• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作失恋のあと、恋は始まる

建築デザイナー・井岡繁臣
大学生・葉山芳和

その他の収録作品

  • 恋は続くよ、どこまでも

あらすじ

大学生の葉山芳和は、叔父の葬式で会った井岡のことが忘れられないでいた。井岡はかつて叔父の恋人だったのだ。後日井岡に誘われて会ううちに、芳和は惹かれて行く心をとめられず…。(ill.雪舟薫) 

作品情報

作品名
失恋のあと、恋は始まる
著者
義月粧子 
イラスト
雪舟薫 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
失恋のあと、恋は始まる
発売日
ISBN
9784344802667
3

(13)

(2)

萌々

(1)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
5
得点
36
評価数
13
平均
3 / 5
神率
15.4%

レビュー投稿数5

すごい受けだ

面白かったです。
ぐいぐい読みました。
雪舟薫さんのイラスト、大好きです。私は小説を読むとき、イラストはあまり気にしないタイプなんだけど、雪舟薫さんのイラストは常に見とれてしまう。

年の差カップルものです。攻めが年上で受けが年下。
主人公は受けのほうです。
慕っていた叔父の葬式で、かつて叔父の恋人であった男と出会い、一目惚れに近い感情を持つ。

BLには珍しいタイプの受けでした。
とにかく浮気者なのだ。しかも攻め公認の。頭がよくてスレている。
浮気についての罪悪感は皆無だから、いっそすがすがしかったです。
個人的には、いつもの義月さんの書かれる受けのほうが好きですが、こういう受けも好きです。
受けが攻めを思う気持ちそのものは、一途で真っ直ぐです。
あまりにも一途で真っ直ぐに好きだから、気持ちをコントロールするために浮気をしてるんだろうなと思いました。若さゆえかなぁ。そしてそんな受けを、攻めはちゃんと理解しているんだろうなと思いました。

気になったのは文体でした。
義月さんの小説のデフォともいえるんだけど、視点が定まってないのだ。受け視点から攻め視点、神(作者)の視点、脇役の視点、とにかくころころ変わる。段落ごとに変わり、一文の中ですら変わったりもする。これ、本来はダメな文章なんだよね。
いつもは気になりつつも無視できるんだけど、この作品ではなぜかずっと気になりっぱなしでした。

4

葉山の恋人が明らかに!

義月粧子さんの作品にしては非常に珍しいパターンで、攻めに誠意がある話です!
リンク作があって『恋はこれから始まる』鉱ちゃん×遠山智文に出ていた親友の葉山が、この話でメインです。ちゃんと2人も出てきて、腐れ縁が続いているのが嬉しかったです。
あとがきによると『ミスリーディング』もリンク作らしいのですが、あらすじを見る限りでは繋がりがつかめなかったです。
受け攻め交替の匂いがあるのと、葉山が受け攻めどちらもいけるので、苦手な方はご注意。

建築デザイナー・井岡繁臣 仕事中毒抱擁大人攻め×大学生・葉山芳和 クール誘い受け
誰にも夢中になったことのない葉山は、叔父の葬式で井岡を見かけて惹かれるものがあった。
一人で泣こうとして叔父の家の離れで泣いていると、叔父の名前を言われてキスをされて。
まだ井岡が叔父を好きなことがわかったのと同時に、自分が恋をしていることに気付いて失恋を自覚する。
井岡に会う為にロンドンに行くと、妻に会って欲しいと言われて。

二人の間には亡くなった叔父が依然として存在していて、それがストッパーにもなっていて、また障害でもある。
葉山が女遊びもするし、男とも軽く遊ぶというさばさばしたキャラなのもあって、受けという既存のイメージとはまるで違います。受けでも男前で、カッコイイタイプです。
恋に夢中にならないようにブレーキをかけているからか意外に冷静で、受け攻めともどちらも大人な印象です。
ただ、いままでと違うのが攻めの誠意と真面目な所です!
奥さんとは愛情が介在しているものではなく便利だから契約で結婚していたのですが、葉山という存在が出来たこともあって、誠意の為に離婚をする。
感心というか、感動しました。
大事な人を、愛人、不倫の仲にはしないという気の使い方が好きでした。

叔父が心の中にいてもいいから抱けよと誘う葉山には、痺れました。
攻めの方が少しヘタレが入っていて、叔父の事を不用意に言って葉山を怒らせたり、悲しませたりと、頼りがいがもう少し欲しかった気がします。
へこんでもただでは起きないみたいな葉山の智へのちょっかいは、番外でちょっと美味しかったです♪

エロ:★3 受けが積極的、普通
総合:★4 誘い受け属性やリバになりそうでも平気であれば、もっと楽しめたかも。

3

テンプレとはちと違う年の差カップル

芳和[受]の叔父のお葬式で当時高校生だった彼と井岡[攻]は出会うのですが、叔父を愛していた井岡は芳和に彼の面影を見て衝動的に口付けてしまいます。
井岡はロンドンを拠点とする有名建築デザイナーで有名女優と結婚している所謂セレブで年上で、芳和は普通の家庭で育った学生。
ですが芳和が互いの立場の違いに引け目を感じたり怖じ気づいたりはせず、頭も良くある意味大人びて井岡に恋をしているという自覚はあってもそれに流されたりはせず己のプライドを突き通し、またそのプライドが子供じみているものだというのもしっかり理解しています。
彼等二人の関係は芳和が大学生になっても続くのですが、その間も他人から愛される事に慣れている芳和は女遊びも適度にこなし、離婚した井岡の妻とは友人として仲良くなります。
相手が女優であっても浮ついたりはしないし、井岡の暮らしぶりや生活にも物怖じもしない。
全く冷めているのではないのですが年下受としては凄くしっかりしてます。
彼等2人が出会う切っ掛けになった叔父の存在は最後まで彼等の間にあり続けます。
叔父の存在もひっくるめて井岡と芳和は一緒に暮らして行くのです。
あとがきで義月さんが書かれている通り、イギリス観光案内とF1レポっぽいくだりもあるのですが、芳和が車好きという設定のせいかそれ程浮いてはいませんでした。
ひと味違う年下カプ話でした。

1

なんとなく好き

わりとBL的なご都合主義も多いんですが、なんとなく読まされてしまうし、なんとなく好きな一冊。受も攻も、どっちもダメなところがあって、それが妙にリアリティを感じさせて、楽しく読めるのかもしれません。

人に勧められるか、というと難しいですが、わたしは好きです。

0

浮気公認なカップルが苦手ならおすすめできないかもしれません

建築デザイナーと学生の歳の差ラブストーリーです。
主人公の芳和は容姿や頭の回転がよく、やや達観した考え方をする子供です。
大好きだった叔父の葬式で、かつて叔父の恋人だったという繁臣に一目惚れ。互いに感心を寄せて付き合いが始まります。

芳和の中には常に、自分は叔父の代わりではないかとの不安があります。
それに加えて、ロンドンで過ごす繁臣とは滅多に合えず、もやもやが広がるものの、プライドが高くて大人びた性格をしているために我がままも言い出せず、すごく好き!もっと会いたい!なんて思っても言い出すことはできず・・・。
素直でなくて、その時間を女の子と遊んだり…と私は芳和のあまりにプライドが高いというか、子供なのに子供っぽいとこをを見せまいとするところは若干苦手でした。
頭がいいのも考えすぎというか、子供扱いされるのが嫌だというけど、やはり自分が恥と思えるところが登場人物としては実は魅力的に見えるものだと思うので。なかなか扱いの難しそうな子だなぁという感想を持ちました。
繁臣が、芳和が女の子と遊ぶなど浮気を許してるのも気になります。
束縛は頂けないし離れて暮らしているから寂しさもあるだろうけど、読み手としては受けが攻め以外の人とHしてるとやっぱりう~ん、となるというか^^;

それでも前半は歳の差好きということもあってそこそこ楽しめたのですが、後半がどうも…。結局評価は中立にしました。
死んでしまった叔父という人間がいて、繋がった二人。
この設定がよかったので、ドラマチックなラストに向かっていけばよかったのですが、どうも個人的にらラストがぱっとしない印象を受けました。

亡くなった叔父が繁臣を愛していたという手紙が遺品から出てきて、涙する繁臣に「叔父と俺とどっちが好き?」と不安にかられて芳和は聞きます。本当はずっと聞きたかったんですよね。
しかし、繁臣はあっさり「聖隆(叔父)に決まってるだろ」と言います。
それはあんまりではないですか?^^;
しかも、芳和が自分宛の手紙をずっと隠していたんじゃないかと疑い、あげくに芳和を平手打ちをして「出ていけ!」って…。
同級生ものならともかく、30代の大人が10代の子供にとる行動じゃない気がして、いっきに攻めの株が下がってしまいました…。

死んだ人には勝てないと言いますが、いくらなんでも。しかし、そういえば義月さんは酷い攻め、傲慢な攻めを書かれることが多かったかも。
次の日には繁臣は「お前が1番大事」だと言って謝ってくれますが、芳和は「昨日言ってたことと違う!」と怒ります。
確かに、昨日言ってたことと違うっ^^;もうこの人の何を信じていいのやら。
結局ハッピーエンドなのですが、このへんのフォローもどうも上手くないなあ~と思いました。

結果的に攻めが随分情けないキャラに見えてしまいまして、その後入っていたおまけも楽しめませんでした。
しかし芳和を慰めてくれた友人のカップリングがよくて、そちらに興味を持ちました。
その2人がメインの本が出ているみたいなので、そちらを読んでみたいと思います。

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP