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表題作玻璃の花 紅蓮の章

蘆屋道満,獣の刻印を持つ下法師
瑞慧,高野の「玻璃の堂」に封じ込められた阿闍梨

その他の収録作品

  • カバー下:特別企画(描き下ろし)

あらすじ

鬼の血を引く燚[イツ]に欲望のままに襲われ、交わってしまった瑞慧は、その代償として双子の兄、春宮・敦明の身代わりに人形[ヒトガタ]となった。
防ぎきれないほどの呪詛に晒され限界に達していた瑞慧を守ると決意した燚は隠し名をつけ、高野山にむかった。
化生の外法師・蘆屋道満の誕生である。瑞慧と交わった道満には彼を狙う術者の気配がわかる。
道満が汚れ仕事を請け負い、術者を狩り出したおかげで瑞慧の苦しみが永く続くことはなくなった。
だが、呪詛がきかないことに業を煮やした左大臣・藤原道長はついに安倍晴明を召し寄せた。

道満と瑞慧、ふたりの再会後の描き下ろしを加え「玻璃の花」堂々の完結!!

作品情報

作品名
玻璃の花 紅蓮の章
著者
稲荷家房之介 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
シリーズ
玻璃の花 雪花の章
発売日
ISBN
9784813031390
3.9

(28)

(5)

萌々

(19)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
108
評価数
28
平均
3.9 / 5
神率
17.9%

レビュー投稿数9

迸るエネルギーに圧倒される

 最後まで勢いが止まらない、ハードな時代物の作品でした。前巻では謎も多かったイツとスイの過去。相手を大事に想うあまり、イツを自分から切り離すことを選んだスイ。それがイツの未来を守る唯一の手段だったとはいえ、離れるくらいなら死んだ方がましだったというイツを見て、相手のための選択って究極のエゴイズムでもあるよなぁとしみじみ感じました。

 一方で、イツはそんなスイの願いに反し、彼の元へ戻ることを選ぶ。自分の欲求に常に真っ直ぐな彼には好感が持てました。元々晴明側のスピンオフということもあり、スピンオフ元を読まないと、晴明についてのもやもやは晴れなさそう。イツとスイの関係は綺麗にまとまっていましたが、他の登場人物達についてはすっきりしないところも。ただ、これだけの熱量を持って描かれた時代物は貴重ですし、稲荷家先生の技量と愛はすごく感じられました。

0

ラストまでドラマチック

下巻もよかったー
愛だよね。ちゃんとBLだった。
お互いを想い合う強い強い気持ちに感動しかありませんでした。

スイとイツの復讐に胸熱。
都を滅ぼすとか貴族を殺すとかそういう方法じゃなく、二人で普通に出会って生きていくこと……
それこそ、最高の復讐だよね。最高!
晴明の苦しさや淡い恋心?も明らかになり、それさえも昇華してしまうラストが素晴らしかった。

そして、やっと再会できたその後を描き下ろしで読めて嬉しかったです。
絵もきれいでストーリーも素晴らしかった。
また読み直したいと思える作品でした。


1

もう少しの未来の彼らが見たかった

紙本
修正…描写なし
カバー下…ミニキャラ
カバー折り返し部分…コメント
あとがき…なし

0

話はおもしろいのに…

『雪花の章』の続きの話となるので、まずはそちらを読むことをオススメします!

突然、しょっばなから強姦(途中より和姦となりますが)シーンではじまって、なになに〰っと思っている間に高野山の僧達に襲われてしまい、状況はさておき、やっと結ばれるシーンが見れたのに余韻もなく終了。えええ〰ん。
しかし、一方的に食い殺さんばかりに始まり、ほんの一瞬のような繋りなのですが、泣きながらも血、肉の欲を抑えれないイツを全身で受け入れようとするスイの姿、そんなスイに心を取り戻していくイツ、苦しい程にお互いを大切に想う気持ちが溢れて出ていてぐっときてしまいました。

孤独な二人が出会ってしまったことにより、いろいろな人間の思惑からは外れてしまい、また、二人自身をも苦しめることになるのですが、最後まで相手のために自らを犠牲にして生きていく姿はとても切なくて胸を打たれます。

しかし、以前に描かれた作品の中で対立する安倍晴明にいろいろなエピソードがあるようなのですが、この作品では道満との因縁や晴明の幼少期の話がほとんど描かれておらず、もう少し明らかにされていると対立関係が際立って面白かったのに残念。
その本が手に入りにくそうな本なだけに、丁寧に描いてほしかったです。

さらには『雪花の章』で登場してきた人物も、話が面白く膨らみそうな伏線も、終始あまり活かされずに終わってしまい、せっかく魅力的な人物像やストーリーが出来上がりそうなのにもったいないなぁ~と感じました。

そして、二人が結ばれるのが和姦シーンだけで、心から結ばれたいと願って抱き合うシーンがないのが何より残念…脱いだだけでも匂い立つ色気があるスイが愛されて乱れる姿なんていったいどんだけエロいんだろう…見たかった〰っ‼

上下巻じゃなくてもっと長い作品で読みたかったです。絵が美しいのは言うまでもなく、とてもよく練られた話だっただけに本当にもったいない…という感が否めない作品でした。

3

ちょっとは わかったよー♡

レ〇タさんのけち。
今日までずーっと指くわえてまってたんだから、
もうちょっと特典つけてくれても よくね?
紙だったらあったというカバー下、私見れないじゃん(怒)
そりゃ電子限定2Pあったけどさ。カバー下ー。。。

電子限定2Pは 平穏な日々を取り戻して間もないころと思われる二人の
就寝前のしみじみシーン(肌色と思われる)。
平穏になったことを少しずつ実感しはじめたのかな、受けさん。
幸せになってね・・・

で、読みましたーお姐さま方が、2巻読んだらわかるっていうし
先生大好きだし、受けさんキレイだし、
大好きな稲荷家先生の手になる「おっさん」いっぱい出てくるし
(坊主だけど 笑)、要は 我慢できなかったし。

3回連続で最初から最後まで読んで、1巻ももう一回振り返って、
ようやっと得心いきました。
馬鹿な私でもなんとか得心いったので、躊躇っておられる方がおられましたら
是非tryしてください。
すんなり超感動もの にはできなかったですが、(私の頭の悪さのせい?)
1巻2巻通してよむと、頭に入るし、いいもんはいい。美しい。
耐えてみせる、この苦行っって気分でした。読んでよかった。

ただすべての伏線が回収できたか と言われると、消化不良を感じます。
あの白拍子はどうなった?攻めさんの鬼の血はどうなった?
清明のあの気持ちはどうなった?絶版本と同人誌を集めるしかないのか?
いや余韻はんぱねーという終わり方に耐えられる方なので、
全くもって許容範囲でしたが、もうちょっとでいいので、
あまんあまんシーンをご褒美でいただきたかった。
ご褒美ほしい。
あまんあまんでない話でもいいから もうちょっと読みたい。

今回は不満たらたらレビューで申し訳ない。
本当に電子は便利ですが、今回はうーん文句たれる。
見開きがずれてるわけ。レ〇タさんだけ?こんなの気になったの今回初めて。
今までの他の本もそうだったのかなあ?
大学生のノートのコピーじゃないんだからさ。
見開き、ちゃんと1枚にしてほしいなあ・・・・・ずれると哀しいじゃん。
うつくしーーーーーーーーーーい絵なのに(TT)
 
や、そりゃ紙でもずれて見えるだろうけど、
紙だったら物理的にしょうがない と諦められるが
電子データでなら1枚になるだろう?という思い込みがありまして。
改善できないのかなあ。美しい絵は美しく見たい!

不満たらたらレビューですが、稲荷家先生、大好きです!
(某作も心待ちにしております)
今後もますますのご活躍をお祈り申し上げております!
ほんとです(泣)

3

ネタバレなし

雪花の章の方でもレビューしたのですが、やっぱり上下巻ではページ数が足りない。面白いんだけど、長編のダイジェスト版という雰囲気なので、ラストシーンがめちゃくちゃアッサリしている。ストーリーも絵も素晴らしいのに、題材が題材だけに長編では描かせてもらえないんでしょうか。人を選ぶと言うと言い過ぎですが皆が好んで見るネタじゃないですもんね。

『雪花』のほうではまだ明らかになっていなかったアレやコレが一点に繋がってなるほどそういうことなのね。前巻もそうですが時系列に沿って進まないので下巻も見ないと全てを理解できないし、雪花で心が折れた方がいるでしょうが是非こちらも読んでほしい…面白かったです。

2

下巻を読んで、初めて完結するストーリー

前作『玻璃の花 雪花の章』が発売になったとき、絵柄と世界観の美しさに惹かれて購入しようか悩んだのですが、1か月後に続編の『紅蓮の章』が続けて発売されると知り続編が時点で買おうと思っていた今作品。上巻にあたる『玻璃の花 雪花の章』と2冊まとめてのレビューです。




『玻璃の花 雪花の章』を読んだけれど、話がさっぱり分からない。もしかして何かの続編なのか?と思わず検索してしまった。すでにレビューしてくださってる腐姐さまのレビューを読んで納得。なるほど、スピンオフ作品だったのか…。がしかし、それを差し引いても何がなんだかよくわからない。

蘆屋道満や安倍晴明、藤原道長といった、歴女であればきっと心惹かれる登場人物たち。けれど私はあいにく歴史にはあまり明るくなく、もしかしたらそのせいなのか?と思いつつ、取り合えず続編であり完結編でもある『紅蓮の章』を読んでみた。

うん、この作品は『雪花の章』を読んだだけでは話が分からない造りになってました。『紅蓮の章』まで読んで、やっと理解することができました。
って、もしかして私だけ?と思ったりもしたのだけれど『雪花の章』のレビューを拝見するとそういう方って案外多そう。

『雪花の章』で理解しきれず挫折した腐姐さま方、ぜひとも『紅蓮の章』を読んでいただきたい。
もうもう、圧倒される世界観を堪能できます。

スイの出生の秘密と、壮絶な過去。
そして、こちらもまた哀しい秘密を持ち孤独に生きてきたイツ。
孤独を抱えた彼らが、共鳴し合い、そして惹かれあう二人の壮絶な愛情が、切なくもあり、儚くもあり、そして美しかった。

ただ欲を言えば、過酷な人生を歩んできた彼らの最後のシーンがあっさりしすぎだったと感じたこと。幸せになったその後の彼らのシーンもみたかった。
それと、登場人物たちの感情の機微が端折り過ぎていた気も。もう少し巻数を増やして、それぞれについてじっくり描いてほしかったな、とも思ったりしました。

上巻である『玻璃の花 雪花の章』だけなら評価は中立なのですが、『玻璃の花 紅蓮の章』とまとめて2冊の評価は萌え×2。です。

5

ドラマチック 平安 ファンタジー!

蘆屋道満を主人公とした、美しい絵で迫力満点に描かれるファンタジー。

前巻『雪花の章』は、その世界感や迫力に惹きつけられながらも
スピンオフだからか(絶版中の前作がある模様)、こういう描き方なのか、
あまりに端折っているところが多くて訳の分からないところが散見したこと、
に加えて安倍清明への思い入れがあって集中力を削がれたが、
この後半は文句なく引き込まれた。

東宮と双子として生れ、生後すぐに命を奪われるはずだった瑞慧(スイ)は
東宮への呪詛を引き受ける形代として、生きることとなる。
本当ならば誰とも触れ合うことはならない身ながら、
雪の中行き倒れていた少年を拾う。
その少年燚(イツ、後の道満)は長じて慕う心が溢れ……

少年を助けるため、終わりのない苦しみの中に身を投じるスイ。
血を交わらせたことによって、
離れていてもスイの苦しみを感じる少年こと道満。
スイは記憶を失うが、決して道満は忘れずスイの元に向い、そして……


前巻で、断片的だった過去が紐解かれ、全体像が大分鮮明になる。
宿命とも言える二人の結びつきが切なく、
呪術や戦いの場面の迫力と美しさのインパクトは凄い。
流石に稲荷家さん。
タイトルになった玻璃の花の意味とイメージも美しい。

運命に抗い、スイの未来を開くために戦い、ようやく二人は……
穏やかで優しい未来を予感させる終わりは、暖かな余韻があるが
願わくばもう倍くらいの分量で描いて頂きたかった。
晴明には晴明の大切な思いがあり、単なる悪者ではないというのは
感じられるものの、作者が男4人という割にはそこがハッキリせず
どうも若干消化不良気味なのは、前作を読んでいないからだろうか?



本編のシリアスさから一転ほっこりの、カバー下や特典ペーパーが可愛い。

カバー下は、登場人物の顔が並んでいて「陣営ごとに分けてみよう♪」
ごちゃごちゃ分かりにくいのは、ご承知なのね、作者様(笑)

ペーパーは(多分)二人が再会後、共に山に籠った頃を思い出しての会話。
話題は当時のご飯。
クスッとおかしく、可愛い数コマの漫画でした。

4

『玻璃の花』完結編

『玻璃の花 雪花の章』の続編で完結編。
道満と瑞慧の間に過去何があったのかより深く掘り下げられると共に、晴明との呪詛合戦に終止符が打たれるという内容です。

鬼の血を引く燚(イツ・現在の道満)を拾い育てていたスイ(瑞慧)。
ある日、成長したイツに襲われ、彼と交わってしまいます。
スイは、イツを殺そうとする僧侶たちから彼を庇い、鬼の血を引く陰陽師・道摩法師に彼を託すことに(※一般的には道摩法師=蘆屋道満とされますが、別人説もあり、本書では後者として描かれています)。
そして、自身は生きたまま双子の兄・春宮の人形(ヒトガタ)となります。

イツは道摩法師の下で修行を積み、やがて道満という名を与えられ独り立ち。
スイを救うため旅に出た、という経緯がありました。

今作で際立っているのは、瑞慧の不憫な境遇と芯の強さ。
大事に育てていた子どもに襲われてもその子を守り抜き、自ら人形になることを申し出る姿は悲しいほど健気。
鬼の血で傷は回復するものの、呪詛を受けるたび喉や目をやられ苦しむ姿はやはり痛々しいです。

そんな瑞慧を救いたい一心で修行を積み、やがて逞しい大人の男性へと成長する道満。
彼の瑞慧との思い出が、晴明の呪いの突破口になるという展開には感動があり、読後改めて読み返してみるとそこここに巧く伏線が張られていることに気がつきます。

晴明の処理の仕方についてはやや消化不良感が。
彼にも大事な人や思い出があったことは分かりますが、描写が少なすぎて今ひとつ共感できませんでした。
彼がスピンオフ元作品の主人公である以上、完全なるヒールとして描く訳にはいかず、かといって大きく負けさせる訳にもいかなかったのかな、と裏事情を勘ぐってしまいたくなる結末だったように思います。

脇キャラの設定や呪詛合戦の理屈など、相変わらずよく分からない箇所はありましたが、画力や台詞回しの上手さに魅せられ、前作同様最初から最後まで世界観に浸ることができました。

甘いシーンはないものの、今度こそ幸せになれそうな二人の姿を見ることができて安堵できる完結編だったと思います。

11

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