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表題作家に王子が泊まっています

コンラッド・ベルウォード国の王子・28才
藤枝蒼生・大手菓子メーカー「アリーカ」社員・28才

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

まさか、本物の王子がくるだなんて聞いてない! !
大手菓子メーカー勤務の蒼生の純和風な家に、今、異国感漂う美しい王子がいる。
「日本のお菓子を学びにきた」と告げる彼は、好奇心旺盛でいつも笑顔を絶やさない、
天然な人たらしのようだ…。お菓子を語るとき、作るとき、食べるときに
彼自身がみせる魅力的なオーラはじわりじわりと蒼生を虜にしていって――
住む世界の違いは理解している。でも、王子から贈られるハグやキスに蒼生の心は揺れ…?

作品情報

作品名
家に王子が泊まっています
著者
鳩村衣杏 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
ブライト出版
レーベル
LiLik文庫
発売日
ISBN
9784861237072
2.7

(19)

(0)

萌々

(2)

(13)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
49
評価数
19
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数7

王子様は和菓子がお好き?

あらすじ:
大手菓子メーカー勤務の蒼生(受け・28歳)は、ヨーロッパ小国の王子・コンラッド(攻め・28歳)とその弟、侍従らを自宅にステイさせることに。
日本のお菓子に目がないコンラッドの来日の目的は…

「ほんまもんの王子」(byあとがき)が登場する華やかなお話ですが、作品全体の雰囲気はほのぼの。
和菓子の製法や販売方法など製菓業界のお仕事描写も楽しく、鳩村さんらしい読み応えある作品に仕上がっています。

和菓子について学び、自国の産業に活かすため日本へやって来た王子一行。
コンラッドは外見は少女漫画に出てきそうな長身美形ですが、お菓子のこととなると子どものようにテンションが上がるというギャップの持ち主。
そんな可愛いところもありますが、基本的には落ち着きある紳士という感じです。

コンラッドと暮らすうち彼に惹かれていく蒼生は、堅実な仕事ぶりが評価されている誠実な人物。
実は老舗和菓子屋の長男でもありますが、小豆アレルギーのため実家を継ぐことができず、弟に跡目を譲ったという過去が。
そのことに不甲斐なさを感じていた蒼生が、コンラッドの付き添いという形で実家の和菓子屋を訪問するというエピソードもあり、
蒼生の真面目な人柄や、コンラッドとの出会いにより変わっていく姿がさりげなく描かれているのがうまいなと思います。

こうした蒼生の性格が丁寧に描かれているので、蒼生がコンラッドに惹かれていく過程もなかなか説得力あり。
コンラッドを「殿下」と呼び彼に尽くすうち、彼の目的を手助けすることにやり甲斐を感じ始め、彼の気さくで包容力ある人柄にも好感を持ち…と、好意を持つ過程が分かりやすく描かれています。
侍従と一緒に王子のパンツを干すシーンなど、日常描写が細やかなところも良かったです。

途中までは面白かっただけに、ラストの駆け足感はやや残念。
コンラッドが和菓子について学ぶ姿をあれだけ丁寧に描いていた割にその成果についての描写はおざなりだし、
現地に支社ができ、そこに蒼生が派遣されるというのも出来すぎ感が。
会社に拘らず、蒼生が自分の意志で現地に赴くくらいの展開の方が面白かったんじゃないかなと感じました。

とは言え、作中出てくるお菓子はどれも美味しそうだし、
生粋の王子様×天然庶民のやり取りも可愛いし、
コンラッドの弟や侍従も良いキャラだし…と、
読みどころは多い作品かと思います。

あとがきに書かれていたように、いつかスピンオフ(侍従×弟とか?)が読めれば大変嬉しいです。

6

こんな王子のいる国に行きたい…!

タイトルと作家さんで購入を決めた作品でした。
読んでる途中から、みたらし団子や最中、酒饅頭などの和菓子を筆頭に食べたくなる欲求を刺激される1冊でした(^_^;)

受けさんの蒼生の元に極秘任務と称してお忍びで攻めさんのコンラッド一行がホームステイするところからお話は始まります。
蒼生は生真面目で責任感も強く上司からも頼られるお菓子メーカーに勤めるサラリーマンで。
対するコンラッドは、笑顔を絶やさない明るく接しやすい国民にも大人気の王家次男。
お菓子の追究をしつつも結構早い段階で2人の気持ちが読者には分かり、コンラッドも積極的に男らしく気持ちを伝えるので、ストレスなくストーリーは進みます。

ですが、私の中でストレスなく進んだのは本当にそこまでで。
気持ちが通じ合ってからの2人のあれこれまでの展開は一気に進み、取り残され感満載で。
あとは、「え?この問題はどうなったの?」と気になる点も多々残っていて。
結構最後の方まで蒼生は極秘任務を分かっていないようだったけどそれはいつ種明かし的なものがあったのか、蒼生の生家関連での親子(父子)関係だったり、パットの好きな人は気になるように仕向けられたまま分からないままだし、コンラッド一行が国に戻ってから蒼生の事をどこまで公表しているのかとか…。
内容や設定が面白かっただけに、後半は中途半端な気がして残念です。

あと、これだけは意外性なのでどうしても書いておきたいのですが。
コンラッドは本当に最後まで温厚でキラキラスマイル・オーラを絶やさない完璧王子なんです。
性格も申し分ないです。
ただ!
えっちの時だけ性格変わるのか、かなりのドS感出ててビックリでした笑。
蒼生も蒼生でちょっとMっ気ありそうな感じだったので、分かんないもんだなあ…としみじみ笑。

コンラッド一行の脇キャラ含め登場人物は好感の持てるキャラばっかりで、特に大きな事件もなく淡々と話も進むので、帯同様和風で甘々なお話を寒い今の時期には是非( *´︶`*)


4

王宮に縁側を作ろう。

元々鳩村衣杏さんの作品が好きです。
本作は題名と表紙絵の雰囲気でコメディものかな、と思い手に取りましたが、コメディではありません。
CPの片方が本物の王子様というトンデモ設定でありながら、では身分差恋愛なのかといえばそうでもなく、やはりお得意の「お仕事BL」的な、仕事や家業に対しての心の持ち様・取り組み方などにハッとする視点を盛り込みつつの物語展開となっています。
やんごとなきヨーロッパ小国の王子が、自国の新しい産業としての米菓の視察、また自分の好物としての和菓子探訪のために、日本のいち菓子メーカーの一社員の家にホームステイしに来る。
この王子様がとても人格者で、お付きでやってきた弟分の貴族、侍従、ボディガードの3人もみんないい人で。
皆で繰り広げる和菓子や煎餅の買い出しや試食の場面は微笑ましい。
実は家業(和菓子屋)について人知れず苦しみや気後れを抱いていた蒼生の心に、王子のコンラッドは等身大で寄り添ってくれた。蒼生はコンラッドに恋をして…
蒼生は将来コンラッドの伴侶として王族の一員になるんですかね。同性婚第2号として「〜〜卿」になる蒼生のその後、読みたい!

3

とっつきやすい身分差モノ

王子様に憧れ等の思い入れは無いつもりでしたが、
ロマンス全開!!というわけでもなく
今作の王子・コンラッドはお菓子が大好きで気さくて
とても親しみが持てました。
そんな無邪気になさったら
いくら極秘でも途端に世間に知れ渡ってしまいます!と
心配してしまいましたがww

大手菓子メーカー勤務で仕事とはいえ、
王子御一行様を自宅にお招きしなければならないなんて
聞くだけでも責任重大で一気に激痩せしてしまいそうですけども。
日本のお菓子を学ぶ為にやって来て、
日本語を一生懸命話し、コンラッド達は日本と蒼生を尊重してくれ、
滞在期間それはそれは穏やかに過ごすのですが…。

第二王子とはいえ、コンラッドの国民を想う優しさ、
探究心もさることながら
蒼生に恋をし、決して蒼生を傷付けることのない深い愛情を示す姿、
こんな人いないだろ……というほど魅力的な人物でした。
偉ぶらず、素直に喜んだり、揚げたての揚げ餅に感動するなど
チャーミングさも兼ね備えていて本当に素敵!

控えめだけど芯の強さを併せ持つ大和撫子のような蒼生は
女性らしいということではないのですがとても美しかったです。心が。
誰からも愛されるであろうことは容易に想像できましたけど
王子までも虜にしてしまうとは…罪なおひとだ←

ベルウォードへ行ったシーンでは
王子がどこまでも優しいんですが
思いのほか男を感じさせてギャップに驚きました!
もっと長めにイチャイチャしたところが読みたかったです…。
いえ、想いを通わせていくのがメインだと存じておりますが…。

それにしても日本のお菓子の豊富さ、繊細さに改めて気づかされ、
あー、日本に生まれて、良かった!になりましたww

2

ほのぼの可愛らしいお話でした

王子ものかぁ・・・と、鳩村先生のお仕事ものが好きな私は最初読もうかどうしようか正直悩んだのですが、表紙の絵の感じが素敵だったので読んでみることにしました。

王子ものでも、きちんとお仕事っぽい感じもあって、そして鳩村先生ならではの自己啓発本っぽい面もあって(私は鳩村先生の作品にちょくちょく登場する自己啓発本っぽい台詞や考え方とかが読んでいて好きなので・・・)、更にはほのぼの優しいお話で楽しく読む事ができました。
読んでいる内におせんべいとか、和菓子とか、買いに走りたくなりました。
波乱や大きな事件もなく、2人も割とすんなり両想いになるという、ある意味おとぎ話的なお話かもしれません。現実的な面と、おとぎばなしの王子様とお姫様な面とあって、それが良いバランスになっていたという印象です。
個人的には脇キャラで登場したノエルとパトリックのお話も気になるところ。もしかしたらスピンオフがあるかもしれない・・・というようなことを作者様も書かれていましたので、期待しています。

1

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