傍に在るなら、犬のように

soba ni arunara inu no youni

傍に在るなら、犬のように
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神0
  • 萌×20
  • 萌3
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
9
評価数
3件
平均
3 / 5
神率
0%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
シリーズ
プラチナ文庫(小説・プランタン出版)
発売日
価格
¥533(税抜)  ¥576(税込)
ISBN
9784829622025

あらすじ

施設を出た伸幸に、手紙と地図だけを渡して、母親はまた消えてしまった。地図をたどった先には、ある一軒家が…。そこは、名字も歳もバラバラな住人たちに、ヤクザな家主、オカマの家政婦もどきが一家団欒している変な家だった!しかもそのヤクザ―俺の親父だって!?流し目の似合う男っぷりのいい父親に、ひねくれ少年・伸幸のドキドキな居候生活がはじまった。

表題作傍に在るなら、犬のように

流し目の似合う男っぷりのいいヤクザな家主
ひねくれてるけど本当は素直な少年

評価・レビューする

レビュー投稿数3

BLじゃなくても、良い話だった。

家族とは?
本当の親子の絆とは何か?
って考えさせる、普通にジュニア小説として、良い話だった。

女としてしか生きられない、身勝手な母に、何度も捨てられながら、それでも、子供は親を選べないと、自分の境遇を諦め、受け入れてきた伸幸。
手紙と地図だけを渡されて、尋ねていった先にあったのは、血縁よりも情に溢れた、何とも暖かい所で、、、
それまで、境遇に、ただ押し流され、やり過ごす事だけで生きてきた伸幸も、恭二やユミ矢他のみんなとの短い生活の中で、この場所にあり続けたいと思うようになります。
この家に集まっただれも、血縁に翻弄されてキズを負った過去があったりして、人間の表面から見ただけではわからない部分を知り、ますますその思いを強くするのですが、、、

伸幸が、自分がこの家によこされた理由を知って、もうここでは暮らせない、自分が犬ならよかったのにと、事務所の仮眠室で一人泣く場面が切ないです。
そして、そんな伸幸を一人そっとしたまま、階下の事務所で朝まで待ち続けてくれた純貴。
翌朝、行方が見つかった伸幸の母の所へ純貴につれられて行った伸幸は、結局恭二の家を出て、母と暮らす事続きを選びます。

と、この辺まで、全くBLである必要のない、普通によくできたジュニア小説です

この後、恭二が伸幸を迎えに来てくれるのですが、一応、ここでBL展開に。
伸幸はまだ中学生、対して恭二は背中に錦鯉、逸物にパール。
さすがに一気にどうにかなったりはしません。
恭二の家に帰って、一緒に暮らすようになっても、多分、後数年は、恭二おあずけ生殺し状態のままでしょうね。

1

初めて触れたあたたかさ

家族愛がメインのBLです。
大丈夫大丈夫と気構えて読んでいたにも関わらず、受けの健気さにふいに泣かされた本です。
攻めの顔が強面で墨や真珠も入れていますが、家族が極道なだけで、かろうじてヤクザではないです。
建設会社の社長で、寮に皆を住まわせています。

強面の家主・須藤恭二(32)包容力硬派攻め×中学生・杉浦伸幸(15)意地っ張り健気受け
新しい男が出来る度に母に捨てられて、施設に行くのも一人になるのも慣れっこになっている。
母親から須藤のもとに行けと手紙をもたされて行った先には、不動産屋で働く定信がいた。
家を世話されるのかと思いきや、連れて行かれた所には個性豊かな面々がいて。
ナンパ男の純貴、元気系の悟、小学校位の美少女の花梨、オカマのユミ。
極めつけは、大柄で強面のヤクザみたいな男がいて、それも自分の親父だと言われて。

ヤクザみたいに怖い男に怯えていたのに、絶対におまえを殴らないと真剣に誓われ、初めて会ったにも関わらず、伸幸の事を信用して守ってくれたことから惹かれはじめます。
でこぼこの家族のような皆も優しくて、初めて人の温かさを知ります。
新年に続き願うことは、卒業するまでここにいさせてくださいで。
ここまで世知辛くていいのだろうかと思ってしまう位、平凡でつつましい願いです。
幸せにしてあげたい、なって欲しいと心から思います。

男と別れた母に引き取られてまた捨てられて、伸幸が独りの部屋の中で思う事は、犬になりたい。
犬なら待つなと言われても、ずっと待っていられるから。
人間の伸幸は理性と打算と生存本能があるから、待ってはいられない。
本当はずっと待っていたいのに、そんなことを願ってしまう伸幸がいじらしくて切なくて、たまらない。
いままでの伸幸の孤独な人生を振り返らずには、いられなかったです。
15歳の子がここまで思ってしまう程、心に入れてしまった気持ちが温かい人が恭二で。

受けが15歳だし、無理にエロシーン(受けをイかせるだけ)は入れなくてよかった気がします。
そこだけ、ちょっと取ってつけた感があるのが気になりました。
愛情をわからせるように、ただ力強くぎゅっと抱きしめてあげて欲しかったです。
父親不在の家庭なのでファザコンかもしれないので、もうちょっと時間と年をとってからでいいと思う。
家族は血のつながりでもなんでもなく、大事なのは互いを思い合う気持ちだと心から思わせられました。

エロ:★1 なくてもいい位です。
総合:★4 エロがなければ、★5です。血のつながりのない家族愛の温かさに泣かされます。

1

隠された過去にあるもの……

 母親に連れだされ施設を出た伸幸は、手紙と地図だけを渡されると、また、母親とはぐれてしまう。その地図の通りに伸幸が行くと、不思議な会社に辿り着き。
 そこにいた人に、あっという間に名字も歳もバラバラな住人達の住む家に連れて来られてしまう。
 手紙に書いてあったのは、そこにいたヤクザな家主が「父親」だということで、そこから奇妙な居候生活が始まる。

 最初、ダメな母親を持ったばかりに、施設に預けられ、また引き取られて、血の繋がらない父親から暴力を受けたり……また、施設に預けられて……ということを繰り返していた伸幸はまるで、傷ついた猫のようだったけど。
 だんだん、心を開いて行く様がよかった。
 そこに住んでる名字も歳もバラバラな住人は、それぞれ、過去に傷を抱えてて。
 こういうのきっと、「傷の舐め合い」だとか言うんだろうけど……
 それでも、こういう作品は好きです。
 別にそれでもいいじゃない!! って、本当にそう思う。
 だって、人間にもそういうことって必要だよ!!
 そして、あんまり心を動かさないように、信じないようにってしていた少年が、ちょっと心を動かされて、続きちょっと他人を信じたくなって、ちょっと信じて、ちょっとわがまま言えるようになって……
 ってしていく様は、本当に素敵でした。
 BLだとか、BLじゃない異常に胸に沁みるものが確かにありました。

 そして、最後には、警戒心丸出しだった少年が「犬になりたい」って言ったのは、ちょっと切なかったけど、嬉しかったような、複雑な気持ちになりました。
 それで、本当にワンコみたいで、キュンってきた!

 タイトルから、ちょっとハードな内容を想像していたのですが、そんなのではなく、しっとりした落ち着いた感じの話でした。

 とってもいい作品でした!

1

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