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表題作愛にできない恋はイヤ

岡田優真 花屋
横山尚輝 サラリーマン

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

ノンケの年下花屋×ゲイの傷心リーマン
彼氏にフられた横山が自暴自棄になっていたとき、偶然会社に配達に来た花屋の岡田。
人懐っこく、天然タラシな年下はあっというまに横山の心の隙間に入り込んで、惜しみなく好意を向けてくる。
弱っているところに与えられた優しさに甘え、酔った勢いでセックスまでしたけれど、
岡田がもともとノンケだと知っている横山はその気持ちは偽物だと突き放し…。

作品情報

作品名
愛にできない恋はイヤ
著者
花川ちと 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
ISBN
9784758076647
3.3

(20)

(1)

萌々

(7)

(10)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
65
評価数
20
平均
3.3 / 5
神率
5%

レビュー投稿数3

「ずっと」という保証

「俺だけを愛し続けるって約束がほしい」
これって性別に限らず、誰もが願うことだと思うんですよね。
でも約束は目に見えないし、気持ちだっていつどうなるか、自分ですらわからない。
だから「信じる」のだろうし、「信じられるようにする」んだろうな、と考えさせられました。

5年付き合った上司に「子供ができた」と言われてフラれた横山。
泥酔していた横山に手を差し伸べてくれた岡田。
この2人の話です。

ノンケに恋すると相手は選択肢が倍になるわけだし、不安は絶えず付き纏う。長く付き合った相手に子供ができて別れた後なら尚更臆病になる。
横山の相手は2年も二股していてどちらも大事で選べなかった、と言うのですが、結局女性相手だと「子供」という選ぶきっかけがあるわけで。「結婚」はある意味「ずっとあなただけを愛し続ける」という約束を形にしたことになるんですよね。
ふたつとも横山には無理という現実を突きつけられたあとで、ノンケの岡田を受け入れるのは簡単なことではないのは痛いほど分かる。

上司も嫌なやつなんだけど、横山を大切に想っていたのも嘘ではないと思える場面が2つほど出てきます。なのできっと付き合っていたときは大事にされていたんだろうな、と思うと余計にやるせない。
ノンケを攻めにしておくのがいけないんだと思いませんか?
ノンケと付き合うなら否応無しに受けに!よく「こんな体になっちゃって、もう女抱けないだろ?」(どんな鬼畜攻めだ)みたいなのがあるじゃないですか。ノンケを落としたら女性と入れ替われる位置にいちゃいかんのだろうなあ。

つらつらと余計なことを言いましたが。

4話目がすごくいいです。
自棄になって寝てしまったあとの2人の衝突とその後のバーのママとのやりとり。
横山を好きだという気持ちだけで突っ走ろうとする岡田に、横山は必死でブレーキをかけようとするし、岡田のすぐバレる嘘も、そこまでしてでも伝えたい気持ちを否定する横山の臆病さも、ひとを好きになるってこんなにしんどいことだったか!と思うくらい激しい。
107ページ、きます。何かがすごくきます。

個人的には岡田の友人(バイ)がずっと岡田を好きでチャチャを入れてくる展開を予想していましたが、特にそれはなく。友人の台詞に「…」が入っていたり、匂わせてた気がするんだけどなあ。

描き下ろしでは元彼とニアミスしますが、どちらもおしあわせに。

1

あっさりした展開

ゲイのサラリーマンと、年下の花屋のお話です。
カップリングは花屋×サラリーマン。

5年間付き合っていたノンケの男に振られた受けは、道端で酔いつぶれていたところ、通りがかりの攻めに声をかけられます。その後日、偶然再会し、友人づきあいが始まります。

ノンケ年下×年上ゲイで、受けはノンケの男に振られたばかり。そう聞いて、ほぼ予想がつくとおりの展開でした。攻めが受けに惹かれて告白するも、受けはいつか攻めが家庭を持ちたくなる、と思って身を引くという…。新鮮味はあまりありませんでした。
引いたあとも、再び受けが攻めに会いに行ったらそこに攻めの母親がいて、どういう関係か言えない、というエピソードがあったのですが、いざくっついたあとに母親へのカミングアウトなどがあるわけでもなく、のほほんと同棲する予定を立てていたりするので、母親どうなったん? と思ってしまいました。

でもワンコな攻めは好感が持てるし、ギャグ絵が可愛らしく、ビジュアル的には楽しめました。
攻めの友人のバイの男の子が出てきて、攻めが受けとのことを相談したりしていたのですが、ゲイとノンケとバイの違いを説明しただけで終わっちゃってもったいなかった。密かに攻めのことが好きだったという当て馬展開や、煮え切らない受けに「そんなことなら僕が攻めのこともらっちゃうよ」的にたきつける役割とか、色々使えたでしょうに。
ノンケとゲイの解説をさせるためだけなら、スマホで調べる程度で事足りるんでは、と思いました。

2

恋じゃなく愛が欲しい



サラリーマンの横山尚輝(受け)が彼氏に振られやけ酒を飲み道端で吐いていると通りかかった男性に声をかけられます。スルーして帰るのですが、次の日二日酔いで出社すると、昨日声をかけてきたのが花屋の岡田優真(攻め)だとわかるのです。
恥ずかしい思いをする尚輝ですが、その日の帰り三度優真に再会します。それ以来親しくなり、優しい優真に心が癒され、酒の勢いもあって関係をもってしまう尚輝ですが、ノンケだった元カレに子供ができたと振られたためノンケは好きにならないと決めており、優真の「好き」を信用できません。

絵はとてもきれいだし、ギャグ絵もかわいくてよかったです。
彼氏にふられ、その隙間に攻めが入ってきてくっつくというある意味王道展開です。王道は安心して読めるのでとても好きなのですが、ちょっとあっさりした感じで、もう少し何かあってもよかったんじゃないかと思いました。

例えば、優真の友人。尚輝のことが気になる優真はバイの友人に話を聞いてもらうのですが、いきなり呼び出して飲みに行くのです。彼のことはバイで後輩だということ以外何もわからず、話を聞いてもらい、バイ・ゲイ・ノンケの説明をするだけというなぜ登場したのかわかりません。ちょっと意味深にも見
える表情だったので実は優真のことが好きだったとか何かあるのかと思ったのですが、それもなくせっかく登場させたのにもったいなく思いました。
また、優真の母を見て逃げるように去ったシーンがあったのに、最終的には一顧だにしてないし。


それに、「本当に愛してたから言い出せなくて」と2年も二股かけた元カレが何も失わず幸せにしている姿にももやっとしました。不幸になれとは言わないけど、ちょっと困るくらいあってもいいんじゃないかと思いまいした。

といえ、一度傷ついた尚輝が再び人を好きになり幸せになる姿はとてもよかったと思います。


2

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