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表題作好きといわないで

旭川・同僚に迫られた受様を助けた企画部一課長
椎堂綾人・総務から花形部署の企画部一課に異動になる

あらすじ

椎堂綾人は入社以来親しんできた総務から、突然エリートコースの企画部へ異動となった。
人づきあいが苦手な椎堂は外交的な企画部に慣れずにいたが、ある日、同僚の三浦から強引にキスを迫られる。
窮地に陥った椎堂を救ったのは強面の課長・旭川だった。
旭川は怖いが筋の通った人で椎堂は気に入っていたのだ。
だが、ある接待の夜、酔い潰れた椎堂は無理矢理旭川と身体を重ねることになり…。

作品情報

作品名
好きといわないで
著者
火崎勇 
イラスト
杜山まこ 
媒体
小説
出版社
茜新社
レーベル
オヴィスノベルズ
発売日
ISBN
9784871825481
3

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
6
評価数
2
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

題名そのままの内容

丸ごと1冊表題作です。

椎堂(受け)目線で進んでいきます。
顔は良いが、無口で愛想の無い椎堂(24歳)は、ある過去から「好き」という感情に脅威を抱いている。平穏で単調な毎日を望みながら過ごしていたのに、会社では異動が決まり、祖母・華子が倒れて入院。同僚の三浦には言い寄られ、現場に居合わせた課長の旭川(攻め)に叱られる。そんな中、接待で酔いつぶれた夜に旭川に襲われて…という話です。

序盤の旭川に襲われる場面で、「死ぬほどのことじゃない。過ぎてしまえばただの思い出に変わる」という椎堂の思考が、母親から幼児虐待を受けていたためだと分かると切なかったです。

椎堂は怯えると身体が硬直してしまいます。ところが、襲う方には「抵抗しないということは、嫌じゃない、OKなんだ」と思われてしまいます。この考えが、現実社会の「嫌よ嫌よも好きのうち」だとかほざく男がちらりと浮かんで、ちょっとリアルに思えました。

最初は強引に抱かれたものの、それからは優しく何かと力になってくれる旭川に、椎堂だけでなく、読んでいるこちらも癒されます。

母親から「好き」だと言いながら殴られていた椎堂は、「好き」なのに酷い目に遭わされることが怖い。旭川が自分を強姦したのは、怒らせたからだ。好きだからじゃない。「好き」と言わないで欲しい。
と、題名そのままの内容でした。

椎堂の心中の言葉が多めではありますが、日記をつけていたり、三浦に迫られたことを本当に忘れていたりと、退屈なキャラには思いませんでした。ただし、コミカルさはありません。シリアステイストですが、旭川が椎堂を大切に思っている様子が伝わってくるので、辛さはありません。

企画を練っている様子もあり、仕事を放置して恋愛に悩む自分勝手な主人公じゃないので、好感が持てます。

頼りがいのある年上攻めが好きな方は読んでみてください。

3

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