背徳のマリア 下

背徳のマリア 下
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神2
  • 萌×20
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
1
得点
13
評価数
3件
平均
4.3 / 5
神率
66.7%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
マガジン・マガジン(ジュネット~JUNET~)
シリーズ
ピアスノベルズ(小説・マガジン・マガジン)
発売日
価格
¥819(税抜)  ¥885(税込)
ISBN
9784914967383

あらすじ

幸福の絶頂であるはずの結婚披露宴から失踪し、海に身を投げて突然の自殺を遂げた美貌の医師・佐伯彰。何も告げずに死を選んだ親友を思い、一年もの間苦悩し続けていた早坂は、彰が死んだ海辺で彼そっくりの女『あきら』と出会う。言葉を語らず、無邪気に早坂を慕ってくる彼女をやがて愛するようになった早坂だが、そこに彰の面影を追っていることに気づいた時、明かされた真実とは──。筆者入魂の長編が上下巻で登場! 愛する男に愛されたいがために自らの存在をも放棄した男、実の弟に妄執を抱き、禁忌の愛を選んだ男……迷走する彼らの運命を握った小さな命の行く末は!? 綺月陣、幻のデビュー作が大幅改稿でここに完全再生!!

表題作背徳のマリア 下

医師 黒崎結城/外科医 早坂圭介
実の弟 黒崎和己/外科医 佐伯彰

その他の収録作品

  • 背徳のマリア(後編)
  • 背徳のマリア~Mary Magdalene~

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レビュー投稿数1

愛するが故に狂っていく男達

上巻だけでも、衝撃的な展開を見せてくれたのに、それでもまだ足りないというのか、これでもか、これでもか、と追い打ちを掛けてくる下巻。
読むたびに違う感想が頭に生まれ、時に怒り、時に泣き、時に絶望し、どうしてそこまで、それにこだわらなくてはならないのか!?
狂ってしまった者達は、そこに幸せな自分の世界があるのだ。
現実に取り残された者達の苦悩は、それでも狂った彼等によって浄化されてしまったのだと、そんな結末が悲しいのか幸せなのか・・・

『背徳のマリア』で、弟・和己の身体に兄である自分との受精卵を埋め込んだ結城。
そうした事で初めて結城は勃起し、和己と本当のセックスをすることができる。
もう、和己の身体に子を宿そうとする時点で、結城の愛は狂ってしまっていたのだ。
愛し合う兄弟ではあるが、その愛情の対象に嫉妬してしまう和己が、自らの腹を切り開くすさまじいシーンは、後の彰の姿と(彼は和己とは逆であるが)重なってくるのである。
この兄弟にも安藤が深くかかわってくる。
どんな傷も見事に修復してしまう天才的な手を持つ為に、こうした二組の禁忌に立ち会う立場になってしまった安藤は、こ続きの話の重要な役割を担っているのだ。

大学病院から逃げてきた圭介・彰、そして黒崎兄弟の件で追放された安藤、の3人が北海道の富良野に診療所を開き、働いている。
彰は外見は女なので、夫婦として世間に認められているのだ。
そこへ起きる、不良による彰の強姦事件。
しかし、彰の真は男であるから、ヴァギナが犯されても何とも思わず、むしろ肛腔の貞操を守れたことを喜ぶ。
上巻で、子宮外妊娠で流産した女子の胎児の組織。
安藤に託された黒崎の受精卵。
それが、彰の手元に渡った時に何が起きるのか!?
どうしてそこまで形にこだわった、存在する、目に見える形の絆が欲しいのだろうか?
でも、ひょっとしたらそれは愛する者をもつものの、奥底の本当の欲望かもしれない・・・

圭介の存在があまりに薄く、彰が執着する部分というのがはっきり見えてこず、むしろ彰と一緒になってからは達観した何もかも受け入れる神様のような人で存在してるが、
その分、狂った黒崎や彰の汚いところ全てを見て助けてきた安藤が、脇役ながら、その存在はとても重要な役割を担っている。
彼は決してBL向きの美丈夫な外見ではなく、背は低く、無骨で性格も粗野である。
密かに彰に惹かれ、見守り助けた彼が一番、まともな人間な存在であり、この話の救いであったと思う。

性器を切り取り、ヴィギナを造り、骨も削り、胸を造り、全身を女に作り替えた彰が最後、不完全ながら男に戻る・・・女でいた彼は幸せではなかった、ただ、”愛”を形で欲しかったのだ。
たとえ歪んだ選択だったとしても、それは黒崎も同じだったのだろう。

何度目かの結末を読んだ時、流れた涙は一体自分にはどんな涙だったんだろう?

8

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