背徳のマリア 上

背徳のマリア 上
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神2
  • 萌×20
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
1
得点
13
評価数
3件
平均
4.3 / 5
神率
66.7%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
マガジン・マガジン(ジュネット~JUNET~)
シリーズ
ピアスノベルズ(小説・マガジン・マガジン)
発売日
価格
¥819(税抜)  ¥885(税込)
ISBN
9784914967376

あらすじ

幸福の絶頂であるはずの結婚披露宴から失踪し、海に身を投げて突然の自殺を遂げた美貌の医師・佐伯彰。何も告げずに死を選んだ親友を思い、一年もの間苦悩し続けていた早坂は、彰が死んだ海辺で彼そっくりの女『あきら』と出会う。言葉を語らず、無邪気に早坂を慕ってくる彼女をやがて愛するようになった早坂だが、そこに彰の面影を追っていることに気づいた時、明かされた真実とは──。筆者入魂の長編が上下巻で登場! 愛する男に愛されたいがために自らの存在をも放棄した男、実の弟に妄執を抱き、禁忌の愛を選んだ男……迷走する彼らの運命を握った小さな命の行く末は!? 綺月陣、幻のデビュー作が大幅改稿でここに完全再生!!

表題作背徳のマリア 上

同期の外科医 早坂圭介 /医師 黒崎結城
大学病院長の息子で外科医 佐伯彰/高校生 黒崎和己

その他の収録作品

  • 人魚の声が聞こえる
  • 体温は証明する
  • 背徳のマリア(前編)

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レビュー投稿数1

異色の衝撃的問題作

この作品は綺月陣さんの実質のデビュー作品です。
当時の綺月さんの作品は、Juneの路線であるにも関わらず、その中でも異彩を放った設定のものが何作かあるのだが、その中でもこれは”性差”というものについて、深く考えさせられる作品だと思います。

『背徳のマリア』の題名がついていますが、ある大学病院の医師5人を巡る各ストーリーからこの題材を構成しています。

そのきっかけとなる最初の話が、大学病院長の息子・彰が自分の結婚式の披露宴の最中失踪し、2か月後に死体で発見された事に始まるのです。
彰と無二の親友であった同じ外科医の圭介が、彰と共同で購入した海辺の別荘に滞在していると、彰に良く似た女性が現れ、衝動のまま身体を重ねるのです。
声を発することのできない彼女を「あきら」と名付け、本能のままに欲情をぶつける一週間。
そこへ同じ同期の安藤がやってきて、”人魚姫の童話のハッピーエンドを作れ”と言っていくのだが・・・
ここで語りつくせないほどの、深い意味を持った複雑な深層心理が働いています。
男同士であるがゆえに、親友でなくなってしまうことを恐れるあまり、とった彰の行動。
女な続きら圭介に愛されると、そんな単純な動機ではないのです。
確かに、彰は圭介から披露宴のスピーチで、「彰が女性だったら、嫁にしていた」との言葉を引き出させましたが、それは彰の決意を翻すものだったのです。
女の彰を愛しても、それは男の彰ではないからです。
彰は、男の彰を圭介に愛して欲しかった。
しかし、何故身体を造り変えてまで圭介のものになる必要があったのか。
真実を知る安藤。
それは余りに衝撃的で、絶望的で、しがらみを持つ彰を捨てるには、その方法しかなかったのです。
女性の身体を持ちながらも、男としての彰を愛する方法はヴァギナではなく後肛を使う性交をすることで、男としてのセックスになりうるという、不思議な関係と身体。

そして『背徳のマリア』でまた一つの歪んだ男同士の愛の形を本当の形で残そうとする狂気の世界が展開するのです。
それは、両親を失くし、唯一の肉親である弟を失くしたくないと、異常な執着を示す医師・黒崎結城と、兄に絶対的な信頼を寄せる弟の和己。
禁忌に禁忌を重ねる二重の罪が展開されることになります。

この題名の”マリア”は、処女でありながら子を生した聖母マリアをイメージしてください。
もう、この話の設定自体でBLの枠から大きくはみ出ているかもしれません。
しかし、ゲイの彼等の抱える 異性との恋愛・結婚という形との違い を考えた時にぶち当たる壁と障害を、リアルに女性の立場からえぐったテーマであると思うのです。

7

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