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表題作白衣とダイヤモンド

医療事故で大学病院を追われた開業医・鹿野
クールな高校生・誓也

あらすじ

顎には無精髭、白衣の下はTシャツにジーンズ。
そんな開業医の鹿野にはクールな高校生の誓也も、からかわれっぱなし。
それでもなぜか気になって、毎日鹿野を訪ねてしまう。
そんなある日、偶然知ってしまった鹿野の過去。
彼は医療事故で大学病院を追われたのだ。
思わず熱く憤る誓也に、眩しげに目を細める鹿野。
でもそれ以来、態度が急にそっけなくなって。

作品情報

作品名
白衣とダイヤモンド
著者
榊花月 
イラスト
明森びびか 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199002243
3

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
9
評価数
3
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

このお話好き

このお話好き。
面白かったです。

主人公は高校生。やさぐれてるようでいて、根っこには純粋なものを持っている。
モデルやってる彼氏とセフレの中間みたいな相手がいるんだけど、こいつかどうしようもない俺様です。
そんな男とだらしない付き合い方をしてたんだけど、年上で飄々とした医者と出会い、惹かれてしまう。
簡単にいうと「アホ男と付き合ってたんだけど、しっかりした男に乗り換えました」みたいなお話。でも、それだけじゃ説明できない要素がたくさん盛り込まれてるストーリーなんです。
まず、俺様な半セフレ半彼氏が、どうしようもないやつなのに魅力的なんですよ。尊大な言動の裏側に垣間見える不器用な性格で、腹立つよりも可哀想な人だなって思えてしまう。
彼の問題は解決しない部分が多かったから、彼を主役にしたスピンオフが読みたくなりました。
医者のほうもピカピカのいい人ってわけじゃないんですよね。こういう掴みどころのないキャラ造型、榊花月さんは本当に上手い。かなりタイプです。
主人公はわがままだけど、素直で正直で可愛いし。相手が面食らうほどのストレートさがあったからこそ、成就できた恋なんだよね。愛を得るためにきちんと相手に向かっていくキャラが主役のお話は、すごく気持ちがいい。

1

乗り換え系

レーベルカラーに合わせてか、シリアスめなトーンです。タイトルの白衣はあきらかだけど、ダイヤモンドは何を指すのか、妄想が広がります。

酔っ払って路上で寝落ちした高校生が、近所の開業医に介抱してもらったことから始まる年の差ラブ(年の差率が高い)。

誓也には元同級生でモデルをしている恋人・柳がいるけれども、酔って醜態をさらした自分を助けてくれた奇特な男・鹿野に興味を抱きます。なんとなく誓也がすでにこの時点で気持ちを動かされているのが見てとれるんですよね。

以降、誓也はなにかと鹿野のところに通うようになります。大人の男性がガキの自分をまともに相手をしてくれるのが嬉しくて。飄々としていて容易に心を許してくれそうなのに、急に突き放すように儀礼的な対応をする鹿野に一喜一憂して、誓也はますます構って欲しくなってしまう。

ハッキリしないくせに思わせぶりな鹿野の態度にこそ、彼なりの苦悩が隠されている証拠だったのかもしれないなと、後になって思いました。元カノや親身な後輩が鹿野にとってどういう存在だったのかはさておき、彼らを遠ざけて誓也をとる決断をどう思うかはそれぞれかもしれません。鹿野はしがらみや世間体に縛られない自由な男なんですよね、結局は。誓也の真っ直ぐさに絆された感じもしますが、それもまた彼の度量なのかな。

誓也も柳との関係が苦しかったのかもしれない。そこに、自分を甘えさせてくれそうな大人とたまたま出会ってしまったのは渡りに船だったのかしら、、

恋人がいながら別の人に惹かれていく展開は嫌いではないんですけど、元カレのキャラによって印象が左右されるかも。本作の柳は、恵まれつつも満たされない不憫なタイプだったので、どうか救済してあげて欲しいと切実に願ってしまいました。

明森びびかさんのイラストがよかったです。好きだなぁ。

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