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表題作青の軌跡 下

三四郎・マキノ、単純で直情型な武官
カイ、プライド高く類稀な美貌の文官

あらすじ

誰のものとも判らぬ命令によって、彼らの乗った船は暴走をはじめた。行く先には、無数のブラックホールが口を開けている。傭兵あがりの武官、三四郎と月生まれの青年、カイは必死で船をコントロールしようとするが…。

作品情報

作品名
青の軌跡 下
著者
久能千明 
イラスト
沖麻実也 
媒体
小説
出版社
桜桃書房
レーベル
Eclips romance
シリーズ
青の軌跡
発売日
ISBN
9784756709127
4.1

(9)

(4)

萌々

(4)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
36
評価数
9
平均
4.1 / 5
神率
44.4%

レビュー投稿数2

謎はとてもロマンチックでした

上巻でもドタバタしていましたが下巻はもっと・・・。
サンドラとロードのバディには問題がありませんが、三四郎とカイは、バディと言っても男性同士(だってBLだもの・笑)
その上、三四郎は士官ではなく傭兵あがり、カイは月生まれの純粋な月人(ルナン)
カイがバイザーで隠している瞳はカレードスコープアイ(万華鏡の瞳)
手当たり次第に相手を誘惑してしまうという優れものです。
しかし、三四郎には効果がない(だからバディに選ばれたのでしょうね~)
ただでさえ、問題ありのセカンドクルーに船が勝手に軌道を変えるという現象が起こります。
純粋な月人に希に現れる「エムパス」の能力で感じたコンピューターの感情と船を呼ぶものの正体。
コンピューターのパスワードに組み込まれた「青を探せ」というメッセージ。
4人の活躍で事故?事件?謎?は、無事解決しました。
特に三四郎とカイはミスマッチと互いに思いつつもバディとしての働きはとても優秀。
これから続く航海も山あり谷あり、楽しいですよ♪

1

SFがキライじゃなければ、是非!

確かにBL作品なのだが、むしろSF作品として楽しめる。
それも、ちょっと懐かしい感じの娯楽性の強い難解じゃないSFの楽しさがある。
 (注:上下巻でひとつの話なので、まとめてレビューします。
  私が読んだのは桜桃書房版エクリプスロマンスシリーズだが、
  幻冬舎のリンクスロマンスで書き下ろしつきの新版が出ていている。)

                :

時は未来、舞台は宇宙を進むスペースシップ「ジュール=ヴェルヌ」。
未踏査の地球型惑星Σー23のコロニーとしての可能性を調査するべく、
コールドスリープによって目的地を目指す科学者達を中心とした調査団を、
無事に目的地まで送り届けるのが、この飛行の目的だ。

危険度が高い旅を最少の人員でこなす為に採用されているのが、バディシステム。
マザーコンピューターによって、心身ともに最高の相性とされた者同士の組み合わせだが
これには予想外の副産物があった。
このベストマッチの二人組は、最高のセックスフレンドでもあったのだ。
この為、多大なリスクを負ったバディ飛行は別名「極楽飛行」と呼ばれていたのだが…

航行を続ける船が、突然予定の軌道を逸れ暴走を始める。
クルーの制御を受け付けず、向かう先はブラックホールが口を開けた未踏査星系。
「青ヲ探セ」という謎のメッセージ。「青」とは…?

登場人物はたったの4人。
傭兵あがりの黒髪の型破りな武官・三四郎と組んだ文官は、
美しい容姿と特徴的なカレイドスコープ(万華鏡)アイを持つ、月人カイ。
背景も性格も考え方も正反対の二人は、出会った最初から反発しあい、
何らかの組み合わせのミスだとお互いバディであることを認めようとしないが、
喧嘩を繰り返しながらも、仕事の上では素晴らしい組み合わせぶりを見せる。

カレイドスコープアイ!!
…といえば、少女マンガの水で育った私は萩尾望都を思い出してしまうし、
そのことによってワクワク感も増そうというもの。

自身が奔放で享楽的な月人であることに嫌悪感を抱くカイは、とことん感情を抑制し、
その魅力的な瞳を常にバイザーで隠している。
かっちり制服を着こんで武装するクールなカイが、
思わず三四郎の前では感情を表してしまうのが可愛いというか、今後楽しみというか(笑)

それにもう一組のバディ、赤毛のナイスバディ美女で武官のサンドラと
穏やかな文官ロード。
この脇役2人を含めて、登場人物4人が魅力的だ。


ブラックホール突入までのタイムリミットのある中、
協力して困難に立ち向かう4人の奮闘ぶりもスリリングに面白いし、
また最後に判る、ブルーの謎にまつわるロマンチックな物語も悪くない。
(D.BOWIEのSPACE ODDITYのイメージが浮かんだ。)

BL的には一応最後にHに辿り着くのだが、正直それはあってもなくてもいいかもw
非常に意識し合っている二人が相互理解へと一歩踏み出したところ、程度の話で
まだまだLOVEには遠いのだが、シリーズは先が長いようなので
二人の関係の変化を楽しみに読み進めていこうと思う。

「彼らの旅は、まだ始まったばかりなのだ。」


※オマケの小ネタ
 カレイドスコープアイについて、作者は後書きの中で
 「出典は世界で一番有名なロック(かなあ?)グループの曲」と書いています。
 これは言わずと知れた今年デビュー50周年を迎えたビートルズのこと。
 かの「Lucy In The Sky With Diamonds」の中の、
 「A girl with kaleidoscope eyes」という一節からとったものでしょう。

4

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