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表題作別れのない国

花菱社長・大庭雄偉(29)
秘書兼社長の愛人・風間俊(22)

あらすじ

大学4年生の風間駿は、老舗の時計を扱う会社「花菱」に採用が決定した。
駿は嬉しい反面、若き社長・大庭雄偉のことが気になってしかたがない。
そんな中、母親との折り合いが悪く家出をした駿は大庭を頼ってしまう。
その代償として愛人契約を結び、秘書として働くように言われたのだが、なぜそれが嫌ではなくて―!?大庭に抱きしめられた駿は、時計の音が頭に鳴り響いたような気がしたのだが、しだいに巧みなキスと愛撫に翻弄されてゆくのだった…。
記憶の謎が愛を深めていく―シークレット・ラヴ。

作品情報

作品名
別れのない国
著者
剛しいら 
イラスト
柏木ヒロヒサ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
発売日
ISBN
9784883029099
2.7

(4)

(0)

萌々

(1)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
10
評価数
4
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

展開が読めるのに面白い

若き会社社長×記憶喪失の大学生の話です。
丸ごと1冊表題作で、終始、駿(受け)の目線で語られます。

駿は事故に遭って中学3年以前の記憶がない。そんな中、雑誌で見た大庭に一目惚れして、大庭の会社「花菱」の就職試験を受ける。大庭の秘書として採用されるが、家族に猛反対され、家を飛び出してしまう。そこで駿は大庭を頼り…。

駿の記憶喪失に、大庭が絡んでいることは、早い段階で予想がつきます。しかし、嫉妬、大庭の仕事、現秘書である水木の妨害という展開もあり、飽きずに読み進められます。

駿がぐるぐる考え込むタイプではなく、なんだか思い出せそうだというくらいの流れに任せた感じが私に合っていたと思います。ちょっと大人すぎると思わなくもないですが、感情的に行動するタイプより好感が持てました。

「別れのない国」が時計のことというのも、大庭の仕事と絡んでいて良かったと思います。大庭が水木を黙らせたラストの言葉も、大庭がやり手の社長だと感じられました。

大庭はちょっと意地悪ですが、酷い男というほどではなく、男前です。
冷静に考えると、社員に責任を持たなきゃと言いつつ中学生に手を出すのってどうなのよ、とも思うのですが、読んでいたら流れるように受け入れられました。

設定や展開じゃなくて筆力で読ませる作品だと感じました。ドラマティックというより淡々とした印象の作品ですが、私は好きです。

3

別れてもまた会える

神でもいいかも。
ただし個人的にしいら作品好きのひいき目アリなので萌えにしておきました。
しいら先生の作品中では中の上くらいの出来です。

かなり始めのほうでこの話がまさかの○×▲□モノだった時には驚き。そんなことあらすじには何も書いてないし。あシークレットってそういうこと!?みたいな

おそらく読む前に、予備知識が無いほうが楽しめる作品です。
あらすじに肝心なことを書かなかった編集者の作意が見える(笑)
今まで読んだこの手のジャンルの作品中ではベスト1か2と言っても良かったかな。

話の展開がだいたい予想できていても飽きない展開がよかったです。
時計や時間に関する人生論が、新しい解釈で話に盛り込まれつい感心してしまったのには、さすがという思い。
また二人の関係に周囲の風あたりが強い点が、何もかもハッピーエンド志向の強いBL書籍の中にあってたまにはこういうのもアリかなと思いました。
社長権限でいきなり新人を秘書にするのは、社会人としてどうかと思うけど~vそりゃ反対もされますって恋に驀進中の二人です。

しかし互いにもう子供でもないので、親や周りが何言ってもひきはがすのは無理でしょう。世間や周囲の荒波にもまれても、乗り越えて行けそうな気概を主人公が持っていたので○

古めかしい荘厳な雰囲気と俗っぽい現在、若木のようなみずみずしい感じもしてなんとも言い難い美しい印象のあるストーリーです。

それなのに・・・自分
大人での年の差と子供の時の年の差って開きが同じでも違うよな・・・てなところで結構萌えていましたw





2

雰囲気は美しめ

子供の頃の記憶がない俊は、初めて会うはずの大庭にどこか懐かしさを感じて、大庭からも気に入られて新入社員なのに秘書扱いで、愛人として屋敷に住むことに。
俊の記憶の謎が気になって読んでみたのですが、最終的に理由が判明すると、美しく言葉を飾っているだけで、雰囲気だけという感を受けました。

二十二歳と中学生の十五歳の時の美しい思い出と称されていますが……、美しくないというか、やってはいけなかったような気がしました。
二人の思いよりも、両親が過保護になって、ついつい拘束してしまう理由の方がよくわかりました。
総じて、二人共に出来上がりきった恋人として身勝手であるという思いから、この話では萌えませんでした。

0

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