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表題作宝石は微笑まない

鷹本絢太郎・24歳・父を憎んでいる宝石商の息子
森山可威・大学生・宝石商に引き取られた少年

あらすじ

両親を亡くした可威は宝石商の鷹本家に引き取られた。
精悍な紳士である社長の愛人として、欲望に溺れる日々…。
だが可威は、冷たい美貌を持つ息子・絢太郎の陰謀を知ってしまう。
父を憎む絢太郎は会社の倒産を謀っていたのだ。
「父には言えない身体にしてあげよう」絢太郎は父の痕跡を消そうとするかのように、執拗に可威を弄ぶが―。
父子に淫らに囚われる、インモラル・ラブ。

作品情報

作品名
宝石は微笑まない
著者
桃さくら 
イラスト
香雨 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199002595
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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
2
評価数
2
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

どろどろではないけれど

 高校三年生のときに、相次いで両親を亡くした可威は、母が初恋の相手だという鷹本に引き取られた。あかの他人にそこまでしてもらうことはできない、という気持ちもあったが、突然、取り残された可威は、たった一人での生活に疲れ果て、つい、鷹本の申し入れを受け入れてしまったのだ。
 鷹本には冷たい美貌を持つ一人息子・絢太郎がいたが、絢太郎はどうやら父のことを嫌っているようだった。

 一方、突然引き取られた可威には、「鷹本の愛人」という噂が流れていた。そんなつもりで引き取られた訳ではないのに、家事をしようにもお手伝いさんがいるような状況で自分が何も返せないことを心苦しくなった可威は、自ら望んで鷹本に抱かれるようになる。

 そんなある日、可威は鷹本に頼まれて届け物をした絢太郎の部屋で、精巧に作られた偽物の宝石を見つけた。絢太郎は、それを使って鷹本の会社を倒産させようと考えていたのだった。
 それを止めようとした可威は、「父に言えない身体にしてあげよう」と、絢太郎にまで弄ばれてしまう……。
 それでもめげない可威は、絢太郎の仕事の手伝いを名目に絢太郎のことを見張り始める。

 そんな話でした。
 作者さん曰く、お金持ちの世界の「どろどろ」を描きたかったようなのですが、ちょっと微妙に失敗してる感じが……。
 どろどろにするには、あまりにも可威がさばさばしてて、しっかり自分の責任と割り切ってること。でも、割り切ってる割には積極的にそれに身を投じてる訳ではない事。
「生きるため」っていうよりもただの「感謝」でそういう世界に身をおいてること。
 が、これをどろどろにしてないんだろうな……と、思ってしまいます。
“どろどろ”って。
 まず、状況が泥沼なことと、それとは別に主人公が割とうじうじしてることが必要だと思うんですよね。うじうじしてればしてるほど、どんどん物語にはアンダーになっていくと思うから。
 もしくは、泥沼な状況におかれても凛と立ってるような人を書きたいのだったら、もうちょっと積極的に、この場を打開するor利用するような行動を主人公に取らせないといけないような気がします。
 それがどっちも中途半端になってしまっているので(そもそも、状況がそんなに言うほど泥沼ではないし)、あんまり「どろどろ」してる、とは感じませんでした。

 でも可威の性格はとってもいい性格だと思うし。
 お金持ちとの価値観の違いっていうのも、何となく伝わってくるので、それはそれで面白いとは思います。
「どろどろ」を期待してる人には、ちょっと残念なことになってしまうかもしれません。

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セオリー破り

悪い意味でセオリー破りって感じかなあ。
両親を亡くして、母の知り合いに引き取られた可威[受]は素直でいい子なんだけど、引取先では使用人も居て自分がやれる事は無い……って事で何故なのか引き取ってくれた相手に身体で返すんですが先ずそこの思考回路がよく分からない。
引き取った相手が、ほうれほうれ愛いヤツじゃ~って手を出す方がむしろ分かりやすい。
そして会社の取引相手のお偉いさんの爺に差し出される事になるんですがそこも凄くさらっとしてて、ハイそうですかって感じでそこに躊躇いも何も感じられないのですね。
ストーリー自体はある意味セオリーなんだけど、それに対する反応がことごとくセオリーを破って行くので読んでいて??って感じになっちゃいます。
これがいい方に動けば良かったんですが、自分的には何だかなーって方向に行っちゃいました。

息子が父親をそこまで憎む理由というのもイマイチ分からなかったしなあ、いっそセオリー通りにやってくれた方がすっきりしたと思うですよ。

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