カラッポの卵

karappo no tamago

カラッポの卵
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
11
評価数
4件
平均
3 / 5
神率
0%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
徳間書店
シリーズ
キャラ文庫(小説・徳間書店)
発売日
価格
¥514(税抜)  ¥555(税込)
ISBN
9784199002748

あらすじ

一流百貨店に勤める弓川は、紳士用品売り場のフロアチーフ。仕事に燃える毎日だけどある日、高校時代憧れていた石動が、同僚として異動してきた!?凛々しくてストイックな物腰で剣道の好敵手だったアイツ。ところが今や、接客も満足にしない超サボり魔になっていた!!「俺には俺の役目があるんだ」そう言って笑う石動。変貌の理由が気になって、石動の世話を焼く弓川だけど…!?

表題作カラッポの卵

新たに配属されたフロアチーフ・石動克巳(25)
デパートの紳士用品フロアチーフ・弓川一意(25)

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レビュー投稿数3

違和感の正体。

高校時代の、学校違いの同級生のお話。
大きな事件が起こるわけでも無く、緩やかに話が進んでいきます。
とにかく受けが男前!
高1で出逢ってから、25歳になるまで無自覚ながらも攻めを思い続け、好きで好きで堪らないのに、だからこそ、攻めを思って別れを切り出したりと、とにかく真っ向勝負!なタイプです。
と思いきや、性的なことには疎くて、天然発言しまくったりと、そのギャップが何ともww
一方の攻めは、これがまた掴み所のないキャラクターで、優等生を絵に書いたような言動を見せるものの、どこか違和感が拭いきれない。
複雑な家庭環境故のその矛盾が、ストーリーのキーポイントとなり、終盤、受けからの別れ話へと発展しますが、結果的にそのことがきっかけとなって、お互いの本心を理解し合えてハッピーエンドに。
まぁ、最初から攻めにとっても、受けは特別な存在だったようですが。
(読み終わった後に見返すと、あぁ、と納得)
しっとりと、静かにストーリーを楽しみたい方向けの作品だと思います。

0

本当の気持ち。

 静かで、優しい話だったと思います。

 高校時代憧れていた人が、同僚として異動してきた……
 でも、その同僚は当時が別人のようにサボり魔になってしまっていて。
 理由を尋ねると、「俺には俺の役目があるから」と。

 どうやら、石動にはそうせざるを得ない理由があるようで……

 というような話。



<ここから先、ややネタバレ含みます>

 石動がサボっていたのは「他人に望まれる通りに動く」という、彼の信念……じゃないや、考えがあったから、で。
 そういう風に考えるのは、彼なりに理由があったから、なんですが(この辺りは省略)。

 当初は、そう考えて動いてるんだ、と弓川は気付かなくて。
 一度は付き合い始めるんですが、彼の行動原理がそれだと気づいて、自分が望むから付き合ってくれてるんだ、と思って、別れちゃうんですよね。

 なんていうか、そのくだりがとても胸が痛くて、よかったと思いました。
 そこで「しょうがないや」って思っちゃうのは簡単だし、傍にいてあげればいいかって思うのも簡単だけど、そうしなかった弓川がすごい、と思いました。

 そ続きこで自分が傍にいて! って思ってしまうのは簡単だけど、そうしなかった弓川の決断が好きだったなー……って。

 まぁ、それで現実が、全部うまくいくとは、思ってないんですけど……
 物語としては、とてもよかったです。個人的には好きです。

 この胸の中にある気持ちを、うまく言葉にできませんが……。

0

優秀になりきれてしまった弟の悲哀

目標をなくしてしまった男が、自分の望みが出来るようになるまで。
「キープハート」は優秀な兄を亡くした弟(受け)が、家族からスポイルされて自分では何も出来ないダメな子に落とされますが、「カラッポの卵」では、亡くした兄のように優秀になることが出来てしまった弟(攻め)が出てきます。

フロアチーフ・石動克巳(25)マイペース攻め×フロアチーフ・弓川一意(25)元気素直強気受け
弓川が高校生の時に、剣道の大会で会ったことのある石動のことがずっと気になっていた。
会いたいと言ったのに1年に1回しか会えず、剣道の役目は一番になることと言って、あっさり辞めると告げられる。
職場で再会した石動はなぜかサボりの常連で、気になった弓川は注意せずにはいられない。
ようやく真面目になっても、どこか彼の姿に違和感があって。

両思いになったのにどうして不安がちらつくのだろうと、弓川の心情に共感して、ハラハラさせられます。
それは石動の気持ちが見えないからで、優しければ優しい程、怖いと感じました。
家族というのは、時に残酷なことをします。
「千歳」という娘が石動にいると聞かされて弓川は恋続きを自覚しますが、その子は石動の年の離れた妹なんですが、その名前に訳があります。
高校の時は生徒会長を務めて、全国大会では剣道で優勝し、優秀な大学に入る予定だったのに、事故で亡くなってしまった石動の優秀な兄の名前が「千歳」なのです。
両親が立ち直るまでは、彼らの望む通りにしてあげるって言う気持ちの元に、バスケ部から剣道部に移って優勝して、兄が国立大に推薦が決まっていたから、その大学に推薦を決めた。
能力があっても、なくても、亡くなった人の代わりと言うのは悲しかったです。
石動のことを誰も見ていない。石動の存在を求めていないので。
「千歳」が生まれたことで、ようやく少し罪深さに気づいた両親から人生を楽しめと言われて、見放されます。
ずっと望むままに生きていたから、自分がなにをすればいいのかがわからなくなってしまう。
弓川の告白を受けて恋人になったのも、望むままに恋人のように振るまえば弓川が喜んでくれるから。
実がないままに、そんなことをされても虚しくなるだけなのに。
どちらの立場も、切ないし、悲しい。

だから、石動は自分が願えば全部その通りにしてくれるから、虚しくなった弓川が一度気持ちを諦めてしまったのも理解出来ました。
自分を無くして生きようと思っていた石動の実の部分を見つけたのは、弓川で。
最初から最後までハラハラさせられましたが、石動の最後の頑張りがよかったです。

エロ:★2 普通
総合:★3 安心出来るような後日談があれば、もっとよかったです。

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