅行のエピソードなど、最後まで絶妙に意外性があり、楽しませてくれる作品です。

12

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