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表題作四月になれば僕らは

後輩高二生・大日向結
転校してきたばかりの高校三年生・桜井八紘

あらすじ

転校してきたばかりの高校生の八紘は、隠れ煙草中の温室裏で出会った、ふてぶてしさ全開の後輩から、「すげえきれいじゃん」というセリフとともに突然キスを受け、クールを装いつつも内心大パニック…!なのにどうした因縁か、そのセクハラ野郎、大日向の所属する園芸部に入部させられることになり…。
意外にもこの大日向というヤツは、園芸部のホープで―。
せつなく眩しく…TRUE LOVE書き下ろし。

作品情報

作品名
四月になれば僕らは
著者
鳩村衣杏 
イラスト
石田育絵 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
アズ・ノベルズ
発売日
ISBN
9784872573305
3.5

(4)

(1)

萌々

(1)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
13
評価数
4
平均
3.5 / 5
神率
25%

レビュー投稿数1

毎日花言葉を教えてくれる男

鳩村衣杏さんではレア物?の高校生CPもの。
いつもの「お仕事BL」で散りばめられる金言、はあまり見られないかもしれませんが、受けの心理模様が丁寧に描かれていて、年相応の悩み、戸惑い、意気がり、焦り、淋しさ、そんな空気と包んでくれるような恋に揺れ動く感じ。
鳩村作品に余り感じない類いの、いわゆる「胸キュン」を味わいました。

受けの桜井八紘は、幼い頃に両親が離婚し母親の実家で暮らしていたが、すぐに母親も亡くなり祖母に育てられていた。しかし高校生になって祖母も亡くなり、今度は別れていた父親と暮らすことになる。
それに伴って学校も田舎に移るが、その学校は部活動が活発でみんなが色んな部活に勧誘してくる。都会っ子の八紘はそれがウザいし、家族の別れとともに動かされてきた自分の立場が嫌で、高校を出たら誰にも干渉されず1人で暮らしたい、というただの我儘とも言えない一種悲壮な願望を持っていた…父親ともどうコミュニケーションをとっていいか、他人行儀だし。
ある日学校にある温室でタバコを吸っていた八紘は、へんな2年生大日向結と出会う。結は八紘を綺麗だといい、ぐいぐいアプローチしてきて…
結は八紘と違って、家族特に3人の兄達から溺愛されて、大切にされて、それに素直に感謝して育ってきた子です。
心に淋しさを抱え、自分の居場所、自分だけの場所を欲していた八紘に、結の根本的な優しさがどんどん沁みていく。その過程が切なくて、優しくて、少し哀しいんです。
父親にも、今まで仲良くしていた叔母にも、いつもそばにいようとしてくれた結にも、近づきたい、でも反発して、どこに行けばいいのか立ちすくんで、やっぱり結の包容力にすがってしまう、そして結が優しく八紘の心を助けてくれる…
八紘が弱さをちゃんとさらけ出すところが、高校生ものの甘酸っぱさとあいまってこの作品の魅力となっています。

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