バロック・パール

baroque pearl

バロック・パール
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神1
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
13
評価数
3件
平均
4.3 / 5
神率
33.3%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
リンクスロマンス(小説・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥855(税抜)  ¥923(税込)
ISBN
9784344803244

あらすじ

前回の事件の後処理のために船内の点検をしていたカイは、思わぬ事故に遭う。三四郎たちが見守るなか、目覚めた彼は記憶退行を起こしていた。そして13歳のカイイシスが現れた!禁欲的なカイと違い、天真爛漫なエピキュリアンであるイシスに三四郎は…。「青の軌跡」シリーズ第6弾。新装版。(ill.沖麻実也)

表題作バロック・パール

単純で直情型な武官/三四郎・マキノ
プライド高く類稀な美貌の文官/カイ 

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レビュー投稿数2

カイの心の中から現れ出たものは?

青の軌跡4作目。(6冊目。)
船内の事故で意識を失ったカイは、目覚めると13歳の頃に記憶が退行していた。

鉄の鎧を纏ったカイの頑さの背景にある過去については、
どこかでストーリーに大きく関わってくるだろうと思っていたが、
こういう形でクルーと読者の前に過去そのものがお目見えするとは!

奔放に性を楽しみ、感情を自由に迸らせる月人そのものイシス、=かつてのカイ。
それは堅苦しく制服を着込み、必要以上にストイックでクールな今のカイの対極の姿だった。
イシスというのは、翼を持った永遠の処女、古代エジプトの豊穣の女神の名だが、
彼の母は、何を思ってこの名を息子に与えたのだろうか。
そして、どのような経過でイシスはカイにならざるを得なかったのだろうか。

治療してカイを元に戻そうとする凱と、自己憎悪に苦しむカイを知る故に
イシスとして生きる方がカイにとっていいと言う三四郎。
自身がなくなることを恐れ、「カイ」に還ることを断固拒否するイシス。
そして、最後にイシスの選択した道は…

イシスの中にカイはいないが、カイの中にイシスはいる。そしてイシスはカイになる。続き
なるほど。

イシスというキャラクターに振り回される今回のジューヌ=ベルヌ号。
今回は事件らしい事件はなく、カイの心の問題に焦点が当たっている。
とりあえずイシスは再び隠れ、カイが目覚めて船には日常が戻る。
しかし、この記憶退行事件をクルー一丸になって隠すことに決めたことは
次の波紋を引き起こすきっかけになるのは間違いない。

そして、ラスト。
「俺はあんたに飢えていたんだ」と、互いが溶けてしまうような激しい抱擁と、
カイが何故あの時に飛んだのか?の理由、
覚エテイテ、と消えたイシス、
切ないという感情を生まれて初めて自分のものとして感じる三四郎が、切ない。

1

わたしが抱えているもの、あなたが抱えていくもの。

シリーズ6冊目です。

前回の事件の後始末の徹底として、艦内の点検を行っていた三四郎とカイ。
無重力状態での作業から重力のある世界へと戻す際、その作用を理解しきっているはずのカイが飛んだ。
重力が戻り、大きく地面に叩きつけられることになったカイ。
そして、目覚めたカイはカイではなく…。

倒れて目覚めたカイは13歳の「イシス」で。
イシスはカイとはまるで正反対のように世間的に言われている「月人」としての特性を自分の魅力としてよく理解し、それを楽しみ奔放に生きている少年。
それはカイが最も嫌う自分の過去でもあって。
どうにかイシスをカイに戻そうとするクルーたち。
カイとイシスの違いを感じるクルーたちと、根は同じようにしか思えない三四郎。
三四郎がイシスと接して、イシスの奔放さに好感を持ちながらも、常にカイのことを想っているようなところがとても印象的でした。
イシスがカイにならないために。
それはカイが苦しまないために、とも思えて。
カイが抱える深い闇がカイ自身を内側から破壊しようとするのを危惧しているようにも見えて。
誰よりも、カイとイシスを想っているよう続きにも見えて。
目の前にあるものを受け止め、在りのままを赦すような。
三四郎が抱えた大きな「イシス」という名の秘密。
それはクルーたちも共犯の罪となるのですが。
この事実がカイの前に露呈した時のことを思うとまたどんなふうに物語が動くのかと気になるところ。
今はまだ何も知らないままでいいと足りなかった部分を無理にでも埋めていくようなやりかたで抱く三四郎。
その普段とは違うやりように戸惑いながらも自分もまた飢えていたことを知り、求め。
この先、2人がどうなっていくのか続きが気になりますね。

1

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