職場の先輩を真昼間から口説くなんて、どんな神経をしてるんだ…!?

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表題作束縛志願

泉宗司,融資課3ケ月目の大沢の後輩,26歳
大沢啓一、財閥系銀行勤務・融資課2年目,27歳

その他の収録作品

  • 結婚志願
  • あとがき

あらすじ

お堅い銀行員・大沢の悩みは、後輩の泉だ。「捻くれた態度が可愛いですよね」と、なぜか熱心に付き纏ってくるけれど、仕事は有能なので無視もできない。苛立ちを募らせていたある日、ついに泉が「あなたは愛されるのが似合う」と告白してきた!! からかっているのなら、後悔させてやる──勢いのまま、つい了承してしまい!?

作品情報

作品名
束縛志願
著者
秀香穂里  新藤まゆり 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199008702
2.3

(9)

(0)

萌々

(1)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
3
得点
17
評価数
9
平均
2.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

甘やかされて…

仕事は出来るけど人に厳しくて冷たい嫌味な男が、なぜか誰からも好かれる明るくて優しい年下の男にメチャクチャに愛されて変わっていく、という話。
表題作の初出は2004年とのことです。

効率第一・合理性第一で周囲の人間との馴れ合いが煩わしいと考えていた銀行の融資課勤務の大沢は、最近イラついていた。それは同僚の泉がいつも気さくに話しかけてきて、それどころか「大沢さんは可愛い」と小声で囁いてくるから。
その上『大沢さんは誰かひとりのひとに深く愛されるべきです』と言われ、いきなりキスされて『好きなんです』と告白され。
大沢はわざと泉と交際して後でこっぴどく振ってやろうと考えますが、2人でたわいない時間を過ごすうちに変化してきます。でもそれを自分で認められず酷い言葉を投げ掛けて泉を傷つけてしまう。
距離を置く泉に、物足りなさと後悔を感じ自分も泉が好きなのだ、と認める大沢。
ノンケで独りよがりだった大沢が泉に甘えるように変わるのが少し急なように感じ、またHも初回から最後まで行ってしまう、更には初回から後ろで感じてしまうのも早いような気が。泉は大沢にとことん優しいのですから、触りっこまででもよかったかも…。
進藤まゆり先生のイラストはとても良いです。泉がメガネワンコなのが良いですね。また、口絵のスポーツクラブでの2人、水着でシャワーの中抱き合いキスする2人がいい〜!

「結婚志願」
書き下ろしのこちらは、付き合って半年の2人のお話。
随分自分の感情を表すようになってきた大沢だけど、泉の方は将来は同居したい、結婚したい、周囲に話したい……大沢は同性愛である事や堅い銀行員という仕事との兼ね合い等でそこまで思い切れない。そんな時泉が酷い風邪をひいて…
泉不足の中で泉が大切な恋人だと思い知り、大沢も甘々でそして2人の楽しいこれからを期待する、そんな男になりました。
もちろん!こちらでのHシーンは恋人同士の甘さと熱が非常によく伝わってきます。

0

年下男に甘やかされる銀行員!

秀さんのお仕事BL、しっかり骨組みされていて
とても読み応えがあるんですが
今作はちょうどいい塩梅の比重で、
というよりはラブが強めだったかもしれないので非常に甘かったですww

顔と仕事ぶりは良くても愛想のない銀行員・大沢は
自分とは逆に周囲への気遣いをとつなくこなし、
仕事も出来る後輩・泉に
毎日「可愛いですよね」などと小声で言われうっとおしく思っていた矢先、
泉の歓迎会で本気の告白と熱い口づけを受けてしまいますが…。

大沢が最初結構嫌なヤツでしてね…。
可愛げが無くてツンケンしていて泉はどこに惚れたんだろうって
つい思ってしまうくらいでした。
しかも泉と付き合うと了承したのは
泉をぎゃふんと言わせてみたかったからなんてヒドイ…。
まぁ確かに同じ男からするときっと出来すぎな後輩って
目の上のたんこぶ的なヤツかもしれませんけども。
料理も出来るとかハイスペック過ぎ…。

泉は大沢の嫌味にもめげず、ひたすらに好意を示してくるので
ベタ惚れもいいとこだわ…と呆れに似た心境でしたし
徐々に大沢の殻が剥がされていく様子に興奮してしまい
めくるページを止められませんでした。

自分が変えられている自覚がありながらも一度つき離したシーンは
泉の重傷を負ったような気持ちを考えて
ついつられ傷心してしまいました…。
だからこそ、素直になった大沢が非常に可愛らしかった!!!
ベッドでもこれでもかと甘やかしてくれる泉、いい男です!!
…デカいんだそうです。
(懐もですけどww)

『結婚志願』はタイトルどおり結婚したがってる泉です。
大沢の気持ちもなんだかんだでちゃんと寄り添ってくれていて
安心して見守ることが出来ました!!

同僚の女性・山田さんも、橋本製作所の若旦那も温かい人間で
二人は幸せだなーと微笑ましく、
それこそ昔よりは周囲の理解がすすんでいるかもしれませんが
誰もがそうだというわけではないでしょうから
多少複雑な気持ちにもなりました。

『束縛志願』は2004年の作品だったんですね!
あとがきで驚きましたが
まだ文庫化されていない作品もあるんじゃないかと思うととても勿体ない…。
このように書き下ろして読ませていただいて嬉しかったです!
萌×2寄りの萌です。

5

年下×年上の関係性が素敵な大人カプ

2004年の雑誌掲載作とのこと。
昔の作品ということで内容についてあとがきで謙遜されていましたが、個人的にはとても楽しく読めました。

あらすじ:
銀行の融資課に勤める大沢(受け)は、何かと付きまとってくる1歳年下の後輩・泉(攻め)のことが苦手。
ある日、泉に告白され、後でこっぴどくフってやるつもりでOKするが…

大沢は優秀な銀行員ですが、何でも理詰めで考えたがる性格故に職場では敬遠されがち。
「俺の顔は笑うようにできてないんだ」と本人も自身の愛想のなさについて半ば開き直っています。

そんな大沢を唯一慕う泉は、大沢と同じく優秀ですが、大沢と違って人当たり良く情にもアツいタイプ。
大沢の可愛さを見抜き、
「あなたは誰かに愛されるのが似合うタイプだと思う」
と口説いてきます。
そんな大胆なところもありますが、大沢にちょっと怒られたり拒まれたりするとすぐ謝るあたり、聞き分けの良いワンコという感じ。
黒髪に眼鏡という堅物そうな外見なのに、性格は温厚で健気というギャップに萌がありました。
大沢と付き合い始めても、ご飯に誘う程度ですぐにはコトを進めないところにも泉の人柄が表れていたと思います。

その後、大沢はからかうつもりでOKしたことを泉にネタバラシ。
しょんぼりする泉が非常に可哀想かつ可愛くて、大沢がほだされる気持ちが非常によく分かります。
それまでの付き合いで、大沢が泉の人柄や仕事に対する姿勢、男としての魅力に惹かれていく様子が丁寧に描かれていたので、ほだされ展開に説得力がありました。
そして、ほだされた後の大沢が年上らしく泉を可愛がる姿に萌があり、年上受け設定がよく生かされていたと思います。

書き下ろしの後日談は、将来のことで二人がちょっと揉めるという内容。
マイホームに憧れ、周囲へのカミングアウトも考えている泉に対して、
リアリストな大沢は賃貸派で、周囲へのカミングアウトなどもっての外。
正反対の二人ですが、それぞれがお互いのため未来のことを真剣に考えている姿に萌。
二人の老後やローンのことを具体的にシュミレーションする泉も、
そんな泉のため自分の常識から少し譲歩しようとする大沢も、
どちらも相手への愛があって素敵だと思いました。

全体として、社会人カプの大人っぽさと可愛さを堪能できる素敵な作品に仕上がっていると思います。
挿絵が『他人同士』『大人同士』と同じ絵師さん(新藤まゆりさん)で、メイン二人がタイプの違うイケメンとして魅力的に描かれているのも良かったです。

ちなみに出版社に感想のお手紙を送ると、年末にSSペーパーが貰えるそうです☆

7

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