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宮廷絵師と子爵、もしくは暗殺者と泥棒

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表題作宮廷絵師と子爵、もしくは暗殺者と泥棒

クライン・モンシャル/子爵/27,8歳
オーレリー・バラティエ/肖像画家/23才

あらすじ

国王直轄である守衛隊の長官を勤める異母兄の下、暗殺者として働くオーリ。
肖像画家として、その腕と美貌で貴族たちの館を渡り歩き、
目的のためには身体を利用することすら厭わない。
幼い日に身寄りを喪い、ひどい境遇にあったのを救ってくれた兄の役に立ちたくて、自ら志願したのだ。
一方、子爵でありながら、不正に私服を肥やす貴族から金品を奪う盗賊のクライン。
あるパーティーで出会った二人は、互いの正体を知らないまま惹かれ合うようになるが――。

作品情報

作品名
宮廷絵師と子爵、もしくは暗殺者と泥棒
著者
水壬楓子 
イラスト
Ciel 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796410250
3.8

(8)

(2)

萌々

(3)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
31
評価数
8
平均
3.8 / 5
神率
25%

レビュー投稿数2

ピカレスクロマンとは?

あー、おもしろかった! すべての謎が解けて、ラストシーンにニンマリして読み終わりました。

タイトルを見ると、えーと、つまりぃ
宮廷絵師で暗殺者である登場人物と、子爵で泥棒である登場人物が出てきて、恋愛するんですか?
→その通りです。
………………
だけだったら、ちゃぶ台ひっくり返して暴れるところです。
幸いそれだけではありませんでした。
当然、恋愛を縦糸に、
横糸は、近世ヨーロッパ風の架空の国の宮廷陰謀劇&ピカレスクロマンであります。
<以下、ネタバレがあります。>



オーリことオーレリは、貴族たちの家々を転々として仕事をする肖像画家であるが、実は法では裁けない悪辣な貴族を密かに弑する暗殺者であった。かつて、オーリは家族亡きあと悲惨な生活の末、ついには男娼宿に売られた。そこから、オーリを見つけ出し救い出してくれたのが、異母兄・アシルである。
守衛隊長官であるアシルのためなら、オーリは何でもする。それがたとえ暗殺であっても…
ある晩、クレモンテル伯爵の館でのパーティーの裏で、オーリは伯爵を始末することになっていた。しかし。彼は既に何者かに殺されていた。
守衛隊の捜査の中、平民の画家に過ぎないオーリは、アリバイを証明する手立てがなく追い詰められた。そこへ
「ああ…、私が一緒だったんだ」
と、ある男が声をあげた。クライン・モンシャル子爵。「ベッドの中で」と。……
その後、オーリは肖像画家としてクラインの館に入り込み(クラインはオーリを自分の元におびき寄せ)、クラインの肖像画が出来るまで「かりそめの恋人」の関係を結びつつ、双方からクレモンテル伯爵殺人事件から始まる謎に迫っていきます。そして、ついには王家の秘密にまで…

水壬さんのこういうタイプの小説は、登場人物を描かれているそのまま受け取っては、後でひっくり返されるんですよねえ。「この人は実は?」「この人は実は?」と探り探り…。しかも今回の本は受け攻めの交互視点。事件の謎の予想を立てるのが難しかったです。
実際、私の予想は大はずれでした。
でも、最後のどんでん返しでは、すっきりしましたけど。
実は、私の一番の大はずれは、「アシル兄ちゃんはきっと悪い奴だ」と思っていたこと。だって、せっかく地獄から救い出した異母弟・オーリに、身体を使わせたり、暗殺なんかさせているんですもの。きっと、オーリをうまく甘い言葉でだまして、汚い仕事をさせているに違いないわ!
……でも、
アシル、本当にいい人でした。
なんか納得がいきません。本当にいい兄なら、弟にそんなことさせんなよ。
「それは、実はね!」なーんて、アシル兄ちゃん側の事情とか秘密とかで、続編が出ないかな。

本書は、悪漢が主人公であるピカレスクロマンの形なのでしょう。
読了直後は気にならなかったのですが、時間が経つにつれだんだんじわじわと、私はオーリの暗殺者という立ち位置に抵抗感を覚えてきました。
なーぜか、私はクラインが泥棒をしていくのはかまわないくせに、オーリが対象が悪人とはいえ暗殺者として殺人を重ねていくらしいことには、抵抗があるのです。
やっぱり、クラインの方には、義賊であるらしい描写があるから許せるのかなあ。

5

愛情欲しい欲しいやんちゃ猫

某先生の表紙で どうよ と思うことが多いですが、
この表紙も お尻見えてるやん 手どこ添えてんの・・・ です。
ま、これぐらいだったら全然ok~リアル書店で購入可です。
水壬先生の書き下ろし277P+あとがき+Ciel先生のあとがき でした。
関連作ないと思います。

内容は 私が読んだことのある水壬先生のお話の中では
ややピンク度高め。やりっぱなし というようなどピンクものではないです。

舞台は 架空の国の王宮。飛び道具、自動車が出てこないので、
17世紀、18世紀などの印象。
国王がいるのと宮廷でのラブアフェアがちらちら出てくるので、
個人的にはフランスっぽく感じました。
そんな王宮での事件もの。

登場人物
オーリ:人目をひくかなりの美形。はちみつ色の明るい髪、
    少しくすんだ緑の瞳。
    愛嬌あり。肖像画家。強気やんちゃさん。
クライン:野性味ある黒髪、ダークブルーの瞳。
     未婚女性以外は何でもこい!な遊び人。子爵。
アシル:王様のお気に入りの忠臣。伯爵、守衛長官。知的で涼やかな容姿。
あと、クラインの執事、王子、王女、王弟、王姉や 伯爵、男爵・・・
宮廷オールスター状態かな。
でも あんた誰 は無かったです、色々特徴あるので。

クラインが百戦錬磨、自由奔放な遊び人であった理由が今一つ分からず
単なる女好き、男好きやったんかいな。。と気になりました。
読み取れず。節操ない奴はあまり好きではないんだよな・・・

オーリは小さいころに母親を亡くしていて、酷い体験多数。
オーリを救ってくれた兄に、ほんと感激でした。
えらい、このお兄ちゃん。しかも頭よさそうだし、カッコいいし、
クラインより こっちのお兄ちゃんの方がいい味出してるやん と感じました。
あ、単なる好みだと思いますが。
お兄ちゃん、2回挿絵あります、1枚目は個人的神絵。うっとり癒される~
このお兄ちゃんのおかげで萌。

お話としては、オーリが危ないことを継続するみたいだったので
あまり好きにはなれませんでした。
必殺仕〇人的なことは、やっぱ受け入れ難かったです。
そういうことを続けるオーリの想いも 理解はしますが
できれば恋人が やめとけ と言ってほしかったです。

ということで 色々キャラに引っかかってしまいました。
先生、お兄ちゃんの方で もう1作書いてくれないかなあ。。。
お兄ちゃんがいいー

6

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