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表題作かげろうの森

父の名で贋作を描き続けていた画家
その絵に魅せられ恋焦がれた大学生

その他の収録作品

  • ビター・スイート
  • かげろうの街へ。
  • 愁さんというひと。

あらすじ

掛軸「落鳥」に魅せられた実紀は、作者である北川陽瑚の個展に訪れる。そこで憧れの北川と出会うが、突如態度を豹変させた彼に襲われてしまい…!? 北川の激しい想いに隠された真実とは!?エロティックラブストーリー!

作品情報

作品名
かげろうの森
著者
日下孝秋 
媒体
漫画(コミック)
出版社
コアマガジン
レーベル
drapコミックス
発売日
ISBN
9784877346607
2.2

(5)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
8
評価数
5
平均
2.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

呪いの掛軸?

唐突で強引で無茶で無理。
え、それってアリですか?
ラストはもちろんラブラブなんだけども・・・なんだかえらい力技だなあという印象が拭えない作品だった。

中学生の時に画家・北川陽瑚の「落鳥」という掛軸に出会い、その絵に魅せられ続けていた大学生の葛西実紀。
そして父の代わりに贋作を描き続けることに苦悩していた、若手画家の北川陽瑚。
まず驚いたのがアトリエを訪ねて行った実紀が、いきなり北川から激情のままに強姦されてしまうシーンだった。
しかしこれは物語。
なにか仕掛けがあるはずだから、それに納得出来れば良いわけで。
ところが読めば読むほど「?」という気分になる展開に、ついつい頁を捲る手も速くなった。

本意ではない絵を描き続けることは、芸術家としての誇りを自ら傷つける行為。
しかしそれも自分が選んだ道であり、投げ出すことも出来ず苦しみにもがく北川。
そんな贋作製作に疲れ果てていた彼が、自分を見失わないためにこっそりと描いたのが、掛軸「落鳥」だった。
そして偶然にその作品に出会い、感激した実紀が熱心に綴った手紙・・・これに支えられていた北川なのだが、だからって実物に会った途端にギャー!と怯える実紀に乗っかかっていくなんて、そんなのありなの?!
アーティスティックな性質を突き詰めていったら、こうなるの?
しかもこれだけの目に遭った実紀にしても、北川の苦悩を聞かされるにつれてあっさり懐柔・・・。

思うにこの2人の間には絵に対する強烈な執心しか感じられなくて、相手ではなく絵に恋をしている風にしか見えなかった。
惹かれ合った理由も、その絵を生んでくれた北川だからであり、その絵を愛してくれる実紀だからであって・・・もちろんそれはきっかけであり、偶然の出会いから始まるのが恋であるのは重々承知なんだけども、やはりどうしても絵を取っ払った後に残る互いの気持ちというものには、首を傾げざるを得なかった。
久々に酷評で心苦しいが(笑)、それくらいにいきなり強姦された実紀が、北川の全てを許してしまう心の動きが不明過ぎた。

けれどもお陰で何度も読み返してしまった作品だった。
これはしてやられたりなのか(;´Д`)
もういっそ呪いの掛軸とかだったら、ホラーで片付けられるのに!

2

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